「はぁ、はぁ、はぁ…。」「待ちやがれ、このアマ!」
科学者が去り、治安が悪化したアンダーグラウンド。
「わわっ!!」少女は地面に足を引っ掻け、ドサッと倒れ込んだ。「へへへっ、俺たちから逃げ切れるとでも思ったか…。」猛獣と化した男たちは女を狩り続ける。
「うぉら、足ィ開けーっ!」男の一人が少女につかみ掛かり、無理矢理足を開かせた。
「久々の初物かぁ、あぁん?」下着を剥ぎ取り、男は少女を凝視した。
「おいおい、だったら順番で俺からヤらせてもらうぜ(w」
「下手糞のテメェが初めての相手とは、このネェちゃんもツイてねぇなぁ、おい(w」
「やめてーっ!」「ぐぉっ!?」少女が叫んだ直後、男たちの表情が固まった。
「か、身体が…動かねぇ…。」「全身が…思い!」顔面蒼白となる男たち。
「大丈夫だった、アナタ?」何が起きたのか理解出来ていない少女に女の声がかけられた。
「あ、貴女は…。」「私はチェルシー=ローレック。重力使いよ。」少女を助け起こすチェルシー。
「私は…エミリア=ルナリーフです、ローレック…様。」これがチェルシーとエミリーの出会いだった。
「みんな、新しい仲間よ。」チェルシーは同志たちにエミリーを紹介した。
「あ、あの…エミリアと言います…。」オドオドしく自己紹介。チェルシー以外は周りは男ばかり。
「うひょ〜!」「むさ苦しくて悪いけど我慢してくれ。」「やっとマトモな女の子と知り合えたぜ!」「こらソコ!」
ここにはエミリーの忘れかけていた笑顔があった。思わず熱いものが込み上げて来る。
「エミリー…?もう安心なさい。私たちがアンダーグラウンドを変えてみせるがら。」
エミリーの肩を抱き寄せ宥めるチェルシー。
「はい…。」「よしよし。ところで華秦はドコに行ったの?」見渡せども彼の姿はなかった。
「あぁ、華秦は祟神と共に下の階層に行っている。」「で、赤はお留守番を喰らったってわけね。」
「ふっ…、そういい事だ。」「えっ?」エミリーはチェルシーが振り向きもしないで会話している相手を返り見た。
「ようこそ、名も無き組織へ。俺は赤だ…。」「赤様…?」その時、
「ローレック様〜!」突如暗がりから、けたたましい声が聞こえてきた。
「あ、あの娘また…。」それがジルハとエミリーの出会いだった。