ラブ条さんの禁断関係 小萌先生と  
 
夕方から夜にさしかかり空の色も黒く染まる時間。  
とあるオンボロアパートの一室は以前とは違う様子を見せていた。  
普段、ボロボロの畳が敷かれた和室はビール缶や吸殻の積もった灰皿が  
放置されて汚れているのが普通だったが、今は片付けられ  
中央にあるちゃぶ台には和風というか居酒屋の献立にありそうな料理が並べられている。  
かぼちゃと豚肉の煮付け、きんぴらごぼう、茹でた枝豆など  
お酒にあいそうな料理を食べているのはツンツンとした髪の毛の少年と  
十二歳ほどに見える少女だ。  
 
「小萌先生美味いですか?」  
「上条ちゃんのご飯はいつもおいしいですよー」  
少年こと上条当麻は、外見はやたらと幼いが先生でクラス担任である月詠小萌の家にて  
夕ご飯を作り、二人で食卓を囲っているのだった。  
見た目は小学生ながらも、高いという意味で年齢不詳の小萌は  
缶ビールをくぴくぴと呑んでいる。  
 
「うう、いつもいつもすみませんねぇ」  
小萌先生は美味しく食べ飲みしながらも病身のお父ちゃん風の台詞を呟くと  
「いやー、いつもってほどじゃないですよ」  
「はぅ、もしや通じてないですか!?」  
定番の返事が返ってこないのに、ガーンとカルチャーギャップ的ショックを受けていた。  
古いネタを振ってみたものの、科学の最先端たる学園都市の学生には  
年齢的な意味で理解しづらかったのだろう。  
それとも別の原因としては  
「もしかして有名な台詞なんですか?」  
記憶喪失になってしまった上条当麻が忘れてしまっていたためか。  
「いえ違います、少し古かったですねー」  
小萌は薮蛇でしたと胸中で呟き、缶ビールを一口飲んだ。  
 
夏休みの始め、病院からの知らせに小萌は酷く驚き狼狽してしまった。  
生徒の記憶喪失などという事態に遭遇したのは初めてであったし  
手のかかる子ほど可愛いとでもいうか、面倒を特に見ていた  
上条の入院にはショックを隠しきれなかった。  
慌てて病院へ向かいベッドで身を起こす上条と出会った時など  
「あれ……先生?うーん、迷子……?」  
などと言われ、思ったよりも元気そうな様子に泣いてしまった。  
 
上条は記憶喪失で友人や家族の思い出などの繋がりを、綺麗さっぱり  
失ってしまったものの、日常生活を送るにはそれほど支障はなかった。  
とはいえ両親との連絡もつかないまま、ほおっておく事はできないと考えた小萌が  
上条の面倒を見るようになったのは自然の成り行きだ。  
上条自身、子供にしか見えない先生というのに戸惑いはあったが  
誰よりも先生らしく見た目よりもずっと大人の小萌を信頼して  
それなりの頻度で小萌先生の家に訪問していたのだった。  
 
だから仕方がなかったのかもしれない。  
「ごちそうさまですー。それじゃ私が洗いますねー」  
食事を終え、食器を持っていこうとする小萌の腕を上条が握り  
百三十五センチしかない幼い身体を抱きしめたのは。  
熱っぽい乞うような瞳で小萌を見つめてしまっているのは  
 
「ダメですよ上条ちゃん。おいたしちゃ」  
なんでもない事のような態度で注意する小萌。  
最後まではいってないものの、このように上条から抱きしめられたのは初めてではない。  
記憶を失い、拠り所もなく、学校も始まってない今  
上条の身近にいるのは小萌先生ともう一人、インデックスと名乗る白い修道女だけ。  
不安でない訳がない。  
だから、これは一種の代償行為と小萌は考えていた。  
上条は身近な大人に不安をぶつけているだけだと。  
 
「先生にこんな事しちゃ、いけないんですよー」  
けれどもそういった行為を続けていいはずがない。  
突き放しなどしたくないし、できないので、優しく説いて身を離そうとするが  
より強く抱きしめられ息が詰まりそうになる。  
「……か、上条ちゃん、苦しいですー…………」  
「小萌先生……」  
抱きしめたまま上条の右手がピンクのエプロンワンピースを滑り、細い足に触れた。  
あっと小萌の口が丸く開かれ吐息が吐かれる。  
上条の手が、太ももの裏側の部分を撫でると小萌の表情がにわかに色を変える。  
一握りにできそうなほど細い内股をゆっくりと指が這うと  
まるでスイッチが入ったかのように小萌の身体がびりりと震えた。  
 
「あ、ダメなんですってばぁ……」  
両手を上条の胸板に当て押し離そうとするが  
ふっくらと丸みのある頬を上向かされて唇を塞がれる。  
「んっ、あ……ん、んむっ……」  
粘着質なくちゅくちゅとした音が結合部から漏れ出して  
ほどなく小萌の手はだらりと力をなくしてしまった。  
「うううー、先生と生徒とでこういうのはいけないんですー……」  
平静を装った仮面は剥がれ落ち、涙目の小萌は抵抗できないようだ。  
上条とこういう関係を望んでいたかと言うとそうではないのだが。  
そんな事はないのに。求めにどうしても抗しきれなかった。  
「ごめん、小萌先生優しいから……甘えてる俺が悪いんだ」  
先生は悪くない、自分のせいなんだと、そう言いながらも行為はやめずに  
柔らかなうなじに手を当てて、またキスをする。  
薄くちっちゃな唇を軽く舐めて、わずかに開いたそこへと舌を侵入させた。  
 
「あっ、んっ……ちゅぅっ、ふぁ……」  
口内を舌がゆるゆると掻き回す。  
上条が歯列にそって歯茎をくすぐるよう舐めとっていくと  
先ほど食べた煮付けの醤油味とアルコールの風味が感じられた。  
同時に以前とは少し違う匂いと味わい。  
「先生、禁煙してる?」  
「ふぁ……だってだって、上条ちゃんが煙草臭いって…………」  
ヘビースモーカーどころではない小萌なのだが  
以前キスをしたというより、された時の言葉が心に残っていた。  
煙草のせいだからと言って"臭い"だなんて言われて平気なはずがない。  
 
