20××年…あれから10年経ち、すべての戦いは終わっていた  
エイリアンも聖薔薇騎士団もその後一切なりを潜めて、平和なひとときが続いている  
いちごは青山くんと結ばれ、WWFの一員として世界各国に飛び、自然保護活動に従事している  
れたすはイギリスに渡って父親の研究の後を継いでいる白金のフィアンセになった  
みんととざくろは共にアメリカ…前者は名門大学に通い、後者は日本人初のハリウッドセレブとして  
活躍を続けているが、みんとがアメリカに渡ったのはざくろを追いかけてからの行動らしいけど  
ちなみに、赤坂さんはそのままカフェミュウミュウでパティシエとして仕事している(白金の側近の  
仕事はれたすが引継ぎ)  
そして、歩鈴はというと……  
 
 
 
『10年目の春』  
 
 
 
「歩鈴さん、七番テーブルにこれをお願いいたします」  
「わかったのだ!」  
意外にも、今までと同じようにカフェミュウミュウで働いていた  
現在、カフェミュウミュウは普通の喫茶店となり、今まではいちごやベリーぐらいしかいなかった  
バイトの人員も、一気に20人ほどに増えていた。今では地球の未来にご奉仕するような機会は無く  
なり、新たにミュウミュウになる人はいないので、自然と雇用が増えたのだ  
歩鈴は家族を養うために、カフェミュウミュウの正社員となり、後進のバイトに業務の指導を行っ  
たり、職場に立ってウェイトレスとして活躍し続けたりと、今なお第一線で活躍中である  
修行中の父親は五年前にいったん帰ってきたが、また旅に出てしまったので一家の家計を立て直す  
大黒柱が相変わらず不在だ。今でも歩鈴がここに立っているのはそのためなのだ  
しかし、10年経っても変わっていないところもある  
例えば歩鈴の身長…なんと10年前からまったく伸びておらず、20代なのに年下の妹や弟たちに抜かさ  
れそうなほどなのだ。それ以外に、おひねり第一主義の考えや舌ったらずの「〜なのだ」という口調  
に、お得意の曲芸の数々など…歩鈴らしいといえばらしいのであろう  
 
「ありがとうございましたなのだ〜!」  
本日の仕事もすべて終わった  
今日は給料日なので、ここの責任者を兼任している赤坂さんから、バイトや歩鈴に給料が手渡された  
(支払いが銀行振り込みではないのは、歩鈴が「現金で欲しいのだ!」とごねたのでみんなそうなっ  
た経緯がある)  
「これは征海未亜さん、こちらは吉田玲子さん、そして黄歩鈴さん…ハイ」  
「やったなのだ!これで妹たちにごちそーできるのだ!」  
「歩鈴センパイ、これから今月分のパーティー、行きません?」  
バイトの娘たちが歩鈴に打ち上げの誘いを持ちかけてきた  
年上なのに可愛いとあって、バイトの間でも歩鈴は好評なのだ  
「ごめんなのだ…今日は学校で忙しい妹たちが、久しぶりにみんな揃う日なのだ」  
「あ…そうでしたね」  
「歩鈴もぶんも、みんな楽しんできて欲しいのだ!」  
「は、ハイ!」  
バイトの娘達に笑顔を振りまきつつ、歩鈴は帰路についていった  
 
お客もバイトも歩鈴もいなくなり、後は赤坂さんが白金に今日の報告を済ませるのみになった  
「明日からお休みですし…久しぶりに白金のところへ行くのもいいでしょう…」  
白金の部屋だった空き部屋の前で、赤坂さんは懐かしい気分になっていた  
10年前は白金の部屋だった場所だが、今ではベッドと洋服ダンスしかない質素な部屋となっている  
「…ッ!!」  
ふと、普段は足を踏み入れない地下の司令室で非常ベルが鳴った気がして、赤坂さんは足を止めた  
耳を澄ますと、やはり聞こえる…まさか……  
赤坂さんは、自室からしまっておいた司令室のカードキーを急いで取り出すと、足早に向かった  
ずっと締め切っていたため多少ホコリっぽいが、設備は健在だ  
そして、奥のコンソールから、地球に侵入したエイリアンを示す旨の警戒信号が鳴り響いている  
「こッ、これは…もしや新たなる侵略者の…まさか……?」  
いぶかしむ赤坂さんだが、その信号はすでに地球圏どころか、この日本へ侵入を済ませていた  
 
