(あなたに逃げることなんてできない。そもそもどこに逃げるの?あなたみたいな化け物を受け入れてくれる場所なんてどこかしら?だから分かったろ。分かれよ。なんで分からないの?テメエの居場所なんかどこにもないって事が)
「違う・・・あの子は・・・あの人は・・・私を友達だって!」
(泣くなよ、化け物。アナタガナイテモ、キモチガワルイダケダシ)
「違うっ・・・!私は・・・っ!?」
己の足元に真っ赤に染まって転がっているのは、自分を友達と言ってくれた少女と少年。
「嫌あっ!誰がこんなことを・・・」
駆け寄って手を伸ばす。
自分の手も真っ赤に染まっている。
まだ触っていないのというのに2人の血によってマッカニヨゴレテイル。
(バケモノ)
「嫌ぁぁああああああああああああーっ!!」
「ひょうか!?」
「どうした、風斬ッ!」
「うあ、ああ・・・?」
目に映るのは先ほど血だるまになっていたはずの2人。
自分の本質を知って、自分の醜さをみて。それでも自分を救ってくれた二人。
「ひょうか、どうしたの!?また怖い夢見たの!?」
今にも泣き出しそうな声で問いかけてきたのは先ほどまで隣で寝ていた少女、インデックス。
誰にも見えなかった自分を見つけてくれた少女。生まれて、初めての友達。
「もう3日連続だぜ。どうなってやがる」
バスルームから飛び出してきた少年は上条当麻。
自分のような者を命がけで救ってくれた、自分を1番望んだ形で受け入れてくれた、おそらく唯一、自分を殺すことのできる少年。
「あ・・・ごめんなさい・・・大丈夫、だから」
ようやく意識がはっきりしてきた。
ここは上条の部屋のベッド。
ヴェントの襲撃の後、結局風斬は上条の部屋に住まわせて貰う事になっていた。
堕天使の影響かノイズが出たり輪郭がぶれることもなくなった。
自分が望んでいた、もう二度と手に入らないと思っていた満ち足りた時。
だけど。
(わたしは、やっぱり)
ふとした時にやはり感じる違和感、怖気。
(人間に混じって、人間のふりをしている異物)
そんなこと思いたくなどない。
だが何度でも頭に蘇る悪夢の如き現実。
背中から巨大な翼を生やし、何もかも無に帰す様な電光を放つ、
まるで、物語の勇者に倒されるべきである様な、唾棄すべき醜悪な怪物。
(だけど。それでも、まだ)
たとえ最後に待っているのは絶望であって、ハッピーエンドなどありえないのだとしても。
やはりこの陽だまりのような空間に留まっていたい。
自分を認めてくれる二人のそばにいたい。
(だけど、このままじゃ)
毎晩みる悪夢が現実になるのではないか。
また何時、ヒューズ・カザキリとしてあのような姿になるか分かったものではない。
今の所学園都市はこれと言った動きを見せないが、それは来たる日に向けて下準備をしていると言うこと。
おそらくそう遠くないうちにローマ正教と学園都市の正面衝突が起きるだろう。
そのとき自分はどうなるかは考えるまでもない。
そしてそうなった時、自分は今度こそ2人を
「風斬!」
「っ!」
「とりあえず元気出せ。今日からお前も学校だろ?」
「あ・・・」
そう。風斬は小萌の計らいで霧ヶ丘女学院からの転校生として上条の学園に通えることになっていた。
「はいはーい、それじゃホームルーム始めますよー。」
子萌先生が教室に入ってきたころには、生徒の全員が着席していた。
「えー、出席を取る前にクラスのみんなにビッグニュースですー。なんとまたもや今日から転入生追加ですー」
おや?と、クラスの面々の注目が子萌先生に向く。
「ちなみにその子は女の子ですー。おめでとう野郎どもー、残念でした子猫ちゃん達ー」
おおおお!!とクラスの面々がいろめき立つ。
「とりあえず顔見せだけですー。詳しい自己紹介とかは朝礼が終わった後にしますからねー。さあ、転入生ちゃん、どーぞー」
子萌先生がそんなことを言うと、教室の入り口がガラガラと音を立てて開かれた。
「えと、風斬氷華、といいます。その、ヨロシクお願」
