「真琴ぉ、魔女おばさんにスイカ届けてちょうだい。そんなに大きくないから大丈夫よ」  
紺野家の若々しい母は、今日も長女に届け物を頼むのだった。  
「えー またぁ?! こんな重いの学校に持ってくのヤダよぉ」  
ふくれっ面をしながらも自分の頭ほどもある球体を受け取り、あたふたする真琴。  
「これに入れてけば。おねえちゃんが持ってたら誰もスイカが入ってるとは思わないよ」  
美雪が差し出したのはサッカーボールを入れるバッグだった。  
「こりゃ〜いいやっ、ぴったりじゃん」  
 
「いってきまーす」  
真琴の自転車はいつものように急坂を猛スピードで駆け下り、  
踏み切り前でけたたましいブレーキのきしみ音を上げて止まる。  
その音には周りの人々も慣れっこになっていた。  
いつもどおりの倉野瀬の朝がそこにあった。  
 
校門近くで間宮千昭の自転車に追いつく真琴。  
二人は遅刻ギリギリで席につく。  
「功介、今朝のネタはなんだったんだよ」  
「うるせー。毎朝ぎりぎりに来やがって」  
千昭が功介をからかうのも、いつもの朝の光景だ。  
 
今日は抜き打ちのテストもない。タイムリープを使う必要もなかった。  
空は相変わらず真っ青で、白い入道雲が浮かぶ。  
その日は変わったこともなく、放課後が訪れるまでの時間も  
長く感じる事もなかった。  
 
「ごめん功介、千昭。あたし今日は用事があって行けないんだ、ほんとごめんっ」  
二人からの抗議を覚悟して手を合わせて頭を下げる真琴。  
「あ、わりぃ、俺も用あるんだ」  
千昭が言った。残された功介の表情が一瞬固まる。  
「なんだよ2人して。しょーがねえ。図書館でベンキョーしてくるわ」  
 
功介と分かれた2人は、同じ道路を、同じ方向に進む。  
「なんでついてくんのよ千昭ぃ」  
「別に真琴についていってる訳じゃねえよ。俺の行きたい方向に進んでるだけだ」  
2人の高校生はしばし同じ方向に自転車を走らせる。  
別の道を通っても、しばらくすると大きな交差点で一緒になる。  
「なんだよ、からかってんのか?」  
「そっちこそなによぅ」  
 
そんなこんなで2人が着いた大きな博物館。  
駐輪所に並んで自転車を止めると真琴は先に走っていき、館内に消えた。  
 
千昭は3階のとある展示室を目指す。  
たどりついた展示ケースの前でため息をつく。  
「まだ…無いか…」  
ガラスに手を触れる。ライトで照らされていないケースは冷たかった。  
 
真琴は広い階段室に居た。魔女おばさんこと、芳山和子が降りてくるのを待っているのだ。  
待ちかねて、ふと展示室のほうを覗くと、千昭が見えた。  
「千昭…何見に来たんだろ?」  
 
「真琴っ」  
魔女おばさんがすぐ後ろに立っていた。  
「あ、おばさん…」  
「彼、真琴のお友達の…?」  
「そう、千昭だよ」  
 
「彼も一緒にお茶しましょう、せっかくだから」  
魔女おばさんはそう言って微笑むと、階段に置いてあるベルト収納式パーティションを開放した。  
 
「はじめまして。ここで仕事をしてる芳山和子で、真琴の叔母さんなの。」  
「あ…はじめまして…間宮千昭です」  
千昭はすこしぎこちなく自己紹介をした。  
 
「真琴…今度は野球じゃなくてサッカーにしたの?」  
魔女おばさんが、真琴のかかえた袋を指して言う。  
「へっへーん」  
真琴がするっと袋を取り去ると、艶のあるスイカが現れた。  
「お母さんからです」  
「おばさん、食べたいなぁ…皆も食べるわよね?」  
「はーい!食べまーす!」  
即答する真琴とは裏腹に、千昭はとまどった。スイカを見たのは初めてだったからだ。  
「あ、あぁ、頂きます」  
 
「じゃあ、早速切るわね」  
おばさんが給湯室のほうへスイカを持っていく。  
残された2人。  
 
「お前がいつもおばさんて言うから俺は…すっげぇ綺麗な人じゃねぇか」  
「でしょー 魔女は歳をとらないのだ!」  
真琴はいつものようなペースだが、千昭は魔女おばさんの事が気になってしまった。  
 
 
「はーい、おまたせ」  
おばさんは、切ったスイカを2切れずつ乗せた皿を、2つお盆に載せてきた。  
真琴と、千昭の前にスイカが並ぶ。  
続いて一皿、自分のぶんを持ってきたおばさん。  
 
