風呂からあがってさっぱりした初春飾利は下着を着けようかどうか迷ったが結局つけないことにした。  
 丁寧に滴を拭ってバスタオル一枚だけを纏って生活空間に戻る。  
 すると下着とシャツを着ているだけの上条が描きあげたばかりの原稿用紙に目を通していた。  
 佐天涙子が三徹し初春飾利も一晩頑張った作品である。  
 炎の魔術師と謎の東洋人の少年との絡みを描いた最新作だ。  
 原稿を見るのに手慣れているのだろうか。手の脂で汚さないようにティッシュペーパーで指先をくるんでコート用の薄紙を捲って丁寧に読んでいる。  
 ところどころで「なんでこんなこと知ってるんだよ」とか「これイギリスに送りつけたら確実に殺しに来るな」とかわけのわからないことを言っている。  
 しかし嫌悪感を示さないのは理解があるからなのかもう諦めているからなのだろうか。  
 初春飾利は声をかけることも忘れて興味深そうに反応を眺めていた。  
「お、上がったんだ」  
 気配に気づいてか、上条が顔を上げた。  
 丁寧に薄紙を戻して原稿を角封に戻す。  
 初春は上条の隣まで近づいて風呂で上気した顔で見上げた。  
「……どう、思います?」  
「んー、流石にねぇ、趣味は人それぞれだし楽しんでるのならば構わないと思うけど、少しは引いちゃうよね。  
 絵は綺麗だし話の流れも雑誌の漫画に引けを取らないと思うし。  
 なんか同性愛に纏める必要があるのか、って」  
「そこは譲れませんよ、上条さん」  
 半ば呆れたような上条に初春はきっぱりと言い切った。  
 そして漫画としては高評価であることに満足する。  
 同じ趣味を持っていない人が下す評価としては最高峰のものだろう。  
 もちろん、楽しんでもらえたりさらには興奮してもらえれば最高なのだが、二次元と三次元はやっぱり違う。  
 苦笑しながら上条が封書を机の上に置く。  
 そして初春の頭を撫でた。  
「まぁ、上条さんもエロい漫画とか持ってるわけですし。たぶん初春さんもドン引きするような奴。  
 住み分けて互いを尊重するようにしないとダメですよね。うん、尊重は重要ですよ。美琴みたいに問答無用で灰とかはないわ」  
 どんな内容だろう、と一瞬考えてしまったが互いに尊重するのだから触れないことにした。  
 初春も自分の趣味を完全に否定されてしまう悔しさは知っているし、それを人に与えたりするものではない。  
 私がいて貴方がいる。それだけで戦争は起こる。そして原因は大抵正義の押し付け合いだ。  
 自分の無能さを棚に上げて人の趣味趣向に嘴突っ込んで規制しようとする輩は好きではないしそうなりたくもない。  
 だがら初春は、  
「そうですね」  
 と上条に頷いて見せた。  
 
 しかし瞳には小悪魔的な何かが浮かんでいる。  
「で、どういうのが好きなんですか? やっぱりお尻でえっちするような漫画ばっかりなんですか?」  
 にやにやと笑う初春に上条が一瞬憮然とした表情を見せる。  
「私たちだけばれてるのはずるいと思うんですよね。上条さんの趣味も教えてください」  
 悪友に影響されたのか初春の笑みは黒い。  
 うきうきとした感情を隠さずずいっと近づく。  
 そこには上条のことをもっと知りたいという欲望もあった。  
「いやいやいや。マジで勘弁してください。風紀委員にこんなこと言ったら上条さんマジで捕まっちゃいます」  
「もしかしたら小さい女の子が好き、とか?」  
「それは白い奴だから。上条さんは年上のお姉さんが好きだから」  
「ふぅん、お姉さん系が趣味なんですか。じゃあ、私なんか趣味じゃないですよね、残念です。  
 佐天さんはスタイルいいからおっけーなんですね」  
「だから! 二次元と三次元は別腹なの!」  
 慌てる上条の頭に腕をまわして、ぐいと近づけた。  
 ちゅ、と産毛の立っている頬にキスをする。  
 瞬間、上条が慌てふためく。  
 悪戯っぽい瞳で初春が笑った。  
「お尻でする漫画は持ってないんですか?」  
「……いっぱい持ってます」  
「ふふ、正直でよろしい。じゃあ私にしてくださいよ。  
 佐天さん、上条さんが凄く上手だって言ってましたし、それに取材しなきゃいけないんですから」  
 床に敷いた布団に二人はまた横たわる。  
 佐天涙子はまだ寝息を立てたままぐっすりと夢の世界だ。  
 彼女のすぐ横で初春はうつぶせの形にされた。  
 白いヒップを突き出す形になる。  
「うう……恥ずかしいです」  
 もじもじと切なそうにヒップを揺するが逃げようとはしない。  
 これからのことに期待してしまっている。  
