「はぁ…」  
高麗は机に頬杖をついてため息をついた。  
あの夜からしばらくこの調子だ。  
「エミリア先生…」  
思い出すだけで顔がニヤける。  
ガチャッ!!!  
「また勉強サボってますわね!!!?高麗くん!!?」  
ジルハが唐突に部屋に入ってきて怒鳴った。  
「うっせーな…勝手に入ってくんなよ!」  
「なーんですってぇ!!?私は高麗くんのコトを想って言ってますのよ!!!?」  
「俺の為ェ?…俺の為…そうか…俺の為なぁ…フフフッ…」  
「…?…な、何を笑ってますの?」  
「ねぇ…ジルハ…」  
下を向いたまま高麗は言った。  
 
「な、何ですの…?」  
「オマエってさぁ…メイドだよな…」  
「え…ええ…」  
「メイドってのは『ゴシュジンサマ』には絶対服従なんだよな?」  
「うっ…そ、それは確かにそうですけど…」  
高麗は不意に顔を上げた。  
「だから『御奉仕』ってモンがあるんだよなぁ!?」  
「ええっ!!?そ…そんなコト…誰から聞きましたの!?」  
「エミリア先生だよ!!エミリア先生が色々と教えてくれたんだよ!!」  
「…エミリーが!!?…エミリー…何てコト…」  
「じゃぁ…するコトはわかってるな?嫌がったらオマエは即クビだぞ…?」  
「…わかりましたわ…」  
 
 

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