ここはきらめき高校、ごく平凡な学校だ。  
 
いや、平凡じゃないとこが一つだけあったな…  
卒業式の日に伝説の樹の下で女の子から告白され結ばれたカップルは  
永遠に幸せになれることが出来るという。  
 
そんな都市伝説的なものだがよく考えると馬鹿げている。  
 
まず、何故女の子からの告白限定なのか?  
男女差別にもほどがある。  
あとは卒業式限定というところだ。  
何故、青春まっさかりな高校の3年間を我慢して  
卒業式まで待たなきゃいけないのか…  
途中で付き合うと駄目な空気にまでなっている。  
俺はもっと高校生活をエンジョイしたい。  
永遠の幸せなんていらない、やりまくりたい。  
やりたい候補は何人かいるが、今のところNo.1はこいつだ。  
 
−藤崎詩織−  
俺の幼なじみであり学校のマドンナ的存在  
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能、品行方正で  
誰にでも優しいとふざけたスペックの持ち主だ。  
 
小学生の時はあんなに仲良かったのに  
いつからか距離をおかれている。  
 
たまに話しかけてきたと思ったら、今日の占いで  
俺は最悪だったとかぬかしやがる。  
髪形を変えた時も前の方がよかったとか  
じゃあ話を振るなよ、嫌がらせか…  
 
何とか詩織とやるためにデートにこぎつけないといけない。  
これがなかなかの難関だ。  
だが、俺の頑張りで11回目の誘いでやっとOKしてくれた。  
 
よーし、見てろよ詩織。  
お前をメロメロにしてその後、無惨に捨ててやるからな。  
 
あいつを男の子として意識し始めたのは  
いつからだろう。  
 
昔はよく二人きりで遊んだっけな…  
でも今までと同じ感じにはなれない。  
何故か意識して避けてしまう…  
 
あいつが他の娘と嬉しそうにしてるのをみて、  
ついつい占いが最悪だと言ってしまったり、  
他の娘達があいつの新しい髪形がカッコイイと噂すれば、  
前の方がよかったと心にもないことを言ってしまう。  
 
この気持ちはなんだろう…  
自分でも自分が解らなくなる。  
 
帰り道にあいつがデートに誘ってきた。  
 
正直いうと嬉しいのに、何故か断ってしまう。  
すぐにOKすると私の気持ちが見透かされてしまう  
ようでなかなかOKできなかった。  
それでもあいつは誘ってくる…  
私は心を見透かされないように、仕方なく  
いってあげるといった演技をしてしまった。  
 
顔が赤くなってるの気づかれたかな…?  
 
デートでは素直になれたらいいな…  
 
 

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