 華奢でコンパクトな臀部はボリュームという点では劣る。しかし腰から流れるラインやぷりんとした張りのある肌は若々しく美しい。  
 上条はできるだけ優しくつるりと撫であげる。  
「ひぁ!」  
「あ、痛かった?」  
「い、痛くは無いですけど……びっくり、しました……」  
 確信が持てないのか、初春の眉尻が下がる。少しだけ泣きそうになる。  
 何分、人からされた経験というものが今日のこの日までないのだ。  
 期待以上に不安もある。  
 
 ――さわさわ、さわさわ……  
「はんっ! ……ん……ん」  
 きゅ、と瞳を閉じて布団向こうの固い床に額を押し付ける。恥辱に耐えている。不安げに指を噛む。  
 可愛いな、と上条は一瞬見惚れた。  
「はぁ……誰かに触られるのって、んっ、びりびりするんですね……」  
 頬にうっすらと赤みが差す。風呂上がりとか上条のペニスを咥えた興奮だとかとはまた別に新たに湧きあがってくる感情。  
 新たな欲望が浮かび上がってくる。  
 それにこたえるように上条の指が尻の割れ目を撫であげた。  
「やんっ!」  
 すっ、と抜けるように一瞬。  
 だが敏感な初春の肉体は反応してしまう。  
 自分の意思とは関係なく背筋が震えた。  
 恥ずかしい場所なのに、こんなに感じてしまうなんて。  
 困惑する初春を構うことなく上条の掌が白い尻肉の上で踊る。ほんのりと赤く染まっているそこに軽い眩暈を起こしながら両手で鷲掴みする。  
 上条は尻の丸さを包み込んで押し返してくる弾力を楽しんだ。  
 ちゅ、と尻たぶにキスをする。  
 わざと大きな音を立てて羞恥を煽る。  
 ぴくん、と初春の背中が強張って尻肉に小さなえくぼが生まれる。  
 嬉しくなった上条はもっと初春の背中を動かせようと舌を這わせた。  
 ――ちゅ、ちろ、ちろろっ!  
 ねっとりと唾液を塗りつけながら唇でついばむ。だんだんと熱のこもってくる秘部に晒されている空気がむわっとした匂いを孕んでくる。  
 子猫のように背中を伸ばしながら初春飾利は目を閉じて熱い息を吐いた。  
 小ぶりでも少女らしい丸みを帯びたヒップに刻まれた深い谷は思考停止するほど美しい。  
 大人の女の艶めかしさは感じられないけれども、完熟前の桃のような初々しさと甘さを感じさせる。未熟ゆえに妖しい色香が漂って男の劣情を誘った。  
(正直、男と女で比べ物にはならないと思うけどな)  
 上条は心の中で思う。  
 自分の尻を鏡で見てもこれほど綺麗なものではない。  
 滑らかな球体の奥に放射状に皺を放つ可憐な蕾がある。  
 緊張している尻肉に引きずられてかぱくぱくと口をあけ息づいている。  
 その下にはたっぷりと蜜をたたえた割れ目からわずかにサーモンピンクを見せて粘り気のある液体を湛えている。  
 水滴が一つ、つぅと太股を垂れた。  
「……濡れてるねぇ」  
「や、どこ見てるんですか!」  
 無防備な女の恥ずかしい部分を晒していることに初春飾利が今更のように気付く。  
 裸で下着も纏わずに隣にいたのに、まじまじとした距離で見つめられて騒ぎ出す。  
 瞬間腰を逃そうとしたがむず、と上条に捕まえられた。逃げられない。  
 
「こっちも後で可愛がってあげるけど、とりあえずは、ね」  
 上条がゆっくりと中心部に顔を寄せる。ほんのりとボディソープの匂いがする。  
 甘酸っぱい香りを胸一杯に吸い込んだ上条がお返しとばかりに息を吹きかけた。  
「ひゃあんっ!」  
 窄まりに吐息を感じて初春が甘い悲鳴を上げる。  
 上条の大胆な行動は唇から先になって現れた。  
「ひああああっ!」  
 羞恥に耐えるように布団越しの固い床に額を押し付ける初春飾利。ショートカットの黒髪が切なげにゆれる。  
 その感情を理解してやまない上条は胸をときめかせつつもわざと長々しく作業をする。  
 綺麗に洗ってきて汚れなどかけらもない肛門の皺ひとつひとつを丁寧に舌でなぞる。  
 ちゅ、とキスをしてぴくりとはねる尻肉を楽しむ。  
「ん……おいしいよ、初春さんのお尻」  
 ちゅるるっ、とわざとらしい音で吸いつきながら上条がからかうと、  
「ば、馬鹿なこと言わないでくださいっ! へ、変態ですかっ!」  
 と初春が反論する。するが腰砕けになったさまは快感にうめいている。  
 抵抗できない。本気で逃げようともしない。  
 シーツを鷲掴みにしながら歯を噛んで声を出さないように耐えている。  
「ふぅん……でも、これが知りたかったことじゃないのかな。経験しなきゃわからないことはいっぱいあるよ?  