「いただきまーーーす!!」  
真琴の食いっぷりは相変わらずすげぇな、と、千昭は思った。  
こっちに来る前にライブラリで見た、20世紀から21世紀にかけて活躍した  
ケン・シムラというタレントの芸にこんなのがあったような気がする。  
そんなことを思い出しながら、初めて見るスイカに口をつけた。  
「甘い…うまい」  
思わず顔を上げた千昭と、おばさんこと芳山和子の目が合った。  
「ふふ…まるで初めてスイカを食べたみたいな顔してるわね」  
 
その笑顔と、図星を突かれた事で、急に顔を赤くする千昭。  
「いや、スイカは好きなんですよ」  
とっさに適当な嘘をついた。  
 
真琴はというと、既に2切れ目を食べ終わる所だった。  
「お前…もうちょっと落ち着いて食えよ…」  
「いーんひゃない、おいひーんらから」  
スイカを口いっぱいにほおばった真琴を見て、千昭と和子は、また目を合わせて笑った。  
 
スイカを食べ終わった後、軽く談笑していた3人だったが、  
徐々に真琴の口数が減っていく。考え事をしていたからだ。  
 
今日は千昭がいるから…千昭や功介の話はできないし…スイカも食べたし…  
そうだっ、昨日ドラマ見逃しちゃったんだ…早く続き見たいしなぁ…  
ここはいっちょタイムリープで昨日の夜に戻っちゃえばいいんだ!  
 
そう決意した真琴は、すぐさま行動に移した。  
「おばさん、千昭、あの、わたしちょっと用事思い出しちゃった、すぐ行かないと」  
言いながら、バッグをひっつかんで帰る体勢になっている真琴。  
 
「あらあら、忙しいのねぇ」  
きょとんとする和子。そして、困ったのが千昭である。  
「お前ちょっ…待て…」  
言い終わらないうちに、真琴は研究室を飛び出していった。  
 
困るじゃねえか…  
さっき初めて会ったばかりの…それも綺麗な人と2人きりってのはよ…  
その後も真琴の話を楽しげに続ける和子に、千昭は  
「俺もそろそろこのへんで…」という言葉を何度も飲み込んだ。  
千昭も真琴の事は気になっているから、興味深い話ではあるのだが。  
 
間もなくして話が一旦途切れた。今だとばかりに「じゃ俺もそろそ…」  
言いかけた千昭を、和子が少し大きな声でさえぎった。  
「あたし今日根を詰めすぎちゃって、疲れちゃった。そっちに座って良い?」  
 
「え、あ、あぁ、どうぞ…?!」  
ソファから立ち上がろうとする千昭。  
「千昭くんも座ったままでいいのよ」  
「そ、そう…ですか?」  
 
資料が両肩に置かれたソファには、ぴったり2人ぶんの場所しか無かった。  
自然と肩と肩がぶつかるほどの距離で、2人は座ることになった。  
「ふぅ」  
文字通り一息ついた和子は、とん、と頭を千昭の肩にあずけた。  
 
「良いなぁ真琴は。こんなカッコいいコに思いを寄せられるなんて」  
 
和子の突然の行動と台詞に、千昭の心拍数は急に上がる。  
「な、なんのことですか」  
「もうこのくらいの歳になるとね、見てるだけでわかるのよ。千昭くんはわかりやすいわ」  
「いや…そんなんじゃないすよ」  
「うーそだ。顔に好きって書いてあるもん」  
 
「そんな…うーん」  
この人にはかなわないなと思った千昭は、そこで喋るのをやめて、  
右手の中指で眉間を押さえた。  
 
ちゅー  
 
その時、和子は千昭の頬に軽くキスをした。  
「わ」  
「あっはは!」  
突然笑い出す和子と、真っ赤な顔の千昭。  
「キスされて、わ!はないでしょう。かわいいなぁ千昭くんは」  
 
ちゅ  
 
ふたたびのキス。  
「あなたはどこか遠くから来たような…そんな匂いがするわ」  
「……」  
 
ちゅうう  
 
今度は口に。  
「純粋に身体があなたを求めてる気がするの。だから今はおばさんを慰めて?」  
そう言って、また、キス。お互いに舌を絡ませた。  
「いいんですか、俺なんかで」  
「あなただから、こうしてるのよ」  
 
