一応その後設定です(10年後位)  
 
 
「お母さん、アンダーグラウンドってなあに?」  
夕飯の支度をしていたチェルシーはびくっとして傍らで遊んでいた娘の顔を見た。留璃は澄んだ瞳でこちらを向いている。  
まさか、思いもしない質問だった。彼女は返答に戸惑った。  
「俺知ってる!」  
留璃の弟の留加が両手にクレヨンを持って叫ぶのに近い声で言った。まだ3歳なので声が話す時にどうしても大きくなってしまうのだ。  
「留加には聞いてないの!」  
留璃がお姉さんぶるような声で言った。  
「だって、俺、知ってるもん!留璃の馬鹿!」  
「うるさいの!呼び捨てにしないで!」  
喧嘩口調で二人は言い合いを始める。留加は留璃が少しでも年上ぶるのが気に入らないのだ。  
いつもなら「二人とも止めなさい。」そういってたしなめるのだが、チェルシーは何と言っていいか分からず、思わずぼんやりしてしまった。  
「ね・・・ねえ?留璃はどうしてアンダーグラウンドの事を知ってるの?」  
台所の椅子に座って画用紙に絵を描いていた彼女は母親の方を向いてにっこり笑った。  
「あやちゃんのおばちゃんが言ってた。アンダーグラウンドって昔、あったって・・・」  
「大きな国だろ?俺知ってる。行った事ある。」  
「留加が言ってるのはこの間行った遊園地の事でしょ?」  
「うるせー!留璃のアホ!けち!」  
「お姉ちゃんって言いなさいよ!」  
クレヨンを握り締めたまま二人は姉弟喧嘩を始めた。まだ3歳と5歳なので可愛らしいものだが、二人にとっては真剣だ。  
「・・・お母さん?どうしたの?」  
留璃が母親の顔に気がつき、心配そうに覗き込んだ。留加も同じように覗き込む。  
「どうしたの?」  
「・・・何でもないわよ。」  
チェルシーは笑顔を取り繕った。玄関からガラガラと扉を開ける音がした。  
「おじいちゃん帰ってきた?おじいちゃんの部屋、行ってくる。」  
「俺も!」  
留璃と留加がバタバタと出て行った。後に残されたチェルシーはただただ呆然とその場に突っ立っていた。  
・・・まさかあの子達の口からアンダーグラウンドの話が出てくるなんて・・・  
 
夕食時になってもチェルシーはまだ考え事をしていた。  
「・・・お母さんてば!!!」  
留璃の怒鳴る声で彼女は我に帰った。  
「あ・・・ごめん・・・・何?」  
「カレーおかわり頂戴っていったのにっ!ちゃんと聞いてくれない!!!」  
留璃は椅子の上に立って自分で皿にご飯を盛った。台所の鍋には身長が届かないのでチェルシーがルーを入れてやる。  
「今日、お母さん変だよ?」  
仕事から帰った留美奈も一緒に食卓につき「?」と言う顔でチェルシーを見ている。  
「・・・そんなことないわよ・・・」  
笑顔で答えたが少しどもってしまった。  
「お姉ちゃんカレー全部食っちゃったら駄目だぞ!俺も食うの!!!」  
留加がご飯を口一杯にしながら言う。  
「口に物を入れてるときに話さないの!まだ沢山あるからゆっくり食べなさい。」  
チェルシーは誤魔化すように留加に言う。  
 
「留加!人参残さないの!ちゃんと食べなさい!」  
「留加は好き嫌いばっかしてるから大きくなれないんだよ。」留璃がとっておきのお姉さんぶった声で言う。  
「お姉ちゃんだって玉葱残してるよ!お父さん。」留加は父親にすがるように言った。  
「留璃も大きくなれないぞ!玉葱きちんと食べろ。」  
「そうじゃよ。お父さんみたいにチビになりたくなかったらちゃんと食べなきゃいかんよ。」  
祖父が口を挟む。  
「一言多いんだっーの!」  
留美奈が祖父をじろりと睨む。  
いつもなら二人のやりとりにチェルシーの突っ込みが入るのだが、今日の彼女はぼんやりとしている。留美奈が横目でちらりと彼女を見た。  
「どうかしたのか?」  
「本当に何もないわよ。」チェルシーはブンブンと顔の横で手を振る。必死になって笑顔を取り繕うがところどころほつれている気がしていた。  
「そっか・・・?」  
 