 初春さんも楽しまないと」  
 舌全体でアヌスを舐め上げて初春の理性を奪う。  
 快感を覚えこませて自分に夢中にさせたい。  
 きちんとした恋人がいるとしても男にはそういう本能がある。  
 上条は夢中になって尻穴を舐める。ちろちろと舌先が動くたびに初春の細いヒップが左右に動いた。  
 太股に流れる愛液も量と粘度が増してきている。  
 気が弱いところがあっても正義感を持って風紀委員としての誇りを持つ少女が尻穴を舐められて快感に耐えている。  
「ほら、初春さん。声出さなきゃ。きちんと体験しておかないといい漫画が描けないよ?」  
「んんっ……きぃ……だって、恥ずかしいですよ、こんなの……」  
 上条は悶えている初春飾利を揶揄する。  
 窄まりをひくつかせて上条の唇に噛みつきながら初春が耐える。  
 肛門粘膜の甘さを味わいながら上条の瞳に獣のような色が宿る。  
 魅了されながら肛門の皺の一本一本をなぞって粘膜と皮膚との境界線を弄んだ。  
「ほら、初春さん、気持ちいいって言わないの?」  
 上条の恥ずかしい質問に初春は激しく左右に首を振った。  
 興味津々だったはずなのに素直になれない。  
 そんな初春を追い込むように上条の舌が肛門の中に捻じりこまれた。直腸内で一回転する。括約筋が舌を食いちぎりそうなほどに縮んだ。  
「じゅる……じゅぱっ、ほら、気持ちいいんだろ?」  
「酷い、ですっ! そんなこと言えるわけが……っ ああんっ!!」  
 当然、こんな曖昧な答えで上条が満足できるわけがない。  
 嫉妬と独占欲の入り混じったような、本来資格のない感情を抱きながら舌を奥にまで突っ込む。  
 
「あううぅぅ!! いや、だめぇ、だめですぅ!!!」  
 お尻を朱に染めた初春が絶叫する。初めての肛門愛撫にしてはずいぶんと感じている。  
 やはり、ローターでのアナルオナニーでずいぶんと経験を積んでいるようだ。  
 彼女の口から本当のことが聴きたくなった上条は少し意地悪をする。  
「初春さんってどれぐらいアナニーしてたのかな? 教えてくれない?」  
「いや、そんな恥ずかしいこと言えません!」  
「じゃあ、やめちゃおっかなぁ」  
 ぺろっと肛門を一度舐めて口を離した。  
 厭らしい笑みを唇に張り付けている上条に快楽の途上を登りつつあった初春は強張った顔に半泣きの表情を浮かべて肩越しに振り返る。  
「え……あ……」  
「続けてほしいんだったら言ってよ。いやならいいけどさ」  
「やぁあぁぁっ、こ、こんな中途半端で……い、言います! ずっと前から! 小学生の時からお尻触ってましたっ!  
 オナニーしてましたっ!! ずっと興味あって、気持ち良くなってて……  
 だから、やめないでっ! とっても気持ちいいから最後まで苛めてくださいっ!!!」  
 上半身を布団に突っ伏して堰を切ったように快感を叫ぶ。  
 恥辱の涙が零れてシーツに染みを作る。  
 その一方で憑き物が落ちたかのように心がさっぱりとする。  
 好きな物を好きだと認めてしまったことは初春の肛門をより性感帯として目覚めさせた。  
 上条のペニスがみしみしと音を立てたように大きくなる。  
 呆れるほどの射精を繰り返しても若い肉はまだ衰えを見せない。  
 初春飾利の愛らしさに思わず自分で扱きそうになるがそれはメインディッシュの前に腹いっぱいになっておこうという魂胆と同じだ。  
 自分の性欲の強さに苦笑しながら上条が初春のヒップを撫であげる。  
 ひぃ、と短い悲鳴を上げた。  
「最後までって、意味はわかってるよね?」  
「わかってますっ! そんなの、最初から佐天さんが企んでたことじゃないですか!」  
 涙目で上条を睨みつけた初春がやがて青菜に塩をかけられたようにしゅんと沈む。  
 小さくなって消えそうなほどに身を縮ませて、そして意を決したように言った。  
 ぞっとするぐらいに可愛らしく甘い声と尻肉を自身で割り開くという淫らな仕草で。  
「……挿れて、ください……」  
 少女のか細い声が上条の心臓を高鳴らせる。  
「……上条さんのおちんちん。私の、ここに、入れてください……」  
 ずくん、とペニスが妖しくときめく。  
 上条の分身にあり得ないほどの力がこもる。  
 いくら他の女の肉を知っていても、初春飾利のような穢れを知らない少女の肛交の懇願は心を奪われざるを得ない。  
 しかも、佐天涙子もそうだが、処女の少女と処女のまま交わるという矛盾はまさしく禁断の快楽で激しく脳を揺さぶる。  
 秘裂の興味を失ったわけではないのだが、やはりノーマルではないものに対する性的興奮は高い。  
 
「きゃっ!」  
 上条は初春を仰向けにしてその膝を初春の肩にまで落とした。  
 股間が彼女の顔の前に来るほどに持ち上げる。無毛の場所は隠すことなく濡れていて初春が羞恥に染まる。  
 露をたっぷり含んだ秘裂とおちょぼ口のようなお尻の窄まりがすべて見えてしまう。  