「小萌先生可愛いすぎ……」  
薄く上条は微笑み囁いて、額や頬に唇を走らせ啄ばむ。  
「はぅぅ……」  
可愛いと賛辞されるだけなら多分、いや間違いなく同年代女性の誰よりも  
言われ慣れている小萌なのだが、上条に言われると受け流せず顔が真っ赤になってしまう。  
ちゅっちゅっと口付けが続き、暖かく大きな手の平で首筋や髪を撫でられると  
恥ずかしいやら嬉しいやら頭に血が昇り倒れてしまいそうだ。  
 
赤い顔でされるがままの小萌だったが、視界の端で上条がビール缶を  
手にとると流石に意識をそちらにうつした。  
「二十歳にならないと飲んじゃダメです……」  
手を伸ばし上条を制止しようとする。  
「いえ、飲みませんって。飲むのは小萌先生です」  
「えっ……?飲みたいとは言ってないですー?」  
言葉の意味を掴みかねた小萌は小首をかしげる。  
上条は構わずに缶ビールを含むと、胸に届くぐらいしかない小萌へと顔を寄せた。  
 
「ふぇっ……!? ん、んぅ〜……」  
触れる唇から伝わってくる苦味ある味。  
温くなっているはずなのに、体温のせいか不思議なほど冷たく感じてしまい  
普通に飲むよりも何故だか美味しいビールを口移しで飲まされてしまっていた。  
「小萌先生もう一回」  
「あうぅぅ……」  
口に含むだけでもダメと、理性は先生としての論理を訴えるが体験した事のない  
舌触りと味覚への責めで口が回らない。  
また缶を傾け近づく顔を、目をつぶり受け入れてしまっていた。  
 
(駄目なのに……でも、美味しくて気持ちいいですー……)  
何度目かになる上条とのキスは今までのものより刺激的だった。  
舌が伸びてきたら、つい答えてしまっていて舌と舌を絡ませるだけで  
胸の奥が熱くなって、アルコールのせいか頭が火照ってぼやけてしまう。  
「ひっ……ぅん、んんっ……!」  
(吸うのは反則ですー!ビールとかその、色々とダメなんですよー……!)  
舌を吸われて心中で悲鳴を上げる小萌。  
だけど無意識に小萌も舌を伸ばしてしまい、吸われるのを喜んでいたようだ。  
敏感な粘膜の上で涎と一緒にビールを吸い取られる快楽。  
小萌は知らず知らず酒精と快感に酔わされていく。  
 
五回目の交合が終わり上条が離れると、さきほどより小萌の頬は朱に染まって  
唇の端からはわずかにビールが零れ落ち、細い喉を伝っているのがわかった。  
「ふぅ……小萌先生も吸ってください。俺は飲んじゃいけないし」  
突き出される舌には透明な液体が残っていて小萌には堪らなく魅力的に見えてしまう。  
「んっ……しょうがない、ですねー……  
 上条ちゃんはお酒飲んじゃいけませんからー……」  
その呟きはどこか言い訳にも似た響き。  
「ちゅっ、る……ふぁ……れろっ、んっ、じゅじゅ…………」  
幼い造作の表情をとろめかせ、上条の舌を唇で挟みちゅるりと吸う。  
顔の角度を少しずつ変えながら、伸ばした舌の上に乗った混合液を舐めとっていく。  
 
「ひゃぅっん……!」  
吸う最中、片手で覆えそうなちっちゃい尻を両手で揉みしだかれた。  
エプロンワンピースに指が食い込んで、思わず唇を離してしまう。  
「先生、離さないで」  
「んぅ〜〜」  
のしかかってくる上条から、ねじ込まれるように舌を入れられる。  
体重はかけられてないので重くはないが、体格差のため小萌は  
真上を向いているかのような姿勢になってしまう。  
 
ぺたんと女の子座りのまま、上条の腕に包まれている身体は  
ほとんど動かせず窮屈で息苦しくすらあった。  
けれども、その表情は気持ちよさでとろけてしまっていて、幸せそうでいて  
先生なのに生徒に抱きしめられキスをされて悦んでしまっていた。  
「れるっ……んちゅっ……んはぁ……あ、うぅん……」  
口内でちゅぼっと湿った音を響かせ、もう味が残ってないのに  
舌へ吸い付いては、こくりこくりと喉を鳴らし飲み込んでいき  
お尻をふにふにと揉まれると気持ちいいのか、時折喘ぎが混じり漏れていた。  
ようやく、唇が離れると小萌の顔は茹ってそうなほど赤くなって  
涙と涎をとろとろになった水飴のようにこぼしてしまっていた。  
 
「先生、俺のをお願いします」  
「はぁはぁ……上条ちゃんの……?」  
ぼおっとした顔で復唱する小萌の前で上条は立ち上がりズボンごとトランクスを脱いだ。  
「ひゃうぅっ……」  
凶悪なモノが眼前に現れて目をまん丸にして驚く。  
上条にキスされたり、抱きしめられたり触られたりはしたものの  
そういう事自体が初めてで性的な経験が乏しかった。  
だから小萌が実際に男の性器を見たのはこれが初めてだ。  
(なんだかいやらしいですー……)  
だが戸惑いに上塗りされている快楽という塗料は、小萌自身にもわからない興奮を  
もたらしていて、はぁはぁと呼吸を荒くしては上条の匂いが気になるのか  
鼻を小さく鳴らして視線を離せずにいた。  
 
「キスをするみたいにしてください……」  
考えもしなかったことを言われ小萌は驚いて上条を見上げると  
息を荒げている様子は酷く切なそうだ。  
(……上条ちゃんが苦しそうです)  
小萌まで悲しく思ってしまう。  
そんな顔をしてほしくなくて、唇をそっと触れさせた。  
ぅあっと上条が声をあげ、唇からピクンとモノが跳ね上がる。  
「先生、気持ちいいです……」  
喜悦混じりの言葉を聞いて小萌は嬉しそうにまたキスをした。  
 
