「あー、さっぱりした」
長い金髪をすくようにバスタオルで拭きながら、階段を上がっていく。
ガチャッ、とドアを開いて……
「わっ、うわわわわっ」
部屋の中から、留美奈の慌てふためいた声が聞こえてくる。
「え?」
シエルがキョトンとその場に立ち尽くす。
留美奈はドアに背を向けて、あぐらをかいたような格好になっていたが、
バタバタとドアの方に向き直り、何かを隠した。
「どうしたの? 留美奈」
シエルはドアを閉めて奥に進む。
「何を隠してるの?」
「あ……いや、その、これは……」
留美奈がとっさに背後に隠した物を、シエルはあっさりと引っぱり出し
て、持ち上げた。
それは、いわゆる成人向けの雑誌というもので……(というか、本来留
美奈が持っていてはおかしいものなのだが)
「えっ、えっと……」
「シエル、これは……その……」
留美奈か気まずそうに俯きながら、ちろちろとシエルの顔に視線を走ら
せる。
シエルはしばらく、雑誌を持ったまま立ち尽くしていたが、やがて無表
情のまま、ばさっ、と雑誌をベッドの上に放り出した。
留美奈は覚悟を決めて、俯いたまま目を硬く閉じて歯を食いしばり、身
をすくめた。
だが、その覚悟に反して、シエルは突然、笑い声を上げる。
「あはははは、しょ、しょうがないよね、留美奈は……が、我慢できない
時だって、あるよね」
右手を後頭部にやりながら苦笑する。
「ご、ごめんね、私、まだ、こんな子供で……」
「う……」
シエルは苦笑しながら言うが、その言葉に留美奈はうっ、とうめき声を
上げる。
「わ、私、先に寝るね?」
そう言って、床に敷いた布団に腰を下ろそうとする。
「ち、違うんだ!」
シエルが留美奈から視線を外したとたん、留美奈は慌てたように顔を上
げた。
「違う……って?」
シエルは留美奈を見上げて、小首をかしげる。
「お、俺、こ、こうやって、シエルとずっと一緒にいると……そ、その、
また、襲っちまいそうで、こ、怖いんだよ、だ、だから、その、えーと…
…」
自分でも何を言っていいのかまとまらないと言った感じで、留美奈はど
もりながら喋る。しかし、その瞳は深刻そうで、その場しのぎのウソを付
いている感じではなかった。
シエルは困ったような顔で、留美奈を見上げる。
「留美奈……そんなに、私がいい……の?」
「シエル……んっ!?」
「ちゅ……」
立ち上がってきたシエルが、留美奈と唇を重ねる。
「私はいい……よ?」
そう言って、とさっ、と留美奈の隣に座った。
「シエル……」
少し顔を赤くして、留美奈はシエルに視線を向けた。
「留美奈なら怖くない……嬉しいから……」
シエルはそう言ってから、照れたように赤い顔で苦笑する。
「シエル……ごめん」
そう言って、留美奈はシエルを抱き締めた。
「謝る必要なんてないよ……留美奈……」
ぎゅっ、とシエルが抱きつき返す。再び、2人の唇が重なった。
「ん……留美奈……」
留美奈はシエルの背を左手で支えるようにして、互いの身体を少し離す
と、シエルが寝巻き代わりにしている男性物のTシャツをたくしあげた。
「あ……」
シエルの顔が真っ赤に染まる。白いショーツと、わずかに膨らんだ乳房
が露わになる。
「はぁ、留美奈ぁ……」
シエルが、早くもどこか甘ったるい声を漏らす。
「ん、シエル……可愛いな……」
留美奈はそう言いつつ、慎ましやかな乳房の頂点に吸い付いた。
「ひゃっ……」
ぴくん、とシエルの身体が反応した。
「ちゅ……れろ……」
「ふぁ……ぁ……」
右の乳首を口に含みつつ、左のそれも指先で弄ぶ。
「留美奈ぁ……留美奈……」
はぁはぁ……と息を荒げつつ、シエルは甘い声で何度も留美奈の名前を
呼ぶ。
「コリ……っ」
「ひゃあんっ」
つんっと起ち、真っ赤に充血した乳首に、留美奈が軽く歯をたてると、
シエルがぴくっとしながら悲鳴を上げた。
「ぷは……シエル、今の、痛くなかったか?」
シエルの胸から口を離し、留美奈はシエルの顔を見据えながら聞く。や
はり息が荒い。
「ちょっとだけ……はぁ……はぁ……大丈夫だよ」
シエルはそう言って、一度ごくっと喉を鳴らしてから、
「留美奈……おっぱい好きなんだ?」
と言って、クスっと笑う。
「え……」
「初めての時も……吸ってたよね?」
「う……そ、そうだっけか?」
留美奈がシエルから視線を反らし、困ったようにしていると、シエルが
留美奈の首に手を回して、三度、キスを交わす。
「続き……しよ?」
「あ、ああ……」
少しバツが悪そうにしながら、留美奈は右手の指を乳房からつつ……と
指を滑らせ、腹部から股間までなぞる。
「んふ……くすぐったい……」
そのまま、ショーツの上からシエルの割れ目をなぞる。
「あ……っ」
ぴくん、とシエルの身体が反応した。
そのまま、布地の上を留美奈の指が往復する。ショーツにじわり、と染