「ひゃああっ、恥ずかしいですっ!」  
 思わず初春の足が上条の背中をたたく。  
 腕の三倍の筋肉が搭載されているという脚での攻撃だが不安定な体制と華奢な女の子の身体ということもあって上条にはほとんどダメージは無い。  
 むしろ自分から尻肉を割り開いて見せたほど欲情しているはずの初春が再び羞恥に染まったことが嬉しい。  
 そして、その羞恥が快感に返還される機構を大きな瞳の中に見つけた。  
 暴れる初春の足を抑えつける。所詮は男と女。体力ではかなわない。  
「たっぷり濡れさせないと入らないからね」  
 言って、上条は自身のペニスを濡れた秘裂にあてがった。  
 裏筋にたっぷりと蜜を含ませたあと、亀頭でお尻の谷間をすっとなぞりあげる。  
「ひっひゃあああああっ」  
 肉棒を女性器と肛門との間で往復させる。変形の素股。  
 背中を反らせた初春のせいで亀頭から尿道のあたりまでが大陰唇を割って柔らかで敏感な粘膜に包まれる。  
 挿入しているわけではないがそれにも匹敵するほど上条には心地よかった。  
「柔らかいよ、初春さんの」  
「や……やらしいですよ、こんなのっ」  
 厚みのある二枚貝の肉で塗らされたペニスがてらてらと光りながら纏った蜜を尻肉の狭間にと落としていく。  
 強請るように肛門がキスしてきて甘い疼きを感じさせる。  
 筋肉組織の薄い下腹部が波打って初春が淫らに腰を躍らせる。  
「こんな、いや、恥ずかしすぎますっ! こんなの、ボーイズラブと関係ないじゃないですかっ!」  
「でもきちんとやっておかないと初春さん痛いよ?」  
「そういうのはローションとか使うんじゃ、ひやっ! おっぱい触らないでくださいっ!」  
「可愛いからいいじゃん。ほら、乳首もこりこりだ」  
 困惑と快楽の入り混じった表情の初春飾利。乳房というには慎ましい場所を右手で上条が弄ると切なく悲鳴を上げる。  
 大きく割り開いた脚の間から覗く顔が上気している。そこに上条の先走り汁と初春自身の愛液がぽたぽたと垂れて落ちた。  
「ああ、すっごく気持ちいいよ、初春さん。きっと中も気持ちいいんだろうなぁ」  
「だ、ダメですっ! それはだめっ!」  
「わかってるって。今日はお尻だけだって」  
 ぐちゅぐちゅと粘った音を立てる女性器が気持ち良すぎて本当にセックスをしているんじゃないかと初春は思ってしまう。  
 このままするりと中に入ってしまったらきっと離すことができなくなる。  
 ぎゅ、と自分の太股に深く指を食い込ませた。  
 不安定な体勢でも腰が動いてしまう。  
 
「すごく……大きくて……熱い、ですっ! あ、あああぁぁあ熱いっ!!! いやいや、気持ちいいっ! ひぃぅっ!」  
 初春の腕が上条の首の後ろで交差した。  
 折りたたまれるような形の上にさらに上条が重なる。  
 濡れた陰唇が切なく戦慄く。  
 きゅう、とお尻の穴が縮んだ。  
「いやあああぁぁぁ、熱い、熱すぎるよぉっ! イくっ、いっちゃう!!!」  
 ぎゅう、と全身を硬直させて初春飾利が身悶えしながら快楽の極みに達した。  
 自分の両足と上条が上体を押しつぶす中で背筋を硬直させて仰け反る。薄い胸を突き上げる。  
「ひあああああっっっ!!!」  
 ぷしゅ、と音を立てたかのように愛液が一気に噴き出した。  
 上条のペニスだけではなく下腹部全体を強く濡らす。むわっと性的な匂いが漂う。  
 ぴんと突っ張った小ぶりな乳首がふるふると震えた。細い腕が痙攣するかのように上条にしがみつく。  
 そして体力のすべてを奪われたかのように全身が弛緩した。  
 ぽたり、と腕が落ちて汗腺を開いた初春飾利が目と鼻の距離の上条を見上げた。  
 瞳が強く潤んでいる。  
 吐息は荒い。そして甘い。  
「酷い、です。お尻だけって話だったのに、おまんこでいっちゃいました」  
「挿入はしてないじゃない。涙子のローター責めと一緒だよ」  
「うう……でもいつ入っちゃうんじゃないかって怖かったですよ、もう……」  
「でも気持ち良かったでしょ?」  
「……はい」  
 顔を真っ赤にしながら初春が再び上条の後頭部に手を回す。  
 そしてぐいっと下から腰を突き上げた。  
 秘裂と肛門付近とに上条のペニスと陰嚢とが当たる。  
「上条さんだってこんなになってるじゃないですか」  
「そりゃ、初春さん可愛かったし」  
「んもう、そんなことばかり言ってるんでしょ」  
「上条さんは無感情なのが美徳とは思いませんのよ。思ったことは素直に言わないと」  
 くすくすと笑いながら互いに上気していく。  
 まだ終わっていないのだ。  
 その証拠に上条のペニスは初春飾利の陰蜜を纏って痛いほど勃起している。  
「……いいかい?」  
「……はい」  
 一度上体を離した上条が宣言すると初春は小さく息を吐きながら初めて迎えるその時を待つ。  
