残暑も厳しい9月のある日、上条当麻に小包が届いた。
「んー、実家から…か。何だろ?」
がさごそと封を開ける。中身は…
「げっ!素麺!?なんて間の悪い…」
ちなみに上条は少し前にスーパーのパーゲンセールで素麺を大量に購入したばかりである。
「はぁ…今日も今日とて不幸だ…」
げんなりしながら素麺を片付けようとし―
ぱさり、と何かが落ちた。
「お、手紙…と、ヒモ?」
何でヒモなんて入ってるんだろう、と怪訝に思いながらも、とりあえず手紙に目を通す。
そこには商店街の福引で当たったから素麺送るよー、といった意味の文面が記されていた。そして、
「ん、PS?」
PS、夏に母さんに着てもらおうと買ったものの結局着てもらえなかったばかりか
久しぶりにグーで殴られてしまった水着を同封します。
当麻も好きだよな、こうゆうの?男の子だもんな。
友達の女の子にでも着てもらってくれ。 父より
「…………」
あの人は自分のの息子をどういう風に認識してるんだろう?
…………
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「いや、一応水着はもらっとくけどね?」
しょせん思春期の男の子な上条当麻だった。
「しかし、水着なんてそれらしき物はどこにも…あ。」
まさか。
「さっきの…ヒモ、か…?」
床に落ちたままになっていたヒモらしきものを拾い上げて広げてみる。
「ぶっ!?こ、これはマズいだろ!?そら母さんもキレるわ!
そもそも水着と呼べるのかこれっ!?」
そのヒモにしか見えなかった水着…水着?は広げてもやっぱりヒモにしか見えなかった。
幅3pほどの布の輪っかを2つV字に組み合わせただけというバカっぷりで、
百歩譲って乳首は隠せたとしても、主に腰回りが大変なことになってしまうだろう。
「父上、こんなものを着てくれって頼んだ日にはあなたの息子は速攻で
HENTAIの称号を与えられてしまいます…」
ていうか、第一。
頼むって、誰に?
「いや、ジェントルメンな上条さんはそんな女性に羞恥プレイを強いるようなマネは断じてしないんですけどもっ!」
それでも、もし。
もし、頼むとするなら―?
「…知り合いの中だったら」