「いつ見ても超すっごいですねぇ」  
 言われるままに股を大きく開いてベットに腰掛ける浜面仕上。  
 ショートカットの小柄な少女は筋肉のみっしり詰まった太腿のあいだにちょこんとしゃがみ込んだ。  
 デート帰りのホテルの一室。  
 いつもの光景だ。  
 そんないつもの絹旗はいつもどおりに醜悪に膨らんだモノをしげしげと見つめる。  
「シャワーは浴びたはずなんですが、なんか臭うような気がします。興奮してるんですかねぇ……  
 なんか、馬鹿になっちゃいそうですよ、本当に」  
 すんすんと鳴らして尿道口に端正な鼻を近づける。  
 愛らしい顔立ちには不釣り合いなぐらいに鼻腔を拡げる少女の姿になんとも言えない興奮を浜面仕上は感じた。  
 籠れる鼻息が敏感に亀頭をくすぐる。  
「うわ、超キモイです。匂い嗅がれてビクビクさせてます。キモイです浜面超キモいです」  
「しゃあねぇだろ、絹旗みたいな可愛い子にこんなことされたら男なら誰でも興奮しちまうって」  
 隠し事もなしの台詞に少女は一瞬虚を疲れたような顔をして、直後困惑した顔をしながら頬を染めた。  
 耳元を隠すぐらいの丸いショートカット。  
 整った目鼻立ち。  
 小ぶりだがぷっくらとした唇とすっと通る顎筋。  
 美人というよりは愛らしいという表現こそがふさわしい。  
 絹旗最愛という名前は決して虚飾には聞こえない。  
 そんな少女がシャワー上がりにバスタオルを一枚巻いたままの姿で座り込んでいる。  
「うわうわ、何言ってるんですか、超浜面の癖に」  
 嬉しそうにつんつんと白い指先が亀頭をつつく。  
 その僅かな刺激が明白な快楽電流となって浜面の腰を駆け抜ける。  
 まるで答えのように亀頭が上下に打ち振るった。  
 褒められて嬉しくて、その分気持ちよくさせたいという奉仕の感情が強くなっている絹旗はオスの本能塊のような光景に満足そうに微笑む。  
 それは男が、浜面仕上がどんなに哀れに感じるかを知り尽くしたかのような淫靡な表情だった。  
「えへへ。それにしても浜面の癖にここだけは立派ですよね」  
 他を知らないくせに知ったかのような口ぶりで。  
 指先で亀頭を摘んで絹旗がくすぐったそうに笑う。  
 そのまま先端の尿道口を凝視すれば既に先走りの汁が玉になって浮き出ていた。  
「もう涎が出てますね。超早いです。敏感すぎです、超早漏野郎です」  
 腫れ上がった亀頭と脈打つ竿を人差し指の腹で何度もなぞり上げる絹旗。  
 その度にペニスはぴくぴくと震えて一層膨張し、さらに先走りの玉が大きくなった。  
 我慢汁を育てるようなグロテスクな怒張に美少女たる絹旗最愛は嫌悪感を覚えない。  
 むしろその様が楽しくて仕方がないようだ。  
 年の割に小柄で華奢で、一見すれば小学生に見間違わんばかりの少女が女の顔で自分の性器を弄って喜んでいる。  
 その背徳的な光景に浜面は目眩を起こしそうになる。  
 自分でも驚くぐらいに息が荒くなって鼓動が早くなった。  
 絹旗は淡い色の唇を開いて前に突き出した。  
 開いたアヒル口。  
 それを。  
「……ちゅ」  
 
「うおっっ!」  
 むっちりと張りのある唇が先走りを潰すように押し付けられ、浜面は情けない悲鳴を上げた。  
 みっともなく呻き声を上げる浜面を見上げ、生臭いグロスをつけた唇を絹旗は小さな赤い舌でちろりと舐め上げる。  
「超牡臭いです。ケダモノです。浜面は本当に変態です。超死ぬべきです」  
 言いながらも嬉しそうに下品に彩られた唇を開く。  
 ちらちらと顔を見せる赤い舌がまるで単独の生き物のように、  
 ―――ちろぉ  
 と、浜面の亀頭を舐め上げた。  
「ぐあっ!」  
 情けない声を漏らしながら浜面の両手が白いシーツに二つの深い皺を刻み込む。  
「変態です、超変態です。超お仕置きです」  
 ぴちゃぴちゃと子猫がミルクを飲むような音を立てながら絹旗最愛の小さな舌が鈴口をしゃぶりあげる。  
「ちゅ、ちゅるっ……ん、ちゅぱっ、ねりゅっ、んちゅ……」  