 上条には経験があるとはいえ緊張しないわけではなかった。  
 女性器と違って滑る機能は無いからきちんと準備もしたが、本来迎え入れる場所ではない。  
 無理をすれば破れてしまう。  
 じんじんと疼くペニスとはやる気持ちを抑えつつ亀頭を改めて濡れそぼっている淫裂に擦りつけてたっぷりと蜜を纏わせる。  
 
「あ……うぅん……いったばかりで敏感なんですから……焦らさないで……」  
 悩ましげに柳眉を歪ませる初春だが上条もまた焦らされていた。  
 温かい蜜をたっぷりと絡ませてますます元気になった亀頭を小さな窄まりにあてがう。  
「あ……」  
 初春の身体に甘い痺れが走った。木霊するように吐息を重ねる。  
 聖少女の肛門は柔らかくほぐれていてキスするように亀頭に吸いついてくる。  
 その刺激に従うように上条はゆっくりとペニスを埋め込んでいった。  
「はいる……挿っちゃいます……」  
 肛門周辺の肉を巻き込むように剛直が初春の中にめり込んでいく。  
 そのさまを両足を抱えた初春が食い入るように見つめている。  
 もともと異物を受け入れる場所ではない排泄専用器官であるがゆえに勃起したペニスはそう簡単には進んでいかない。  
 肉欲の塊のような亀頭のエラという最大の難関は無理強いすることで乗り越えた。  
「ん……はぅ……はぐ……」  
 しかし、ローターでの経験が大きいのか、初春飾利は額に脂汗を浮かべて血の気が引くほどに拳を握り締めながらも初めての挿入に耐える。  
 内臓を押される苦しみはあるが裂けるような痛みはない。  
 それでも身体に力が入りすぎていて挿入にひと苦労する。  
「初春さん、大きく息を吐いて。あんまり力入れてると裂けちゃうから。ほら、はぁーって」  
 はぁー。  
 初春が言われたとおりに大きく口から息を吐く。深呼吸する。  
 括約筋から力が抜ける一瞬の隙が生まれた。  
 そのチャンスを逃すことなく上条のペニスが一気に押し入った。  
 カリの段差の激しい亀頭部分が入ると勃起の残り部分がするりと飲み込まれて埋まる。  
「は、入ったっ! はいりましたぁ!! あぁぁあっ!」  
 悲鳴を上げる初春飾利。  
 ぶるぶると細い肢体が揺れて背中を仰け反らせる。  
「お、大きいのが! 大きいのが私の中でっ! ああ、あああ、こ、これがっ!!!」  
 初めて味わう圧倒的な充足感。  
 息をするのも苦しいほどに内側から押されながらも待ち望んでいた感覚に全身が歓喜に震える。  
 唇の端からよだれを流しながら体内を犯すペニスの存在に戦慄する。  
 女性器のようにもともと受け入れる場所ではない分だけ大きな肉の塊が体内にある違和感も大きい。  
 喜びながらも戸惑いを隠せない。  
「ぐぅ……初春さんのお尻、きついな……」  
 上条もまた強烈な感覚に耐える。疼き切っていた肉棒に燃え上がるほどような腸粘膜の熱を感じる。  
 強く締め付けてきながらも内側は柔らかくペニスのすべてが粘膜に接触している。溶けあって一つになってしまいそうに錯覚してしまう。  
 肛門部分で幹の根元をぎゅうと絞られながらも先端の亀頭部分はふわふわと柔らかく包まれている。  
 二つの異なる感覚を同時に味わう快楽は女性器では味わえない。  
 
「ああああ……上条さんの、で、お尻が、いっぱい……」  
 脂汗を流しながらも初春の表情が蕩けてくる。  
 シンプルな構造に見える割れ目から次々と新しい潤滑油が湧き出てきてアナルへと導かれる。  
 動いてはいなくともじわじわと感じているようだ。がくがくと全身を揺らしながらも苦悶と愉悦の入り混じった顔を上条に見せつける。  
「動かすよ? いいね?」  
 先端奥にまだ余裕があることを確認してから上条がゆっくりとペニスを引き抜いた。  
 挿入時と異なり抵抗は無い。するするとすべるように亀頭の直前まで抜けてぎゅうと肛門で絞られる。  
「あ……ふぅ……」  
 抜く動きが性感になったのか、初春の吐息に甘いものが混じった。背筋を震わせながら心地よさそうに小鼻を膨らませる。  
 そして再度挿入し、引き抜く。  
 四度五度と繰り返して初春が苦痛を訴えないことを確認し、上条は本格的に腰を動かした。  
 ――――じゅぼっ、じゅぼっ、じゅぼっ  
 性欲に突き動かされながらまだ中学生の幼いアナルを味わう。  
 年齢的には佐天涙子も同じはずなのだが、体つきという一点で初春は幼い。  
 成長途中の肉体はその不完全さが香り立つように美しさを開かせている。  
 そんな少女の肛門を確実な動作で上条は味わい続ける。  
 両手で初春の腰をしっかりとつかんで徐々に加速しながら腰を打ちつける。  
 これまでのアナルオナニーの経験は確実に積み重なっていて初春の直腸は淫らにペニスに絡んで弛緩と緊張を繰り返し上条を喜ばせる。  
「ひゃあっ! ひぃっ! ふわああっ! いや、なんか、すごいっ! すごいですっ! いや、わかんない!!  
