ルリ様がアイツに反魂の能力を使って眠りについてから二日が経った。  
一向にルリ様が目を覚ます様子はなく、私はただルリ様の傍らに座っているしかない。  
直接本人に聞いたわけではないが、どうやらアイツは現在一人暮しらしく  
食事や風呂、着替えなんかもアイツが用意してくれた。  
初めはヘンタイかと思ったが、根は良い奴だという事は解った。  
「ルリ様…。」  
看病疲れでウトウトとしていた私は自分の声に起こされた。  
外は薄暗く、地上の太陽はとっくに沈んでいた。  
私はルリ様の額の温くなったタオルを、水で冷やしてきつく絞った新しいものに交換した。  
こんな事だけを続けて目覚めるのかどうかは解らなかった。  
ただ、不器用なりに看病とはこういうものと思ったからそうしているだけだ。  
私の重力の能力も、こんな時には何の役にも立たない。  
ルリ様の護衛のクセに、何も出来ない自分が不甲斐無かった。  
そもそもアイツが勇み足で赤に向かいさえしなければルリ様は…。  
 
「…違う。」  
アイツが赤に向かって行ったから、アイツが一度死んでルリ様の反魂で生き返ったから、  
アイツに風の能力が目覚めたから、私もルリ様も助かったんじゃないか…。  
感謝こそすれ、逆恨みするなんて…、そんな事はルリ様も望まない…。  
「そうですよね?ルリ様…。」  
どことなくルリ様の顔色が昨日より良くなっている感じがした。  
ルリ様が目覚めた時、私が惨めな顔してたら逆に心配させてしまうわ。  
ふと見ると何時の間にか襖のところに食事が置かれていた。  
食事と言っても、不細工なオニギリが2個載った皿があるだけだった。  
アイツが用意したのだろう。  
私はその皿に手を伸ばし、こちらに引き寄せた。  
「ルリ様、早く元気になって一緒に食べましょうね。」  
私はオニギリの一つを口にした。  
塩加減は結構、絶妙だった。  
もう一つはルリ様が何時目覚めても言い様に置いておこう。  
私は私の分のオニギリをゆっくり味わった。  
 
ゆっくり食べると満腹中枢が刺激されると言うが  
いかにオニギリ1個をゆっくり食べたところで変化はないようだ。  
「ところでアイツ、いつコレを置いて行ったんだ?」  
壁の時計を見ると夜の七時を回っていた。  
うっすらと記憶を辿ってみる。  
そう言えばコレを置いて行った時、風呂が沸いてるとか聞こえたような…。  
何となく曖昧な記憶だが、昨日もこの時間に風呂に入ったっけ。  
それじゃ風呂でも入って来ようかしら。  
もう一度ルリ様に視線をやる。  
ルリ様は気持ち良さそうに眠ったままだ。  
「それではルリ様、私はお風呂をいただいて来ますね。」  
そう言って私はルリ様の部屋を出た。  
師兵や影兵の気配は全く感じられなかった。  
これならしばらくルリ様を一人にしても大丈夫だろう。  
問題があるとすればアイツだが、流石に眠ったままのルリ様に手は出すまい。  
私はググッと背伸びをして、広くて気に入っている風呂に向かった。  
 
脱衣所のガラス戸を開けて中に入る。  
下着以外の着替えは既に用意されていた。  
と、思ったら男モノのトランクスが一緒にあった。  
「何?私にこんなの履けって言うわけ?」  
半ば飽きれるも、ちょっとした手違いなのだろうと忘れる事にした。  
今日借りて着ていた服を口の開いた洗濯機に入れる。  
脱ぎ終わり、ふと洗面台の鏡の前で立ち止まり自分の顔を見た。  
「ちっょと肌が荒れてるかしら?」  
怪我の方はルリ様が反魂の能力を使った時に一緒に癒されていた。  
どこかを怪我で痛めてる時には気にならないのに、何となく気になってしまう。  
ルリ様のためだけに生きてるつもりでも、女は捨てられないのかしら?  
今の私にとってどうでも良い問いを考え、私は改めて風呂場の戸を開けた。  
「いいっ!」  
「なっ!」  
そこには全裸で突っ立ってるアイツがいた。  
って風呂場なんだから全裸で当然なんだけど…。  
お互いの身体をついマジマジと見てしまった、  
そして私が声を上げる前に、何故かアイツの方が先に後ろを向いてしまった。  
 
「き、金髪!何で入ってくるんだよ」  
「な、何でってアンタが入ってるなんて知らなかったからよ!」  
「着替えは俺の分しか置いてなかっただろ!気付けよ!」  
「うっ…。」  
そうか、あの着替えはアイツのためのものだったのか。  
でも上がろうにも私の服はすでに洗濯機に・・・。  
何とか私の立場を崩さないようにするためには。  
「紛らわしい事するアンタが悪いんでしょ。」  
私はアイツの裸を見ないようにズカズカと湯船に入った。  
ちらっとアイツの方を見ると、アイツと向かい合う形になっている事に気付いた。  
「お前、ちょっとは羞恥心ってもんがないのかよ!」  
またアイツが慌てて背中を向けてしまった。  
ちょっと妙だが、私が優位な立場になったと確信した。  
「仕方ないでしょ。もう洗濯機に服入れたんだし。」  
「はあ!?」  
 