「闇の中からギャ-------♪地獄の底から死霊の群れがーギャ-------♪」  
へんな歌を口ずさみ、暗い夜道を家に向けて帰っていくのは歩鈴だ  
時刻は8時…家で待っているみんなは、さぞお腹を空かせて待っていることだろう  
歩鈴は、この時間でもギリギリ開いていたスーパーに立ち寄り、高級和牛や調味料を買いこんだ  
夕食の下準備は万全のようだ  
「ワタシの名前は国会議員!♪お腹の調子が悪いデス!♪…ん?」  
歩鈴は何かの視線を感じて、暗い夜道を振り返ってみた  
 
…  
 
武道の心得がある歩鈴でも、そこに異変を感じることは無かった  
「気のせい…?」  
怪しい気配は感じないが、それでも心配なので辺りを見回した  
見回したが、視界に入った腕時計を見て顔色を変えた  
「あ、もうこんな時間なのだ!遅くなっちゃったら大変なのだぁ〜!」  
言うが早いか、歩鈴はすたこらさっさと(死語)走り去っていった  
『…あれからゼンゼン変わってないな、アイツ』  
歩鈴が走り去った道の塀から何か声が聞こえてきたが、その声は歩鈴にとどかなかった  
 
歩鈴が自宅に帰還して、その後お祭りのようなパーティーは夜中の12時まで続いた  
妹や弟たちは歩鈴のように元気な男女に育ち、さながら実生活でも中国雑技団のように振舞っている  
どんちゃん騒ぎ(死語)は、結局近所からの苦情が来る前に、皆が疲れ果てて眠ってしまう形で幕を  
閉じた  
だが、まがりなりにも歩鈴は一家の大黒柱…皆が寝静まった後、今度は家計簿とにらめっこを始めた  
「学費と…食費に…あ、水道代も……ふぅ」  
どうやら、家計は少々苦しいようだ  
そろばん片手にパチパチしつつ、再びうなって頭を抱え…  
そうこうしているうちに、時刻はすでに2時半となっている  
明日は休みではあるが、早いところ寝ないと体のほうも心配だ  
「…今日はとりあえず…ここまで……なのだぁ………」  
眠気に襲われ、ついに歩鈴はそのまま書斎に突っ伏して寝息を立て始めた  
「むにゃ…にゃ…なのだ…」  
 
瞼の中で、歩鈴は亡き母の思い出を浮かべていた  
次に父の思い出  
その次はいちごやみんなと出会った思い出  
その次は…  
「起きろ」  
「お年寄りがねェ…グフっ!」  
「起きろって」  
「うーん、もうちょっと寝かせてなのだトニー…」  
「誰がトニーだっ!」  
「…え?!」  
謎の声に起こされ、歩鈴は反射的に足刀を浴びせた  
「どわっ!!」  
「さっきの視線はお前なのか?ともかく、妹たちには指一本触れさせないのだ!!」  
「ち、違うって言ってんだろ!!おいらの話を…」  
「問答無用なのだッ!」  
そう言うなり、歩鈴は声の主に飛びかかり、そのまま中庭へと転げ落ちた  
月明かりであたりは薄暗い程度だが、相手の顔をはっきり視認できるほどではない  
だが、歩鈴の目に入ったのは、あの忌々しきエイリアンの姿だった  
それも見たことが無い男…顔はわからないが、腰まで伸びたブラウンの長髪に、手には丸いボールの  
ような武器を持っている。武器を持ってきている以上、なにかしら相応の目的あってのことだろう  
「やってやるのだ〜!!」  
「だから待てって言ってるだろ!歩鈴!」  
「…!」  
その声に、思わず歩鈴は硬直した  
姿こそ別人だが、その声はまさしくあの男だった  
「…まさかとは思うけど…タ、タルタル?」  
「そーだよ、バカ」  
雲に隠れていた月が顔を出した  
周囲はさっきよりも明るくなり、いよいよ視界が開けてきた  
歩鈴の目に映ったその顔は、10年の時を越えて凛々しく成長した、タルトの姿だった  
 
