(やべぇな…公司の警備兵か…こんなトコで捕まるわけにはいかねぇ…)
留美奈はとっさに周囲を見回すと、カップルが互いに愛を確かめ合う姿が見て取れ
る。
映画とかでもよくあるし…金髪も合わせて演技してくれるだろう。
そんな事を思い、咄嗟に壁にチェルシーの手を掴むと、壁に彼女を押し付ける。
「ちょっ…いきなり何…!?」
「…シッ、静かに!」
(確かに少しいい雰囲気だったけど―――!!)
突然、留美奈に壁に押さえつけられ、じっと見つめられるチェルシー。
警備兵に気付いていないチェルシーにしてみれば、留美奈の行為は意外でもあり、こ
の後に続く行為を頭に髣髴させた。
(やだ…私…ドキドキしてる…)
チェルシーは自分の鼓動に驚くが、あまり意識はしていないものの、好き…かもしれ
ない相手に迫られ、期待感にも似た想いを抱きつつ顔を赤らめ、ふるふる震えながら
そっと目を閉じる。
(お…やっぱ演技上手いな…さすが師兵だぜ。顔まで赤らめて… でも…ちょっと可
愛いかも…)
留美奈がそんな事を思いながら、チラッと警備兵の方を見る。
どうやら、まだ警備兵は去っていないようだ。
(な、何でまだ行かねーんだよ… ってことはもうしばらくこのまま…か。金髪、も
うちょっと我慢しててくれよ…)
留美奈はチェルシーを壁に押し当てたままチェルシーを見つめていた。
(な、何なのよ…人をこんなトコに押しやって…な、何も…しないなんて…)
それでもチェルシーは留美奈を待ち続ける。
留美奈も、そんなチェルシーを見つめていた。
(いくらなんでも…演技なんだから…本当にキスなんてしたら殺されるよな…)
留美奈は健気に待ち続けるチェルシーの姿を可愛らしいと思いながらも、演技なんだ
からと言い聞かせて警備兵の方を見たり、チェルシーを見たりして早くこの状況から
抜け出したいと思う。
(もう!何なのよ… 男らしくないわね…!!何も…何もしないなんて…)
しびれを切らしたチェルシーは、とうとう留美奈の頭を掴み、彼の唇と自分の唇を重
ねた。
「――!?金…髪…」
留美奈は突然の彼女の行為に驚く。
(オイオイ…!?演技だろ…いいのかよ…本当にしちゃって……けど女の子の唇っ
て…柔らかいな)
だが、留美奈の思考はさらに彼女の行為によって乱される。
チェルシーが、留美奈の唇を割って舌を侵入させてきたのだ。
「…んむっ…ふ…ちゅ…れろっ…ぴちゃ…」
(私…好き… きっと…アンタの事…好きだからっ…)
「んっ…きんぱ…つ…舌…がっ…! んっ、んむっ…」
(バカ…!こんな演技なんかされたら…俺…)
留美奈も、やがて彼女の舌の暖かく、ぬるぬるした感覚に快楽を覚え、自らも舌を絡
めていく。
金髪が悪いんだ。殴られたって…お前がこんなことするから…
そう思いながら、舌を絡ませあい、彼女の胸を掴み服の上から揉み回す。
「あっ…ふぅ…ちゅ…ぅ、あはぁ…るみ…な…」
留美奈とチェルシーの唇の合間から彼女の甘美な声が漏れる。
留美奈はもはや、警備兵の事など気遣う余裕をなくし、彼女を求めていた。
留美奈がふと、何かに気付いたように、チェルシーの手を引いて側の茂みへと招い
た。
まだ二人の息は荒く、互いの顔も上気したまま見つめあう。
「な…なあ…」
「な、何よ…?」
先に口を開いたのは留美奈だった。
「いや…その…俺達…キス、しちまったよな…?」
「ア、アンタがいつまでたってもしないから…」
「で、でもよ!その…演技、だったワケだしさ…本当にしちまってよかったのかっ
て…」
「え、演技!?」
ここでようやく留美奈の目的が自分でなかった事に、チェルシーは気付く。
「何よそれ!?じゃあ、私は…」
そうとも気付かずに留美奈の唇を奪ってしまった事を思い出し、頬に手を当てて顔を
真っ赤にして恥ずかしがる。
「し、知らなかったのか?」
「あったりまえでしょ!そ、そうならそうと言いなさいよ! もう…」
「わ…わりぃ。いや、でもさ…その…それにしたってお前からキスしてくるなんて思
わなかったからよ…ましてや、舌まで入れて…」
留美奈が目を伏せながらも照れくさそうに頭を掻いて話す。
「う、うるさいわね! …言ったでしょ。もし、最初に手を握っていたのが私だった
らって…アンタに逢えてよかったって…」
チェルシーが今までとは違って、真剣な顔で、けど頬は赤く染めたままで話す。
それは、彼女の本当の気持ちだった。ジョークと誤魔化して、流されてしまった想
い。
ようやく、彼女の真剣な眼差しに、彼女の想いに気付き始めた留美奈も目を大きく見
開いてチェルシーを見つめる。
「あ、あのさ…それって…」
「私…アンタが好き…」
留美奈は始めて受けた女性の告白に戸惑うばかりだった。
金髪が…俺を?
