「あのー、インデックスサン? 何でこんな事になってるんでせうか?」  
 やっぱり不幸だー!とか不幸な事を頭の中で叫びつつ、今の状態に至る経緯が思い出せず上条当麻はそう尋ねた。  
 今の状態…つまり当麻が床に仰向けにされ彼のムスコが同居している少女の中に埋没していると言う現状である。  
「とうまが悪いんだよ…? きのうもきょうも誘惑したのに、全然気付かないとうまが…」  
 破瓜の痛みか涙を流しながら、少女はそう答えた。そして  
「だから、実力行使にでただけなんだよ? んっ…ぁ…!」  
 ゆっくりと、少女は腰を押し付けるように動き始めた。  
 
トボケた台詞が吐けたむしろ奇跡だった。  
 
インデックスの言う「誘惑」とやらは、まぁ、解っていた。  
あれだけベタな誘惑だったのだから。  
 
だからこそ「今の当麻」はその誘惑に乗ることが出来なかったのだ。  
たとえ、「今の当麻」がどれだけ彼女のことを想っていても。  
 
しかし、その事実から目を逸らしていた結果が、  
少女のこの非常に大胆な行動に繋がってしまったというのなら…  
重い罪悪感が当麻を支配する。(当然ムスコは…)  
 
「…んっ…(やっと)…ふぁっ…(とうまと)…んっ……  
 
…ふぅっ……ん、んっ………え? あっ……だ、だめ!だめ!」  
 
痛みをガマンして腰を動かしていたインデックスだが、  
当麻のムスコの状態の変化に気づき、動きが止まる。  
 
「…どう…して? どうしてダメなの?…とうまは…とうまは、わたしじゃダメなの?」  
 
問いかけの言葉ではあったが、中身は独白だ。  
 
ポタ…ポタ…  
 
うつむき、うなだれた少女が流がす涙が当麻の胸に落ちる。  
 
 

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