「そうよ。」  
チェルシーはカレーを口の周り一杯に付けている留加の口元を拭いてやった。  
「・・・ならいいけどさー、金髪が元気ねーと何か変なもんでも食ったのかと思っちまうぜ。」  
わざと茶化すように留美奈が言う。  
「そうだよ〜ぉ金髪!」  
「き・ん・ぱ・つ!」  
子供達も面白がって父親の口調を真似る。  
「もう!子供の前ではその呼び方しないでってば!留璃も留加も"お母さん"ってきちんと言いなさい!」  
祖父がチェルシーを少しじっと見つめ、留美奈の方を向いた。留美奈も祖父の方を見る。  
「美味しかった〜!ご馳走様でした!」  
留璃が椅子から飛び跳ねるように降りた。  
「ご馳走様でした!」  
留加も椅子から降りた。同時に立ち上がった父親の足に絡みつく。  
「お父さん、一緒にゲームして!」  
「留加ずるい!お父さん私とゲームしょう!」  
「分かったから順番な?」  
留美奈が留璃と留加の頭をぽんぽんと叩く。  
「・・・・チェルシーさん、本当に大丈夫か?」  
3人が居間に行くのを見送っていたチェルシーは祖父の声にはっとした。  
「いやだ、もう!おじいさんまで。大丈夫よ!ちょっと考え事してただけ。」  
後片付けをしながら、チェルシーはにっこりと笑って言った。  
 
後悔はしない。自分で選んだ生き方だから・・・・  
あの時、彼女はそう誓った。はずだった。  
チェルシーは薄暗い本堂の格子越しに月を見上げた。まばゆいばかりの満月だ。  
気が付いたらここに来ていた。  
そう、後悔なんてしないと、そう思って生きてきた。  
(なのにどうしてこんなに動揺してるんだろう・・・?)  
留璃は何気なく言ったのだろう。留加だって御伽噺の中の世界のように捉えていた。  
(いつかは・・・あの子達にも・・・知る時がくる)  
そう思うと背中がぞくっとした。思わず両手で自分を抱きしめる。  
「・・・そんなとこで何してるんだ?コソドロ。」  
チェルシーがふと顔を上げると留美奈が笑いながら立っていた。  
「・・・誰がコソドロよ?」  
彼女も負けじと言い返す。  
「こんな薄暗いとこで何やってるんだ?」  
「ちょっと・・・ね。」  
留美奈はチェルシーの横にあぐらをかいて座った。  
 
「・・・・子供達は?」  
「爺と今日は一緒に寝るってさ。ったく、爺のやろー。俺のときは(稽古だ)なんて  
ビシビシしごきまくったくせに、曾孫は溺愛しやがって。」  
「あれは、留美奈がお父さんとお母さんを亡くしたショックから立ちなおそうとして  
厳しくしてたんでしょ?それに留璃と留加もしごかれてるわよ。毎日、素振りやらされてるし。留璃は剣術の稽古が楽しいみたいだけど、留加はどちらかというと嫌がってるみたいね。そういうとこ、父親似ね。」  
「お前もいちいちうるせーなあ。」  
留美奈が足を床に投げ出して、軽く伸びをした。  
「・・・そういえばここで初めて逢ったんだよな。金髪と。」  
子供の前では言わないようにしているが二人きりになったので留美奈は"金髪"と彼女を呼んだ。  
チェルシーが本堂を見回す。  
 
「そういえば・・・そうだっけ?」  
あの当時、手入れがなされていなかった本堂は、今はチェルシーがきちんと掃除しているおかげで蜘蛛の巣一つ無い。  
「あの時はここに人が住んでると思い込んでたのよね。それで話をしようとここに上がりこんだの。」  
チェルシーはクスクス笑いながら言った。  
「俺も最初はてっきり泥棒が入り込んだのかと思ったぜ。それが外人で、しかも(地下世界から来た)なんて支離滅裂な言葉が出てくるし、いきなり(匿え!)ときたしなあ〜!思えばお前は  
厚かましいよな。」  
留美奈も笑った。  
「うるさいわねー!あ、あの時は、ルリ様の事で頭が一杯で・・・」  
チェルシーが、つん!と横を向いた。  
「考えてみりゃ、不思議だよな。」  
「何が?」  
留美奈は月を見上げた。  
 