 気持ちいいかどうかもわかんないっ! けど、すごいぃっぃ!!!」  
 少しずつペースの上がるアナルファックに初春の目が白目がちになる。  
 まぎれもない歓喜の表情を浮かべて牝のように鳴く。  
 困惑してもいる。  
 最初の肛門性交でなぜこんなに感じているのか、と。それはもう才能だというしかない。  
 ペニスを頬張って大きく広がった肛門に負けないほどに上の割れ目は蜜を溢れださせて存在をアピールする。  
 腰が当たるたびにぺちんぺちんと間抜けな音がした。  
 プリンのように白い尻が衝撃に揺れる。  
 白く華奢なそこと比例するようにグロテスクな牡の器官が出入りしていた。  
 汗でべったりと張り付いた前髪。それでも揺れるショートカットの黒髪。  
 初めての肛交に興奮と困惑と快楽を混ぜ合わせた表情を浮かべる少女の顔。  
 彼女の白く細く幼い肉体。  
 なだらかな乳房。  
 性器官とは思えないほどシンプルに見える筋。  
 そしてペニスを受け止める肛門部分。  
 そのすべてを愉悦に染めている、支配しているという征服欲が上条を満たしていく。  
 
「どうなんだい、初春さん。初めてのアナルセックスは、どう?」  
「い、いやぁ! そんなの、恥ずかしいですっ!」  
「ちゃんと言ってほしいなぁ。だって、これは体験取材なんでしょ?」  
「ひひゃあああっ! く、くりちゃん摘ままないでっ! そこ、敏感なんですからっ!」  
「言ってよ。言ってほしいなぁ。上条さんはめちゃくちゃ気持ちいいですよ。最高ですっ!」  
「ひっ、ひゃあっ……い、言いますっ! お尻えっち、気持ちいいですっ! お尻でずぼずぼってされて、めちゃくちゃ気持ちいいんですっ!」  
「そっかそっか。癖になっちゃうかな? どう?」  
「なっちゃいますっ! こ、こんなの、一度味わったらっ! 絶対癖になっちゃうっ!!!」  
 淫猥な言葉を無理矢理引き出させながら上条は笑う。  
 声高に響く絶叫には嘘など一つもない。  
「これでもっといい漫画描けるようになった?」  
「なりましたっ! だって、こんなの知っちゃったらっ! どういう気分なのか分かっちゃったらっ!  
 切なくてドキドキして気持ち良くってっ! こんなの、これまでじゃわかんなかったっ!」  
 これまで以上に速く強くリズムに身を任せて。  
 上条がピストンを高速化させ初春の中の鉱脈を掘り当てていく。  
「あ……っ、あーっ! いや、いっちゃうっ! お尻でいくっ! お尻でイクっ! いっちゃうよぉぉ!!!」  
 初春飾利の小柄な身体が絶頂を前にしてびくびくと震えた。  
 初めてのアナルファックで苦痛なく絶頂を迎えるという才能。  
 上ずる声がどんどん高くなっていく。  
 それに合わせて交合器官に目覚めた直腸がぎゅうと上条のペニスに絡みついた。  
「お、おおっ! 俺もイくっ! いっぱいお尻の中に精液出すからなっ! 感じてくれよっ!!!」  
「出してぇ!!! 出してくださいっ!!! オナニーじゃ絶対わからない感覚、私に教えてくださいっ!!!  
 上条さんのでいっぱいにしてぇぇええっっ!!!!」  
 上条の射精欲の高まりに合わせるように初春飾利の肉体は性的な絶頂に駆け上がっていく。  
 全身がばらばらになりそうな感覚に怯えながらもその先を求め、崩れ落ちて巻き込まれて落ちていく恐怖とその先の圧倒的な何かを求めている。  
 最高の瞬間を期待してか、その幼い貌にこれまで見たこともないような淫悦な笑みが浮かんだ。  
 その表情を見て、  
(可愛い――)  
 と上条が思った瞬間、崩壊した。  
「くぅぅうっ! 出るっ! っおあっ! 出るっ!!!」  
 高速ピストンで初春の肛門を貫き直腸の奥深くまで打ち込む。少女の柔らかい尻肉は上条の腰を受け入れて潰れて密着する。  
 男根はこれ以上ないほどまで深く深く侵入した。  
 ――どくんっ、どびゅどびゅっっ どくんっっ  
 弾丸のような射精。  
 深く突き刺さったペニスが暴れまくる。  
 水圧ですべてを押し流すような、そんな錯覚を起こすほどの勢いで男の種子を吐きだす。  
 
「ひゃあああああっっっっつっ!!! で、出てるっ! 上条さんのせーえきが、熱いのが、わらひのなかにでてりゅっ!  
