後一歩という所で白龍に逃げられた留美奈。  
研究を遅らせる事はできたが、ルリは取り戻せず、白龍達に  
連れ去られてしまった。  
「後一歩の所で…また……ちくしょお――――!」  
留美奈の、地面に突っ伏し、地を叩きながらの叫びが響く。  
 
少しして、留美奈は華秦と戦っていたチェルシーが何時の間にか、  
ここに来ていた事に気付いた。  
「何時の間に…来てたんだ?」  
「ちょっと前よ」  
留美奈はチェルシーの雰囲気が何時もと違う事に気付く。  
ルリを助けるのに失敗した事に気付いて、それで怒っているのかと一瞬思ったが、  
すぐに考えを改めた。  
今まで、こんな雰囲気のチェルシーを見た事がない。  
無表情で、殺気を消し、気配を感じさせていない。  
「…そっちは、どうなったんだ?」  
そうチェルシーに聞いた時、チェルシーが手を握り締るのを見た。  
「………華秦を倒したわ」  
少し間が開いての返答。  
表情は良く見えなかったが、雰囲気が変わったのを感じる。  
 
「金髪…?」  
留美奈は、チェルシーの雰囲気に疑問を発した。  
「あんたは、って聞かなくても分かるわね……」  
「…どうしたんだよ?」  
「あんな奴でも仲間だったし、それに、好きだった事もあったわ…」  
チェルシーの告白。  
留美奈は思わず訊く。  
「…今でも…あいつの事を……その…」  
「そんな訳無いでしょ…ただ…手加減ができなかった…だけよ」  
「…それって……」  
留美奈は華秦がかなり強い事は感じていた。  
そして、その華秦を相手に、チェルシーは一人で戦いを挑み、華秦は敗れた。  
どういう過程を経たかはともかく、チェルシーが手加減をする余裕が無かった事は  
理解できる。  
そして、さっきまでのチェルシーの雰囲気。  
留美奈は確認しようとした所をチェルシーの話で遮られる。  
 
「崇神は重傷だし、残ってたA級師兵はいないし…」  
留美奈は取り敢えず話を進めようと答えを返した。  
「残ってた奴等は、白龍についていったみたいだぜ」  
だが、チェルシーの返答に先程の事を思い出し、余裕を失う。  
「…そして、白龍はルリ様を連れて逃げたって訳ね」  
「ああ……ちっくしょ―――――!」  
チェルシーはそんな留美奈に促そうとした。  
「取り敢えずは急がないと…白龍がどっちに行ったかは分かる?」  
それに対して、留美奈は能力で白龍の居所をさぐる。  
「…ああ……今の方向は…公司に戻ってやがるのか?」  
「はあ…後で、アンダーグラウンドも運営をやりなおす必要があるのに…」  
その言葉に留美奈が反応をした。  
「あんまり人手は減らしたくないし、それに…」  
(かつての仲間を殺すのは…)  
そんな事を考えていると、留美奈が突然抱き締めた。  
「な、何するのよ、この…」  
と殴ろうとした所に、留美奈が呟く。  
「金髪は、ルリを助けた後、地上に来てくれるのか?」  
「その話はルリ様を助けた後で、それより急いで、って何を…んっ…」  
チェルシーが振り解こうとした時、留美奈が唇を重ねて来た。  
 
チェルシーが閉じている唇に、留美奈の舌が這う。  
「んんっ…」  
留美奈の舌が中に入ろうとしているので、口を閉ざしていると、  
留美奈の舌が唇をなぞり、這いずり回った。  
「んっ、んんっ…んっ…」  
(…中々しぶといな)  
留美奈がそんな事を考えていると、チェルシーが押し止めようとしていた手から  
力が抜けていき、閉じた目に僅かに涙が溜まっているのが見えた。  
「んっ…も、もう…んっ」  
チェルシーが口を開いた所に、留美奈は舌を侵入させる。  
「んんんっ…」  
留美奈が侵入させた舌がチェルシーの舌をやさしく嘗めた。  
「んっ!…んんっ!」  
その責めはチェルシーの抵抗する意思を削ぎ落として行く。  
(留美奈…だ、駄目…)  
次に、留美奈の舌は上顎に着いてゆっくりと動いた。  
「んん〜…んっ…」  
そして、留美奈は責めを止め、囁く。  
 
