別に肉ばっか食ってる訳じゃねぇんだけどな。
素人了見なりにステーキって二種類に分けられると思うのよ。
強火で一気に焼いて二三分で焼き上げるのと表面だけ一回焼いてじっくり仕上げるのと。
どっちもうまいんだけど、下手なステーキでさ、レアなのは良いけど中が冷えてるのってあるだろ?
火力不足なのに短時間で焼いてるとそうなるんだよな。
短時間で焼くときは表面が焦げるぐらいじゃないとダメだと思うんだよ。
真っ黒でカリカリになってるところにニンニクとバター、そしてきりわけると中が赤くてジューシー。こういうのが最高だな。
ちょろっと醤油かけると唾液が止まらないね。
俺は霜降りではて一回しか焼いたことないんだけど(頑張って貯金したんだぜ?)こういうステーキは赤みの方が旨いと思うぜ。
学園都市だとビルの中で穀物で育てた牛ばっかりだけど青臭い牧草で育った牛でこれやると最高なんだ。
あとさ、麦野が機嫌が良いときに連れてってくれた高級店のステーキも旨かった。
和牛霜降りってやつなんだけど、これをさ表面だけ焼いてあとはじっくりと小一時間かけて火を通したやつ。
すごかったな。
ぷるっぷるでふわぁって、これ本当に肉?って感じでさ。
いやはやすっげえ旨かった。
なんつうかな、同じステーキのはずなのに旨さのベクトルが別物だよな。
赤みの旨さと脂の旨さってあるけどさ。
ご家庭だと前者しかできないよな。それでもうんぜん円かかるけど。
でも良い鉄板手に入れたからたまぁに焼いてる。
まだまだ本職には及ばないけどそれなりに好評だぜ?
日頃あんまり食の進まない滝壺も喜々として喰ってくれるし絹旗も文句言いながら完食するからな。
けどさぁ、こうなるとサラマンダーも欲しくなるんだよな。
低温でステーキを焼くあれ。
いや、くっそ高いのよ?
場所もとるし、本職の中の本職しか使えないけど。
でもこう、わかるだろ?
科学の進んだ学園都市なんだからお手頃の小型高性能サラマンダーとか作ってくれないもんかね。 ご家庭用オーブンレンジだとやっぱり弱いんだよな、火力や余熱が。
まぁ、麦野の能力をうまーく使えばサラマンダーがわりになるとは思うんだが、それ言い出すと俺がこんがり焼かれちまいそうなんでな・・・