和子はそう言って身体をおこし、千昭の胸に頬を押し当てるようにしてすがりついた。  
 
千昭は、タンクトップごしの胸の一点に、熱いものを感じた。  
(涙…か…)  
こんなときどうしたらいいのだろうか?  
とりあえず、和子の肩をそっと抱いた。  
 
「ありがとう…」  
顔を起こして涙をぬぐいながら、精一杯の笑顔を見せる和子。  
千昭はその顔にたまらなく、いとおしさを感じた。  
 
「ごめんね、おばさん色々思い出しちゃったら、つい涙が出ちゃって」  
「あなたなら、忘れさせてくれそう…だから…抱いてほしいの」  
和子は立ち上って、ノーズリーブのワンピースの背中に手を伸ばす。  
ジィー、と、ファスナーを下ろす音がして、丈の長いワンピースは彼女の  
スレンダーな身体を、するりと滑るように落ちていった。  
 
「こんなおばさんでも、抱いてくれる?」  
雪のように白い肌。着やせするタイプなのか、むっちりと豊満な胸の谷間が  
ブラジャーからのぞく。千昭もそこから目をそらせずにいた。  
 
「好きにしていいのよ」  
和子のこの言葉を皮切りに、千昭は豹変した。  
 
立ち上がり、壁際に和子を追いやると、またキス。やさしく、激しく、  
唇と唇で会話した。片手でブラのホックをはずすと、ぷるんと丸い乳房が  
こぼれ出す。  
 
千昭は両手でそれを弄ぶ。持ち上げてみたり、握りつぶしてみたり。  
 
「あッ…おばさ…胸は…弱い…のッ!」  
「こんな…いい身体して…ぶつぶつ」  
「何…千昭君っ…はぁっ」  
「いえ、なんでも」  
 
このただひたすらにやわらかく、丸い、和子の胸の前では、それを弄ぶ  
という以外の思考は消し飛んでいた。  
 
千昭は両手で双丘を下から握り締めたまま、黙ってその頂点を舐める。  
舌で乳首を持ち上げるように何度も愛撫する。時には息をふきかけたり、  
甘噛みしてみたり。  
 
ふいに和子の身体に力が入る。  
「んっくあぁ…ほんとに胸は弱いんだからっ…!」  
和子は千昭の前髪をかきわけ額にキスをして、ゆっくり彼の身体を押し戻す。  
 
そして自分で自分の身体を抱きしめると一息ついて、  
「もう…胸だけで軽くイっちゃったじゃない」  
「エッチなんですね」  
また抱き合う2人。するりと和子の右手が千昭の股間へと伸びた。  
「そういうキミも、もうガチガチみたいね」  
「いやもう、大分前からですけどね」  
 
「ふふ」  
和子は子供っぽく上目遣いのまま、千昭のベルトを外していく。  
そしてズボンとパンツを一気にずり下げた。  
 
千昭の屹立した肉棒が飛び出す。  
先走りの滲み出す先端をつんと突いて  
「やっぱり若いコは角度が違うわね、それに堅さも」  
そう言って和子は、人差し指についた先走りを舐め取る。  
 
その仕草に、千昭はさらに興奮の度合いを増していった。  
 
今や小さなショーツ1枚とソックス、サンダルだけの姿となった和子は、  
千昭の前にかがむと、右手でそっと男根を握り締める。  
手前に軽く引き寄せながら、口を大きく開き、それを左横からほおばった。  
 
あたたかく、濡れた感触に千昭は包まれる。ときおり触れる前歯が  
ひんやりと冷たかった。  
 
「んっ…んんあ…きもひいい?」  
ひだすら竿を舐めながらそう言って、目線を上げると、千昭と目が合った。  
千昭は真っ赤になって顔をそらした。長い前髪で表情が読めなくなる。  
裏筋を通ってカリ、先端まで丹念になめつくすと、千昭の硬度はさらに増す。  
 
和子は一度口を離し、すうっと息を吸ってから、一気に先端からくわえ込む。  
ぢゅっ…!ぢゅっ…!  
舌と唇を最大限に使って亀頭を吸い込むように、刺激を与え続ける。  
 
千昭の息が荒くなる。  
「よしやまさんっ…!俺そろそろ…!」  
「なまえ…で…呼んでっ…!」  
「かずこさ…いく…!」  
 
びっ びっ  
初弾は喉に命中し、和子は軽くむせた。  
「けほっ けほっ…」  
びゅーっ びゅびゅっ  
さらに射精は続き、白濁は和子のおでこ、あごを汚す。  
舌で口元の精液を舐めとり、舌で届かない分は指で全てすくい取り、口に運ぶ。  
「うふ。おいしい」  
 
いきなり立ち上がって千昭の手を取り、自分のショーツにあてがう和子。  
薄く、小さな黒いショーツは、べっとりと濡れそぼっていた。  
「次は、キミの番だよ、千昭くん」  
 
千昭はそのままショーツの上を撫でつける。  
ショーツのレースとその下の茂みのザラついた感触を楽しむ。  
もう一方の手は彼女の尻に回した。  
そこに布はなく、たっぷりとした尻肉を直接もみしだくことができた。  
 
「いつもこんな…下着を…?」  
軽く笑うように問いかける千昭。  
「大人をからかうんじゃないの…」  
と、いいながらも赤くなり、顔をそらす和子。  
 
さて、前側。  
摩擦させながら手の位置を下げていくと、ざらつきが「ぬるっ」という  
感触に変わる位置があり、千昭はそこを強く刺激することにした。  
「あ…んっ」  
和子の声が大きくなった。両手で千昭の肩にしがみつく。  
「かわいいです…和子さん…そのままにしてて下さい」  
 
そう言うとショーツの両脇のヒモに指をかけ、ゆっくりとずり下げる。  
腕の角度はそのままに姿勢を低くしていった。  
股間とショーツが離れる少しの間、白く輝く糸が引く。  
床に落ちた黒い布切れは、信じられないほど小さくなっていた。  
 
「全部見られちゃうのね、千昭くんに」  
「やめますか?」  
「あーもう。焦らさないでよ…」  
 
かがんだまま、さほど濃くない茂みの奥をかきわける。  
指で押し広げる。  
 
くぱ…とろぉ…  
年相応の赤みは帯びているのだろうが、綺麗な生殖器が顔を出す。  
むきだしにしたクリトリスをやさしく撫でてみたり、あくまで指先だけで  
入り口をさすってみたり。  
「トロトロですよ」  
和子は相変わらず真っ赤になりながらも、頭をぽりぽりと掻いた。  
「千昭くん」  
「はい?」  
「ちょっと立ってくれる?」  
「え…?はい」  
 
和子は千昭の胸に顔をうずめながら、両手で彼を思い切り押し出す。  
ずどっ  
千昭はソファに押し倒されてしまった。  
「ちょ…」  
耳元にささやく。  
「…おばさんね、もう、我慢できないの…」  
 
そしてまたキス。  
ちゅ  
 
今やサンダルも脱ぎ捨て、薄いナイロンソックスだけの姿の和子が  
千昭に馬乗りになる。  
未だ屹立した千昭の肉棒を右手でとらえ、自らの入り口にあてがうと、  
「一緒になれたね」  
「はい…」  
あくまで、ゆっくりと腰を下ろしていく。  
 
ぬる…ぬぬぬ…  
千昭の肉棒を温かく、きつく、包んで、しめつける和子の体内。  
「はあっ…ちょっ…良すぎて…」  
予想以上の快感に、既に千昭の限界も迫っていた。  
 
「…?!!」  
だが、和子の攻撃はここからだった。腰のグラインドによって、挿入具合が  
深くなったり浅くなったりと、千昭はあまりの快楽に言葉を失った。  
 
「どう?おばさんもまだまだ捨てたもんじゃないでしょう?」  
「ちょ…これ…ヤバいですって…!」  
 
欲望のままに腰を振る和子。  
久しぶりの行為というだけではない何かが、彼女を突き動かしていた。  
普段の清楚な研究員姿からは想像できないほどの痴態。  
 
「一緒に…ね?千昭くん…!は…あっ」  
「もうイきますっ…!」  
「中に…頂戴っ!」  
言うと同時に和子の中はせつなく、強く、千昭を締め付けた。  
 
どくっ どくどくっ どく ぴゅぶぶ  
 
あまりの快感に、思いきり精をしぼりとられる千昭。  
二人は強い快感の余韻から、お互いを強く抱きしめることしかできなかった。  
 
すこし眠ってしまったのだろうか。  
冷房の弱く効いた研究室の中で、汗だくの千昭は目を覚ます。  
気が付くと格子のついたガラス窓から見える空は眩しいオレンジ色になっていた。  
 
まわりに目をやると、白衣を着た和子いた。  
何か飲み物を用意してくれているようだ。  
 
ボタンの留められていない白衣の間から、丸い胸や薄赤い乳首、  
へそから茂みまでが丸見えであった。  
 
「はい、アイスコーヒー、飲むでしょ?」  
「え…あ…はい…」  
 
生返事のまま、千昭は白衣の内側に釘付けである。  
己の肉欲が、また、たぎってくるのを感じた。ズボンにしめつけられた  
股間が痛い。  
 
「付き合っちゃえばいいのに」  
「だからそんなんじゃないですって…」  
「うそ。おばさんにはわかるって言ったでしょ」  
 
「最近の高校生…特に真琴なんかは元気だから、こんなもんじゃないわよ?」  
そういって和子は千昭の股間に手をのばし、片方の手で白衣の肩を下ろす。  
 
「うわっ」  
千昭はまたしても和子に押し倒されるのであった。  
 
〜おわり〜  
 

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