「お前とここにこうしてることがさ。あの時はまさかお前とこんな関係になるとは思いもしなかったぜ。」  
「そういえばそうね。私もあんたの子供を・・・まさか二人も産むとは思わなかったわ。」  
二人は顔を見合わせてくすっと笑った。  
「・・・・で、何があった?」  
「・・・は?」  
「隠すなって。お前とはチビ達が産まれるずっと前からの付き合いだろ?」  
チェルシーはふっと息を吐いた。  
「・・・まいったね。・・・・付き合い長いと直にバレちゃうのかな?」  
「バレバレだって。爺が心配してたぜ?だから今日はチビと一緒に寝るって。お前の話を聞いてやれ、だとさ」  
「・・・・」  
チェルシーが口を開いた。  
「アンダーグラウンド。」  
「あ?」  
「・・・留璃が言ったの。アンダーグラウンドって何?って。」  
「留璃が?」  
「留加も知ってたの。アンダーグラウンドの事。」  
「・・・・まさか・・・・」  
「勿論、何か遊園地みたいな捉え方だったけど、二人とも興味を持ったみたい。幼稚園の友達のお母さんから聞いたみたいなの。」  
留美奈は黙り込んだ。  
 
「・・・・あの子達が、いずれアンダーグラウンドの事を知る日がやってくるわ。」  
チェルシーが顔を上げた。透き通った瞳がおぼろげに霞んだ。  
「あの子達が、自分の母親が・・・・・人殺しだと知ったら・・・・」  
「・・・・金髪・・・・」  
留美奈は彼女の肩が震えるのに気が付いた。  
「・・・あの頃は・・・自分の生き方に誇りを持っていたわ。たとえ自分の手が血で汚れていても・・・それが正しいと・・・・・・ルリ様だけが・・・・全てだった。」  
チェルシーは必死で堪えようとしたが、瞳から涙が溢れ出た。  
「・・・でも・・・結局・・・ルリ様を・・・助けられなかった・・・・悔しくて・・・惨めで・・・・でも・・・・こんな・・・こんな自分でも・・・アンタは・・・・必要だと言ってくれた・・・・一緒に・・・・  
地上へ行こうって・・・・側に・・・いて欲しいって・・・。」  
涙がとりとめも無く溢れ出る。  
「・・・・あの頃は・・・・自分が・・・・今の・・・こんな幸せな・・・人生を送れるとは・・・・思っていなかった・・・・から・・・・自分が・・・・母親に・・・なれるなんて・・・・思ってなかった・・・・から  
・・・・思えば・・・・自分が・・・・手をかけた人にだって・・・・家族が・・・・居たかも・・・・知れないのに・・・・。」  
しゃくりあげながら彼女はつづけた。  
「・・・・どうしていいのか・・・・分からない・・・きっと・・・・あの子達・・・私を・・・軽蔑するでしょう・・?・・・きっと・・・・本当の・・・・事を・・・知ったら・・・・。・・・・でも・・・・あの子達だって・・・・  
いずれは・・・・知ってしまう・・・・それが・・・・・。」  
「金髪。」  
 
「・・・・それが・・・・怖いのよ・・・・。」  
不意に留美奈はチェルシーを抱きしめた。力強く、包み込むように抱きしめる。  
「・・・留美奈?」  
「・・・お前一人で・・・」  
「・・・・」  
「・・・一人で・・・何でも抱え込むな・・・・」  
「留美奈。」  
チェルシーは顔を上げて留美奈の顔を見た。彼も彼女を真っ直ぐな眼で見つめる。  
「・・・・俺ら、結婚してんだろ?お前は今は俺の嫁なんだろ?・・・・何で一人で抱え込む?お前が苦しいと俺だって辛いんだぜ?  
・・・今は・・・・子供達は小さいからわかんね−かもしれないけど、きっと、その時は来ると思う。でも、お前は・・・今は一人じゃねーだろ?俺が・・・いるだろ?  
俺は、あの頃は・・・ただ単に・・お前と離れたくなかったから、側にいて欲しいって言ったけど・・・でも・・・今は・・・お前が本当に・・・俺にとっても、子供達にとっても、必要なんだよ・・・・。」  
チェルシーは留美奈の胸に顔を埋めた。彼の胸は、暖かく、力強く、何故かほっとした。  
 