「金髪…結構、感じてただろ?」  
その声に、顔を赤らめ、息を整えるのに必死になりながらも、  
チェルシーが言葉を返す。  
「ば、馬鹿っ……」  
「可愛いぜ…」  
(え…そんな…)  
そう言う留美奈の言葉に更に顔が赤みを増し、留美奈はつい思う。  
(こんな顔をされたら止められねえ)  
そして、留美奈の手がチェルシーの胸に向かった。  
「あ…」  
留美奈がまずチェルシーの胸に触れると、胸が少し震える。  
「服の上からだけど、やっぱり、スタイルいいよな」  
「い、言わないでよ…」  
そんな留美奈の本音を交えた会話をしつつ、される愛撫。  
留美奈の掌がゆっくりと、触れるか触れないかぎりぎりの所で  
上下左右に動かされる。  
「ああ…留美奈…お願い、駄目っ…」  
そこまで言った所で再び留美奈が唇の中に舌を入れて来た。  
 
「んん〜んっ、ふうっ」  
留美奈はチェルシーの舌の裏を舐め、己の舌を下顎へと持って行く。  
「んんっ…」  
留美奈の舌がチェルシーの下顎で蠢きつつ、留美奈が片方の手で胸に圧力を加え、  
もう片方の手をチェルシーの太股へと動かす。  
「んっ、やっ、ああっ」  
留美奈は、チェルシーの口内を蹂躙するのを止め、再び囁いた。  
「…俺達に一緒に地上に来てくれるって言うなら、止めてもいいぜ」  
「そ、そんな事、今答えられる訳が、あっ…」  
チェルシーの答えに満足しなかった留美奈は、責め続ける。  
胸に片方の手で圧力を加え続けつつ、もう片方の手を、  
太股から尻へと昇らせる。  
「あっ、そんな…ああっ」  
「じゃあ、続けるぜ…」  
そう言って、留美奈は胸への責めを続けつつ、尻を撫でる。  
「はああっ…あっあっ…あ〜…」  
「金髪…?」  
(可愛い声出すよな…)  
留美奈の責めに堪え切れず、チェルシーが軽い絶頂に達した。  
 
(今なら抵抗されないよな)  
そう思い、留美奈は、真っ赤になり、息を整えようとしているチェルシーの  
衣服を脱がし、ブラとショーツの上から、愛撫をする。  
「結構濡れてる…」  
「あっ…まだ、駄目…ああっ」  
(もっと、可愛い所を見せてくれ、金髪)  
そんな事を考えながらの、留美奈の、ブラの上でゆっくりと手が動き、  
ショーツの上から、秘口を擦る責め。  
チェルシーは先程軽く絶頂に達したばかりの所に引き続いての攻撃に、  
留美奈に止めるように頼んだ。  
「ふぁっ、や、止めて…あっ!」  
しかし、留美奈が耳を貸さず、愛撫が続行される。  
そうしている内に、チェルシーの胸の先端とクリトリスが硬くなっていく。  
「ああっ、留美奈、はあっ!」  
留美奈はショーツの上から、クリトリスに軽く触れた。  
「あっ、ああっ、もう駄目っ!」  
胸の先端に触れた手が円運動をしつつ、クリトリスに触れた指が僅かに動く。  
「ああ―!」  
留美奈の愛撫にチェルシーは再び達してしまう。  
 
そこで留美奈はブラを外しつつ、しゃがみ込み、ショーツの上から、  
秘口を舌で責めた。  
「えっ、や、やあっ、あっ」  
「随分濡れてるぜ」  
状況に気が付いたチェルシーは留美奈の頭を押して責めから逃れようとするが、  
力が入らず、されるがままになる。  
(やっぱり、能力を使わなかったら、弱ってる事もあってこんなもんだよな…)  
「ふああっ、い、言わないで…あっあっ」  
(さっきから、責められっぱなしで、もう…)  
チェルシーがそんな事を考えている時、留美奈の舌がクリトリスを  
弄くり始めた。  
「あっ、ああっ、やああっ!」  
留美奈の舌がクリトリスを突付き、押し、蠢く。  
同時に、開いていた留美奈の手が、ショーツの上から秘口を擦る事を再開した。  
「んんんっ、はあっ、また、ふぅっ、あ―――――!」  
三度の絶頂。  
留美奈は、より深い快感に我慢ができず、真っ赤になり、  
涙を溜めているチェルシーを眺めつつ、残ったブラとショーツを剥ぎ取った。  
「あ…」  
チェルシーの漏らした声を聞きつつ、留美奈の両手が直接胸に当てられ、  
再び圧力が加えられる。  
「金髪、気持ちいいぜ」  
「ば、馬鹿…あっ…」  
留美奈の掌が胸の先端に触れ、円を描いた。  
「やああっ…」  
「もっと素直になれよ、金髪」  
 
