記憶を失ったチェルシーは、シャルマともはぐれて、
人々が崩壊からの復興に勤しむスラムの街を徘徊していた。
「おい見ろよ、あの女」
「ひゅー、ソソルねぇ」
ほろぼろになった服のところどころから、白い肌が露出している。
そんなことにも気づかず、チェルシーはただ通りを歩いていた。
(私は・・・誰なの・・・?)
突如、チェルシーの前に男たちが立ちはだかった。
「?」
立ち止まって、顔をあげて男たちを見るチェルシー。
「よぉ、ネエちゃん。1人でどうしたのぉ?」
「俺たちと付き合わない?」
黄色い歯を見せながら、卑しい笑みを浮かべる男たち。
「私を・・・知ってるの?」
表情を変えることなく、か細い声でチェルシーは男たちに尋ねた。
「あぁ?」
男たちは何のことかと顔を見合わせ、示し合わせたかのように不敵な笑みを見せた。
「アンタのことはよーく、知ってるぜぇ」
「何、記憶なくしちゃったの?」
「そいつはつれぇや。よーし、俺たちが送って行ってやるよ」
「あっ・・・!!」
男たちに無理矢理腕を掴まれて、チェルシーはスラムの路地裏の方に消えて行った。