 いやあああああっ、あつひ、あつすぎりゅぅうぅ!!! こ、こんのしらなひっ、すごすぎるよぉおおお!!!」  
 腸内を熱い精液で焼かれる感覚に初春の快感は爆発した。  
 ぐい、と背中が反る。白い喉を見せつける。  
 病的なまでに全身が痙攣して強張ってシーツに大きな皺を作った。ざざり、と布を爪で掻く不安定な音がする。  
 上条がすべてを放出してもなお、痙攣は続いた。  
 ぎゅぎゅ、と直腸と肛門とが上条の精液を絞り取る。ペニスを膨らませようとする。  
 絶頂の無意識の中で勝手に肉体が動いて男を欲しがっている風紀委員の少女。  
 彼女の絶頂は五分ほども続いた。  
 か細い悲鳴を上げ続け完全に白目を剥いた初春を上条が優しく抱き続ける。  
 やがて出せるだけの精液を絞り取られて完全に縮んだペニスがちゅるりと抜け出る。  
 男根の抜けた後の肛門がひくひくと切なそうに口を開く。内側のピンク色の粘膜から白濁の液体が毀れる。  
 ぬらぬらと濡れた淫らな粘膜からびゅちゅ、びちゅ、と腸内に排泄された異物を噴きだした。  
「大丈夫?」  
 ようやく意識を取り戻した初春飾利の頭を上条は優しく撫でた。  
 すべてが崩壊しそうなほどに疲れ切った初春が法悦を浮かべながら上条を見つめる。  
「はぁ……はぁ……すごかったです。素敵でした……私、知らなかった……こんなに……」  
 完全に上気した顔が官能に溶けている。  
 嬉しそうに見上げてくる。  
 その表情を見て、射精したばかりの上条のペニスがむきむきと元の力強さを取り戻した。  
 快楽を欲しいという衝動が再び巻き起こり勃起は急角度で反り返る。  
「は……あっ……やだ、初めてのキスなのに、乱暴ですよ……んっ……」  
 気がつくと初春飾利の唇を奪っていた。  
 互いの唾液で互いの顔をべたべたにしながら互いの不要となった二酸化炭素までも交換する。  
 獣のような口交に初春は嫌悪感を浮かべない。うっとりと幸せそうに微笑んでいる。  
 無防備な微乳を乱暴にもまれた初春が上条の昂りを悟ってか、上目づかいで言った。  
「っはぁ……もう一回したい、って言ったら怒りますか? 淫乱だって軽蔑しますか?」  
 二度目を求めてくる初春飾利。  
 上条はなんら返答することなく再勃起したペニスをついさっき抜いたばかりの穴に再び挿入し本能の赴くまま腰を使い始める。  
 新しい快感を知った初春飾利は貪欲にそれを味わいながら満足そうに笑って上条を受け入れ続けた。  
 
「うう……酷いなぁ。なんで起こしてくれなかったの? 初春のアナルセックス見たかったのに」  
 数時間後に眠い目を擦りながら佐天涙子が覚醒しての第一声はそれだった。  
 あれから三回連続で上条当麻と初春飾利はアナルセックスを続け、その間にすっかり初春は肛門性交での絶頂をマスターしていた。  
 やはり才能があるのだろう。  
 お風呂で汗を流して綺麗に身支度を整えたころには午後の四時を回っていた。  
 性的な匂いが充満している部屋の空気を入れ替えて皺くちゃになったシーツをとりあえず洗濯機に突っ込んで新しいものと交換した。  
 そして二段ベットの上部に元の通りに整えたのだが、その時になって佐天は目を覚ましたのだった。  
 すっかり事後だとわかった佐天は不満そうに頬を膨らませながらシャワーを浴びて身支度を整える。  
 三日徹夜して処女をささげた疲労は完全には取れていないようだがとりあえず元気は取り戻したらしい。  
「で、どうだった、初春。凄かったでしょ? 当麻さん凄く上手だからね」  
「えっと……その……すごく、よかったです」  
「やっぱり? だよねぇ。初春はエロ春だから最初っから気持ち良くなるって信じてたよ、うん」  
「佐天さん……? そのエロ春ってなんですか?」  
「ん? ローター三つも持ってて夜な夜なオナニーにふけっていた風紀委員のことですよ、もちろん」  
「んもうっ! 佐天さんたらっ!」  
 真っ赤になった初春が両手で佐天をぼすぼすと叩く。  
 まったくダメージにならない。  
 にゃはは、と笑いながら佐天が初春の頭をつかんで引き離す。  
「大体さぁ、私のお尻の分残しておいてくれないなんて酷いよね。見せてあげるって言ったのに、初春が当麻さんのせーえき全部使っちゃうんだもん」  
「な……」  
「あーあ、初春がこんなに淫乱だったなんてお母さんがっかりですよ」  
「い、淫乱なんかじゃ!」  
「違うの? 最初の最初で三回もおかわりおねだりしておいてさ」  