始めは先端の丸いとこに口付けて、少しずつ頭を動かして  
筋が走る棒の部分へ唇を滑らせていく。  
(凄く熱いんですねー……)  
抱きしめあったりキスした時よりも熱さを感じながら幹に、小さくもぷっくりと  
柔らかそうな唇を押し付け根元のほうへ這わしていって、また亀頭へと戻っていく。  
そうしてちゅっと唇を鳴らしキスをする。  
拙いが、慈しむような奉仕は上条の性感をじっくりと高めていた。  
 
キスを続けていると鈴口の先から液体がじんわりと染み出ているのに気づく。  
「さきっぽを吸ってください」  
唇をわずかに開いて亀の形をしたそこへ唇をくっつけて吸引する。  
「ちゅるっ……んぁ、じゅるるっ……! ふぁっ……ん、んじゅじゅっ……!」  
そうすると小萌の頭に触れていた上条の手がくしゃりと髪を握って  
脚も吸い上げられる度、リズムに乗るかのように強張っていた。  
(上条ちゃん、気持ちいいんですねー……)  
小萌は太腿に当てた手でそれを感じとりながら  
より気持ちよくなってほしいと舌も使い始めた。  
 
「うぁっ、小萌先生……いいです」  
舐めると先走り液が微妙にしょっぱく苦い味だけれど、気持ちよさそうな様子を見ていると  
全然気にならなくて、なおも液が滲み出ている尿道へ舌先を押し付けほじるようにする。  
気持ちいいのか上条が喘ぎピクピクンと肉が暴れてしまい、唇で挟みきれずに  
汁が幾つか小萌の頬へと弾けてしまった。  
「あっ、先生すみません……」  
「大丈夫ですー」  
うっすらと微笑んでいる小萌は普段と違っていて、酷くいやらしかった。  
「その、今度は咥えながらやってくれますか」  
微笑んだまま見上げて頷くと、ちっちゃな口をあーんとできるだけ大きく開けて  
丸みのある先端を少しずつ飲み込んでいった。  
 
「あ、んんっ……」  
舌の上にどっしりと重く乗り掛かってくる肉に小萌は圧迫感を感じる。  
それを唇ではむっと押さえながら、れろれろと舐め回すと  
ビクビクと口内で持ち上がるよう震える。  
「いい、です……そのまま顔を振ってください……!」  
上擦った声をあげる上条がなんだか可愛いくて。その声が聞きたくて。  
舌を擦りつけながら、ゆっくりと前後に顔を振り始めた。  
 
「じゅぶっ……てろっ、んはぁっ……あむっ、じゅぶりっ、ぐじゅじゅっ……!」  
小萌の顔が前後する度、唾液が肉竿に纏わりつき舌で掻き回されて  
ぐじゅぐじゅと濁った音が響く。  
狭隘な口内が上条のモノを包み込んで快感を生み出す。  
(上条ちゃんのがいっぱいで……)  
口内に上条の匂いが広がって、息がしづらくて苦しいのに行為を止められない。止める気にはならない。  
幼い相貌を淫靡にとろめかせて上条へ奉仕し続ける。  
 
もう小萌は言われずとも、自分なりのやり方でフェラチオを続けていて  
つるりとした先端を包むように舌を動かすと舐め心地がよく、なんだか楽しくて  
れろんと穴の所をほじくってあげると先走りが染み出てくるのも好きみたいだ。  
(美味しいというわけではないんですが……なんだか癖になっちゃいそうですー)  
次は少し深く咥えてから、じゅじゅじゅっと吸い上げつつも徐々に顔を引くと  
「んっぶ……ぶじゅっ!ちゅばりゅっ……!んぢゅるっ……!」  
上条が魂でも抜かれているかのように、あっあっと声をあげていて  
気持ちよさそうなのが嬉しい。  
「小萌先生……も、うっ……」  
上条の声に合わせるかのよう、小萌が前後に顔を動かしながら吸うと  
ぐじゅぐじゅっと濁った音が響いて上条の腰が持ち上がる。  
瞬間、小萌の咥内で濁流が爆発した。  
 
「……んんっ!?」  
生臭く苦い味が口中に広がっていく。  
舌の上で、今までよりもずっと強く上条自身が脈動しているのを感じ  
どくっどくっと鼓動のように震えるたび、さらなる量を小萌へと吐き出していく。  
「あ、ふっ……んむっ、こくっ……んぐぐっ……」  
(これが、射精なんですね……)  
小萌は頭に当てられた両手で顔は動かせないし、上条が望んでいる気がして  
粘ついた液をゆっくりと喉を鳴らし嚥下していった。  
上条が五、六秒ほどかけての射精を終えて、腰を引くと  
ずるりと言った感じで白濁と唾液が混じった肉が小萌の唇から抜き出される。  
 
「ん、んぶぅっ……じゅじゅっ……う、はあぁっ……」  
小萌はぐちゃぐちゃになった口の中を懸命に動かし、ごくりと最後までを飲み込んで  
大きく息を吐いた。  
「上条ちゃん、気持ちよかったですか?」  
健気にも涙を流しながらも小萌は微笑む。  
「凄くよかったです」  
上条は返事と共に小萌を抱きしめると、腰に手を宛てて優しく押し倒した。  
「あっ……」  
そうして続きをしようとワンピースをめくろうとした所で  
小萌の両手が胸板に添えられ止められる。  
 
「上条ちゃん、これ以上は本当に駄目なんです」  
小萌は母が子を見るかのような慈愛に満ちた笑みを浮かべながらも、拒絶した。  
それは上条が本気で組み伏せてしまえば、なんともならない儚い抵抗だっただろう。  
しかし動けない。  
見た目は小さく幼くて、喋り方もどこか子供っぽく、わりと泣き虫だったりするが  
あくまでも先生であろうとする小萌の視線に気圧されてしまったかのように。  
「我慢できますか?」  
しばし無言の時が流れて、こくりと上条が頷くと  
「上条ちゃんはいい子ですねー」  
よしよしと頭を撫でられてしまった。  
 
