うん、美味しい。
林檎はみっしりと詰まってる方が味は良いって訳よ。
結局病室から出られないからさ、楽しみって限られてる訳よ。
雑誌もゲームも飽きちゃったし、何だかんだで食に落ち着くのは自然かな。
内蔵も随分こぼれちゃって作り直す手間もかかった訳で、三ヶ月ぐらい何にも食べてなかったもんだからもう美味しくて美味しくて。
自慢の脚線美はさよならしちゃったけどあと半年も頑張れば新しいのが作れるみたいだから学園都市もすごいって訳。
正直さ、麦野には多少は言いたいことはある訳よ。私が悪いってことを頭では理解していても結局人間って感情の動物よね。
多分麦野もわかってるから顔をださないんだと思う。まともな体を取り戻したらあの豊満な肉体で支払ってもらう訳よ、にひひ。
でもなぁ、目の前のこの冴えない浜面に麦野が三回も負けたっていまだに信じられなかったりする訳。
滝壺と取り合ってて、それに絹旗まで乱入したって言うのもなぁ。
いや、そりゃね。
私もお見舞い来てくれて太い指で器用にウサちゃんカットとかしてくれればそれなりに気になってくる訳よ。結局、女は優しい男に弱かったりする訳で。
最近はさ、麦野に対する怒りがさ、変な方向行ってたりする訳。
私はこんな身体で浜面とデートできないんだって。
ばっかだねぇ。
うん、我ながらすっごい馬鹿だ。
あと、フレメアのこと守ってくれたみたいでさ。
我が愚妹が浜面と結婚するって言いはじめて。
結局、浜面を義弟って呼ぶのは勘弁してほしい訳よ!
お義兄ちゃんならいいんじゃない?
なんつうかなぁ、アイテムもフレメアも私も根っこのところではおんなじだったんかねぇ。
こう、馬鹿でマヌケ面で浜面なのに、ナイフで林檎向いてる横顔とか見ていて胸がピンク色になったりする訳よ。
ああ、下半身なくしちゃう前に使っておけば良かったなぁ。
うう、うん。さっきの台詞取り消すわ。
結局、麦野に対して怒ってるのは私が浜面とえっちできないことだ。
なくしちゃうぐらいだったら膜ぐらいあげときゃよかったって訳。
まともな生き方してないしまともな死に方しなかったけど(ま、生き残れたのは感謝してるって訳)恋愛だけはまともにしたいなぁ。
うん、でも、うん。
私と同じ無能力者でも浜面は主人公で私は脇役って訳よ。
所詮、登場人物A、友人A。
ふれんど・A。
ヒロインにはなれないって訳よ。
でもね、いっつも勝てなければ逃げてきたけど今回だけは逃げるつもりはないって訳よ。
せっかくの新品の、誰にも使わせてない穴ぐらいは使わせてもらうって訳。
結果として敵わなくても綺麗な思い出の一つぐらい欲しいのよ。 ああ、ダメダメ。
負け犬根性じゃダメ!
真っ正直にぶつかるんだから絶対に勝利をもぎ取らないとダメって訳よ!
あ、でも思いっきりよがってる麦野は見たいかもいひひ。
うん、なになに? いいよ、林檎食べなよ
私もそんなに食べられ・・・・・・ってうおっ!
ぬおおお、手で林檎を割ったよこの男!
う、やばいこういうワイルドなところ、嫌いじゃない。
ううん、結局どきどきしちゃったじゃない!
私のまだ青い果実もああやって食べられちゃうのかなぁ。
うひゃあ、ドキドキとゾクゾクが胸の中で渦巻いてる!
うう、畜生!
あんたが私の中に仕掛けた爆弾がどんな音立ててるか少しは理解しなさいよね!