まるで信じられないといった様子でチェルシーをもう一度チラッと一瞥する。
すると、目が合ってしまい何だか恥かしくなって二人してその目を逸らした。
「な、何とか言いなさいよ…」
「何とかったって…」
チェルシーが沈黙に耐えられなくなってその口を開く。
「あの…さ」
「何よ…」
「一個だけ…約束…してくれ」
「え…?」
留美奈もようやく真剣な眼差しをチェルシーに向ける。
彼女の肩を掴み、何か決意を秘めたように彼女を見つめる。
チェルシーは胸が再びトクントクンと脈打つのがわかった。
(この感じ…あの時と同じだ…)
留美奈に壁に押さえつけられた時の、一種不安と期待の入り混じった感情。
「ルリを…助けた後も…ずっと一緒に居てくれるって…」
「―――!!」
「俺…ルリが居て、銀之助が居て…それじゃダメなんだ。…ずっと、お前がルリを助
けた後どうするんだろうって不安で… ルリが居て、銀之助が居て…金髪が居て…
じゃないと俺…嫌なんだ」
「あ…」
いつもの留美奈らしからぬ言動と、真剣な瞳にチェルシーの鼓動がさらに激しくな
る。
「お、俺も…お前が好きだ…」
「留美奈…」
「だから、一緒に…居て…ほしいんだ…」
「…うん」
「それに…人数増えたらメシ作るの大変だろ? 炊事当番も欲しかったしな…」
留美奈が自分の言った言葉に恥かしくなってか、照れ隠しに笑いながら言った。
「…バカ」
チェルシーはそんな彼に少し嬉しそうに呟くとそっと唇を留美奈の唇に重ねていっ
た。
半ば抱き合う形になっていたので、留美奈はそのままチェルシーの体をゆっくりと地面に押し倒していった。
さすがにこれにはチェルシーも少し驚く。
ここは遊園地の中の広場の公園にすぎない。
いくら茂みの中、しかも周りもカップルばかりとはいえ…
「ちょ、ちょっと…こんな所で…」
「…嫌…か?」
「い、嫌じゃないけど…でも、ここ公園よ!?それに、そ…外で…なんて…」
「で、でもさ、お前があんなキスしてくるから…俺…もう…」
「ちょ、ちょっと……んんっ…」
留美奈がチェルシーの弱弱しい抗いの言葉を遮る様にその唇を塞ぐ。
チェルシーとしても、いつものように留美奈を殴ってしまえばそれで済んだかもしれないが、決してそんな事はしなかった。
むしろ、唇を重ねている今、次第に彼の行為を受け入れている自分がいるから。
心の中では、こんな…人のたくさん居る所で隠れてこんな事をしている自分をはしたないと思っているのに。
「…んっ…んぁっ……ひ…ぁ…」
留美奈の手が次第にチェルシーの均整のとれた体を弄り始める。
チェルシーが、彼に胸を弄られて、その手が動く度に体を震わせて声を押し殺して嬌声を上げる。
「金髪…柔らかい…」
「へ、ヘンなこと…言わないでよっ…あぁ…はぁん…」
やがて、留美奈が胸を弄る手を彼女のスカートの中に侵入させる。
「―――!? や…ああっ……!」
留美奈がその手を太股から、中心部に滑り込ませていく。
ショーツの上から、チェルシーの敏感な秘所をなぞり、指を押しつけてみる。
そうして、留美奈はチェルシーのショーツが濡れていて、さらに自分が指を動かす度に暖かい液体が染み出てくることに気付いた。
「…ふあっ、あぁ…ああん…」
「…どんどん濡れてくるけど…気持ちいいのか…?」
「そ、そんなワケ―――」