留美奈は、そう言いながら指で胸の先端を挟み、片方の手で尻を撫でる。  
「やあっ、そんな、駄目、留美奈…」  
留美奈は、暫くチェルシーの尻の感触を楽しんだ後、  
尻から股の間を通り、秘口へと、移動させた。  
「あっ、ああっ!」  
そうして、留美奈は、秘口をゆっくりと直接擦りつつ、胸の突起を突付き、  
もう片方の胸に、舌を這わせる。  
「やっ、あああっ、あっ!」  
(柔らかい…)  
留美奈はそんな事を考えつつ、舌を胸の先端に移動させ、突起を嘗めた。  
「あっ、ああっ、やあ〜」  
チェルシーは更に己が高ぶっていくのを感じる。  
留美奈が胸の突起を口に含み、吸い付きつつ、緩めずに行う、もう片方の胸と、  
秘口への攻撃。  
「ああっ、お願い、もう、ふあっ!」  
留美奈は、チェルシーの懇願に心の片隅が揺れながらも、  
聞こえなかった振りをして、指を秘口へと進入させる。  
 
「あっ!」  
屈み、チェルシーの秘口を観察しながら、留美奈がゆっくりと、指を入れていく。  
「あっ、あああっ…る、留美奈…」  
入れた指で内部を擦られ、チェルシーが震えた。  
「あああっ!」  
留美奈の指が出し入れされ、擦られる度に、震え、液が多く流れ出る。  
「やっ、ふっ、そ、そんなっ、ゆ、許して…」  
(そ、そんな事言われたら余計に…)  
そう考えた留美奈は、指を抜いた。  
「…留美奈…?」  
急に責めが止んだので、息を整えようとしつつ、チェルシーが発した言葉。  
それを聞いて、留美奈が言う。  
「大丈夫、続けてやるよ」  
「な、ち、違…はああっ!」  
反論しようとした所を、留美奈に指でクリトリスを突付かれ、  
体が大きく震えた。  
「あっ、あっ、や、やだ、ふああっ!」  
留美奈の執拗な愛撫に我慢ができず、チェルシーの体が震えている。  
更に、留美奈はクリトリスを押し、擦り、爪を当てて、ほとんど力を入れず  
動かして駄目押しをした。  
「あぁ、ま、また…あっ!」  
チェルシーの体が揺れ、絶頂に達した事を留美奈は悟る。  
 
留美奈は少しでも息を整えようとしているチェルシーを、言葉で責めた。  
「金髪…ここ、綺麗だぜ」  
「い、言わないで…」  
「こっから流れ出てる水を味わって、綺麗にしてやるよ」  
そう言って、留美奈は、滴る液を舌で拭い取っていく。  
舌が膝から太股へと上がり、チェルシーの秘口へと辿り着く。  
「いい味してるぜ」  
そう言われても、チェルシーは目を閉じ、口を閉ざした。  
抵抗しない方が良いと思ったからだが、留美奈が追い討ちをする。  
「何も言わないって事は嫌じゃないって事だな」  
(…目的が変わってる様な気がするけど、ま、いいよな)  
そう考える留美奈。  
そう言われて、チェルシーは口を開けて反論しようとするが、  
留美奈に秘口を嘗められ、別の声が出た。  
「あっ、やあっ」  
「ここも綺麗にしてやるからな」  
「そ、そんな事…ああっ、駄目っ…ああ、駄目、駄目…ふあっ…」  
留美奈は暫く液を味わった後、舌を侵攻させる。  
 
「もっと、奥まで入れなきゃ駄目みたいだな」  
「ほ、ほんとは、分かってるのに、そんな事を…あっ、や、入って…」  
留美奈の舌がチェルシーの声を途切れさせた。  
「やあ、そんな、動かさないで…あっ、ああっ!」  
指を入れた時のように、出し入れをしたり、壁を擦ったりする愛撫。  
それを突然止め、クリトリスの方を刺激する。  
「あああ………え、るみ……あっあっふあ!」  
留美奈は突付き、押し、嘗めて責めた。  
「ああっ、そんなにしないで、やあっ、あっ!」  
続いて、クリトリスを口に含み、嘗めて弄る。  
「や、留美奈…ああっ!」  
すると、チェルシーの体が震え、声が高くなったので、  
逝きそうになっている事を察して、留美奈は一時的に愛撫を止めた。  
息を整えながら、ここまで来て止められたチェルシーは、無意識的に、  
残念そうに言う。  
「る、留美奈…」  
「どうした、金髪」  
さらっとそう言って、留美奈は少し待った。  
「な、何でもな、あっ!」  
チェルシーは、返そうとした事をを、留美奈がクリトリスを軽く噛んだ事で、  
遮られた。  
留美奈は、クリトリスに歯を立てゆっくりと左右に動いたり、軽く噛み付く。  
「あああ、や、もう…!」  
再び絶頂に近づいた所で、またも留美奈が責めを止める。  
そして、留美奈の囁き。  
「逝かせて、って言ったら逝かせてやるよ」  
 