「うおおおぉぉ巨乳メガネっ子ちゃんキターーー!!!」
「ひっ!?」
「なんやねんいったいアナタはどこの萌えアニメから飛び出してきべばあぁ!?」
青髪ピアスの奇声は吹寄と上条のダブルパンチによって中断された。
「風斬さんは何処から来たの?」
「えと・・・霧ヶ丘女学院から、です」
「へー何の能力持ってる訳?」
「・・・その、カウンターストップって言って」
「そのバスト何センチなんゴブゥ!」
「何聞いてやがんだバカピアス!」
「あう・・・その、えと、きゅうじゅ」
「はいそこ風斬!律義に答えようとしなくていい!」
「なんでやねん!一番気になる所やんけ!それともアレですか!?カミやんは貧乳好きですかロリコンですか居候のシスター様や小萌先生みた
いなのがいいですかこの犯罪者がああぁ!」
「ヘーソウデスカ貴様は上条さんにそんな性癖があると信じていやがるんでございますかふーんへーほーもう50発殴っていいですか殴っていい
ですよね殴りますよ三段活用ぉあああ!!」
上条と青髪ピアスの乱闘を眺めながら風斬は今度こそはっきりと違和感を感じていた。
自分が霧ヶ丘女学院にいたという嘘。人の振りをして人に紛れている嘘。
人間ではない。やはり自分は人にはなりきれない。
頭を銃弾で吹き飛ばされても死なないものは人間ではない。
身体が空っぽのものは人間ではない。
それだけならまだいい。
いつ学園都市の上層部の計画でいつこの空間を自分で壊すかわからない。
自分がここにしがみつこうとすればその危険は増すだけなのだ。
ならどうするかなどと問われれば、それはやはり一つだけしかない。
「それ」を言うことを決意した風斬は青髪ピアスとの乱闘が終了した上条に話しかける。
「・・・あの、当麻さん」
「ん?どした、風斬」
「放課後、屋上でお話があるんです」
「んで、なんだ?話って」
「・・・今、あなただけに言っておかなきゃいけないことがあります」
そう、自分の卑怯さと弱さのせいで言わなければならない。
目の前の少年にとって、とても残酷で、痛くて、悲しいことを。
「今度私がまた本当の化け物になった時、私を・・・消してください。」
聞いた途端上条の額に青筋が浮かぶ。
「・・・ふっざけんなああぁっ!!俺が!お前を殺すと!そんなことできると本気で思ってんのか!?言った筈だぞ!んなことするくらいなら俺は今すぐ
この右手をぶった切ってやるって!!」
両手で風斬の肩をつかむ。自分を消すはずの右手で、触れる。
しかし、風斬は消えない。
その秘密は上条の首に下げられているカテドラルと名づけられたラテン十字によるものである。
インデックスが己の十万三〇〇〇冊の魔道書の知識によって考案し、必要悪の教会の魔術士達に特注で頼んだ歩く教会の亜種であり、十字教の
大元であるローマ正教の十字架をベースに各宗派の様々な封印、守護、無力化などの効果を持つ魔術が込められており、たとえカテドラルに対
して幻想殺しが作用しても龍王の殺息の様に処理が追いつかず強制的に幻想殺しの力を無力化する。
更にステイルの魔女狩りの王やアウレオスが三沢塾に施したコインの裏表の術式をヒントに核を別々として核が無事な限り消された術式もコン
マ単位で復活する様にしている。
ちなみに核となる総大司教十字は範囲10メートルほどが有効で上条の鞄の中に何重にも袋を被せて仕舞っている。
「お前が人じゃないって思っていても!俺もインデックスも姫神も小萌先生もお前が人だって認めてんだよ!それじゃ不十分かよ!?お前がここに
いていい理由になんねえかのよ!!」
彼は怒っている。ただ自分のために、怒ってくれている。
それがわかるからこそ、次の言葉を紡ぐのが苦しい。
次の言葉で自分を知って、受け入れてくれた人たちを、上条とインデックスの想いや行いを。
全て否定することになるのだから。
「・・・ありがとう。それと、ごめんなさい。たとえ、どんな理屈でも、何がどうなっても、私はやっぱり人じゃなくて、人にとって迷惑で危険