留美奈の言葉にカアッっと頬を赤く染めると、チェルシーは否定しようとするが、決して間違ってはいないのでその言葉を止めた。
やがて俯きながらコクリと小さく頷いた。
「金髪…すっげー…可愛い…」
彼女のそんないじらしい様子に留美奈が感想を述べると、留美奈はショーツの横から手を直接秘所に侵入させた。
秘所に入れた指を、さっきまでとは違い、大きく動かしてみる。
ちゅぷっと厭らしい水音がして、一層チェルシーの秘所から愛液が溢れ出した。
同時に、チェルシーの喘ぐ声も大きくなる。
「あ―――! ああ、ひぁ…ん! はぁぁぁっ…! あぁぁん!」
ここが茂みを抜けて数メートルもすれば人気のある公園なんだと留美奈は思い返して、チェルシーに侵入させている指をゆっくりと引き抜く。
「や…抜いちゃ…」
「ま、待てって…」
留美奈が彼女に侵入させた指をチェルシーの口内へと運ぶ。
「ん…ふ…ちゅ……」
チェルシーが、自分の蜜のついた彼の指を口に咥えて舌を絡める。
留美奈がそのまま逆の手の指を彼女の秘所に侵入させた。
「あ…ん……ん! んむぅ…んんっ……」
こうすれば、声は出ないのだ。
留美奈が一安心してチェルシーに挿入した指をもう一度激しく動かし、内部をかき回していく。
その度に彼女が身をよじらせて大きく口を塞がれながら喘ぐ。
「ん――!んんーーー!んんっ!…んあ…ぁ…ん…んんっ…」
一度激しく中が締まったかと思うと、奥から愛液が洪水のように溢れ出し、留美奈の指はその波に押し戻されて外の世界へと帰る。
留美奈もその様子を見届けると彼女の口内の指も引き抜いた。
「んあ…」
チェルシーの唇と自分の指が淫らな糸を紡ぎながら離れた。
「金髪…俺、もう……いいよな…」
「……ウン…」
チェルシーの合意も得たので、留美奈はすでに濡れに濡れたショーツに手を掛けて、するすると脱がしていった。
ショーツと秘所までも、つうっと淫らな銀糸が繋ぎとめていて、そこに目を奪われながらも留美奈はショーツを脱がしていく。
やがて彼女のブーツのあたりまで脱がしていくと、留美奈は自分のズボンのベルトに手をかけ始めた。
留美奈がズボンを脱ぎ終えると、仰向けに寝ているチェルシーの上にそっと覆い被さった。
手で肉棒の位置を調整し、チェルシーの秘裂にそれをあてがう。
「んっ…」
小さく体をチェルシーが震わせながら目を閉じて、ピクッと眉を強張らせた。
「ここ…か。じゃ…いくぜ…!!」
留美奈がそう言ってチェルシーの中に、己の肉棒をゆっくりと挿入していく。
外気にさらされた冷たい肉棒が先端部から次第に温まっていく。
少しずつ自分を包み込んでいく暖かな感触に留美奈は驚いた。
「んんっ!! ふああっ……」
チェルシーも留美奈が自分の中に入ってくる度に、腰をくねらせて与えられる快楽に耐えた。
チェルシーが悦に入る都度、留美奈の肉棒も締め付けられる。
「くっ…金髪…すげぇよ…お前の中、あったかくって…吸い付いてきてっ…絡み付いて…」
「!! バ、バカッ!」
留美奈の言った言葉が恥かしかったのか、チェルシーが真っ赤な顔をして怒る。
「…動くぜ」
気をとりなおして、留美奈がゆっくりと腰を動かし始めた。
留美奈が動くたび、チェルシーも快楽に耐えるよう首を振ったり手に力を込めたりした。
「んあぁぁ……あはぁ……はぁ……」
「金髪…」
留美奈の腰の速度が次第に上がっていった。
