深夜のイベントに吹寄制理が提案したドロレスリングを開催する羽目となったクラス連中。
初めは乗り気でなかった連中も吹寄の一言で空気が変わる。
「誰でも良いから私と戦いなさい。」
その一言で完全に乗る気になった男子生徒…ただ二人を除いては…
「土御門…お前は参戦しないのか(こんなイベント俺にはむいてねぇ!)?」
「俺は義妹を裏切ることは出来ないにゃー!かみやんは?」
両者が興味を示さなかった事に内心腹を立てた吹寄せはジワジワと目で睨みながらこっちに近づく。
「上条と土御門は私に興味が無いのね!だったら上条、貴様はその試合のレフェリーをする事!良いわね!」
「ええ!?そんな役は私、上条さんには無理ですよ。ルールも知らないし!」
「大丈夫だにゃー。どちらかが抑え込んで3つ叩いて肩を上らなきゃ勝負は終わらないにゃー。」
この裏切り者と内心毒づく上条。だが吹寄はそれで満足しないのか土御門も睨みつける。
「貴様も職場放棄で実況として仕事をするのよ。解説は姫神さんにやってもらうから!」
「了解。」
どうやら吹寄の本音は実験台相手に上条にお手合わせをしたかったのだから、相手をしてくれないので完全な八つ当たりである。
姫神は内心、お手合わせしないでよかったと思う反面、実況を一緒にしたかったのは秘密である。
「本音は上条君と一緒にいたかった…」
両者の妖しい格好をみて際ど過ぎる格好。片方は完全に尻まで食い込んでる黒いビキニでもう片方は完全なきつきつのスクール水着である。
レフェリーの格好をさせられる上条。だがこの格好に溜息をつくだけである。
「なんでレフェリーの俺が海パンなんだよ。」
「そんなことよりも私の相手は青髪なんだからボディチェックをする!」
「はい?」
状況の解らない上条にニコニコと笑いながら土御門がアドバイスを贈る。
「かみやん!両者の膝と二の腕から先をさわるんだにゃー!」
「(あの野郎!吹寄さんに変なことしたらお仕置き!)…」
上条は姫神の人を殺すような視線が怖かったのでさっさと手短に済ませる。
「さあ2人のロックアップが始まったにゃー!吹寄は手腕を決めてるにゃー!」
「彼女の実力から見れば当然だと思う。彼では役不足…」
「どうした?青髪もう終わりか?」
「まだや僕はここでは終われへん。」
「へ?」
青髪が取った作戦は女性が嫌がるセクハラ攻撃である。
うまく切り返し吹寄の豊満な胸をぎゅうっと鷲掴みにする。
さすがにこの作戦は計算に入ってなく完全に固まってしまう吹寄。
「勇者だにゃー。あいつ…」
「ただ、この作戦は彼は墓穴を掘ると思う。」
男性陣からは羨ましいブーイングと女性人からは軽蔑のブーイングが入り混じる。
上条の目の前でふと目が覚めた吹寄は怒り心頭で顔を真っ赤にする。
一応、プロレスの勉強をした上条は解こうとする。
「青髪!殺されるぞ覚悟をしておけ。」
「ここで吹寄は青髪を首投げから首4の字に入ったにゃー!」
「でも…かなり厳しく絞められてるのに彼は苦悶の表情じゃないで至福の笑顔で悦んでる。」
「そりゃそうだにゃー、吹寄のあの涎のそそる太腿なら誰でも悦ぶにゃー!」
「俺は違うぞ土御門!」
「上条はさっさとこいつをチェックしなさい!」
所が青髪は天性の身体の柔らかさからか巧く脱出する。
「今度は青髪がアームロックに切り替えたにゃー!」
「彼の場合、別のような技に見える。股間を彼女の二の腕こすりつけてるし…」
「(変態だな青髪…)互いに泥まみれになって…吹寄!ギブアップ?」
「ノーよ!」
互いの肌が完全に泥まみれな姿になり、興奮する男子とは別に女子はあきれて沈黙する。
青髪は勝利を確信した途端、フィニッシュ宣言をする。
「ツームストンパイルドライバーに入ったにゃー!」
「…しかもゆっくりで、青髪君は吹寄さんの股間を嗅ぐような形になってるし…」
「上やん!何でカウントとらないんや!」
「そらお前!完全なセクハラ行為じゃねぇか!」
苛つく青髪に毅然と態度で注意をする上条。
その間に完全にぶち切れた吹寄は青髪の股間にパンチする。
「これのチェックを全くしない上やん、流石だにゃー。」
「まあ当然だと思う。」
「吹寄は青髪にスタナーだにゃー!」
「完全に綺麗に決まってる。」
「ワン、ツー、スリー!」
「何という高速カウント!青髪哀れだにゃー!」
「上条君が勝者の吹寄さんに手を挙げようとした途端、フロントフェイスロックで締め上げてる。」
上条の心理状況は…吹寄のおっぱいに快楽を味わう天国とチョークで息が出来ない地獄に苛まれる。
上条当麻は思った。御免…インデックス…もうお前にご飯を作ってやれなくて…
思った。御坂…お前はまともな恋をしろよ…俺はまともな恋は出来ない…もう俺は…
思った。吹寄のイベントに付き合うんじゃなかったぜ。
思った。姫神…楽しかったぜ。こうして上条当麻は意識は完全に飛んだ。