やたらふかふかしたベッドに、身分の差と言うやつを思い知らされる。
ここは御田邸。
散策の度に「こんな所に住むのはどんな人だろう」と思ってしまう大豪邸だ。
「もう、大丈夫ですの?」
ベッド脇の椅子から心配そうに万里が覗き込んでくる。
「大丈夫だよ、今は真夏だし。ちょっと湖に落ちたくらい……っくしゅ」
そうなのだ。
毎月恒例のデート、ちなみに今回は山で自然と触れあうのが目的だったのだが
少々触れあい過ぎたのだ。
湖でボートに乗っている最中、
バランスを崩して落ちそうになった万里を支えようとしたはずが
なぜか自分の方が落ちてしまったのだ。
夏とは言え、今日は肌寒い一日だった。
すぐに助けてもらったから命に別状はないが、風邪を引いてしまったようだ。
少し熱っぽい感じがする。
「御迷惑でなければ、もう少し休んでらして」
こんな高級なベッドで寝るなんて、
一生に一度あるかないかだろうから、好意に甘える事にした。
「それにしても、わたしのせいで……ごめんなさい。
本当に大丈夫なんですの? お医者様を呼ぼうかしら?」
不安そうな万里の顔を見ていたら、なんだかおかしくなってきた。
できるだけぐったりとした表情を作る。
「もう死にそう……」
「し、死んじゃうんですの!?」
ちょっとした冗談だったのだが、万里は本気にしたようだ。
彼女はとても聡明なわりに、なぜかとてもだまされやすい。
「わ、私のせいかしら。どうすればいいの……?」
おずおずと尋ねてくる。
大人っぽい顔だちの彼女だが、こういう時は幼い子供のように見える。
そこがまたいいんだよなあ、とベッドの中で苦笑した。
「御田さんが体であっためてくれれば治るよ」
「…………」
さすがにこれは本気にしないだろうと思ったのだが、
まだまだ彼女の事を掴みきれていなかったようだ。
「……わかりましたわ」
「えっ?」
するりと万里がワンピースを脱ぎ捨てる。
赤いワンピースの下は、やはり真っ赤な下着。眼に焼き付く。
そしてこわごわとベッドの中に入って来た。
「少しは暖かいかしら」
「う、うん」
戸惑いながら万里の体を抱きしめた。暖かい。
しかもすべすべしてて柔らかくて、妙な気持ちになってしまう。
「あっ……」
顔が見れなくなって、万里の頭を自分の胸に押し付けるように抱きしめた。
ふと、彼女の友達に聞いた万里のスリーサイズを思い出す。
……やっぱり胸、大きいな。
数値や見た目でもわかっていたが、こうやって感触で確かめるのが一番分かりやすい。
しかしこんなことばかり考えていたらまずいことになりそうだ。
なにしろ向こうにだって感触は伝わるのだ。
そんな事を思って逡巡していると、万里がおずおずと口を開いた。
「あの……なんだか……変な気持ちになってきません?」
びくりと体が大きく震えた。
確かに図星ではあるが、それをこの状況で指摘されるととてもまずい。
「こ、このままじゃまずいと思うからベッドから出た方が良いよ」
そう言って腕の力を緩める。しかし万里は動かない。
「……御田さん?」
「…………」
「まずい事になっちゃってもいいの?」
覚悟を決めるように万里が息を吐く。妙に色っぽい。
「望む所ですわ」
「んっ……」
ブラジャーのレース越しにやわやわと胸を揉む。
声は出すが特に拒否するような態度も見せないので次第に手の動きが大胆になってゆく。
「きゃぁっ」
ブラジャーの中に手を入れて固くなった乳首をきゅっとつまむと、
面白いほどに万里の体が震えた。
もう片方の手でホックを外し、ワイヤーで押さえ付けられていた手を自由にする。
ブラジャーの布地で押さえられていた万里の乳房の重みが手のひらにかかった。
柔らかい乳房をもみしだきながら、時折思い出したように乳首にも刺激を与える。
「あん、だ、だめぇっ……」
屋敷内にあまり人がいなくてよかったと思う。
こんな声、聞かれてたらどんな目にあう事やら。
「下着汚れちゃうから、こっちも脱がすよ」
万里に足を閉じてもらって、下のほうも外して床に放る。
「あっ」
足の間に手を伸ばすと、ちゅく、と水っぽい音がした。
少し力をこめて指を前後に動かすと、もともと水っぽかったそこは更に潤いを増した。
逃げるように万里の腰が動くのでそれを追い掛けるように指を押し付ける。
「やっ、だ、駄目ですわっ、そんな所……あぁんっ」
円を描くようにしてじんわりと熱いそこを刺激していると、
ひときわ大きな反応を見せる箇所がある事に気がついた。
「御田さん、ここ気持ちいいの?」
「ち、ちがっ……」
それでも、その箇所を少し力を入れて擦ると予想通り万里は反応を示した。
「んっ、んんっ」
ちゅくちゅくと部屋の中に水音が響く。
そしてそのうち、指を入れられそうな場所がある事に気がついた。
「あっ!?」
少し力を入れるとつぷつぷと指先が埋まる。
万里は苦しそうに眉間に皺を寄せているが、もう興奮でそれどころではない。
はやる気持ちを抑え、カチャカチャとベルトを外す。
「な、なにをするの?」
不安そうな声をあげるが、わかっていないはずがない。
「いい?」
それだけ聞いた。
「…………」
恐る恐るといった感じで、こくりと頷く。
少し罪悪感を感じながら、大きくなった自分のものを入り口にあてがった。
「……っ!」
指なんかより、遥かに入れづらい。万里の表情も先ほど以上に苦しそうだ。
それでもできるだけ苦しみが和らぐようにと思いながら、強く抱き締める。
「はあっ、はあっ……」
荒く息を吐きながら、腰をゆっくり前後に動かす。
言い様のない快感が襲いかかる。
自分1人でしている時とは、比べ物にならないような快感。
「も、もう出そう……っ」
最後の理性で慌てて中から引き抜く。
すると、間髪を入れず白い液体が万里の体の上に勢い良くかかった。
万里の上にかかった液体を拭き終えたあとも、
しばらく二人でベッドに寝転んでぼうっとしていた。
「……なんだか、密度の濃い一日だったなあ」
「同感ですわ」
ずっとこのままでいたい気もするが、もう薄暗くなってきた。
ゆっくりと体を起こし、床に脱ぎ捨てられていた服を身につける。
「そろそろ帰るよ。体調ももう平気だし」
「あんな事しておいて、体調が悪いなんて思えませんわ」
そう言われてしまい、思わず苦笑する。
「……まあ、それでも道に迷ったら大変だから玄関まで送ってあげますわ」
「ありがとう」
そうして、二人で部屋を出た。
/終/