「お前が犯した罪は消えねーかもしれない。でも、俺だって一緒に背負っていく事は出来るだろ?ずっと、その事を忘れずに、一緒に生きていくことだって出来るだろ?  
地下に居た時みたいに頼りにしてくれたっていーじゃねーか。そんなに俺は頼りないか?」  
「・・・そんな事・・・」  
「それに・・・これだけは・・・・胸張って言えるぜ。お前は・・・いい母親だ。だから・・・留璃や留加も・・・きっと・・・お前を信じてくれる・・・・。」  
留美奈は真っ赤になった。チェルシーは涙ながらにクスクス笑った・  
「・・・何だよ?」  
「・・・相変わらず臭い台詞いうわね〜。・・・・でも、ありがとう・・・・」  
「・・・・うるせーよ。ちょっと黙ってろ・・・・」  
そういうと留美奈は彼女の唇を塞いだ。チェルシーもそっと瞼を閉じる。  
「・・・ん・・・・」  
二人は唇を離した。二人とも顔を紅潮させる。  
「・・・初めてキスしたのは、公司に行く前デートした遊園地だったよな。俺が地下にお前  
を連れ戻しに行って・・・其処で告白して・・・・アン時はお互いがちがちに緊張して、歯が当たって痛かったな〜。」  
「・・・今じゃすっかりスケベ親父っぽくなってるけどねー。」  
留美奈がもう一度チェルシーに口づけする。再び二人の唇が重なる。  
彼の手が彼女の胸に伸びた。  
「・・・・!!」  
チェルシーは驚いて唇を離した。  
「ち、ちょっと!?」  
留美奈の手は止まらない。両方の手で彼女の形の良い乳房を服の上から弄る。  
「・・・・だ、駄目だったら・・・こんなとこで・・・・あっ!あ・・し、神聖な場所なんだから・・・・っ!」  
言いながらも彼の愛撫に耐えられなくなって、彼女の息が荒くなっていく。何度も身体を重ねあっているせいか、彼はチェルシーの感じやすいところを知り尽くしていた。  
服の上からでももう乳房が膨らんでいて、乳首が起っているのが分かったようだ。  
「・・・こんなにびんびんにして、言える台詞じゃねーだろ?」  
そういうと其処を指でそっと摘んだり、撫でたりする。  
「・・・・辛い事全部、忘れさせてやるよ。」  
「・・・だ・・・駄目・・・駄目っ・・・・!」  
留美奈が激しく胸を弄る。そしてゆっくりと彼女を押し倒す。  
「・・・いや・・か?」  
 
「そうじゃないけど・・・・でも・・・・こんなとこで・・・・。部屋でして・・・ね?」  
「・・・お前が欲しいんだ・・・・此処で・・・お前と初めて逢った此処で・・・」  
留美奈の眼は真剣だった。  
「でも・・・・子供達がもし・・・来ちゃったら・・・」  
まだ幼い子供達が母親恋しさに二人の寝室に来る事はしょっちゅうある。二人がいなければ探し回るだろう。  
「・・・大丈夫だって!外に出る前に爺が止めてるよ。危ないって。それに万が一見つかっても(お父さんとお母さんはこんなに仲がいいんだぞー)って見せてやればいい。」  
「もう!馬鹿!」  
チェルシーは吹き出した。  
留美奈は軽く彼女にキスをして、服に手を掛け脱がせ始める。一つ一つ服が脱がされていく度にチェルシーは顔を真っ赤にして吐息を漏らす。  
(金髪・・やっぱ可愛いな・・・)  
留美奈は彼女の感じてる顔を見ながらそう思った。セックスする時は殆ど留美奈のほうから彼女を求める事が多い。こういう所に関してはかなりウブな所のあるチェルシーである。  
やがて彼の目の前に彼女の白い身体が晒された。  
 