「今日は疲れましたー先にお風呂いくですー」  
小萌が食事を終え、上条に抱きしめられてからは一、二時間ほども経っていて  
疲れてしまうのも仕方がない。  
小萌が口をゆすいだりトイレに行ったり着替えを用意したりと準備をしているあいだ  
ズボンを履いた上条は手持ち無沙汰そうに立っていて  
先ほどの事もあったためか居心地が悪そうだ。  
「上条ちゃんも銭湯行きますか?」  
「俺はその、帰らないと……」  
「じゃ、途中まで一緒に行きましょうかー」  
 
二人が街頭に照らされている道を歩いている所、上条がぽつりと話しかける。  
「小萌先生ゴメン。俺甘えすぎてた」  
「いえいえ、上条ちゃんがさびしくて、苦しんでいるのはしょうがないですー」  
小萌が見上げると、上条は申し訳なさそうに下を向いていて  
心なしかツンツンの髪も力なく毛先が落ちているように見える。  
だからという訳でもないのだろうが  
「あまり落ち込んじゃダメですー ええと、その、先生が力になりますから。  
 せ、せっくすは先生だからダメですけど  
 それ以外で上条ちゃんがさみしくなったんなら……」  
またさっきみたいに、慰めてあげます  
と、もじもじ恥ずかしそうにしながらも小萌は元気付けた。  
 
「先生……」  
上条が想いを伝えるかのように小萌の手を両の手で包む。  
「それ以外ならいいんですかッ!」  
そうして放った言葉はやたらと力強く熱意が篭って、瞳は燃え上がり妙に興奮している。  
「ふぇっ?」  
「先生にお願いしたい事があるんです」  
髪もなんだかツンツン度が増して元気になっておりとても嬉しそう。  
(あれーです。なにか予想した展開と違うような……  
 っていうか上条ちゃん、とってもキャッシュすぎますよー)  
意図通りともいえるが腰が引けてしまう小萌へと、ずいずい上条が詰め寄ってくる。  
早まったかなとも思うけれど、上条が元気なのは小萌も嬉しい。  
「聞きますが、一体どんなお願いなんでしょうー」  
「そのですね――――」  
一瞬意味がわからずきょとんと動きを止めて、数秒経ってから小萌の悲鳴が街に響いた。  
 
次の日、生徒は夏休みといえど教職の仕事が無くなるわけでもなく  
小萌は学校にて色々と書類仕事を片付けていた。  
そして昼休みの時間、小萌は栄養補助食品であるゼリー飲料とお茶だけを飲んでいた所  
「昼食はどうしたんじゃん」  
「いえ、昨日呑みすぎたのでダイエットですー」  
同僚の黄泉川愛穂に話しかけられてなんでもないように返事を返した。  
理由は別にあるのだが、言えるはずもない。  
「月詠センセにダイエットが必要あるとは思えないじゃん。  
 嫌味に聞こえてくるじゃんよ」  
「ほんの少し気になっただけですから」  
見た目通りとでも言うか小萌先生のちっちゃい身体には  
贅肉らしい贅肉なんて見えやしなかった。  
そういう黄泉川も服装はいつもジャージだが、長身モデル体型のうえ  
やたらと巨乳で美人とスタイルに何も問題はないのだが。  
 
「ふーむ……どこも変わりない……いや、んー?」  
じぃーと黄泉川が小萌をためつすがめつ見つめると、指でほっぺをぷにっと押した。  
「ですー?」  
「月詠センセは呑みすぎても、肌の調子は全然変わらないじゃんよ。  
 けど今日は、いつもより肌に艶があるっていうか綺麗になってるじゃん」  
「えっ……」  
全く意識してない事を言われてドキリと鼓動が鳴る。  
(それはその、もしかして昨日の……)  
上条との一言では言えない行為のせいなのかと。  
キスされて抱きしめられて、乞われて……  
いや自分の意志で射精までさせてしまったあの夜。  
銭湯から帰り、寝床に入ってからもやもやとしたものを振り切れずにいて  
夏なのに何故だか温もりが物足りなく、自分を慰めてしまい  
睡眠時間はいつもより短いぐらいなのに、なんだか調子がよかったりもする。  
 
「月詠センセ?」  
「は、はぅ……! な、なんでもないです」  
ぼおっと考え過ぎててしまったらしく黄泉川の事を一瞬忘れてしまった。  
「昨日のお風呂が本当に気持ちよかったですから  
 デトックスしたのかもしれませんねー」  
非常に適当な説明をしながらゼリーの飲み口を咥え吸い出す。  
(ぬぐぐっ、なんとか誤魔化さないと! 黄泉川先生の分野は保健体育ですから  
 人間生理学に詳しすぎるんですー)  
上条との逢瀬というか、接触でなんだか身体が期待したのか、女性ホルモンの分泌が  
増えたりしちゃったりして、お肌にとてもよい影響が出たのは想像に難くない。  
観察力も洞察力も人並みどころではない黄泉川ならば軽くバレかねなかった。  
(いえ、上条ちゃんが嫌とかではないんですが、先生は先生なので  
 きっちり線引きが必要だし、知られてはいけないと思うんですー)  
すでに線引きを越えてるも同然なうえ、隠し事は苦手そうな小萌であった。  
そもそも大人の女性ならば、女性ホルモンがどうとか以前の問題で気づかれそうなものだし。  
黄泉川はそんなズレてて不審げな小萌を見て一言。  
 
「上条当麻」  
「ぶひゅぅ……!」  
思わずゼリーを吐き出してしまう。  
「あいつ、記憶喪失になったって話じゃん」  
「そ、そうですねー」  
「月詠センセが面倒見てるじゃん?」  
「ええ、まあ……たまに、そう、たまにはそんな時もありますね〜」  
目が泳いでいる。  
明らかに怪しい様子の小萌を見てにんまりとチェシャ猫のように黄泉川は微笑んで  
「応援してるじゃん♪」  
「なんばいいよっちゃろうもんが!?」  
小萌の言語機能が南側へとぶっ壊れてしまった。  
 
