キリングフィールドでの闘技大会を控えたある日、高麗と04の二人は
スラムの一角にある喫茶店へとやってきていた。
「高麗…私とセックスしてくれないか?」
「ブーッッッッッッ!!!」
突然の04の爆弾発言に高麗は思わず口に含んでいたオレンジジュースを
テーブルの上へとぶちまける。
「ケホッ、ケホッ」
そしてそのままむせて咳き込みながらも、高麗は何とか手にしていたコップを
テーブルの上へと置いて、必死に落ち着きを取り戻そうとする。
「どうかしたのか?」
「い、いや『どうかしたのか?』じゃ無くってだなぁ…」
何事も無かったかのように淡々と話す04に対して、高麗は慌てながらも
04の言葉の真意を聞き出そうとする。
「と、ところで、な…何でいきなり…その…」
「セックスか?」
「だ! だから、こんな所でそういう事言うなって!」
「何か都合が悪いのか?」
04の無神経な発言に高麗はドンドンと自分の心臓が高鳴っていくのを感じていた。
それに伴って、自分が発する言葉も詰まり詰まりになっていく。
「ダメか?」
「だ、だから…何でいきなりそんな事!」
「私に残された時間が少ない事はお前も知っているだろう?」
「…あ」
その言葉を聞いて、高麗は今までの慌てようがまるでウソのように
落ち着きを取り戻す。いや、落ち着いたと言うより落ち込んだという表現のほうが正しいか…。
「だ、大丈夫だって! 闘技大会で優勝して、それでここを脱出して公司に行けば…」
「気休めはいい。実際助かる確率としては万に一つ程度のモノだろう?」
「そ、そんな事無いって! お、俺が何とかして……」
「何とか出来るような人間がどうしてスラムなんかにいるんだ?」
「そ、それは…」
「あまり私をバカにするな。それくらいの事私にだってわかるさ」
「バ、バカにしてるわけじゃ!」
しかし実際04の言っている事は正しかった。半獣人はもともとスラムに隔離された存在である。
それがのこのこと公司に行って、遺伝子治療を受けさせてくれと言ったところで
受けさせてもらえるわけがない。また、一介の師兵でしかない自分に
それだけの権限が無いのも事実である。分かっているからこそ余計に04の言葉を聞いて
自分の不甲斐なさを悔しく思い、怒りを覚えていた。
「…聞いているのか、高麗?」
「え? あ、ああ…何だっけ?」
高麗はいつの間にやら目の前にいる04の言葉すら
耳に入らないほど一人で考え込んでいた。
「だからだな、死ぬ前に色々な事を経験しておきたいんだ」
「つ、つまり…そのためにセ、セセ…セック…」
「セックスだ」
「な、何でそんなにアッサリ言えるんだ…。も、もう少しこう、恥じらいとか…」
「?」
04はイマイチ高麗の言ってる事が理解できないのか、怪訝そうに眉を顰める。
「別に口にするぐらい、大した事では無いだろう。何故そんなに恥ずかしがる?」
「い、いや…だってよ…」
04はこれ以上恥ずかしい、恥ずかしくないで議論しても無駄と思ったのか
突如、高麗に対して本題を切り出す。
「それでセックスはしてくれるのか?」
再び04の口から、高麗に対して問いかけられる。
しかし、今度は先程のようにひどく動揺する事は無かった。
今までの話、そして表情はほとんど変わらなくてもその真剣な眼差しが04の本気さを物語っており
そんな04を前にして高麗は恥ずかしがるという感覚を忘れていた。
「…わかった。いいよ」
そして高麗は肯定の言葉を口にする。何故受け入れたのか自分にも分からない。
ただ、真剣な04を見てたら肯定することしか出来なかった。そんな感じであった。
悪く言えば気圧されたとでも言うべきかもしれない。
それでも04とのセックスを了承したからにはしなければならない。
それを思うと、高麗の中で色々な感情が暴れ回り、高麗の胸を締め付ける。
「それでどこでするんだ?」
相も変わらず、表情をほとんど変えずに淡々と04は話を続ける。
「ど、どこって…決まってないなら…ど、どこかのホテルで…」
「そうか、ならついて来い」
「あっ! おっ、おい!」
04は話し終えると、そのまま席を立ち上がってくるっと高麗に背中を向けて歩き出す。
「ちょ、ちょっと待てって! …おっさん、勘定ここに置いとくぜ!」
そして高麗はテーブルの上に勘定を置いて、そのまま04の後を追う。
04は高麗が普通に後をついて来れる程度のスピードでスラムの裏路地をスタスタと歩いていく。
そしてほどなくして04がその足をピタッと止める。
「こ、ここ…か?」