 小さな舌が踊る踊る。  
 尿道口を強く責めたかと思えばカリ首をねっとりと舐め上げ、幹部分に脈打つ血管の一本一本をすっと刺激する。  
「は、ああっ……超ヤバイです……浜面の、超濃いです。くらくらしちゃいます」  
「んなの、自分じゃ、分かんねぇけど、な」  
「浜面は超原始人なんですっ……フェロモンが濃厚すぎて、興奮しちゃいます……浜面の癖にぃ」  
 情欲にますます頬を染める絹旗最愛。  
 うっとりとした表情で夢中に乱暴に舌を使う。  
 ぴちゃぴちゃという音が立つたびに浜面に強烈な快楽電流が流れる。  
「おっ、おおっ! っ……! う……ふっ、うう……」  
「えへへ、超気持ちいですよね? さきっぽ、舌先でぐりぐりされると。超うりうりってしちゃいますよ?  
 ねちゅねちゅって、ねろねろって、ホジホジしてあげますからね」  
 ―――ちろちろちろっ、ちゅるちゅる、じゅるるっ!  
 上目遣いに目を細めながら浜面を見上げる絹旗。  
 そこにはオスを快楽で屈服させるメスの喜びが満ち溢れている。  
 自分が初めて認めた男で、情けなくて腰が引けていて全然強くなくて。それでも絶対に自分は勝てないんだと心の底から尊敬してしまった男。  
 そんな浜面仕上を情けない声しか出せない程に追い詰めていることが楽しくて仕方がない。  
 嗜虐的な奉仕の喜び。  
 自分が女であることが誇らしくて堪らない。  
 ―――ねちゃ、ぴちゃ、ねちゃぁ……ちゅぴちゅぱ、ちゅるっ……ねろねろ、ぺろぉっ  
 「気持ちいいですか? 超気持ちいいですよね?」  
「うっ……っ、いっ、気持ちいいぞっ……めちゃくちゃ気持ちいいっ!」  
 可愛らしい声色に虐められて浜面仕上が情けなく答える。  
 浮き上がりそうな尻を必死にベットに埋めて自分より遥かに体の小さな生意気な女の子に与えられる快感を余すところなく受け止める。  
「あはっ、どれくらい気持ちいいんですか? ねぇ、ねぇ!」  
 小悪魔の顔をして、あまりにもみっともない姿の浜面の姿に絹旗は興奮する。  
 槍のような見えないしっぽを左右に振る悪戯な子猫に甚振られながら浜面は絹旗の望む言葉を融解しそうな脳で検索する。  
「わかんねぇよ! 比べられねぇ! でもめちゃくちゃ気持ちいいっ!」  
 ここで喜ばせる一言を言えないのが浜面仕上だ。  
 経験を重ねようとそれだけは変わらない。  
 そのことをよく知っている絹旗は返答に満足はしなかったがかわりに別のスイッチが入ったらしい。  
 ムッ、とした表情をしながら舌をますます激しく動かした。  
 
 ―――ぶちゅ、ぐちゅ、ちろちろ、れろぉ、ねろねろ、ねりゅぅ  
「お、おおっ! ぐ、ふっくっ!」  
 更に激しく、執拗的に舌が蠢く。  
 嫉妬が含まれている。  
 決して美形ではなく、話が面白いわけでもなく、無能力者で、馬鹿で。  
 でも大好きで。  
 そんな彼を想っているのは絹旗最愛だけではない。  
 そして押しに弱いこの男はその複数と関係を結んでいる。  
 狂おしい嫉妬がある。  
 でも、それでも誰も不幸にしたくないと分不相応な程にこの男がもがいて足掻いていることも知っている。  
 残酷になりきれないのだ。  
 馬鹿である。  
 当たり前のように破滅するはずなのに。  
 それでもこの男ならば常識を超えたハッピーエンドに全員を連れて行くのかもしれない。  
 そんなことも信じてしまっている。  
 その場所に本当は二人だけで行きたいと持ってしまっている自分も否定はしないけれども。  
 二律背反事項に募られて絹旗最愛の舌は絡んでいく。  
 顔が写ってしまいそうなほどテカテカに唾液を塗り込める。  
 黒光りする亀頭が漆塗りのような光沢を持つ。  
 亀頭はますます張り詰めて凶悪そのものへと成長していた。  
 唾液と我慢汁でベトベトになったそれを見て、絹旗最愛が年齢に似つかわしくない淫蕩な笑みを浮かべた。  
「超ベトベトです。てっかてかですよ。どうします? まだぺろぺろしてあげますか?  