「夏だけど月詠センセに春が来ても、いいじゃんいいじゃん。  
 ホント言えば卒業してからがいいけど、月詠センセもいい年だしねぇ」  
「…………!」  
あうあうとCPUがオーバーヒート気味で反論とか言えない。  
まだXX歳です!だなんて言いたいけど、一般的に見て  
婚期とか結婚適齢期とか逃しているというのも事実だし。  
「この事は私の胸に仕舞っておきますから。避妊はちゃんとするじゃんよー」  
月詠センセに生徒の恋人ができるなんて思わなかったじゃーん、などと言いながら  
小萌が何も喋れないうちに、黄泉川は行ってしまった。  
先生とは思えないアバウトな女だった。  
というかその大きな胸にちゃんと仕舞っていてほしかった。  
それからしばらく呆然としてから、絞り出すように重々しく小萌は呟く。  
「無用な心配なんですー……」  
何故ならば、昨日言われた上条のお願いというものは  
アナルセックスという妊娠の心配はないがわりとハードなプレイだったからだ。  
 
「小萌先生、すみませんけど今日はご飯をこれで我慢してください」  
と、朝方顔を見せた上条から渡されたものは、ゼリー飲料とお通じ用の薬だった。  
食事がゼリー飲料だけなのも排泄物をできるだけ抑えるためだとか。  
成長期の子供並に食べる小萌とはいえ、食事はまあさしたる問題ではないのだが  
真に難関なのは小萌の手の平より小さいくせ  
妙な存在感があるイチジク型のアレなものだった。  
由緒あるクラシックなオレンジ色をしている。  
(ええと上条ちゃんが言うにはお昼にまず一回……)  
女子トイレの便器に座ったまま、それを見つめてると  
どうしてこうなったという感情が湧いてきてしまう。  
「生徒に土下座されたのなんて初めてなんですよー…………  
 こういう風に言うのもよくないんですが  
 上条ちゃん記憶喪失になってから変態ちゃんになってしまったんでしょうかー」  
拝み倒しとしか言いようのないお願いに、押し切られたとはいえ  
約束してしまったので今更反故にもしづらかった。  
小萌は覚悟を決めて、ぷくっと頬をふくらませながら  
(えーい、生徒との約束を守れずして何が先生ですかー!)  
勢いある台詞とは裏腹に液体が入ったそれをお尻の穴へと恐る恐る近づけ  
「ふ、ぅんっ……」  
ぎゅっと指で押し出して、冷たい薬を注入した。  
 
 
時は流れ放課後。  
仕事も終わり、トイレで薬を使った二度目の排泄を終えてから向かったのは銭湯で  
(なんか変な気分ですねー)  
生徒と会うのに、お風呂で清めてから向かうというのは  
(これじゃ恋人みたいですー)  
などと、想像してお風呂の暖かさとは別に顔が熱くなってしまう。  
なんとなく念入りに身体を洗い自宅へ向かうと同じタイミングで上条当麻もきたようだ。  
「小萌先生こんにちわ!」  
うきうきと嬉しそうな様子で、小萌を見るなりダダダっと走ってきては元気よく挨拶する。  
よほど期待していたのだろう。  
以前の普段からダルそうな上条より活力があってよろしいが  
その元気さが今はちょっとだけ不安だった。  
「先生ありがとうございます。俺のわがままに付き合ってもらって」  
「いえ、先生が生徒の頼みを聞いてあげるのは当然ですからー」  
せめて自分らしくあろうと、返事をするがすぐに何か違うと思い言い直した。  
「やっぱり訂正します。上条ちゃんじゃなきゃ断ってますー」  
「小萌先生……ホントありがとう」  
二人は連れ立って一緒に小萌宅へと入っていった。  
 
「ええと、それじゃどうするんですかー?」  
朝から準備は済ませたといえ、小萌には手順などわからない。  
「まず布団を敷きましょう」  
上条はさささっと手際よく押入れから布団を取り出し敷いていく。  
(私……上条ちゃんとセックスしちゃうんですね……お尻ですけど…………)  
なんだか生々しくて少しだけ怖くて、寒くもないのに手が震えてしまっていた。  
「……小萌先生」  
その手を上条がきゅっと握る。  
小さく冷たくなっていた手が、小萌より大きくあったかい手に覆われる。  
「大丈夫ですから」  
不安を温もりで溶かしつくすよう力強く抱きしめられた。  
その暖かさが気持ちよくて、小萌も腕を伸ばし抱きしめ返すと  
心のどこかにあった寒々しさが消えていくようで。  
「うん……先生大丈夫な気がしてきました。上条ちゃんよろしくお願いしますー」  
「こちらこそお願いします」  
挨拶が妙におかしくて抱き合ったまま二人は笑っていた。  
 
「脱がせます」  
「いえ、先生自分で……きゃ」  
エプロンワンピースを一気に捲り上げた。  
袖や襟に小さなフリルの付いた白いブラウスと、いかにも子供っぽい綿パンツではなく  
微妙に背伸びした感のある薄いピンクの下着が垣間見えた。  
「先生、万歳しないと全部脱がせないですよ」  
「ううぅっ……子供扱いしてるですー」  
そう言いながらもおとなしく万歳してブラウスと一緒にスリップまでも脱がされる。  
下着の下にはとても小さくて起伏の乏しい平原があった。  
 
「むむ、がっかりしないですー?」  
腕で胸を隠そうとするが、上条に止められてしまう。  
「しませんよ。先生のおっぱい可愛いです」  
上条が指先でやんわりと撫で回すと、張りがあって纏わり付くようにすべすべだ。  
「ん……でも、記憶喪失になる前の上条ちゃん、胸が大きい娘が好きなようでしたー」  
「へえ、それも悪くないかもしれませんが…………」  
屈んで、小さな突起へと近づいてちゅぅっと吸い付いた。  
「あ、あああっ……!」  
「俺は小萌先生のほうがいいですね。前の俺は見る目がなかったんだ」  
小さくも固くとがりはじめた乳首を舌で転がしながら  
右手では背中へつーっと指を沿わせて、逆の手ではお尻をこねるように揉んだ。  
 