高麗が04が見上げる建物を見て呟く。
「ああ、何か不満があるか?」
「い、いや別に無いけど…」
「そうか、では入るぞ」
「あっ」
そして04は再び、ホテルの中へ向けてスタスタと歩き出す。
高麗が追いつく頃にはカウンターで早々にチェックインを済ませて
部屋へ向けて歩き出していた。
「ここだ」
立ち止まった04は高麗の方を向き直ると目の前の部屋を指差す。
そして高麗は04の指す部屋を凝視して、ゴクリと喉を鳴らす。
「緊張してるのか?」
緊張のあまり硬直している高麗に04がふいに声をかけてくる。
「あ? っああ…そ、そのッ…初めてだしな…」
「心配するな。私だって初めてだ」
「いや、そういう問題じゃ無いと思うんだけど…」
「入るぞ」
そう言って04はようやく部屋のドアを開ける。
中には大きなベッドが一つ置いてあったが、他に電球の色が妖艶なピンク色になっていたり
何やら得体の知れない道具が無造作に置かれていたりと
今まで見たことも無いような作りの部屋に、高麗は戸惑いを隠せなかった。
「な、なんかスゲェな…」
高麗は部屋の中に入ると物珍しそうに辺りをキョロキョロと見回し歩き回る。
「早くこっちに来たらどうだ?」
高麗が04の声が聞こえた方向を振り向くと、そこにはいつの間にやら服を脱ぎ捨てベッドに腰掛け既に
全裸になっている04の姿が合った。
「う、うわっ!」
突然の衝撃的な光景にドキドキしながら思わず04から顔を背ける高麗。
それでも男としての欲望からチラチラと横目で04を覗き見る。
「これから裸で抱き合うんだ。恥ずかしがる事も無いだろう」
「そ、そりゃあそうだけどよ〜」
頭では分かっていてもやはり体はそうはいかない。いくら半獣人とはいえ
女性の裸体をこうして間近でまじまじと見つめる経験などまだ幼い高麗にはとても無かった。
しかし、そんな状態でも高麗は意を決して04の方を向きながらゆっくりと近づいていく。
「高麗も早く脱いだらどうだ?」
「う、うん…」
言われるがままに高麗は04の目の前でせっせと服を脱いでいく。
「そ、そんなにジロジロ見るなよ…」
04は何のためらいもなく、高麗が服を脱ぐ姿を眺めていたが、高麗はこういう経験がないせいか
どうもその視線が気になってしょうがなかった。
「わかった」
言葉通り04は後ろを向く。それを確認した高麗は再び服を脱ぎ始める。
「も、もういいぞ」
高麗は服を全て脱ぎ終えて、04と同じように全裸になって声をかける。
その言葉に従い04も高麗の方に向き直る。
「…もう大きくなってるのか?」
04は高麗の方へ向き直ると同時に、高麗の股間の部分に視線をやり興味深げに眺める。
その言葉通りに高麗のモノは既に子供ながらにして、限界近くまで膨張していた。
「そ、そりゃあ、俺だって男だからな。目、目の前で女が裸になってりゃあそれくらい…」
「そうか、ありがとう」
「?」
04の言葉の意図がイマイチ掴めずに少し混乱する高麗であったが、そんな事はお構いなしに04は
ベッドの上に寝転がって、準備を整える。
「私のほうはもういいぞ、さあ」
「う、うん…」
04の言葉に導かれるままに高麗もベッドの上に乗る、そして04の上になって体を重ねる。
「や、やっぱりキ…キスとか…したほうがいいのか?」
「…お、オマエがしたいなら構わない」
「わ、わかった…」
04の同意を得た高麗はそのままの体勢からそっと唇を重ねる。
キスと呼ぶにはあまりにぎこちないお互いの口合わせ。それでも高麗は04の唇の感触を楽しむかのように
激しく唇をぶつける。
「んっ…」
04もそんな高麗に対してただひたすら受けに回る。そんな様子を見て高麗は更に
手で胸を揉んでみる。
「んっ!」
その瞬間04の口から思わず声が漏れる。高麗はそれを気にも止めず
唇を重ねて、04の小さな胸を自らの小さな手で包み込み、堪能していく。
「なぁ…その、私の中にいれてくれ」
その発言に一瞬高麗はドキリとする。いくら子供だからと言って
04が何を望んでいるのかは高麗にもハッキリと分かった。
「い、いきなりいれちゃっていいのか…?」
「構わない、頼む」
「よ、よし」
その言葉で決心を固めた高麗は意を決して04の中に自らのモノを挿入しようとする…が
「ど、どこに…」
女性の体を初めて見る高麗にとって、女性の体は謎だらけであり
実際入れるといってもどこに入れるのよく分かっていなかった。そしてそんな高麗に見かねたように
04は自分の手で自らの秘部を広げて、高麗に示す。