その囁きを、チェルシーは拒絶した。  
「い、言うわけ無いでしょっ」  
その返答に、留美奈は、答える。  
「じゃあ、ゆっくりと逝かせてやるよ」  
チェルシーは、その意味を良く理解できなかった。  
そこに、留美奈の愛撫が再会される。  
クリトリスに先程よりも軽い噛み付き。  
次に歯を立て、左右に動く事も極めてゆっくりと行なう。  
これにより、チェルシーはゆっくりと高められる。  
「ああ、はあっ、ああっ、あっ、ふあ、あっあっ」  
チェルシーは体が高まって行くにつれて、  
留美奈のやろうとしている事を理解した。  
ゆっくりと絶頂へと昇らされると、その方が絶頂に達する前に  
より感じるのだ。  
「ああ、留美奈、許して…こんな…」  
留美奈はその声を無視して責める。  
「あっ、あっあっあっ、も、もう…」  
逝きそうで中々逝けない。  
時間としてはそう長くはないが、普通よりも感じている分、  
時間がゆっくりと感じられる。  
「あああっ、ああ、もう駄目…あああっ!」  
留美奈はチェルシーが逝きそうになる直前に、強く愛撫をした。  
噛む速度を少し早くしつつ、秘口を指で早くなぞる。  
そうして、力を無くしたチェルシーを、留美奈は暫く、  
軽く愛撫をした。  
 
「あっ、や、さっき逝ったばっかりで…あっ、はあぁ…」  
「だからするんだよ、金髪」  
そう言って、留美奈は服を漸く脱ぎ、己をチェルシーの秘口へと宛がう。  
「あ…まっ」  
一呼吸置いた後、留美奈は挿入を開始した。  
「あっ、痛っ…」  
留美奈がその言葉に反応して、繋がっている所を見てみると、  
血が出ている。  
「…金髪…その、初めて…だったのか…」  
「あ、当たり前じゃない、馬鹿…」  
留美奈は驚いた。  
「いや、華秦の話を聞いて経験があると思って…」  
「…無くて悪い?」  
留美奈は、チェルシーの言葉に、強引に進める気を失う。  
「いや、別に…それより、その、ゆっくりするから」  
「何よ…急に…本当に、馬鹿…」  
(…いくら何でも、初めてで痛がってるのに、無理にする訳にはいかねえよなあ)  
「金髪…」  
「あ…留美奈…」  
留美奈は、チェルシーを抱きしめた。  
そして、ゆっくりと、動き始める。  
「あっ、あっ、ああっ」  
「金髪我慢してくれよ」  
 
チェルシーは、留美奈のその言葉に素直に頷いた。  
「あっ、ああっ、留美奈、あ、熱い…」  
「少しずつ早くしていくからな、金髪…」  
留美奈は、単純な出し入れと、微妙に捻って出し入れをする事を繰り返す。  
段々と動きを早めながら。  
「あっ、あっ、あっ、はあっ、ああっ、あっあっ」  
(金髪の中、凄く気持ち良くて、これじゃあ…)  
そう感じた留美奈は一旦動きを止めて訊く。  
「金髪、痛くねえか?」  
「まだ、ちょっと、痛いけど…大丈夫よ」  
留美奈は、その言葉を聞いて、再び動いた。  
「じゃあ、行くぜ」  
「あっ、あああ、はあっ、る、留美奈っ!」  
「金髪っ…!」  
留美奈の動きに、チェルシーは己が再び高まって来るのを感じる。  
「ああっ、あ、ああああっ、んんっ」  
痛みよりも、快楽が勝って来たのだ。  
「る、留美奈、何だか、また…」  
「金髪、俺も、もう…」  
 