「やぁっ……か、上条ちゃ、ん……」  
小萌は三点を同時に責められて切なげな声が出てしまっている。  
今度は脇腹を撫でながら、ゆっくりと胸から首筋へと舐めあげていき  
「ん……ぁンっ……」  
弱点と見破られている太ももの内側を擦られるとぞくぞくっと微電流が流れているようだ。  
「ちっちゃいのに感じやすいとこも可愛い」  
「ふぁっ……子供み、たいに……ひぅ……言わないで……くだ―――」  
「こんなに感じてるのに先生が子供なわけないですよ」  
「やぅっ……!」  
言い終わる前に、乳首をきゅっとつままれて勝手に声が出てしまう。  
上条が小萌を弄り回してから服を脱ぎ始めた。  
 
「俺も脱ぎますから、先生は四つんばいになってお尻を向けてください」  
「……こうですー?」  
言うとおりにしながらも後ろにいる上条を見ると、わりと逞しい体をしているのがわかる。  
男らしいとでもいうか、見ているだけで胸の奥が熱くなってくるようで。  
(上条ちゃん、かっこいいですー……)  
また抱きしめられたいだなんて小萌は思ってしまう。  
学校で男子生徒らが半裸になって騒いでるのを見ても、こんな気分になるはずはないのに。  
 
(上条ちゃんが本当に恋人だったらですよー)  
ふと黄泉川に言われた言葉を思い返す。  
生徒と付き合うなんて考えてもいなかったけれど、もしその相手が  
上条だと思ったら、なんだかときめくものがあってしまって。  
(……やっぱり、初めてはお尻じゃなくてちゃんとしたいんですー)  
先生と生徒という関係でも、今だけはそう思いたくはなかった。  
上条のほうを振り返ろうとすると、まるで迷いを察知したかのよう  
頼もしげに話しかけてくる。  
 
「心配でしょうが、安心してください小萌先生。俺にはこれがあります」  
取り出したのは小さいペットボトルのようなもの。  
中にはヌルヌルとしてそうな粘度ある透明の液体が入っていた。  
「学園都市製のローションで理論上百万回擦っても粘度を保つスグレモノッ!  
 これを使えば絶対気持ちよくなれますッ!いや俺が気持ちよくしてあげますッ!  
 NASAだかなんだか知らないが、アスト□グライドにも負けねえぜッ!」  
 
(…………いえ、そういう悩みではないんですがー)  
激しく迸ってる様子にはなんだか言いだせない雰囲気があって。  
「よくわかりませんが身体に触れても大丈夫なものなんですー?」  
「はい!元々医療用なので生理食塩水代わりにも使えるぐらい人体に害がないです!」  
「至れり尽くせりなんですねー…………」  
学園都市はローションだって凄かったのだった。  
結局、記憶喪失後から何時になく元気そうで興奮している上条へ水を差す事もできず  
「優しくお願いしますー……」  
小萌は諦めたようお尻をそっと差し出した。  
 
「それじゃ脱がせますね」  
上条の両手で覆えるぐらいの大きさしかない小萌のお尻からスルスルと下着を脱がす。  
「ぁ、やっ……」  
「小萌先生のお尻、凄い可愛いです……」  
そうして、白く肉付きは薄いが不思議なほど柔らかいお尻を撫で始めた。  
触り心地がよく肌にしっとりと纏わり付いてきて、指を走らせれば  
なんの抵抗もなく滑っていく。  
「ん……あ、んんっ……」  
両の手で揉むとふにふにと指が沈み込んだかと思えば張りがあって  
やんわりとした心地よい反発が指を押し返す。  
小萌のお尻は少女の肌艶と張りを持っており、果実のような瑞々しい表面の内に  
マシュマロの果肉を詰め込んでいるかのようだ。  
 
 
「先生、もう少しお尻を上げてください」  
「は、はいー……」  
上条は触るだけでは当然飽きたらず、尻たぶをそっと開いた。  
「ひゃぅっ!」  
「小萌先生が準備してくれたから、お尻の穴がホント綺麗ですよ」  
「そ、そんなわけないですー」  
子供そのものの小さい穴は色素が薄いのか限りなく白に近いピンク色をしていて  
排泄のための器官とは思えないぐらいだ。  
「いや絶対綺麗にですって……それに」  
「んあぁっ……!」  
穴の周りを人差し指でなぞると、軽く引っかかって小萌に得体のしれない感覚が走る。  
「敏感になってます」  
ひっそりとした窄まりがほんの少しだけ口を開いていて  
むき出しになった腸粘膜が指に触れられる度ピクピクと動いているのがわかった。  
 
「じゃあ早速……」  
「んひゃあっ! か、上条ちゃん! なに、んんっ……をしてるんですー!」  
顔を近づけた上条が舌で直接舐めたのだ。  
「舐めただけですよ。まずは一度慣らさないと」  
「でもでもでもっ! お尻の穴なんて汚くて病気になっちゃいますよ!」  
「だから準備してもらったんだって。匂いもしませんし綺麗なもんです」  
上条は問答をするつもりはないのだろう。  
行為に集中するため、小萌の丸い双丘を鷲掴みにしてがっしりとロックして  
親指で肛門の周りを広げると軟質の肉舌を使い尻穴を舐め始める。  
 
「あ、いやっ!だ、んっ……だ、だ、めですぅ……」  
まずはぺろっぺろっと上下に舐めて  
「んはぁっ……あ、ああっ」  
次は周辺を囲むよう二週三週と円を描き  
「んんっ……!やっ……んふぅっ……」  
尖らせた先端で普段外気に触れない所までをほじくってやる。  
動きをランダムに変えながら、穴を丹念に舐めてあげると  
小萌は声を押し殺せず、四つん這いのまま身体全体を快感で震わせてしまっていた。  
 
