いったいこの肌は何で出来ているのか。
浜面は不思議でならない。シーツの上で滑らかな白を暴いていく。
声を漏らす少女の細い喉を猫にやるように指の甲でくすぐった。
小さく肩を震わせた少女がまばたきをする。
「にゃー?」
彼女もその仕草から連想したものは同じだったらしい。浜面はぎこちない鳴き真似を笑った。
「俺は『がおー』か?」
「はまづらはライオンに似てるけど。オオカミなら『わおーん』かな」
お互い何も身につけていない素肌に手指を這わせた。
「じゃあ、ワオーン」
細い手が浜面の頬を包みこんだ。
「はまづら」
「ん?」
「鳴き声じゃいや。ちゃんと呼んで」
拗ねた唇を軽く吸った。至近距離で目を合わせて名前を呼ぶ。
「理后」
滝壺はほほえんで瞼を下ろした。細い指が後頭部から撫でるように動いて首の後ろで組まれる。
引き寄せられるままに深く唇を合わせた。
挿し込んだ舌から逃げる動きにムキになった時「はまづら」とその口が動く。
いつもの呼び名が艶めかしく聞こえるのも一部分を元気にするのも気のせいではないのだろう。
(ケダモノになっちまうのは絶対俺の責任じゃねえぞ)
諸々をまとめて投げ出した浜面は行為に専念しはじめた。