もっと彼女の中を感じたい。もっと気持ちよくなりたい。
そう願えば願うほどにそのスピード、気持ちは高まっていく。
留美奈が腰の速度に比例して、にちゃにちゃと卑猥な水音が大きくなる。
チェルシーも留美奈を求めて、彼の背中に腕を回して、彼の腰に長い両足を回す。
ギュッと留美奈を腕で、足で抱き締める。
「金髪……!!」
「ふああぁぁ……あふぅ……いい……の…」
留美奈も彼女の声を聞き、チェルシーを腕で抱き寄せて、向き合う形での挿入となった。
彼女の体重の分だけ、挿入にかかる力が加わり、さらに奥へと肉棒が侵入していく。
そして、ここぞとばかりに留美奈がチェルシーを突き上げていくのだ。
「!! あああぁぁぁ…!! だ、だめっ…そんな…深くっ……」
「金髪の…中が…すげぇ…絡み付いてきてっ……」
「いやぁ……!! だって…おく、に…あたっ…あたって……!!」
チェルシーの膣壁が、留美奈の肉棒を狂おしいほどに締め付けて、絡み付いていく。
膣全体も与えられる快楽から収縮運動を繰り返しては、留美奈の肉棒に吸い付いていく。
留美奈に絡ませた腕と足に一層力を込めたチェルシーが涙目で留美奈の唇に自らの唇を重ねていく。
こうすれば…どれだけ喘いでも声は塞げる。
「はぁ……ん……」
「んっ…金髪、俺…もう…」
「あふ…出して……出して…いいからっ…んんっ……」
舌を絡ませながら、膣内への射精の許可も得たため、留美奈がラストスパートとばかりに激しくチェルシーを突き上げる。
留美奈が彼女を突き上げていくと、大きくチェルシーの体が上下する。
このまま溶け合ってはしまうのではないか。
そう思えるほど、チェルシーの内部は熱くなっていき、留美奈の肉棒がさらに膨張する。
「んはぁぁ……だめっ…私も…もうっ……ふああぁぁ……」
「金髪っ!もう…出るっ…」
「!? あはああああぁぁぁぁぁ……」
留美奈の声と同時に、膨張した熱い肉棒から精液が射出される。
ドクン、ドクンと大きく脈打つたびに、彼女の中に精液が注ぎこまれていく。
チェルシーの秘所も、ヒクヒクと力なく動いては、留美奈の欲望を飲み込んでいった。
留美奈がやがて、肉棒をズルリと引き抜くと、精液と愛液の混じった液体がチェルシーの秘所から大量に出てきた。
二人は服を着なおして、木によたれかかっていた。
「あ…そういえば…集合時間…って…金髪?」
留美奈が仲間と公司への潜入するための集合時間の事を思い出す。
だが、チェルシーは木によたれたまま寝てしまっていて、返事はない。
「おい!金髪…」
留美奈がチェルシーにさらに呼びかけるが…
「え…?」
チェルシーが留美奈の肩にそっと寄りかかった。
「うるさいわね…聞いてるわよ…」
「いいのかよ…早く行かなくて…」
「もう遅れちゃってるしね…間に合うわけないわ…だから」
「…?」
チェルシーが再び瞳を閉じる。
「もうちょっとだけ…このままで…いい?」
「…わかったよ…」
留美奈がチェルシーの肩を掴み、自分の方にさらに彼女を引き寄せる。
そして、もう一度。二人は唇を重ねた。
今度は、気持ちが通じ合った状態でのキス。
二人は照れくさそうに笑って、空を見上げた。
暗い地下世界の空を花の形をした火花が散り、明るく二人を照らしていた。
今度は、地上で見られたら…いいな。
そんなことを思いながら、夢見ながら、二人は体を寄せ合って瞼を閉じた…