……カチッ。  
 
 『あー、うん。結構いい趣味してると思うわよ。この前来た時なんかその褐色の肌を白くするんだーって言って一晩中かけてべとべ  
とにされたし。あんなに出すんなら一回位中に出してくれても……教義的な意味でだよ、深く聞くなって!!』  
 
 『まぁまぁ。そうでございますわね。私の体の何が気に入ったのかは存じませんが、肌を重ねあう度に、こう、間に挿む事にご執着  
になられますのよ。悦んでいただけるのは嬉しいのですが、そのまま出されてしまうのは何と言うか勿体無いような気がするのは何故  
なのでございましょうか?』  
 
 『そうっすねぇ、強めの言葉で詰られるのが好きみたいですよ。拘束して上に跨りながらだと更に効果大ですね。まぁ、あんまりや  
りすぎると開放した瞬間逆転されちまう訳なんですが、それはそれでまた格別なモンですよ』  
 
 『な、何で私に聞きに来るんですか!?私が、この私が異教徒に体を触れさせているとでも!?いえ、触れさせるどころか「何か揉む度  
におっきくなってってる気がすんな」なんて具体的な言葉が出るくらいに体を重ねていると、貴女はそう言うのですかッ!!』  
 
 『あのですね……あまり大きな声では言えないんですけど、こう、体を舐めるのが好きみたいなんです。キスから始まってそのまま  
首筋を伝って体中を隅々まで舐めていくんですよ。その度にまるで体がキャンディーみたいによだれまみれにされちゃって。今じゃ  
キャンディーを見る度にその時の感覚が蘇えって……ふあっ』  
 
 『私に出来ることなんて……全部終わった後に体を拭いて差し上げることしかないですから。ええ、皆さんのが済んだ後にです。  
まだ一回も気付かれたこと無いんですよ。えっへん』  
 
 『そうねー、お姉さんも大概の事は経験してきたつもりなんだけどね。痛みが気持ちいいって感じたのはあの坊やが初めて。って言  
ってもそんな過激な事をしてる訳じゃないのよ?せいぜい革紐で軽く拘束されて赤くなる程度にスパンクされるくらい。跡だってこの  
くらいしか残ってないし、ね?』  
 
 『確かにこの身は幽閉され外界とは隔たれておりますが、それでも触れ合うことが不可能ではありませんので。いえ、実際に触れ合  
う訳ではありませんが。通信機が一組さえあれば不自由など何一つありませんので、ええ』  
 
 
 ガチャッ。  
 「サーシャちゃぁん?私の部屋から何か持ち出さなかったかなぁ……って、あら」  
 「……」  
 「なぁんだ。やっぱり気になってたのねー、イギリス清教女子寮編。まぁ実際には+αも含まれてるんだけど」  
 「……」  
 「それにしてもサーシャちゃんも素直じゃないわねー。そう言うのに興味を持つことは恥ずかしくなんか無いの、凄く自然なことなのよー」  
 「……」  
 「ってあれ?何か物足りないなぁ。何でさっきからノーリアクションなんですかー?」  
 「……私見一。わずらわしいので騒音の元を排除」  
 「んー?何かいつもと口調が違うわね……って待って!!何で唐突にそんなものを振りかざして!?」  
 「解答一。口封じ」  
 「単純明快っ!命は助けてー!!」  
 めきょ。  
 
 
 「私見二。学習完了……心して待ってるといい」  
 そのフードの下の目は遙か東の空を見つめていた――。  
 

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