「先生気持ちいいですか?」  
「ぁ……はぃー……」  
後ろを振り向いた小萌は羞恥と初めての感覚で涙を瞳に溜めているが  
恥ずかしそうに上条へと答えを返す。  
「もっとしてあげます」  
尻肉を強めに揉んであげると小さな尻全体がぐにぐにと指に沿って形を変える。  
「あっ、はぁっ……」  
広げられて暗い穴にも見える腸内へ舌を入れれば、甘いため息をつく。  
「あっ!あっ、やっぁっ……!」  
無毛のちっちゃなすじに指を這わせればトロトロの蜜が滲みでて  
尻穴を舐めながらも弄くってやればさらに甲高い声をあげてしまう。  
 
「あ、ああぁっ、んんぅ…………」  
最後に桃尻へ顔を埋めて、舌で深い所まで腸壁を丹念にほぐしてやると  
小萌はぐったりと布団に顔をくっつけて喘いでしまっている。  
二度の排泄で緩んでいるそこは、舌を受け入れて快楽器官に変わり果ててしまっていた。  
上条が舌を抜くとぐじゅりと濁った音を響かせる。  
見ると小萌の穴はたっぷりの唾液に塗れており小萌が呼吸するたびに  
くぱくぱと口を開いたり閉じたりと忙しなくて、なんだかものほしそうだ。  
 
上条はそれを見てローションのボトルを手に取ると  
右手と猛った男の象徴へローションを垂らす。  
小萌の準備を済ませ次第すぐに入れるつもりのようだった。  
「先生……指入れますよ」  
「ふぇっ……」  
蕩けているらしく、言葉も覚束ない様子。  
了承と勝手に受け取って、ローションでたっぷりと濡らした中指を  
ゆっくりと小萌の中へと押し進めていった。  
 
「ぅあっ……!」  
うつ伏せになっていた小萌の頭が激感で跳ね上がる。  
上条の指には括約筋がきゅっきゅっと噛み締めていて。  
心地よい肉の締め付けは挿入したさいの快感を約束するようだ。  
さらに指をずぶずぶと沈めていく。  
「おぉっ……あっ、き、ついですぅー……」  
「すぐ馴染みますから」  
入れたまま指を掻き回すと小萌は悲鳴をあげるが  
着実に腸粘膜へとローションは塗布されていた。  
 
「んはっ……あ、ぅんっ……」  
指を橋にしてさらにローションを垂らして、腸内へとろりとした粘液が流し込まれる。  
そうして掻き回すよう指を動かすとローションのおかげか、食いつくような  
指の締め付けも若干緩くなってきたようだ。  
上条は興奮しているのか唇を舐めると、これならいけるとばかりに  
人差し指と中指を合わせて二本いっぺんに小萌のお尻へと挿入した。  
 
「んあああぁぁっっっ…………!」  
ぎゅぎゅぎゅっと小萌の肛門が倍加した指の質量へと健気にも抵抗する。  
けれど緩んできているお尻は小萌の意志に関わらず指を飲み込んでしまう。  
押しこめばにゅるにゅると指の根元まで入ってしまい、直腸の空間内で曲げるように動かせば  
「んひゅぅっぅっ……」  
言葉にすらなっていない喘ぎが小萌の口から飛び出した。  
ただそれは苦しそうでもあるが、どこか艶を帯びていて快楽器官としての役割を  
充分果たしているようだ。  
 
確かめるよう二本の指を出し入れすると、入れる時はローションまみれの  
粘膜が絡み付き、抜く時は吸い付いてきてと、膣内のよう男のモノを絞りとれそうだった。  
「小萌先生もう入れますね」  
「はぁっはぁっ……いれる…………」  
「はい、セックスです」  
上条は冷静に言っているようだが興奮しているのか、  
目はギラギラと猛禽のように輝いていて、股間の肉も先端が天へと向いている。  
上条は小萌の手を取ると、後ろ手に自分のモノへと触れさせた。  
 
「先生を愛したくて、こんなになっちゃってるんだ」  
「ぅあっ…………」  
ヌルヌルのローションに塗れつつも伝わってくる熱さと存在感に小萌は惹かれる。  
こんなにも大きくて大丈夫かなという怖さもあるが  
それ以上に繋がりたいという気持ちが大きくて。  
「上条ちゃん……私も愛してほしいですー……来てください」  
小萌は入れやすいようにお尻を高くあげ、両手を後ろに回して尻たぶを掴むと  
上条を迎えるために尻の穴を自らの指で開いた。  
 
小萌が開いてくれたそこへと亀頭が宛てがわれる。  
二本の指で慣らしたとはいえ、まだ開ききれてない穴へとゆっくりと腰を進めていく。  
「ふっ……ん、あっ…………んんぅっ……」  
太いカリの部分が中へ入ると、強烈な締め付けがただそれだけで気持ちがいい。  
まるで手で握られているような圧が、先端から幹へと少しずつ通りすぎていく。  
快感を堪能しつつも腰を突き出していくと  
ついに上条のモノが小萌の中へと全て飲み込まれた。  
 
「全部入りました……」  
「んぅっ、はぁ、あ……うれし……いですー」  
小萌は苦しげにしながら、ぽろりと大粒の涙を流す。  
「先生……大丈夫ですか?」  
「…………はい、ちょっとくるしいですけど、大丈夫ですー  
 本当に……嬉しいんですー。私、こんな風だから……  
 その、男の人と……ちゃんと愛し合えるなんて思ってなかったんですー」  
「小萌先生……」  
「ふふふ、変な事言っちゃいましたね。  
 大丈夫ですから……上条ちゃんガンガンやっちゃってくださいー」  
小萌が涙を流しながらも振り向いて笑顔を見せた。  
 
「無理しないでくださいって。まずはゆっくりとです」  
小萌は平気そうに言っているが、大きすぎる肉で貫かれて  
背からは脂汗が浮き出ているのが見て取れる。  
それに上条のほうも、入れているだけでも気持ちがよかった。  
引き絞られるような括約筋の締め付けが、根元をグイグイと噛み締めてきて  
ローションでたっぷりと潤った腸粘膜がヌチャヌチャと幹に絡み付いてくる。  
先端が腸壁に当たるのは直腸を通りすぎてS状結腸辺りまで入れているからだろう。  
奥深くまで小萌と繋がっている満足感も、また快感を増幅させる。  
 
