一七七支部の奥にある一室。誰かが見れば風紀委員を、もとい警備員を呼びたくなるような惨状が繰り広げられていた。  
「もう一度、聞いて『差し上げ』ますわ。あなたは何をご存知ですの?」  
言いながら、リモコンのような物をジャグリングの要領で弄ぶ。  
「しら、知らないの。何にも、知らないの!」  
上擦る声、紅潮した顔。まるで犯されている最中のようである。  
「はぁ、強情ですわね。こうして穏便にお聞きしていますのに」  
白井がリモコンを操作すると、拘束された春上の体が跳ねた。  
そして短い呻きを漏らす。  
息を整え、白井に文句をぶつける。  
「どこが、穏便なの!?」  
春上の指摘も当然で既に一時間はなぶられている。  
卵型の玩具を膣に入れられ、答えない、あるいは答えられない度にソレが振動し、春上を責める。  
「無理矢理、心を覗かれるよりはよほど穏便ですの。内容如何によってはわたくしも守秘するつもりですもの」  
春上は僅かに首を振ると白井を睨み付け、下半身から来る感覚に出来るだけ浸らないようにする。  
白井がため息を吐き、一旦放置するべくドアに手をかけた瞬間、春上が呟いた。  
「どこなの?」  
虚ろに繰り返される言葉の後、大きく建物が揺れた。  
「あなた、知らないとは言わせませんわよ」  
意識朦朧としている春上の眼前に卵型の玩具をいくつか突きつける。  
「最終通告ですわ。話さないとおっしゃるなら、わたくしの能力でこれを奥に空間転移させますの。回収は手を使うしかないですから、覚悟して下さいな」  
膜の前のみではなく責めるという事と、例えその後で話しても膜を破らなければ責めが終わる事がない事を告げる。  
春上は何も話さず、結果的に奥へ空間転移した卵型の玩具が振動を始める。  
「はぁ、まだ時間はありますからお付き合いいたしますわ」  
言いながら二つ目を空間転移させる。膣内でぶつかり合い、当たる位置を変え、春上を責める。  
背を反り、短い喘ぎ声がリズムを刻む中、白井は乗り気とは思えない表情で道具を準備し始める。  
低周波治療器、何連にも球体が連なった玩具、スポイトのようなものにブラシと機械の付いた玩具。それから、いくつものパソコン部品。  
「早めに打ち明けて頂きたいものですわね」  
並べられた全てが自分を責めるのだと分かり、春上は叶わないと理解しながらも、ただ願った。  
絆理ちゃん、助けて。と、遠いどこかで今も助けを求めている親友に向けて。  
伝わるはずがない事に半ば感謝しながら。  
 
 

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