「アンタはさっさと上がって、私の服を用意してよ。」  
「知るか!俺だってまだ入ったばっかで身体も洗ってないんだからな。」  
そう言ってアイツは洗い場の椅子にデンと座って身体を洗い始めてしまった。  
作戦失敗?  
何気なく私は浴槽に腕を置いてアイツの身体を洗う姿をぼーっと見ていた。  
「な、何なんだよ!」  
私の視線に気付き、こちらにちらっと目だけ向けてアイツは怒った。  
もしかしてコイツ、女に免疫ないのかも?  
「ねえ、アンタの背中洗ってあげようか?」  
私はちょっと意地悪してみたくなった。  
「い、いらねえよ、そんなの!」  
「世話になってるんだし、このくらい恩返しさせてよね。」  
「だからいらねぇって…、あっ、うおっ!」  
気付かれないように湯船から上がり、アイツの手から身体を洗うためのスポンジを奪った。  
その時アイツの顔の前には、思惑通りに私の胸が丁度来ており、アイツは確実に見たはずだ。  
事実、アイツは黙りこんでしまっている。  
 
私はひざを着いて、奪ったスポンジで背中を洗い始めてやった。  
身長では私の方が少し高いはずだけど、さすが男の子、背中は広く感じるわね。  
「ついでに前も洗ってあげようかしら?」  
「や、止めろよ!こっち見るな!って、手を伸ばすな!」  
「あっ…。」  
度が過ぎたか、私の手が触れた時にはアイツのはすでに大きくはちきれそうになっていた。  
「ヘンタイとか言ってぶっ飛ばすならさっさとしろよ。だいたい金髪が…。」  
「ご、ゴメン…。」  
自分より若い、特に思春期真っ盛りの男子の生態について私は配慮が欠けていた。  
つい思わずこっちから謝ってしまった。  
しかしコイツはルリ様相手に妄想膨らましていた時もこうしていたのだろうか?  
「…責任は取るから。」  
「えっ?…お、お前!」  
私はアイツのモノを掴むと少し躊躇してから、その先端を口に含んだ。  
「お、おい…。金髪…。」  
 
「静かにしなさいよ。近所迷惑よ。」  
アイツを見上げてそう言うと、再び私は口と右手でソレを刺激しだした。  
アイツはこちらを向かって、大股広げて椅子に座り、  
私の行為にどう対処して良いのか解らず両手をアタフタさせている。  
私はアイツの股間に顔を埋めて座り込み、右手でソレを刺激し、左手で顔に降りてくる髪をかきあげる。  
しばらくそれを続けている間もアイツのモノは大きさと硬さを増して行った。  
これが若さの特権なのかしら、などと思ってしまう。  
「ちょ、ちょっと!やばっ、もう出るって…。」  
「んっ?」  
私が口に入れたままアイツを見上げた瞬間、突然アイツは私の頭を両手で抱えた。  
それとほぼ同時に、私の喉の奥に物凄い勢いでアイツの精が発射された。  
「んんっ!」  
相当溜まっていたのだろう。  
ドクッ、ドクッ、という激しい射精は終りがないように思えた。  
私は呼吸するのを我慢して、アイツが口内に全て出し切るのを待った。  
しばらく続いた射精もようやく終わりを告げ、私はソレから口を離した。  
 
唖然とした顔でアイツは私を見下ろしていた。  
私はアイツと目線を合わせたまま、口の中に出されたものを  
『ゴクリッ』と喉を鳴らして、全部飲み込んでやった。  
「お、おい…、金髪…。」  
何だかアイツはさっきから同じ事ばかり言っているような気がする。  
私はアイツの前でググッと背伸びする。  
私の胸が再び視界に大きく入っているはずだが、さっきほどの反応は得られなかった。  
それどころがアイツの顔には罪悪感のようなものが滲み出ていた。  
「き、金髪…。大丈夫なのか…?お、俺…、こんな事…。」  
私の行動は裏目裏目に出てしまったようだ。  
アイツは私を汚したと思い込んでしまったらしい。  
それにしても純情すぎるんじゃないの?  
こうなってしまっては仕方ないか…。  
「何言ってんのよ。私がしたかったからしただけでしょ!」  
「…は?」  
「さ、最近ちょっと御無沙汰だったから男が恋しくなっただけよ…。」  
 