 そ・れ・と・も、もぉっと気持ちよく、して欲しいですか?」  
「うっ、ううぅ、もっと、してくれよ。口に入れてくれ……」  
 理性も威厳も欠片ほども残っていない情けない声。  
 そして、この答えは今度こそ絹旗最愛を満足させた。  
「えへへ。超、ご褒美です。いっぱいはむはむしてあげますからねっ」  
 あむ。  
 大きく開いた口が浜面の亀頭に被せられた。  
 小さな口には浜面の凶悪なサイズはきついものがあるが絹旗は恐れも浮かべない。  
 ぽってりした唇の端から唾液の零れた糸を引きながら口に収めていく。  
「うっおおっ」  
 食べられる、といった感覚。  
 熱く柔らかな内頬の肉に包まれる。  
 舌がカリ首に裏筋にねっとりと当てられる。  
 腰がとろけそうな感覚に浜面の表情が歪んだ。  
 そして、絹旗がゆっくりと顔を前後にふりはじめる。  
 ―――ちゅぼ、ちゅぼっ! ちゅる、ちゅぼちゅぼちゅぼっ!  
 唇を性器に見立てて絹旗がピストン運動を行う。  
 亀頭に吸い付いて舐めあげて顔を振る。  
 ひょっとこのように伸びた唇と間抜けに伸びた鼻の下。  
 その伸びきった唇がペニスから亀頭だけをちぎり取ろうとするかのように何度も何度も境目の場所を引っ張る。  
「はぁん、むはっ、んふっ…・‥」  
 ―――じゅるるっ、ちゅばっ、ちゅぼちゅぼっ! じゅるるるっ!!  
 愛らしい顔には似つかわしくない浅ましい下品な表情。  
 鼻を鳴らしてまで必死にペニスに吸い付いている。  
 頓狂すぎるその表情を絹旗は浜面に見せつけている。  
 こんなことまでしているんだぞ、と言わんばかりに。  
 それは浜面への愛情表現であると同時に浜面のペニスに奉仕することが好きで好きでしょうがないという表情でもあった。  
 
「んはあっ! ふぅ、ふぅ……ほんと、超デカ過ぎです。顎がハズれちゃいそうです」  
 言葉とは裏腹に満足感に満ちあふれて。  
 一度離れて大きく口で息を吸って、吐いて。  
 うっとりとした表情を浮かべながらもう一度ペニスを口に運び、リズミカルに顔を上下させる。  
 そうやって中学生とは思えないように巧みで商売女も裸足で逃げ出すようなフェラチオに没頭する。  
 舌が亀頭全体を舐め回し内頬がカリをしごき上げる。  
 えも言われぬ快感の波が浜面の腰奥の火薬庫に大量の火花を散らした。  
「んぶっ、ふはっ! 鬼畜です、超いやらしいです。滝壺さんも麦野も孕ませて黒夜やフレメアまで垂らし込んだイヤらしいちんぽっ!  