みができる。
「最初の時より濡れてるな……」
留美奈が呟くと、シエルが抗議するように声を出す。
「は、恥ずかしい、よ、そんなこと……ぉ」
「わ、わりぃ」
留美奈は言いつつ、シエルをそっと寝かせて、ショーツに手をかけた。
「脱がせる……ぞ?」
「う、うん」
シエルの肯定の返事を待って、留美奈はするっと白いショーツを下ろし
た。
シエルの外陰部は既に無毛ではなく、髪と同じ淡い色の柔らかな毛が覆
っている。毛の質は幼いからではではないようだ。
「留美奈……は、恥ずかしい、よ」
「あ……わ、わりぃ……つい……」
「ん……でも嫌じゃないから……見ててもいい……よ?」
言いながら、シエルは震えつつ、そっと脚を開く。
「シエル……お前……」
その名前を呼びつつ、視線の先に手を伸ばして、指先で濡れそぼった割
れ目を撫でた。
くちゅ……っ、と水音がする。
「っぁ……っ」
シエルが小さく声を漏らす。
留美奈がその指先を割れ目にそっと押し込むと、シエルの蜜がその指に
まとわりついては、くちゅくちゅと音を出す。
「んぁっ……はぁ……はぁ……留美奈ぁ……」
昂った息をしながら、シエルがすがるような声で留美奈を呼ぶ。
「シエル……もう……大丈夫、だよな?」
「う、うん……」
とろとろと溢れ出す蜜を見て留美奈が聞くと、シエルは肯定の返事を返
した。
「じゃあ……」
留美奈はトランクスを脱いで、硬くなった自分の逸物を取り出すと、シ
エルの性器にあてがった。
じゅぷっ……入り口は水音を立てながら、留美奈の物を受け入れたが、
その中はまだ未熟で、硬い。どうしても無理にこじ開けるかたちになって
しまう。
「ひぐぅぅっ……はぁっ……っ!」
シエルが悲鳴をあげる。その表情が歪むのを見た留美奈は、慌てたよう
に聞く。
「シエル、い、痛くないのか?」
「い、痛いけど……止めないで、お願い、私、あぁっ……ひぅっ……」
昂った身体が、未熟な性器に与えられる痛みを心地よいものにしてしま
う。目の前にいる相手への想いが、さらにそれを助長した。
「おぅ……」
少し躊躇いを感じながらも、シエルの要求に答えるように腰を進めてい
く。
「あっ、お、奥まで来てるよぉ……る、留美奈ぁ……」
切なげな声で、くり返し名前を呼ぶ。
「っ……留美奈……ぁ……」
「シエル……」
留美奈は一度、シエルの上体を抱き締めると、背中を撫でてから下ろし
た。
そして、ずずっ、とゆっくりとストロークを始める。
「っ……あ、はぁぁっ……る、留美奈ぁぁっ」
ぞくぞくっ、としたようにシエルが背を震わせる。
「くぅ……きつっ……はぁ……」
幼い性器の硬さに、留美奈も息を荒げる。
「留美奈、ぁ……はぁ……き、気持ち、いい……っ?」
「お、おぅ……シエル……大丈夫なのか?」
問いかけてきたシエルに対し、ゆっくりとしたストロークを続けつつ、
留美奈は聞き返す。
「よくわかんないけど……ジンジンして気持ちいいみたいだよぉ……」
「そっか……くっ……」
ずちゅ……ずちゅ……ずちゅ……
少しリズムを上げたストロークにあわせて、水音が響く。
「あぁ……ひぁ……はぁ……っ……」
それにあわせるように、シエルが甘い悲鳴をくり返す。
「くっ……シエルの中……きつくて……うぉ、で、出ちまう……」
「っあ、留美奈、っよっ、な、かに……っ……」
留美奈が呟くように漏らした声に、シエルが応えた。
「くぅっ、で、出るっ……」
留美奈が言いつつ、ひときわ深くつき込んだ。
「ひぁぁぁっ……!!」
どくっ、どくっ、どくっ、どくぅぅ……っ
「あひっ、ひゃ……ぁぅ……っ」
膣内に灼熱を吐き出され、シエルは絶頂感に、身体を激しく跳ねさせる。
「はぁ……はぁ……はぁっ……くっ……」
ズルリ、と留美奈がシエルの中から引き抜いた。
「ひぁんっ!」
シエルは悲鳴を上げたあと、とろん……とした顔ではぁ、はぁと荒い息
をしている。
留美奈の萎えたペニスに付着した互いの体液に、僅かに鮮血が絡まって
いる。
「あ……シエル、大丈夫か?」
「え……? あ、私の……ちょっと、切れちゃったのかな……はぁ……だ、
大丈夫、だよ?」
シエルはなんて事もなかったかのように言った。
「そっか……無理、すんなよ?」
留美奈は真剣な目を向けて、シエルに言う。
「留美奈……」
シエルは身を起こして、留美奈の首に抱きついた。
「好きだよ……ぉ……」
「俺もだ」
留美奈は応え、シエルをぎゅっと抱き締め、頭を撫でた。
そのまま、ベッドに倒れ込む。
「きゃっ」
シエルが、小さく悲鳴を上げた。
「シエル……今日は一緒のベッドで、このまま……」
「う、うん……いいよ」
留美奈の言葉に、シエルは応えて、笑顔になってみせる。
そのまま、2人は寄り添ったまま、いつしか寝息を立てていた――