アイツの自尊心のためとは言え、まるで私は自分が淫乱であるかのように振舞ってしまう。  
「アンタだけイクなんて許さないわよ。今度は私をイカせてもらうわ。」  
事実あの時以来、御無沙汰なんだけど別に欲求不満にはというわけではなかった。  
でもアイツのを口でした時に、どうやらスイッチが入ってしまったらしい。  
「ほら、こっちに来なさいよ。」  
まだアイツのが硬さを固持しているのを確認すると  
私はアイツの手を取り、湯船の中に入った。  
広いので二人くらいなら余裕で入れる広さがある。  
私は浴槽に手を付き、アイツに背を向けたまま言った。  
「ほら、後ろから来て。」  
「え…、お、俺、初めてだから、その…。」  
「良いから来なさい。誘導してあげるから。」  
アイツは私の腰を両手で抱えると、言う通りに私のお尻にモノの先端を宛がった。  
「…もうちょっと下よ。そう、そこ。」  
私は腰を動かしてアイツの先端を入り口まで導いてやった。  
するとアイツは何の躊躇いも無く、一気に私を奥まで突いた。  
私が濡れていたから良いものの、童貞ってみんなこうなのかしら  
などと思っている間に、アイツは物凄い速さで腰を打ちつけて来た。  
 
「ちょ、ちっょと…、アンタねぇ!」  
「うぅっ!」  
『ドピュッ、ドクンッ、ドクッ…』  
「いくら何でも余りにも早過ぎるんじゃない?」とは言いたくても言わない事にした。  
さっき出したのにも負けないくらいの量の精が私の中に放たれているのが解った。  
「な、なあ金髪…。む、胸触っても、良いのか?」  
「…良いわ。今だけアンタの好きにさせてあげるわ。」  
私が言い終わると同時にアイツは私の両胸に両手を持ってきた。  
乳房の先端を刺激してやろうという発想は無いらしく、  
その大きさと柔らかさを楽しんでいるようだった。  
アイツはそれで興奮を取り戻し、そのまま続けて腰を動かして来た。  
「あ、アンタねぇ…。」  
半分呆れかえるも、ドコか憎めないアイツの行為に付き合う事にした。  
アイツはしばらくは胸を揉みつつ、腰を動かしていたが  
結局、下半身の方の欲望が勝ってしまい、手を私の腰に戻して腰の動きに専念する。  
 
冷めているわけではないけど、私はそれほど感じていなかった。  
モノは一級品なのに、テクニックが付いていってないと言うか…。  
「くぅっ!」  
さっきより少しは長かったものの、アイツはすぐにまた射精してしまった。  
精を吐き続ける時間はさっきより短くなっているようだった。  
アイツは三回もイッておいて、私は一度もイッてないじゃない…。  
耐久時間と残弾数の兼ね合いから言って、次がラストチャンスかしら?  
私はアイツが最後まで出したのを見計らってモノを抜き去って振り向いた。  
「ねぇ、ちょっと体位を変えない?」  
「え?ま、まだやるのか?」  
「今度こそ絶対にイカせてもらうんだから。」  
私はアイツの手を取って言った。  
「続きはラストはベッドの上でよ。」  
 
どうせ裸になるんなら着替えなんて必要なかった。  
身体だけタオルで拭いた私たちはアイツの部屋に来ていた。  
ベッドに座って、アイツを手招きする。  
「で、電気付けないのか?」  
「いらないわよ。ほら、こっちに来て横になって。」  
アイツを仰向けにさせると私はアイツの身体を跨いだ。  
大きさも硬さもまだ十分だった。  
「今度は私の自由にさせてもらうわよ。」  
そう言って私はアイツ自身の上に腰をゆっくりと落とした。  
奥に当たっているのを確認すると腰を浮き沈みさせる。  
アイツは快楽の絶頂を堪えて、我慢しているのがその表情から見てとれた。  
私がイクのを待ってくれてるんだ…。  
それが私にはいとおしく感じられた。  
「も、もう…。」  
私の声だった。  
今度こそ絶頂に辿りつける。  
すると私の腰にアイツが合わせて動いて来た。  
 
「お、俺も…。」  
「ウンッ、アッ、アアァッ!!」  
私は絶頂を迎えた。  
その精を搾り取ろうという動きで、アイツも少し遅れてイッた。  
大量の精が胎内飲み込まれて行くのが私には解った。。  
アイツが射精した量は最初に負けないほどの量だったようだ。  
「もう少しこのままでいて…。」  
私はもう暫くアイツと繋がったままでいたかった。  
最後の最後でアイツとイケた余韻に浸っていたかった…。  
「き、金髪。ところで妊娠とかは大丈夫なの…か?」  
「えっ?……ちょ、ちょっと!今日は危険日じゃないの!どう責任とってくれるのよ!」  
「ん、んなの知るかよ!だいたい金髪から襲って来たんじゃねーか!」  
「だからって中で出すことないでしょ!」  
「ご無沙汰だからって襲って来たクセに、この淫乱金髪!」  
「さっきまで童貞だったクセに、この童貞風男!」  
「バーカ、三発も中出ししたし、もう童貞じゃねーよ!」  
「つまり計画的中出しってコトじゃないの!」  
「ワケ解んねーこと言ってんじゃねーよ金髪!」  
「もう許さないわよ…、『ジオ・インパクト!』」  
やっぱり、アイツとは仲良くやれそーもないわ、ホント…。  
 
 

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