な存在でしかないんです。どれだけ否定しても足掻いても私の本質はやっぱり、あの怖ろしい化け物なんです」
黙ってしまいたい。この幻想が壊れて欲しくない。
それでも逃げられない。目をそむけては、いけない。
「あのときは、準備が不完全だったから私も逆らうことができたけど、次は本当に、ただの学園都市の兵器になって、私はあなたやあの子を殺
してしまうかもしれません」
「・・・ふざけんな。だから消えるしかないってか!?お前はそれでいいのかよ!」
「いいわけが・・・ないに決まってるじゃないですかあっ!!」
風斬の双眦から涙が溢れる。消えたくはない。消えたい筈がない。
「それでもっ・・・嫌なんです・・・私を受け入れてくれる人達を、自分の手で殺すかもしれないなんてっ・・・そんな可能性が自分にあるなんてっ・・・
いつ本物の化け物になるか怯えながらすごすなんて・・・耐えられませんっ・・・」
「っ・・・!」
ギリギリと言う音が聞こえるくらい上条は歯を食いしばる。
そんな必要など無いのに、そんな風に苦しんで欲しくないのに。何もできないと自分に責めているのだろう。
なんて勝手な言い分だろう。助けてもらっておきながらその行為は無駄だったといっているのだ。
たとえ自分が人ではないとしても、自分を受け入れてくれた皆の中では確かに人として生きていたのに。
自分は目の前の少年にとっては人殺しという罪を押し付けるのだ。
「ごめん・・・なさいっ・・・最低、ですね・・・私。生きていても、死んだとしても、迷惑しか」
「風斬っ・・・!」
上条の腕が風斬を包み込む。自分を『殺せる』筈の手なのに、それはとても暖かくて、ずっとこうしていたいと思ってしまう。
「だめです・・・私・・・」
このまま身を委ねてしまいたい。
「・・・お前が正しいかなんて判んねえ。だけど絶対認めない。俺が判ってんのはお前を消すなんて死んでもできないって事だけだ。学園都市の
クソ野郎どもに百回お前を奪われたって俺は百回ともお前を救い出してやる。」
「・・・ずるい、です。そんな風に言われたら、また、生きていたいと思っちゃうじゃないですか・・・」
「だったらそれでいいじゃねえか。お前が生きたいなら、生きろ。迷惑かけるのが怖いか、失くすのが辛いか。それが生きるって事だろ。俺達
『人間』はそれでも生きるっきゃないんだよ。生きてれば色々なくしたくない大切な物抱えててくもんだけどよ、
決して悪いもんじゃねえだろ。もっとも俺はお前を失う気なんてさらさらねぇけどな」
「うあっ・・・あああ・・・」
もうだめだ。ここまで言われて、これ以上自分を押し殺すことなどできない。
「なあ風斬。お前が生きてく上で、俺が出来る事はないのか?」
「・・・いいのですか?私が、望んでも?」
「いいも悪いもねぇよ。望んでんなら言ってみろ。俺に出来るならやってやるさ」
「・・・はい。じゃあ、一つだけ。あなたにしか出来ない、あなたじゃないと出来ないことです」
いずれ何らかの形で別れが来ようと、失うときの痛みが増そうと。
風斬は願う。恋する普通の人間が、憧れるであろう事を。
「私を・・・抱いてくれますか?」
「んなっ・・・!?」
「私は、不安定で、いつ消えてしまうかわからない存在です。だから、その前に一度だけでいいから・・・女として、好きな人に抱かれたいんです」
インデックスには悪いとは思う。
インデックスが上条を好いているのは傍目から見ても判る。
それでも、もう自分の想いを偽る事はできない。
「・・・いいんだな?俺で」
「当麻さんじゃなきゃ、駄目です・・・」
「・・・判った。お前がそれを望んでるなら」
そう言うと上条は風斬の頭を引き寄せて、その唇を自分の唇で塞ぐ。
「ん・・・」
軽く触れるだけのキスが次第に角度を変えていき、歯で風斬の口を強引にこじ開け、口内に舌を潜り込ませる。
潜り込んできた舌に風斬は一瞬身を震わせたが、嫌がることなく懸命に舌を絡ませる。
