悔しいけど鉄板の魔力って奴はあるみたいなのよ。
浜面が作るクセに美味しそうなんだよなぁこれがさ。
何でも古い鋳鉄の鉄板には細かいスが入っていてそれが食材に火を通すときに一役二役かうんだとか。
技術が未熟だからできた偶然で、学園都市の技術でつくろうとしてもコストが馬鹿高くなるとか浜面自慢してたけどさ。
うん、確かに自慢するだけのことはあるかも。
それに加えて浜面って鉄板料理が上手なんだよねぇ。
スキルアウト時代に覚えたのかしら。
魚介たっぷりの塩焼きそばとかお店で通用するわね。
最初に湯がいた麺を鉄板に乗せてほおっておくのね。わざと焦げさせるの。
次にお酒かけて麺をほぐして鉄板の別のところで炒めておいたアサリと牡蛎とイカを加えるの。
味付けは塩とオイスターソース。
これが随分と高級感のある味なのよね。
別に美食家じゃないけどちょっとまともなお店で食べる五千円ぐらいの料理に負けてないのよね。
で、これだけだじゃないのよ。
次に作ったのはお好み焼き。
ソースが続くとくどいからヤキソバは塩にしたんだろうね。
どろどろの生地を鉄板に敷いて豚、イカ、タコ、卵、それでたっぷりの春菊を乗せるの。
春菊なんてあうのかなって思ったんだけれども、そしたら浜面がテレビで見たのを真似したんだけどすっごく美味しいって言うのよ。
嘘だったらもうしてあげないよって言ったのに自信満々でその喧嘩買ったって。
結果から言うと私の負け。
いや、美味しいかったわ。
あんまり強く主張しないというか適度に香ってそれが癖になるのよね。
うん、これは春菊入ってないお好み焼きは食べられなくなるかも。
まぁ普通はここでお腹いっぱいなんだけれどもさ。
次に浜面が取り出したのは大きな鮭の半身。
もちろん鱗とか綺麗に取ってあってさ、それをちゃんちゃん焼きにしたのよね。
たっぷりの野菜とオリジナルのソースがかかった鮭が「美味しいんだよ?」なんて顔で私を見てるのよ?
堪えられるわけないじゃない 。
うん、食べちゃった。
あとで体重計乗って悶絶したわよ。二キロも増えてた。
もちろん浜面はサンドバックにしたけれどもね、そのあとで「少しぐらい丸い方が俺の好みなんだけれどもな」なんていって。
ああ、畜生!
完全にはめられたしそれを嫌だと思ってない私自身にムカつく!
絶対太らないんだから!
浜面使って汗をかきまくってやる!