「・・・・う・・・」  
彼は声を飲んだ。  
チェルシーは二人も子供を産んだのにも関わらず、美しいスタイルと綺麗な肌をしている。いつも身体を重ねる時も(すごく綺麗だ)と彼は思っていたが、今夜の彼女は漏れる月の光のせいで彼女の身体が照らし出され、神秘的にも思えるほどの美しさだった。  
「・・・・な・・・・何よ?」  
チェルシーが見つめられていることに気がつき、恥ずかしそうに両手で胸を覆った。  
「・・・・いや・・とっても綺麗だと思って・・・。それに、今更隠してもしょうがねえだろ?」  
そういうと彼は彼女の両手をそっと外した。  
 
「・・・あ・・・」  
彼は美しい乳房をそっと包み込み、優しくゆっくりと上下した。  
「あ・・・・ん・・・・あ・・・」  
彼女が艶かしい声で身体をよじらせる。彼の唇が彼女の乳房を含んだ。  
舌でピンク色の乳首を舐めまわし、吸ったりする。  
「さすがにもう母乳は出ないんだよな。」  
「何馬鹿なこと言って・・・・あうっ・・・・!」  
留美奈が軽く乳首を噛んだ。そして強く乳首に吸い付く。  
「や・・・・ふああうっ・・・・やああああっ!!!」  
彼の舌と手が彼女の身体を弄りながら、下へと降りてゆく。薄い茂みに覆われた秘所に辿り着くと其処はもう愛液が溢れ出し、太股を流れ出して潤っていた。  
留美奈はそっと指を彼女の中へと差し入れてぐちゅぐちゅと掻きまわす。その度にチェルシーの顔が紅潮し、吐息まじりの甘い声が漏れる。  
「・・・・ん・・・あああ・・・・あ。」  
「・・・・お前ってさ・・・・感じやすい身体してるよな・・・・。指だけでこんなになっちまうんだから・・・・・いわゆる・・・・Hな身体だよな・・・・」  
 
「も・・・・ふあ・・・・そんなこと・・・・ふあっ!?・・・あ・・・ばっか・・・・り・・・」  
彼はひとしきり彼女の中に指を出し入れすると、蕾のようなクリトリスを責め始めた。  
「・・・・あああああんん・・・・・っ!」  
舌で突起を突付き、口づけする。  
「ここをこうされるの・・・・大好きだろ?」  
「・・・・・やっ!あっ!そこ・・・・っ!駄目ェ・・・・・!」  
愛液がとくとくと流れ出し、古びた板の床に滴り落ちる。  
「チビに胸は取られてるけど、お前の此処は俺のだって唾付けとかなきゃな・・・・」  
「ふああっ!アツ!?ああああっ!」  
「・・・・ああ・・・・」  
既に勃起していた留美奈の股間が硬くなり、彼女の肌に擦れる。  
彼女の乱れた姿と声を聞き、彼も限界を感じていた。  
「ハア・・・ハア・・・お、俺ももう・・・な?・・・・」  
その言葉に眼にうっすら涙を溜めながら留美奈の激しい愛撫に耐えていたチェルシーが頷く。  
彼女の返事を見て、彼はズボンとトランクスを脱いで、怒涛した肉棒を取り出した。それはもう先端から濡れていて、彼女を求めていた。  
留美奈はチェルシーをぎゅっと力強く抱きしめて、自分の膝の上に向かい合わせに抱きあげて座らせた。  
 
「・・・・ああ・・・こんなの・・・・」  
この格好だと繋がっている部分が丸見えになる。  
「・・・恥ずかしがるなって・・・・ちゃんと見てろよ・・・・」  
留美奈は悪戯っぽい顔をしてチェルシーに口づけする。同時に彼の大きな肉棒が彼女の淫靡な秘所にゆっくりと挿入していく。彼女の美しい花びらが留美奈の硬いものを飲み込んでいく。  
「あ・・・いや・・・・恥ずかしい・・・・・」  
チェルシーは思わず眼を逸らし、そこを見ないようにしようとするが視界にどうしても入ってきてしまう。  
「・・・・お前の中に俺のが入ってくよ。ほら・・・・もう全部入ってる・・・すげえな・・・丸見えだぜ?」  
「あ・・・・っ・・・・ん・・・んっ!!!」  
彼女は顔を真っ赤にして喘いでいる。  
「あっ!あ!すごい・・・・いっぱい・・・駄目!あ・・・・私の・・・・裂けちゃ・・・っ!」  
「こんなにしたのはお前だろ?・・・・痛かったら抜こうか?」  
「や・・・抜いちゃ・・・・や・・・・」  
チェルシーは涙を浮かべて首を振る。  
「ゆっくり・・・するから・・・・な?」  
 