「あうううぅ……」  
 どうにもこうにも、第一声の通り初春の肛門処女喪失を見たくて仕方がなかったようだ。  
 後ろに回り込んで両手でごりごりと初春の即答部を拳骨で苛める佐天涙子と悲鳴を上げる初春飾利。  
 そんな彼女たちのじゃれあいを横目に見ながら上条は彼女たちのこれまでの作品に目を通していた。  
 その作品の中で上条は様々な男たちを犯していたり犯されていたりした。  
 異様に美化された土御門元春やら青髪ピアス。学園都市最強、茶髪のスキルアウト。  
 魔術サイドではイギリス清教の魔術師、騎士団、後方のアックア、右方のフィアンマなどなど。  
 どこから情報が漏れているんだと言わんばかりの内容だが、もちろんこんなことを彼女たちが知るわけがない。   
 非常に疑わしいことだが偶然というものがあるのだろう、たぶん。そうでなければ怖すぎる。  
 
 正直、これらの作品を上条は肯定できない。  
 肯定できないが否定するつもりもない。  
 大体否定しようにも市場ができているのだ。  
 学園都市一位の財力ならばどうにかできるかもしれないが上条の財布は白いシスターのおかげでいつでも素寒貧だ。  
 だが、こんな不幸な現状こそが今日の幸福を引き寄せたのかもしれないが。  
 と、同時に恋人である御坂美琴にばれたときのことを思ってに胃が鉛を呑んだように重くなる。  
 浮気相手は彼女の友人二人なのである。  
 全部自分が悪いのだ。状況の流されて、否、嬉々と自分から流されている自分が全部悪いのだ。  
 積極的に自分を誘ってきた佐天涙子と何度も肛門性交をして肌を重ねて情がわいて、そして処女を奪った。  
 彼女の悪戯を黙認する形で初春飾利を巻き込んだ。  
 二人とも決して上条が悪いとは言わないだろう。自分の責任だと言うのだろう。  
 だから決して上条は自分を不幸だとは思わない。いや、二次元世界の自分が男に犯されている姿は不幸だとしか言いようがないが。  
(いっそ、美琴もボーイズラブに染めてみるかなぁ……あいつのアナルはまだ試したことないし)  
 もともと興味があって、でも言いだせないところに佐天涙子の誘惑があった。  
 そのことを上条は思い出す。  
 それがきっかけとなってハーレムが構成できれば言うことなしである。  
 もっとも、現実はそう簡単にうまくいくものではない。二次元と三次元は違う。  
 わかってはいるが知り合いに露骨にハーレムを形成している男がいるのだ。  
 そいつの彼女たちもまたボーイズラブにはまっていて無理矢理原稿を描かされている、と愚痴をこぼしてもいた。  
 何が悲しくて自分が男を犯したり犯されたりしている漫画を描かなくてはならないんだ、と。  
 いろんな意味で手先が器用な男なので漫画も描けるのが災いしたらしいが、共同作業が多くなっていることがハーレムの維持に役立っているらしい。  
(余談だが初春飾利の本棚にそのサークルの本は十冊以上入っていた)  
 もげてしまえばいいのに、と思う反面素直に羨ましかったりもする。  
 少なくとも誰も裏切ってはいない正直さは見習うべきだと思う。  
(殺される覚悟で打ち明けてみるのもありかな)  
 泣かせるかもしれないが、少なくとも今ここでじゃれ合っている少女二人は賛成してくれるのではないだろうか。  
 そんな気がする。  
 そもそも、白井黒子の言うところの「輪の中心にいても輪の中には入っていけない」御坂美琴の友人なのだ。  
 破天荒な佐天涙子も生真面目な初春飾利も信用できる。なんとも照れくさいが、心底そう思う。  
 肌を重ねて情が湧いただけなのかもしれないが、そう割り切れるほど上条は大人ではない。  
 誰一人として失いたくないのだ。つくづく外道である。  
 それがわかっていながらも上条は妄想してしまう。  
 騒がしくじゃれあう二人の少女は考え込む上条を見て怪訝そうに顔を歪ませた。  
「何考えてるんですか? 御坂さんのことかな? ダメですよ、今は私たちのこと考えてなきゃ」  
「あ……私も、そうしてくれると嬉しいかなって、その……」  
 佐天涙子が積極的に上条の膝の上に座ると初春飾利はおずおずしながら上条の背中に抱きつく。  
 重さと体温が心地よい。  
 少女特有の甘い匂いに包まれる。  
 んー、と唸ったあとで上条は、  
「実はさ……」  
 と言葉を選びながら二人に協力を呼びかけはじめた。  
 
 

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