後背位の体勢で緩やかに腰を引き、じっくりと腰を進める。  
ただそれだけの動作でも搾り取られそうなほど気持ちがよく  
小萌の甘さが混じった悲鳴が心地いい。  
「小萌先生の中、気持ちいいです……先生はどんな感じですか?」  
「えーと……その、おトイレにいったときみたいですー」  
 
「気持ちいい?」  
「あうぅ……変な事聞かないでくださいー……」  
「もっとしてあげますね」  
「あっ!、んんっ、んんっ……」  
怒張が腸内を征服せんとばかりに深くまで詰められれば重圧が小萌の身体を襲い  
「はぁ……あ、はぁあぁっあぁっっ……」  
引き抜かれる時は重く固いモノが排泄される開放感に包まれる。  
上条が動くたび交互に迫る感覚は、慣れてきた粘膜の摩擦と合わせて  
少しずつ小萌の快楽を引き上げていき擬似的な排便感覚でも  
感じられるよう身体を作り変えられていく。  
「あ、んっ……!ぅあっ!ふっ、んっ、あっああっ!」  
気づけば速度を増した抽挿でも小萌は嬌声をあげてしまっていた。  
 
「先生の中……どんどん気持ちよくなってきてます!」  
「んはっ……そうな……ふっ、んんぅっ、ですか……?」  
快楽のままに腰を振りながらも上条は語りかける。  
動きは通常のセックスのように速く高まっていて遠慮がなく  
結合部からローションと体液が混ざりあうぐちゃぐちゃとした音が響いている。  
「あっ!んっんんぅっっっ……!」  
上条が腰の角度を変え突くのではなく、小萌の腹側を擦るようにすると声の調子が変わった。  
「か、上条ちゃん……そ、そこは、あンっっ!なんか……ヘンですっ……!」  
小刻みな腰の動きで堅い先端がお腹の中をズリズリと擦ると  
小萌の幼い顔立ちがだらしなく歪んで、少女の高い声がさらに高く甘い響きを帯びだす。  
「お尻から子宮を小突いてあげてるんです」  
「し、きゅうっ……!?」  
薄い尻肉がぷりぷりと揺れるのを揉みほぐしトントンとリズムよく腰を振り上条は答えた。  
 
「裏側が気持ちいいでしょう?」  
「はっ、あふぅっ!ああっ……!んっんんんっ……あっあっああっ!」  
小萌は喘ぎ答えられない。  
勢いがある、まるでトンネルを堀って子宮まで掘削するかのような  
上から下へと腰を振り下ろし打ち付けられる衝撃、  
全身がビクンッビクンッと弾けてしまいそうなほど痙攣している。  
(うあっあはっあぁっ、きもちいいですー……!)  
ゴリゴリと薄い腸壁越しから子宮をマッサージされて  
「もっと、もっと、んんぅっ、そこをほじってくださいっ!」  
快感のあまり叫んたおねだりへ、上条は臍まで貫かんとばかりの  
全身の力を使う挿入で返事を返した。  
 
「あああっあぁっっああぁっっ………………!」  
長く高い絶叫。  
小萌の手足に力が篭り、体内から溢れ暴れる快感の波に抗おうとし流されていく。  
茹ってしまいそうなほど熱い液体が中へ注がれていくと足りないパーツが埋まるようで  
勝手に収縮を繰り返す腸内が上条の肉を締め付ける様はもっと飲みたいと  
せがんでいるようだった。  
 
上条が腰を引くと、ズルリと粘着質な音を立ててモノが引き抜かれた。  
(あっ……)  
不意の排出はなんだか寂しさすら小萌は覚えてしまう。  
 
上条は力が抜けてしまったのか、小萌の上にもたれかかる。  
「おも、いですー……」  
「うぉっ」  
抱きしめ半回転してから小萌が上にくるようにした。  
「もう上条ちゃんったら……」  
そういいながらも嬉しそうに上条の胸板へ頬をよせ、はにかんでいる小萌。  
「すげぇよかったです……」   
「こんなに気持ちいいだなんて……セックスって凄いんですねー」  
今もなお絶頂の余韻が残っていて、抱きしめられてるだけでも気持ちがよかった。  
 
「小萌先生……」  
「あっ……ぅんっ……」  
上条のキスに応えて自然に舌を絡ませてしまう。  
ちゅっちゅっと繰り返していると  
「あっ」  
と、上条のほうから唇を離した。  
「さっき先生のお尻の中たっぷり舐めちゃいましたけど……」  
「……もうっ!上条ちゃんたらそういうとこ変わらないんですねー  
 そんなのどうでもいいんです。大体上条ちゃんが綺麗って言ったんですよっ!」  
今度は小萌のほうからキスを迫り口内をねぶっていく。  
 
「あっ、上条ちゃんのおっきくなってきてますー」  
そんな風に舌での交合を繰り返していると、柔らかく萎えていたはずの肉棒が  
硬くなってきてお腹の下辺りへ触れた。  
紅葉のような小さな手で撫で回すと、上条が気持ちよさそうに身じろぎする。  
「もう一回できそうですねー」  
幼くもどこか淫靡に微笑んで自分から騎乗位の姿勢で亀頭へと跨ると  
「小萌先生いやらしすぎ……」  
「上条ちゃんのせいなんですよーっと……んぁ……」  
ゆっくりと腰を下ろしお尻の中へと咥え飲み込んでいった。  
・  
・  
・  
「小萌先生ほらビールです」  
「ありがとうですー」  
「また口移ししますか?」  
「あ……お願いしますー」  
「……美味しい?」  
「んっ……こくこくっ、はぁ、はいー」  
「……今度は先生から俺に飲ましてくれません?」  
「上条ちゃんは未成年ですから……」  
「俺も喉乾いたし、先生から飲ませて欲しいんです。ほら泡麦茶飲むだけですって。ねっねっ」  
「むむっ、おっさん臭いですよ上条ちゃん。うーん…………しょうがないですねー」  
「ん……苦いけど、美味しいです」  
「ですー、じゃあもうちょっとだけ飲ませてあげますねー……………………」  
 

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