留美奈は優しく腰を振り始めると、数分もたたないうちに彼女は限界に達した。  
「あ・・・・!はああ・・・・!や・・・・!もう・・・・イっ・・・・」  
「ハアハア・・・もう限界かよ?・・・・まだ入れたばっかだぜ?」  
「そ・・・そんなにしないで・・・ぁ・・・・!!!変に・・・・変になっちゃう・・・・イッちゃう―――!!!」  
「いいぜ・・・・・・イっても・・・・お前が・・・イクとこ見たいんだ・・・」  
「あ・・・い・・・嫌・・・嫌ァ・・・・一人でなんてイきたくない。お願い・・・・ね?・・・・一緒に・・・・きて・・・・・」  
切なそうな彼女に胸が締め付けられ、留美奈はギュッとチェルシーを抱きしめた。  
彼女への愛おしい気持ちで一杯になる。  
「・・・・一緒に・・・・・・イこうな?・・・・」  
「・・・・ん・・・・」  
湿った音がして彼のモノが彼女から引き抜かれる。  
「・・・・あん・・・・ん?・・・や・・・・抜かないで・・・・・」  
達しそうになったところを止められてちょっと悲しそうな顔をするチェルシー。  
「・・・・・・・大丈夫・・・・ちょっと・・・・後ろ向け・・・・」  
「え・・・?あ!!!あああ――――――ッ!!!!!」  
 
彼は彼女を後ろ向きに四つん這いにすると今度はさっきよりも激しく肉棒を突きたてた。  
「・・・あっあっあっ!!!!やああああ・・・・!!!!」  
傍に在った自分の脱いだ服を掴み、チェルシーは床に顔をこすりつけるようにして彼の欲望に耐える。  
少しでも腰を動かしたらすぐイってしまいそうだ。  
留美奈は彼女の切ない声に耐え切れなくなって、何度も何度も激しく彼女を突き上げる。  
彼はこうして彼女を後ろから突いているといつも不思議な感覚に捕らわれる。勝気で普段余り弱いところを見せないチェルシーを  
自分がこうやって後ろから犯していて、身体を重ねる時だけ見せる弱い所やこんな声や淫らな姿を知っているのは自分だけだと思うと堪らない感情が込上げてくる。  
もっともっと滅茶苦茶にしてしまいたい。その思いが彼の肉棒に向けられる。彼は彼女のくびれた腰を抱きしめ、奥へ奥へと肉棒を挿入する。  
性器を出し入れする淫らな音と荒い息遣いが静まり返った本堂に響き渡る。  
「ああ・・・ハア・・・いい・・・すごく・・・いい・・・・金髪・・・・」  
「ん・・・っ!奥がァ・・・・ッ・・・・・奥が・・・・熱いのぉ・・・・」  
「お前の中が・・・・・・気持ちよすぎて・・・・ハァ・・・・・・俺・・・・もう・・・・」  
「ん・・・・・ッ!あふァ・・・あ・・・・・・らしてェ・・・・・私の中に・・・・・いっぱい・・・・らしてェ・・・・!」  
 
痺れるような快感に飲み込まれ、彼女は舌足らずな口調になる。眼から涙が零れ落ちる。  
二人は繋がりあったままどちらともなく口づけした。留美奈は彼女の両手に上から自分の手をしっかりと重ね合わせる。  
「ハア・・・・金髪・・・・!・・・・好きだ・・・・愛してるよ・・・・・・・」  
「ん・・・・しゅき・・・・留美奈・・・・だいしゅき・・・・ッ・・・・」  
ジュブッ!!!  
射精の音が彼女の膣の中から響いてくる。  
「あ――――――ッ!!!!!」  
膝をガクガク震えさせながら彼女は床に倒れこんだ。  
留美奈も又、身体を震わせながら彼女の中に白い液体をたっぷりと放出した。  
 