 こんなの、超めちゃくちゃにしてやりますからっ!」  
 目の前を真っ赤にしながら絹旗最愛が鬼気迫る勢いで口腔奉仕を続ける。  
 オスの臭いを鼻腔いっぱいに広げて脳みそが蕩けてしまいそうなほどに酔いながらじゅぼじゅぼと間抜けな音を立てて唾液と先走りの混じりあいを啜る。  
 下品でいやらしく、嫉妬に狂って、必死に甘えている―――ただ一匹のメス。  
「どうですか、浜面? 気持ちいいでしょ、滝壺さんよりも、麦野よりも。チビ餓鬼二人なんか比べ物になりませんよね?」  
 自分が一番だと認めさせたい、嫉妬に塗れた切ない問いかけ。  
 浜面は言葉にこそ出来なかったが身体は無意識のうちに頷いていた。  
 絹旗の手管はあまりにも巧みで浜面の意識を肉体が裏切っている。  
 大波のような快楽の世界に術が何一つ残っていない。  
 自分が年端も行かない少年になって性に長けた年上の女性に弄ばれているような、そんな擬似感すらも感じる。  
「うわぁぁ、すげぇ、絹旗の口、滅茶苦茶気持ちいいっ!」  
「んぷっ、んぷぅ、ちゅぽっ……こういうときぐらい名前で呼んでくれても、いいんじゃないです、か?」  
「さ……いあいっ!」  
「え、えへへ☆ やだ、やっぱり名前で呼ばれると超照れちゃいますね。  
 やっぱり最愛って名前、らぶりーですよね、最愛ですからね。  
 超嬉しくなっちゃいましたから、超気持ちよくしてあげますよ、仕上☆」  
「ちょ、ちょい待てっ! 今でもかなり限界っ、な、んだがっ!」  
「超頑張ってくださいね、し・あ・げ☆」  
 絶対にどうにかさせてやる、とピンク色の光を瞳に浮かべた絹旗最愛が最愛の名前どおりに変貌していく。  
 更なる快感を期待する浜面仕上の瞳とより激しく苛めようとする絹旗最愛の瞳が交錯した。  
 ―――にゅぶぶうっ!  
「う、おおおおっ! ふ、ふぉっ!」  
 絹旗が頭を沈めたと思った瞬間、唇の奥深くまで浜面のペニスが埋没していた。  
 唇の筋肉をくぐって熱い口内にすっぽり飲み込まれて。  
 溶けてしまった、と勘違いするほどの快感。  
「ふぅ……ふぅーっ」  
 口が塞がれて、小鼻を必死に膨らませて酸素を取り込んで。  
 絹旗が上目遣いでにんまりと浜面を見つめる。  
 いびつで、淫らで、発情した女の顔。  
 ―――んぶっ、ちゅぼっ、ちゅぼじゅぼじゅぼっ! じゅるるっ ちゅむちゅぷ、じゅりゅじゅちゅちゅっ!  
「お、おおおおっ!」  
 極上すぎる快楽に浜面の脳が沸騰する。  
 根元までペニスを咥えて真空近くにまでバキュームして、じゅぼじゅぼと唇でペニス全体をしごきあげて。  
 豚のように鼻を鳴らしながら下品にがっついて音を立てて。  
 圧倒的な快楽にもう浜面仕上の射精は近かった。  
 びく、と膨らんだことを口内で感じ取った絹旗が嗜虐的な笑みを浮かべながら更に追い込んでいく。  
 
「んへへっ、らしてよいんですぉ? しあげのくっしゃひせーえき、さいあいちゃんがぜんぶ、のんであげりゅうんですぅ……  
 ほうらぁ、らひて、らひてくらさひっ!  
 いっぱいいっぱいらひてくらさひよぉっ!」  
 ますます凶悪に加速していく口唇奉仕。  
 男の精を吸い上げるような暴力的な怒張への責め苦。  
 完全に火のついた情欲の瞳。  
「う、ううっ! お、おうっ! 出しちまうぞっ! このまま出していいんだなっ!」  
 許可を求めているようで、その実宣言。  
 答えがどうなろうと浜面はこのまま射精しようと決めていた。  
 それに絹旗は目で笑って応える。  
 ずくっ、と疼いた塊が怒張の根元に膨らんでいく。  
 濃厚な雄の遺伝子構造体が集って纏まって一つの固体となって充填されていく。  
 ―――じゅぷ、じゅぷ、じゅぷぷっ  
「〜〜っ!!」  
 尿道をバキュームして、促して。  
 強力な射精欲求に浜面は身悶えする。  
「っ、んむっ、ん、ん、ん、んふぅ♪」  
 リズミカルに顔を動かして、もはや頭部全体が新たな性器そのもので。  
 必死になって締め付けている尿道括約筋の効果をすべてキャンセルさせる。  
 どん、という塊が尿道を駆け上がっていった。  
 そして、野生動物のように咆哮する。  
「でるっ! 出るぞっ! おおぅっ! く、くおおぅっ!!!」  
 ―――どくんっ! どくどくどくっ! どぷっ、びゅるうるっ!!!  