「んっ、うう、んー・・・」
風斬の口内を貪り、唾液を吸い尽くし、嚥下する。二人の結合部からぐちゅぐちゅと淫靡な音楽が紡がれる。
「・・・ぷはっ!!・・・・・・はぁ、あぁ・・・」
5分ほどの長すぎるキスの後二人の唇と舌が離れた時、唾液が糸を引いて垂れ落ちた。
少女の顔は今しがたの興奮の余韻で紅く染まり、目は虚ろになっている。
そんな風斬の艶やかな髪に顔を沈めてみる。
「・・・いい匂いだな」
「えっ・・・」
「こんないい匂いのする幻想が、あってたまるかよっ・・・」
「当麻さ、ひゃっ、ふああ!」
風斬の首筋に舌をはわせ、右手で制服を一気に捲り上げてブラジャーを外してやる。
ぷるんっ…
そんな音がしそうなほどに、勢い良く震え、風斬の豊かな胸が顔を見せた。
「やあっ、み、見ないで、あ、ひうっ・・・」
風斬の抗議をきかずにその豊かなバストを右手で揉みしだき、左の乳首にしゃぶりつく。
「やあっ、くすぐったいですっ、だめっ、あん、ふあぁ、あーっ・・・」
抵抗するそぶりを見せていた風斬も、込み上げる快感にもう抗おうとはしなかった。
抵抗がやんだことに気を良くした上条はかたくしこってきた乳首を歯で甘噛みして、指で強めに摘んでやる。
「ああ、やあん!胸、乳首、じんじんして、気持ちい、おかしくなっちゃ、ひあああぁ!!」
胸を攻め続けながら風斬のスカートに手を入れ、下着の中に指を入れ、風斬の花弁を押し広げ、蕾を指で攻め立てる。
「すげー濡れてる・・・」
「いや、言わないで、ちがっ、触っちゃ、はううぅ!!」
上条の指が秘裂に侵入して膣壁をこすり上げ、膣内を縦横無尽にかき回す。
電撃が脊髄を走りぬけるかの様な快感が走る。
好きな男との初めての経験に羞恥と興奮と快楽がない交ぜになり、風斬を昇らせていく。
「あああ、だめです、なんか、痺れて、熱いぃ!何かきちゃ、だめです、んああああああぁぁ〜〜っ!!」
絶叫と共に膣内が脈打ち、愛液が噴出して上条の指がびしょ濡れになる。
「あ・・・あ・・・」
風斬の腰が砕けてへたり込む。
涎が口の端からはみ出、虚ろな目をしたその表情はへたな娼婦より扇情的だ。
「なんだ、もういっちゃったのか?」
「だって・・・だってぇっ、当麻さんが、うますぎるからぁっ・・・」
「・・・なあ、最後まで・・・していいか?」
「・・・はい・・・当麻さんも、気持ち良くなってくださいっ・・・」
「風斬・・・背中、痛くねえか?」
「はい。ちょっと冷たいけど・・・へいき、です」
屋上の給水塔の影になっている一角に上条の制服を敷いた上に全裸の風斬が横たわっている。
左手で風斬の足を開かせ、右手でズボンのチャックを下ろして限界まで張り詰めた己の分身をさらけ出す。
「ああ・・・当麻さんの、おっきい・・・」
「あー、悪い、その、なんだ、見て楽しいもんじゃねーだろうけど」
「いえ、私のからだで、こんなになってくれてるから、その、愛しいです・・・」
嬉しい事言ってくれるじゃありませんかと風斬の大股を開いて愛液の溢れる秘所に自分の分身を押し当てる。
「ひう・・・」
「・・・挿れるぞ。いいか?」
「はい・・・来て、くださいぃっ・・・」
風斬の了解を得た所で自分の分身を風斬の中に沈めていき、
「うあっ・・・あ、熱い、ああ・・・あう、んああ!?ひあああああっ!」
そのまま一気に彼女の処女膜を突き破る。
鈍い、表現しがたい痛みが走る。だが、初めて、嬉しい痛みがあるということを感じた。
「あうぅ、うぐっ、んー・・・ふふ・・・当麻さんに、初めて、取られ、ちゃった・・・」
「わ、悪い、風斬・・・」
「大丈夫、です。その、動いて、ください。・・・もう、痛く、ないですから・・・」
「っ・・・!風斬・・・」
そういった彼女の顔は、笑顔で、どこか寂しげだった。
彼女の体は脅威的な治癒能力がある。破瓜の「傷」をもう回復してしまったのだ。
「当麻さんっ・・・動いてください・・・!今だけ、全部、忘れさせてっ・・・当麻さんで、いっぱいにしてっ・・・!」