「こ…ココ…? な、何かスゲェな…それに…入るのか?」
04の広げられた花弁の内部は高麗に大きな衝撃を与えていた。外肌とは全く違った異質の
グジョグジョと蠢くような内膜は、まるで他から取ってつけたのではないかと思えるくらい
高麗にとっておぞましく、ある意味グロテスクに見えるものであった。
それに実際広げられた穴を見ても、とても自分の大きなモノが入るような広さには見えない。
その事が高麗の不安を駆り立てる。
「い、入れるぞ…」
「ああ」
不安を感じながらもここまで来たらやるしかないと覚悟を決める。
04も多少不安を感じるのか、顔が少々強張ったり、声が少し震え気味ではあるようだが
高麗ほど動揺したり緊張している様子は見られない。
そして遂に高麗がまだ使われていない04の中へと自分のモノを押し入れようとしていく。
「うっ! くっ…」
まだ先っぽを少し入れただけにも関わらず、早くも04の顔色が変わり始める。
「だ、大丈夫か…?」
「私は半獣人だ。これくらいどうということはない。それより…」
「ああ」
高麗は04に最後まで喋らせることなく、再び奥までの挿入を開始する。
「くっ…」
相変わらず辛そうな表情を見せる04ではあったが、高麗はそのまま自分のモノを
奥まで押し進めようとする。04は途中で止められる事など望んでいない、
それが分かったからこそ、苦しそうな04を横目に淡々と突き入れる事が出来る。
そして04もまた、高麗に余計な心配をかけないよう必死に痛みをこらえ我慢しているようであった。
…少なくとも高麗にはそう見えた…。
そしていつの間にか、04の膣内から赤い血が流れ出していた。しかしそれを見ても
高麗はなお抜いたりはしない。キチンとした形で04のためにセックスをしてあげる。
今自分に出来る事はそれしかないと分かっているから、04を想い
大切にセックスをしようとする。
「動いて…」
そんな高麗に対して04が、か細い声で訴える。そして高麗はその言葉に答えて
ゆっくりと少しずつ腰を動かす。
「んうっ…くっ!」
高麗から見ても、今現在04は痛みしか感じていないように見えた。
どんなに頑張っても痛みしか与えられない自分がもどかしい。しかしそんな状態でも
04は決して『やめて』とは言わない。それほどまでにセックスが経験したいのか?
高麗にはよく分からなかった。しかしそれでも今は行為を続けるしかない。その想いだけで
必死に腰を動かす。
「すっ…すげぇ…」
痛がる04とは裏腹に、高麗のモノは04の男を知らぬ未成熟な膣の中で
まるで押しつぶされて食われてしまうのではないかという、錯覚を感じながらも
その搾り取られるような動きに、どんどんと性感を高められていった。
「やっ、やばい、もう出る…うっ、うおおおっ!」
そして自分の限界を感じ取った高麗は、寸前で自分のモノを04の中から引き抜いて
自らの白い欲望を04の体の上に解き放つ。
そして04は自分の中を埋めていたモノが引き抜かれた事により楽になったのか
先程までとは打って変わった普通の顔をしていた。
「わ、悪ィ…か、体にかけちまった」
「いいよ、これぐらい分かってた事だから、むしろ当然」
「そ、そっか…」
「それより、今日はありがとう」
「あ…ああ」
その後二人の間にしばしの沈黙が訪れる。
「な、なぁ…」
「何だ?」
沈黙を破って高麗が04に話し掛ける。
「…どうして、相手に俺を選んだんだ? 体験したいなら
ハッキリ言って、俺より上手い奴なんていくらだって…」
「…高麗としたかったから」
「は?」
「…セックスとは好きな人とするものではないのか? 私だっていくら体験してみたいからと言って
見知らぬ人間としたいとは思わない」
その言葉を聞いて、一瞬高麗の頭の中がこんがらがる。
「え、えーと、それって?」
「つまり高麗…オマエの事が好きだという事だ……何か都合が悪いか?」
04が照れくさそうに高麗に話し掛ける。今までで一番照れくさそうな表情だ。
そんな04に対して慌てて手を振って否定する。
「つ、都合が悪いなんてそんなことねーよ! そ、その俺だって04の事、き…気になって…」
「本当か? それは良かった」
「あ、ああ…だ、だから安心しろよ」
「わかった…そろそろ私たちのホテルに戻るとするか。あまり遅くなるとあの2人に
余計な心配を与えるかもしれない」
「あ、ああ…じゃあ帰るとするか」
そしてホテルを出た2人は再びスラムの中の人ごみへと消えていった。