「んぷうっンむぅうゥゥッ! んむぶっ! んむはぁっっっつっ! むぐっ、んは、んほぅぉっ!」  
 顔に似合わないメスの呻きを上げながら絹旗が浜面の白濁液を小さな口で受け止める。  
 射精した本人ですら信じられないほどの勢い。  
 腰が砕けそうなほどの快感が脳から脊髄を通って股間で爆発する。  
 無意識のうちに怒張を突き上げて絹旗の喉を突く。  
 まるで別の意識体に乗っ取られたかのように腰だけがガクガクと震えてそのたびに白濁液が亀頭から噴出する。  
 大量な精液が絹旗最愛を汚し陵辱していく。  
 だが。  
「んぐ……んぐ……んぐ、ごきゅ、ごく……」  
 むわっと生臭い、そして塊のようなそれを絹旗は嬉しそうな顔をしながら飲み干していく。  
 こくこくと小さな喉を動かして、食道を熱いそれが通るのを楽しんでいる。  
 そうしながらももっともっと射精を引き伸ばそうと強い吸引を繰り返す。  
 ぞぞ、と吸い上げられると敏感の頂点にいる浜面は更なる快楽に怯えた。  
 腰が跳ね上がる。  
 引き締まった臀部が情けなく浮いてはベットに落ちて派手な皺をシーツに刻む。  
 絹旗は吸い付いたまま離れない。  
 浜面のペニスはしゃくりあげながら更に子種を噴出させ、そのたびに絹旗は喉を鳴らした。  
 
 ―――じゅちゅうううっ  
「うぉおおおっ!」  
 そして、最後の止めとばかりに再度根元まで深く深く咥えこんで唇でその付け根からカリ首までしごいて強く強く吸い上げた。  
 そのまま楽しむように亀頭の表面を唇を滑らせて掃除していく。  
 最後の一滴まで、口の中に運ばれる。  
 完全にクリーニングされていく。  
 快感のあまりにどうにかなってしまった頭で浜面は淫ら過ぎる絹旗の顔を見つめる。  
 ―――ちゅぽんっ!  
 最後の最後まで吸い上げられて、引き出されて、唇からペニスが零れ落ちた。  
 その派手で間抜けな音と開放感。  
 既に力強く反り返って臨戦態勢を取り戻したそれが勢いあまってぺちんと浜面の腹を叩く。  
 射精前と遜色がないほどにいきり立って。  
 まだまだ飢えていると、渇いているといわんばかりに。  
「はぁーっ、はぁーっ、はあーっ……もう、なんなんですか、はぁ、超やばいじゃないですか……  
 出したばっかりなのに、こんなに大きくしちゃってぇ……」  
 抜け落ちた陰毛が唇に張り付いている。  
 それを指先で払いながら反り返った男根にうっとりと絹旗が瞳を輝かせる。  
 吐息は熱くて生臭い。  
 浜面を原始人と揶揄した、それ以上に濃厚で本能的なフェロモンスイッチを入れて絹旗は勃起したペニスとその持ち主に視線を送る。  
「いや、は、気持ちよかったぞ……めちゃくちゃやばかった。こんなにすぐに復活するなんて、なかなかないぞ……」  
 ここまで興奮することは浜面の経験でもなかなかない。  
 ただ、それが起こるときはいつもどうしようもないほど愛おしいと思ったときだった。  
 スイッチが、ONのまま壊れている。  
「仕上、超満足しましたか?」  
 笑った目はそうじゃないだろう、と言っている。  
 口以上にものを言う目。  
 口で奉仕したこと以上を望んでいる瞳。  
 浜面は肋骨の内側が痛くなるのを感じながら渇いた喉に唾液を送って充血した視線を小柄で最愛たる少女へと向けた。  
 

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