「・・・わかった。いくぞっ・・・」
上条も、無意識だが認識している。
無意識にそんなことを認めてしまってる自分が呪わしく、そのように区別するなどもってのほかだが、風斬が人でないと。
だが、そんなものがなんだというのか。
理不尽に今までの自分の全てを否定され、学園都市の兵器として利用された。
それでも常に他人のために自分を傷付けている風斬が愛しくて痛々しくてたまらない。
ずっと辛い思いをしてきた彼女が幸せを感じるのに人であるかどうかなど考えることがばかげてる。
最後に待っているのが「自然でない」悲しい別れであろうとも。
せめて自分といる時の彼女の時間を、幸福だけで埋めていきたい。
「はっ、あっ、あぅあぁぁ・・・んあ、あーっ、ああああん!」
人気のない屋上に、二人の男女の荒い息遣い、嬌声、水音が響く。
風斬の声にもう苦痛はなく、上条の分身が打ち込まれるたびに歓喜の悲鳴を上げている。
「はあああん!いいっ!いいですっ、当麻さんの、気持ちい、ふあああっ!当麻さんは、私の、いいですかぁっ・・・?」
「ああっ・・・!すげぇ、いいよ・・・風斬の、凄く、締まるっ・・・!」
「ふあ、嬉しい・・・んうっ、はあっ・・・!当麻さん・・・ぎゅって、してください・・・」
「風斬っ・・・!」
風斬りの望みに応じて上条は風斬の上に覆いかぶさりその体を抱きしめる。
それと同時に風斬を制圧しているモノが、風斬の最奥を擦り上げる。
「ふああ!それ、擦れて、いい、ああ、熱いです、あああ!」
どれだけ、風斬の体を貪っただろうか。
荒い息を吐く唇をむしゃぶり、長い髪をかき乱し、たなわな胸を揉みしだく。
溢れる愛液は上条の突きこみを助け、絶頂へと促す。
「あ・・・ああ、当麻さ、もうっ、だめです、いっちゃ、いっちゃうぅーっ!!」
「おっ、俺も・・・イク、ぞっ・・・!」
上条は最後のひと突きを風斬に押し込み、ぐりぐりと最奥にねじ込んでやる。
「あああ、きちゃう、来るっ、んぁあああああああああ〜〜っ!!」
風斬の絶頂に合わせて上条の精子が爆発する。
「うぐぅっ、うううううう〜っ!!」
どくん、どくっ、どくんっ・・・
己の分身が脈打つ度に焼け付くような精液が風斬に送り込まれていく。
「ふあぁ、あったかい、はあ、凄い、です・・・」
「・・・遅くなっちまったな」
「ごめんなさい、もうすこし、このままで・・・」
「ああ、いいさ」
行為の後、日も傾き始める屋上で二人は寄り添って横になっている。
風斬は上条の右手に抱きとめられ、上条の胸に顔を埋めている。
「当麻さん。また・・・わがまま言っていいですか?」
「何だ?」
「私・・・当麻さんの彼女という事でいいでしょうか?」
「・・・ああ」
自分はどうあっても人間ではない。
普通の人間の様に好きな人とやがて結婚し子供が生まれ、幸せな家庭を作る。
そんなことは望みようがない。
この言葉が自分がいなくなった後どれだけ上条を傷つけるか分かっている。
それでも、言わずにはいれなかった。
「・・・生きろよ、風斬。1日でも、一分でも、一秒でも長く生きろ。お前がそう望む限り、俺はお前の幻想を守ってみせるから」
「・・・はい。ありがとう、当麻さん。私・・・幸せ、です。」
いずれこの幻想は消えるのだろう。
仮にローマ正教と学園都市の正面衝突を凌ぎ、自分がまだ生きていたとしても人の体と寿命を持たない自分はいずれ自然ではない別れが来る。
本当に周りのことを思うなら苦しみの少ないうちに消えるべきかもしれない。
ヒューズ・カザキリでない今の自分なら、力をうまく扱って自分だけを消滅させることができると思う。
それでも、今だけは。己の身勝手さと弱さゆえに。
この自分を受け入れてくれる箱庭に留まっていたい。
やさしくて温かい幻想にしがみついていたい。
なによりも目の前にいる、強くて、甘過ぎて、優し過ぎる大好きな少年の腕の中に、
今だけはまだ、身をゆだねていたいから。
END