二人とも限界が迫っている。  
留美奈もチェルシーもその事を感じ、その時が近い事を相手に告げた。  
「る、留美奈っ…あああっ!」  
「金髪、もう…くっ…!」  
「あ―――――――!」  
そして、その時は訪れ、チェルシーの中に放出される。  
それに堪え切れず、チェルシーは何度目かの絶頂を迎えた。  
「金髪、わりぃ…」  
「あ、熱……」  
チェルシーの声と表情に、留美奈は急いで、引き抜いた。  
(…やべぇ、またしたくなっちまう)  
涙を溜めたチェルシーにそんな事を言われて、理性が無くなりそうになるのを  
何とか押し止めて、留美奈は、  
未だ膨張したままであるが、服を着て、それをしまう。  
「もう、馬鹿…」  
「金髪…怒ってねえのか?」  
「怒ってるに決まってるわよ!」  
「じゃ、じゃあ、その…」  
留美奈は、あまりチェルシーが怒ってなさそうなので、聴いてみたが、  
その返答に、仕返しが為される事を覚悟した。  
 
「…別に、あんたをどうこうしようとも思わないわよ」  
「へ?」  
だが、チェルシーがそう言ったので、留美奈は思わず間の抜けた声を発する。  
「あんたの事が、その…」  
チェルシーがそこまで言って、察した留美奈は思わず調子に乗る。  
「じゃあ、もっと素直になれよな」  
「…ルリ様にこの事は言わないであげようと思った私が馬鹿だったわ…」  
その留美奈の言葉に、チェルシーはそう言い、拳に重力を纏った。  
「わ、わりい、冗談だって、なっ?」  
「…もう遅いわよっ…!」  
留美奈の言葉に怒りを示し、殴りかかろうとするチェルシーを見て、  
目を瞑る留美奈。  
が、少ししてチェルシーに吹っ飛ばされていないので、目を開ける。  
「やれやれ、なんで、こんなのを好きになったのかしらね」  
「金髪…」  
「ま、殴るのは、後にしてあげるわ」  
そう言って、動こうとしたチェルシーに、留美奈は尋ねた。  
「なあ、金髪は俺のどこが好きなんだ?」  
留美奈が続けて言う。  
「俺より良い奴はいるだろうに、初めてだったしな」  
 
チェルシーは、その問いに、少しからかうような口調で答えた。  
「そうね…色々有るけど…あんたの甘い所が、ってのが今の所の答えね」  
「な、何だよそれ」  
子供扱いされたような、馬鹿にされたような問いに、留美奈が憤る。  
「ま、他にも色々あるから、安心していいわよ」  
(地下で殺してきた自分、そして、それに嫌気が差して、ルリ様と共に地上に…)  
かつての事を思い出すチェルシー。  
(この能力は…)  
重力の能力は、相手の生死を問わない場合は、効率的に戦えるが、  
相手を殺さない時は、非効率だ。  
ジオ・インパクトは相手を殺さない時の為に生み出された大技。  
しかし、それでも、相手を殺さないとなれば、A級師兵と一対一で  
勝つ事は困難だ。  
かつて自分を助けてくれたルリを助ける為、何でもする最後の決意。  
ルリに助けられた時、ルリの能力で強化された己の能力。  
それを生かす為、公司に突入する時も、いざという時の為に、  
衛兵に殺さない程度に重力をかけたりして、自分の覚悟を確かめた。  
しかし、やはり、長年の仲間と相対すると決意が鈍る。  
そんな事を思い返していると、留美奈の大声が飛び込んで来た。  
「おい、金髪!」  
「もう、機嫌を直しなさいよ」  
 
そう言った後、チェルシーは留美奈に促した。  
「早くルリ様を助けにいかなきゃね」  
「…ああ」  
ルリの名前を出されて、留美奈はただ頷く。  
その時、仲間の声が聞こえてきた。  
「いこうぜ、金髪」  
「ええ、今から公司に行けば、04達と遭遇するかも知れないしね」  
「ああ」  
「行くわよ」  
チェルシーがそう言って、二人は走り始める。  
そして、仲間の所に辿り着くまでの間に行なわれた二人の内緒話。  
「金髪が経験無かったってのは、見る目のある奴がいなかったって事か?」  
「随分素直じゃない」  
「…うっ」  
そう言われ、留美奈は沈黙した。  
「そうね、そうかもしれないわね」  
チェルシーが微笑みながら言う。  
「ま、金髪の事だから言い寄る男を全部吹っ飛ばしてたのかもしれねえけどな」  
「…あんたねえ」  
「そ、そう言えば、どうなんだ、金髪?」  
誤魔化した事を追求しようかと思いながら、チェルシーは聞き返した。  
「何の話よ」  
「俺達と一緒に地上に…」  
「…そうね、前向きに考えておいてあげるわ」  
「金髪…」  
「また襲われたら堪んないしね」  
「お、おい、金髪!」  
「…何よ?」  
「……何でもねえ」  
 
そうして、戦いが再開される。  
留美奈達は最後の決戦へと向けて、動き出した。  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル