「あ゛〜っ!!寝れねェ!!!」  
ロウワータウン郊外のとあるホテルの一室。  
珍しく一人部屋のルミナはタオルケットを蹴飛ばして頭を掻き毟った。  
(どーしてこうオレは寝付きがわりィんだ!!?  
…夜型の人間っつーか何つーか…)  
時は既に午前二時を回っていた。地上の人間であれば、  
この程度の時間はどうという訳でもないのだが、地下世界人は夜は早い。  
大抵が0時前後で床につく。  
「眠くなるまで…ボーっとしてるっきゃねェか…」  
ルミナがベッドに横たわった。  
コンコン…  
不意にドアをノックする音がした。普通なら有り得ないことだ。  
「刺客か!?…んなわけねーか…開いてるぜ」  
カチャ…  
 
「おにーちゃん…入るよ…」  
小さな声がして、その声に相応しい小さな女の子が入ってきた。  
短かい黒のワンピースが似合っている。  
「…雷チビか…どーしたんだよ?こんな時間に…何か用か?」  
シエルは何も言わずに留美奈の隣に腰掛けた。  
「…あのね…突然なんだけど…おにーちゃんに頼みがあるの…」  
「何だよ?」  
「…明日の朝まで…ココにいてもいい?」  
不意にシエルが口を開いた。  
「なっ!!?何ィィィィィィィッ!!!!?」  
留美奈は両腕を振り上げ、シエルに向かってオーバーリアクションをとった。  
「ダメ…かな…?」  
シエルが留美奈に少しだけ迫って聞いた。  
(き、急展開…!!落ち着けオレ!落ち着け!!…よし…ココは冷静に…)  
「い、いや…別にいいけどよ…何でだよ?」  
留美奈は振り上げた腕を下ろして聞いた。  
「…怖いの…」  
シエルが俯き、声を震えさせた。  
「え?オイ、今何て……………!!?」  
 
留美奈は言葉を失った。シエルが留美奈の胸に飛び込んできたのだ。  
「たまに…思い出しちゃうんだ…あの時のコト…」  
「あの…時?」  
シエルは自分が白龍に殺されそうになったときのことを思い出してしまい、  
言いようのない恐怖に駆られていることを話した。  
「そう…か…」  
(オレは一度死んだんだけどな…)  
「だから…だから…怖くて…」  
シエルはそのまま泣き出してしまった。  
「……………」  
手をわきわきと動かしていた留美奈も鼻でため息をつき、微笑して、  
シエルの頭にそっと手をやり、優しく撫でた。  
(いくら公司の師兵で能力者っつっても…やっぱ子供なんだな…)  
「…オマエが落ち着くまで…こうしててやっからよ…」  
ルミナが優しく微笑む。  
「それに…オマエは笑ってるときのほうがずっとカワイイぜ?」  
「そう…かな…えへへ…ウソでもうれしいよ…」  
シエルは涙を拭って留美奈を見上げてにこっと笑った。  
「あのね…おにーちゃん…」  
シエルがまた俯き、上目遣いでちらちらと留美奈の様子を伺う。  
(…コイツ…カワイイかも…)  
「何だ?」  
留美奈はあくまで平静を装って応えた。  
「私ね…おにーちゃんのコト…」  
 
「……好きになっちゃったみたい…」  
シエルが一呼吸置いて言った。  
「なっ!!!!!?」  
初めての異性からの告白。  
ケンカに明け暮れて異性から恐怖の目で見られていた地上でも、  
まして地下でも有り得ないコトだと思っていた。  
それはあまりにも唐突で、予想外だった。  
「私ね…最下層でおにーちゃんが慰めてくれなかったら…  
 たぶんどうかしちゃってた…おにーちゃんのおかげで…」  
(???ワケわかんねェよ…何で?オレ?つーかオレ誰よ?  
 オレが…好き?マジか!?ウソだろ!!?はァ!!!?)  
案の定頭が混乱している留美奈に、シエルはよりかかった。  
「一緒に…いてくれる?」  
(…お、おォォォ!?バカな事考えてる場合じゃねェ!!  
 こんな展開になるなんて…うれしい限りだぜ…それに…  
 コイツもよく見りゃ……カワイイ…カワイイじゃねーか!!  
 何で気付かなかったんだ!!カワイイ!!)  
「…お願い…」  
 
(…好きだって言われてんだから…抱きしめてもいいよな…)  
「…あぁ…」  
留美奈はゆっくりとしたモーションでシエルを抱きしめた。  
「え!!?えっ…ちょっ…」  
「イヤか?」  
「え?うぅん!!ちがうよ!」  
シエルがふるふると首を振った。  
「ただ…ちょっとびっくりしただけ…」  
シエルも留美奈に腕を回した。  
「…もっと…こうしててよ…」  
そうしてそのまま時間が経過した。  
留美奈は回した腕を放し、シエルの両肩に手を置いた。  
「…?…」  
シエルは少し首をかしげた。  
(…抱き合うまでの仲なんだから…キスしても…いいよな…  
 …でも一応聞いとくか…)  
「…キス…していいか?」  
「え!!!!!!!?」  
シエルは俯き、顔を赤らめて黙り込んでしまった。  
(っちゃー…マズったな…いきなりキスは…早ェよなぁ…こりゃ撤回したほうがいいな…)  
 
「あの」  
「いい…よ…」  
(へ…?『いいよ』…って!!そーゆーコトだよな!!!?  
…っしゃぁぁぁっ!!!!!)  
留美奈は見えないところで小さくガッツポーズをとり、  
再びシエルを見つめた。  
「…じゃぁ…」  
「………」  
シエルは目を閉じ、留美奈は顔を近づけていく。  
「ん…」  
二人は唇を重ねた。ただ唇同士が触れるだけの口付け。  
それはまだ幼く、微笑ましくも思えるものだった。  
やがて二人は唇を離した。  
「…私…おにーちゃんとキスしちゃった…」  
「………」  
(や、やベェ……したくなってきちまった…いや、いかんいかん…そこまでは…  
 …ココは…ガマンだ…)  
「あの…おにーちゃん?」  
 
シエルが唐突に口を開いた。  
「な、何だ?」  
「…おにーちゃんのしたいコト…しても…いいよ?」  
「はっ、はぁぁっ!!!!!!!!!!!?」  
(な、何でコイツ…10歳でそんなコト知ってんだ!?  
…子供とはいえ…女の勘ってすげェな…  
いやいや…感心してる場合じゃねェ!!!  
…落ち着けオレ…キスとかは考えてたが…  
ここまで考えてたか!?  
…いや、確かにカワイイとは思ったけどよ…  
いや、よくねェな。よくねェよ。やっぱそこまでは…)  
「おにー…ちゃん?」  
(はい。決断完了。いい。もういい。つーかしてェ。)  
「いいんだな…じゃぁ…いくぜ…」  
二人は再び唇を重ねる。  
「んっ…んくっ…じゅる…んはぁ…」  
先程のキスとは打って変わって、腕を回し強く抱き合う情熱的な激しいキス。  
シエルはルミナの攻めにささやかながら応え、舌を絡める。  
 
ギシッ…  
留美奈はベッドに座っているシエルをそっと寝かせ、  
シエルの秘裂をショーツの上から指でそっとなぞる。  
「ふぁぁっ…くすぐったいよ…んぅぅっ…」  
「どうだ…?気持ちいいか?」  
「そんなコト…言われても…わからないよぅ…ぅぁぁ…」  
経験のないシエルはまだ快感というものを知らない。  
留美奈は不意に蕾を刺激する。  
「ひゃぁぁっ!!?」  
シエルの体が突然跳ね上がった。  
「どうだ…?ココは…気持ちいいだろ?」  
「ふぅぁぁっ…そこは…?あぅ…何だか…切なくなって…  
 …んぅぅ…」  
シエルの顔が次第に紅潮してくる。  
「もうそろそろだよな…」  
留美奈はシエルのショーツを下ろした。  
「…ああっ…そんなに…見ないでよ…はずかしいよぅ…」  
「…わりィ…」  
 
留美奈はそう言うと、徐々に充血する蕾を指で愛撫し、不意に刺激する。  
「あぅぅ…ふぁぁっ!!な、何かぁ…ああっ…頭が…ヘンだよぉ…んぁぁっ!!  
あ、あぅ、ぅぁあっ!!!何か、くるっ!くるよぉぉぉっ!!!!」  
留美奈は、シエルが切羽詰った声を出して限界寸前になった瞬間、  
愛撫の手を止めた。  
「はぁ…ぅん…何、で…やめちゃうの…?」  
「…やっぱ気持ちよかっただろ…?」  
「そんな…こと…ぅぅ…」  
シエルは目をぎゅっと閉じて顔を更に赤らめた。  
「…そろそろ…いいか?」  
 
「………」  
シエルは無言で小さく頷いた。  
シエルの意思を確認した後、留美奈はカチャカチャとズボンのベルトを外し、  
自らの肉棒を取り出した。  
「………」  
シエルは息を呑み体を硬直させる。  
「あんま力入れるなよ…」  
留美奈は肉棒をシエルの秘裂にあてがう。  
「んぅ…」  
シエルが僅かに声を漏らす。  
「…ゆっくり…いくぜ…」  
ググググググッ………  
留美奈が腰を焦らす様な速度で沈めていく。  
「ひぐぅぅぅぅぅっ!!!」  
肉棒が徐々に挿入され、シエルが苦痛の声を上げる。  
「だ、大丈夫か!!?」  
「ぐ、ぅぅっ…だ、大丈夫…ちょっと…痛いけど…」  
「そうか…じゃぁ少しだけ力抜いてくれ…イッキにいくぜ…」  
 
「う、うん…ぅぁぁぁああ…」  
シエルは留美奈になるべく心配をかけぬようにと声を小さくしようとする。  
グチッ…  
「ぐ、ぁぅ…んぅ…」  
肉棒が肉壁を押し開いて進む途中、  
先端にあった僅かの違和感が消えたとともに、シエルの秘裂からは鮮血が流れていた。  
「…入ったぜ…」  
そうは言うものの三分の一ほど肉棒は挿入りきっていなかった。  
「あぅ…入ったの?…あぁ…おにーちゃんの…おっきいのが…入ってるよぅ…」  
シエルは結合部を見ながら言った。  
「…イタく…ねェのか…?」  
「うん…入っちゃってからは何ともないよ…えへへ…だいじょーぶ…  
バッチリ入ったみたい…」  
「プッ!…オイオイ…バッチリって…何言ってんだよ…」  
このようなときでも愛らしい言動だ。  
「私、何かヘンなこと言った?」  
「いーや、何でもねェ…じゃ…動くぜ…」  
 
「…う、うん……あぁぁっ!!」  
留美奈は焦らすような速度で抽送を始める。  
「あぁぁぁっ!!…ひくぅぅぅん!!…んぁぁぁぁっ!!!」  
やはり苦痛からか大きな声でシエルが喘ぐ。  
「ぐ、ぅぅっ!はぁぁっ…い、んぁぁっ!!」  
「ホントに大丈夫なのかよ!?」  
「ひぐっ!くっ…はぁん!!だ、大丈…夫…だよっ!ぐっ…あぁっ!!」  
「そうか…」  
留美奈がシエルの唇を奪う。  
「んっ…ふぅぅん…んむぅぅっ…」  
シエルは目を細めて甘い声を出し始めた。  
シエルの秘裂から愛液がこぼれ落ちる。  
それが滑潤液となり、肉棒に絡みつく。  
留美奈は唇を離し、抽送のスピードを速める。  
 
「んむぁっ!はぁん…あぅっ!!お、おにーちゃぁん!!  
な、なんか…わたし、ヘンだよぅ!!カラダが…  
ふわふわ…してぇ…ひゃぅっ!!!」  
「…全部忘れさせてやるよ…昔のコトなんか…な…」  
「いっ…ふぁぁぁぁぁん!!!!!」  
「…っ!!!」  
 ドクン…ブシュッ…ドクッ…ドクン…  
「はぁ…はぁ……あ…れ?ナカに…なんか…え…?」  
「わ、わりィ…出しちまった…」  
「…う…うぅ〜…」  
シエルはショックからか泣き出してしまった。  
「わたし…ぐすっ…どうなっちゃうの〜…?ぅぅ〜…」  
「………オレも…オマエが…好き、だからよ…  
こ、これからは…その…お、オレが守ってやる!」  
「…ホント…?」  
シエルが涙を拭って訊いた。  
 
「…あぁ…」  
「…やくそく…だ…ょ…」  
シエルは目をゆっくりと閉じて、不意に体を脱力させた。  
「!!?…何だよ…寝ただけか…」  
 
――― …俺はコイツを絶対に守りぬく…  
――― …この穏やかな寝顔を…  
――― …この純粋な心を…  
 
………………失わないために………………  
 

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