深夜、歩鈴たちは誰もいない公園で二人っきりの再会を楽しんでいた  
「タルタルおっきくなってて見違えちゃったのだ!」  
「だからって襲うことはないだろ!まだ痛いしさぁ…」  
「それはもういいっこなしなのだ!いやなことは水に流して…なのだ」  
「一方的にやられてんのはおいらなんだけど…ま、いっか」  
積もる話は弾むもの、その量およそ10年分だ  
歩鈴は平和が戻った後、みんながそれぞれの道を歩んでいったときの事を、タルトは母星復興のため  
に奔走し、今では民族代表の議員にまでなっている事を話した  
「あれ?それじゃあ議員のおしごと大丈夫なのか?」  
「それだよ、実はまたこの星に来たのには、ちょっとワケがあったんだよ…」  
 
 
 《現地時間:朝の7時、場所:南米ジャングル地帯》  
「青山くん…おきた?」  
「うん…おはよういちご」  
木や葉で組まれた小屋の中で、目を覚ますカップルがいた  
それは自然保護員として活動中の青山雅也と青山いちごの朝の姿だった  
二人は下着姿であり、髪の乱れが夜の情事の濃厚さを物語っている  
「昨日の夜はあんなに乱れて、現地のガイドに聞こえてたかもしれないよ?」  
「やだぁ、青山くんったら…でも好きだよ♪」  
傍から見るとこちらが恥ずかしくなりそうなほど、バカップルな二人のやりとりがなされている  
「青山くん、まだ朝のキス…済ませてないよ?」  
「そうだったかな?じゃ、こっちに来て…いちご」  
「あおやまくん……」  
いちごはベッドにいる青山くんによっかかり、愛の証を求める  
目を瞑り、想い人の接触を待った  
「(んもぅ、青山くんったら焦らしたりなんかしてぇ…)」  
なかなか来なかったが、ようやく唇と唇が触れたのを感じ、素直に求めた  
向こうもこちらを求めてくるが、いつもとどうも様子が違う  
「(な、なんだか今日の青山くんって…ダ・イ・タ・ン…ん?)」  
うっすら目を開けて確認したいちごだが、そこにいたのは……  
「…ふぅ、キスのほうも久しぶりだね、いちご♪」  
「きききききききききききききききききキッシュぅぅぅぅ!!!!!???????!!?」  
「…(青山君はキッシュに当て身喰らって昏倒しています)」  
 
 
 《現地時間:夜の9時、場所:イギリス・ロンドン》  
ロンドンには歴史ある建物が多数あるが、こちらの別荘はひときわ目立っている  
童謡にも歌われているロンドン橋と首都の美しい夜景を一望できる、小高い丘に作られた純白の別荘  
の持ち主は無論、白金その人であった  
「…それで、赤坂さんからの報告はどうなったんでしょうか?」  
「まぁ見てのとおりだな」  
「す、すまん…」  
白金の業務が立て込みこんな時間に夕食となったが、席にはいつも白金とれたすしかいないハズで  
あった…だが、そこに三番目の席が設けられ、申し訳なさそうに一人の異邦人が腰掛けている  
「つまりパイさん、あなたたちは文化の発展のために地球を調べ、参考にするため派遣された…と  
いうことなんですか」  
「ほかに行くあてが無くてな…しばらく厄介になる」  
「今はもう敵じゃない…この別荘は広いからな、開いてる部屋も山ほどあるから、好きなのを選んで  
使ってくれ。じゃあ、俺はこれで」  
「…かたじけない」  
白金は食事もそこそこに、そそくさと席を立った  
その場にはれたすとパイしかおらず、妙な空気が漂った  
「その…」  
「は、はい…」  
「こんなことを言うのもなんだが、最後にあった時より…綺麗になったな」  
「え…ええッ!?」  
動揺するれたすだが、確かに10年も時を経ていれば、蛹は蝶へと変わるものだろう  
今のレタスの格好は、いつか白金の船上パーティーに出たときと似たドレスを纏っている  
しかし、髪も、顔だちも、スタイルも、あの頃から格段に美しくなっているのは事実だった  
「その、大人になって色気が出たというか…あ、別にそういう意味で言ったのではないからな!」  
「…うれしいです」  
「かっ、勘違いしてくれるなよ、私はだな…」  
「いえ、そうではなくて…あなたとこうやってゆっくり、お話がしたかったので…うれしいんです」  
「…ああ」  
 
「じゃあ、今いちごのおねえちゃんのところに、他の人たちも?!」  
「そーだよ。パイなんかあの時からヒゲ伸ばしてっから、会ったら驚くだろーな」  
「それってスーパーヴァンダミングアクションっていうのだ!」  
「スーパー…は?」  
おそらく、ちょいワル親父と間違えているのだろうが、ジャン=クロード・ヴァン・ダムとチャック・  
ノリスじゃえらい違いだ  
「それで、どうしてタルタルは歩鈴のところに来たのだ?」  
「フラグ立ってんの、お前だけだったからな。けどさ」  
「ん?」  
タルトは歩鈴を見つめた  
あの最後の別れのときから、歩鈴はぜんぜん変わっていない  
いや、よく見ると少し痩せて見えるようだ  
職業が接客とあって、歩鈴は正社員になってから毎日化粧を欠かさない  
しかし、それは眼の下のくまが目立たないように誤魔化しているような化粧の仕方だった  
「頑張ってたんだな…」  
「タルタルどうしたのだ、暗い顔して…わっ!!」  
突然、歩鈴はタルトに抱きしめられた  
歩鈴の体が小さいためか、タルトが大きくなったためか、それとも両方なのか、歩鈴の体はやすやす  
とタルトに持ち上げられた  
抱かれたまま、歩鈴は押し倒される形でベンチに腰掛けた  
「たっ…タルタル、びっくりしたのだ。いきなり押し倒すから…」  
「…おいらがお前ンちに来たのはな、お前の力になりたかったからだよ」  
「タルタル…」  
「もし…いや、多分そうするだろうけど、おいらは調査が終われば母星に帰らなきゃならないんだ」  
「それで、どうするのだ?」  
「でも、おいらはお前をほっとけないからよ。だから…母星を裏切ってでも一緒になりたいんだ!」  
タルトは顔を赤くしながら、歩鈴と視線をあわせず言い切った  
さすがの能天気な歩鈴でも、今の言葉の意味はわかった  
「おいらは歩鈴のことが好きだ……好きなんだよッ!!」  
「タルタル…歩鈴もずっと、同じこと言いたかったのだ…」  
 
誰もいない夜の公園で、地球と異星の二人が誰知らず結ばれようとしていた  
見つめあい、そして互いの唇が触れ合う…あまりにお決まりのシチュエーションだが、二人にとって  
は、これで十分すぎるほどの状況であった  
二人とも童貞と処女なので、その動きの一挙一動が全てぎこちない  
今、歩鈴とタルトを突き動かしているのは、それぞれを想う気持ちだけであった  
「…ん…んん……」  
「ふぅ…」  
鳥が餌を摘むようにキスを堪能した二人は、邪魔な着衣を取り払うべく行動を起こした  
タルトの服は少ないので大丈夫だが、歩鈴の服は帰ってきてからずっとウェイトレスの衣装そのまま  
だった  
「歩鈴、脱ぐの手伝ってやろうか?」  
「大丈夫…なのだ」  
フリルのついた上着を脱ぎ、ついには下着が見え始めた。下着といっても、歩鈴は幼い体ゆえ、ブラ  
なんてつけていない…動きやすさを優先して、シャツを着ている  
「つくづく、色気がないな…お前」  
「よっ、余計なお世話なのだ!」  
軽口をたたきつつ、歩鈴は最後の布も取り去った  
「歩鈴…」  
「じろじろ見ないでほしいのだ…こんなぺったんこな胸なんか……」  
「だけどよ、ここは大人っぽく反応してるぜ?」  
「ひぁっ!!!」  
くにっ…とタルトが指で歩鈴の乳頭を弄んだ  
乳首は程よく硬さを帯び、まだろくに触れ合ってもいないのに、歩鈴が感じていることがわかった  
摘んで、押して、挟んで…その都度、歩鈴はせつない声を上げた  
「くぅ…ぷ、歩鈴のおっぱい…おっきくないのだぁ…ひぁっ!!」  
「なにもデカいからいいってもんじゃないんだぜ?」  
「でもコレ…ちょ、ちょっと痛いけど…なんだかくすぐったい……のだ」  
「こっちのほうは…どうなんだ?」  
歩鈴が感じていることがわかり、内心ホッとしたタルトは勢いに乗って、その手を歩鈴のショーツに  
突っ込んだ  
案の定、とろとろに濡れていた  
「ひぇっ!そ、そこって……汚いのだ!!」  
「その汚いところに挿入なきゃならないんだからよォ…それに、気持ちよくなりたくないのかよ?」  
「た、タルタルおっきくなってえっちになっちゃったのだぁ〜!」  
「へへっ、しょうがねぇだろっ」  
悪戯をした子供っぽく笑ったタルト…歩鈴は口ではそう言っても、タルトは変わっていないと確信し  
ていた  
「きゃ……あぁあッ…あっ!!」  
「指でもキツいけど…ちゃんと挿入るのか、コレ?」  
「歩鈴に言っても、挿入られたコトないからわかんないのだー!」  
「おいらだって他の女とヤッた事なんてねーよ!」  
「…」  
「…」  
「とりあえず、ぱんつ脱ぐのだ…」  
「おう…」  
 
ベンチに裸身の歩鈴が腰かけていた  
同じくほとんど裸のタルトがその下に寝ている  
タルトの雄は大きく勃ち、あとは歩鈴が自身で挿入すれば…  
「タルタル」  
「…あんだよ」  
「痛いのは怖いけど…でもタルタルと一緒になれるんだったら、本望なのだ」  
「…わかった」  
いつになく真剣な歩鈴の表情を見て、タルトも意を決した  
ぴくぴくと震えながら、歩鈴は腰を沈めていく  
花弁に圧迫感が押し寄せ、それにつれて痛みが広がっていく  
「んんんッ…痛ッ……ぁ」  
「ぷ、歩鈴、無理すんなよ…な」  
「だいじょ…ぶ、なのだ…あぁッ!!」  
ズルッとタルトの雄が一気に歩鈴の膣内に収まった  
繋ぎ目から血が流れ、歩鈴は涙を浮かべた  
「あぁあッ…!!ぁああッ…!!」  
「は、挿入ったな…大丈夫か?」  
「だぃ…ぉぶ……きもち…ぃいから……うごいてほし…のだぁ」  
がくがくと震え、呼吸するのも辛そうな歩鈴が、このような言葉を吐けるはずがない  
タルトはしばらく歩鈴の様子を見守ったが、そのまま無言で歩鈴を突き上げ始めた  
「いっ…!んぁ、ああっ!!」  
「…」  
「きっ、きもちいいのだぁ…タル…タルぅ……」  
「…すんなって…だろが」  
「え…、なに?」  
「無理すんなって言っただろ!」  
「…」  
タルトの一喝で、歩鈴は無理やり喘いでいたのをやめた  
タルトも、ちょっと激しく言い過ぎたかと思い、歩鈴を抱きしめた  
「ふぇっ!?」  
「…お前さ、いつもそうだったよな…」  
「タルタル…?」  
「いつだったか地下に閉じ込められたことがあったじゃんか…あんとき、お前は捕まっても、そして  
生き埋めになっても、ていうか、いっつものーてんきだったよな」  
「…うん」  
「でもな、大きくなってわかったんだよ。完璧な人間なんていやしない…お前はあの時、おいらを  
心のより所にしてたんだ」  
「!」  
「図星だろ?」  
「しょーじき、そうだったのだ…」  
しょんぼりしている歩鈴に、タルトは続ける  
「もう、強がる必要はねぇよ。おいらが…おいらがお前をずっと守るから…」  
「タルト…」  
タルトの大きな腕が、歩鈴の小さな体を包み込んだ  
 
ゆっくりとタルトは動き始めた  
歩鈴の体にピリピリと痛みが走り、顔を顰めた  
「やっ…あああっ!!」  
「少し激しいか…このくらいならどうだ?」  
「ん…くぅ…丁度いいのだ…ふぅ」  
本当にゆっくりと、二人は蠢いた  
血と粘液が入り混じった液体が、淫らな音が庭に響いている  
この公園は広く、多少騒いでも隣近所には響かないが、歩鈴たちはそれを気にしている暇はない  
汗ばんだ体が密着して、タルトは歩鈴の更なる奥を求める  
歩鈴の体は小学生のように小さく、逆にタルトの体は完全に大人のそれだ  
タルトの雄は入りきっておらず、挿入れようとしてもすぐに最奥に突き当たってしまう  
巨大な肉塊が満遍なく膣内を蹂躙している…歩鈴にとってその注挿が、自分の体の中を何もかも掻き  
乱してしまうように思えた  
…しばらく経って、だいぶ歩鈴の体からは痛みが消えてきた  
代わりに体の底が擽ったいような錯覚を感じはじめたが、これこそ性の悦びであった  
「タルとぉ…歩鈴、なんだか気持ち……いいのだ…はぁ、う…」  
「そっか…ならもう安心だな……う、実はおいら、そろそろ限界…かも」  
歩鈴が落ち着くのを待っている間、注挿を繰り返していたのでずっと射精感を我慢していたタルトも  
そろそろ限界だ  
起き上がって歩鈴を抱きしめ、タルトはクライマックスへといざなっていく  
一突きするたびに、歩鈴の子宮の中まで入ってしまうのではないかと思うぐらい、深く、深く沈めた  
「くひゃぁぁあッッ!!!ぷ、歩鈴のあそこっ、壊れちゃうのだ…ぁ、ああッ!!!」  
「幾らなんでも…それは、ないだろ……くっ」  
強がってはいるものの、タルトはもう何秒も持たない  
このまま歩鈴と楽しみたいが、歩鈴もそろそろ限界みたいなので、ここで妥協することにした  
「歩鈴…もう出すけどさぁ、どうする…?」  
「あんッ!う…はぇっ?」  
「膣内で出すか、外に出すか…だよ」  
「んん、んんんっ…それ、ぷり……ん、ナカ…で…して…ほ、ほしいのだぁ」  
喘ぐ間隙の中で、歩鈴は精一杯に声を振り絞って答えた  
それを聞き、タルトも最後のスパートをかけた  
「ん?ひゃ、いきなり早く…ぅうっ、ひゃうんんッ!!!!」  
「…いくぜ」  
「あっ、あっ、あっ、ああああああぁぁぁぁッッッ!!!」  
話さないようにしっかりと歩鈴を抱き込み、一層動きを激しくしていく  
もはや歩鈴は、いつものように明るくタルトに振舞えなかった  
それどころではない…頭の中で何かが次々と弾け、もうすぐ一番大きな爆発が迫っている  
その爆発に身を捧げたい…歩鈴も腰を動かし、タルトの責めに同調した  
「歩鈴…おいら、ヤバいっ!!」  
「来て!きてッ!!タルト…タルト、歩鈴に出して!おなかのナカに…出してなのだ!!!」  
「ぷ、歩鈴…」  
「ひゃ、駄目、くるっ…!もう…限界なのだ!!!」  
「ぐうっ!!!」  
「はああぁあああぁあぁぁぁぁぁぁぁああッッッッ!!!!」  
 
弓のように仰け反り、歩鈴はタルトの全てを受け止めた  
だが、歩鈴の子宮はタルトの白濁を全て飲み干すことができず、少し下へと滴り落ちた  
何度も、何度も、何度も跳ねて、歩鈴は汗だくの体をタルトの胸へと擡げた  
タルトも同じだった  
初めて異性の中で果てたのだ…達してからは、しばらく目の焦点が合ってなかった  
そこへドサッと歩鈴が落ちてきて、ようやく落ち着けた  
「ふぅ…歩鈴、大丈夫か?」  
「く、くぅ…う…」  
まだ歩鈴は快楽の余韻を脱し切れていない  
タルトは歩鈴が落ち着くまで、そのしなやかな背中を優しく抱いた  
「たる、と…」  
「ん?」  
歩鈴は顔を上げ、火照った顔をタルトに向けた。タルトも同じ表情だが  
恥ずかしそうに歩鈴は言った  
「歩鈴と…一緒にいてくれるのだ?」  
「そーだ」  
「じゃ、結婚したら不自然じゃないのだ」  
「え、はぁ!!?」  
突飛な歩鈴に、久しぶりに驚かされた  
歩鈴はいつもの顔でケタケタ笑っている  
タルトはまだ母星と地球の国交関係もままならないのに、さすがに難しいと言った  
だが、歩鈴の気持ちは変わらなかった  
しばらくして落ち着き帰宅すると、さっきまでやっていた家計簿の計算の手伝いに引っ張り込まれて  
タルトはやれやれといった顔で不慣れな地球の算術と対面した。歩鈴の何もかもお構いなしなお気楽  
さに癒され、苦にはならなかったようだ…結局そのうち、二人は疲れて眠ってしまったみたいだけど  
 
幸い、その日は平日ということもあり、歩鈴たちの交情はお隣さんへ聞こえることはなかった  
だが歩鈴の妹たちは、朝起きてから歩鈴がいないことに気がつき、おまけに知らない男と寝ていた  
とあって質問攻めに見舞われた  
そのうち、しばらく連絡のなかったざくろからエアメールが届いて、皆の近況を報告してくれた  
写真も同封されていて、おそらくは雪国らしいところで青山くんとキッシュがいちごをあいだに挟ん  
でいちごがなんともいえない表情を映したものと、どこか貴族のお城での舞踏会らしき場所で踊る  
白金とれたす…そしてその後ろで二人を温かく見守っているパイの写真があった。  
それともう一つ…ざくろとみんとが抱き合い、下着姿でベッドに…これは歩鈴たちは見なかった  
 
「歩鈴さん!」  
「あ、べりーちゃんなのだ!」  
ある日、タルトと街中で買い物を楽しむ歩鈴と、べりーと侑が出会った  
「こんちは…ってコッチは誰?」  
「侑、この前話したじゃない。タルトさんよ」  
「ああ、例のエイリアン…さん」  
今はもう戦っていないこともあってか、侑は中途半端に気を使った  
「あんたか…歩鈴から聞いたけど、ちょっと前に地球のために戦ったっての」  
「わたし、べりー。目黒べりーです」  
「あれ?結婚の話…もうそんなに進んだのだ?」  
「今年の5月なんだ。な、べりー」  
「やだぁ、侑」  
侑はべりーを抱きしめた。街中で  
この二人は歩鈴と同い年なので、まだ子供っぽいところも残っている  
というか、20代になっても、性格どころか体型まで10年前とは変わらない歩鈴の方がヘンだけど  
「わたしたちは婚約指輪を買いに…歩鈴さんは?」  
「歩鈴たちはタルタルの服を買いに来たのだ」  
どうやら今着ているのがそれらしい  
耳あてが不自然だが、それはあの耳を隠すためなので仕方ないとして、シックな感じでまとめられ、  
おそらくタルトが自分で選んだものなのだろう、それでいてどこか子供っぽい印象も受けた  
「じゃあ、私たちはこれで」  
「ばいばいなのだ〜」  
歩鈴は元気に二人へ手を振り、タルトに向き直った  
「結婚…か」  
「タルタルもしたいのだ?」  
「だ、だからアレはなぁ…」  
 
恥ずかしがって顔を背けるタルトに、意識しているのかいないのか微妙な発言の歩鈴がついていく  
いままでずっと一人で頑張ってきた歩鈴にも、今やっと春が訪れようとしていた  
季節は春…春とは芽生えの季節  
新たな命が産まれ、新たな恋が実り、新たな絆が成り立ち、新たな職に就き、新たな生活が始まり、  
 
「ね、タルト」  
「なんだよ…だいたい地球の籍も無いのに結婚なんて…」  
「もう2ヶ月なのだ」  
「………………え゛?」  
「あのね、女の子だって…お医者さんが言ってたのだ」  
「ちょ…おい、何言ってんだ!!?」  
「さ、家に帰るのだ!」  
「おいってば!!」  
 
そして、新たな恋が芽生える…  
 

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