それから何度かの行為の後、二人は繋がったまま本堂に裸で抱き合って寝転がっていた。  
「・・・・寒くねえか?金髪。」  
「平気。こうしてると暖かいから。」  
チェルシーは甘えるように留美奈の身体をギュッと抱きしめた。  
身体も全て預けるように留美奈の腕に抱かれている。  
(可愛い顔してんな)留美奈は彼女の顔を覗き込んで思わず微笑んだ。  
「こういうとこは可愛いのになあ・・・・」  
「・・・・何?」  
チェルシーがキョトンとして尋ねる。  
「独り言。気にすんな。」  
留美奈は自分が着ていたシャツをチェルシーの身体に掛けてやった。  
「・・・ここらへんじゃねえ?お前が倒れてたの。」  
「え?」  
「昔さ、お前がここに駆け込んできた時。」  
彼女はクスッと笑った。  
「確かこの辺だったね。」  
二人は顔を見合わせ、何故かおかしくなってクスクス笑いあった。  
「あの頃はお互い嫌悪感すら抱いていたのに、今では、こんな風に初めて逢った場所でセックスしてるなんて。想像も出来なかったわ。」  
「まあな・・・・あのさ・・・・・金髪。」  
 
「?」  
「お前、俺に(あんたに会えてよかった)って言った事あったよな?」  
チェルシーが顔を紅潮させる。  
「やだ!?知ってたの!?ひどいじゃない!聞こえないふりしてたなんて!」  
ちょっと怒ったように頬をプッとさせる。  
「悪い!あらたまって言うのが恥ずかしかったし。もう時効だろ?」  
そういうと彼女の頬をムニュッと摘んだ。  
「私・・・あの時あんたはルリ様の事ではぐらかしたか、聞いてなかったとばかり・・・・」  
チェルシーは拗ねたように横を向く。  
「ホント悪かった。すいません。ごめんなさい。だから機嫌直してくれよな?」  
「・・・・そうね・・・もう時効だし・・・・この間デパートで見かけたあのワンピースで許したげる。」  
「お前、それ恐喝。」  
「文句、ある?」  
「ございません。」  
チェルシーは悪戯っ子のようにクスクス笑った。  
 
「・・・・で、何?」  
「ずっと言えなかったけど・・・・・俺も・・・・・変な力がついたり・・・死んだり・・・ボロボロになるまで戦ったりしたけど・・・」  
留美奈は彼女の眼を覗き込んだ。  
「・・・・お前に逢えてよかった。」  
「留美奈・・・・」  
彼女は真っ赤になって微笑した。  
突然、留美奈が顔をあげた。  
「あ!見てみろよ!」  
彼はチェルシーを抱き起こし、本堂の格子から外を見上げた。柔らかい春の風に乗って庭の桜のピンクの花びらがふわふわ舞っている。  
丸い月の光に照らされて、それはまるで幻想的な世界だった。  
「桜吹雪・・・・・綺麗ね・・・・初めてアンタと逢った時も桜が綺麗だった。」  
「入学式の日だったもんな。・・・・来週辺り花見に行くか?チビ達も行きたいって言い出す頃だし。」  
「そうね・・・・お弁当持って・・・・」  
留美奈がそっと彼女を包み込んだ。  
「金髪・・・・これからも・・・・ずっと・・・・毎年一緒に桜・・・見ような・・・」  
「・・・・うん。」  
嬉しそうにチェルシーが微笑んだ。  
 
 
浅葱家の朝は賑やかである。  
「おかーさん!髪の毛リボンして!!!」  
「おかーさん!幼稚園の鞄がないー!!!」  
父親譲りの性格の留璃が幼稚園の鞄を何処に置いたか忘れて探し回る。  
しかもダイニングにあるはずがないのにダイニングの周りをうろちょろする。  
その横で留加が朝食の味噌汁をべったりと溢す。  
慌てて朝食を食べ終えた留美奈が玄関へと走って行く。  
「待って!待って!留美奈!お弁当!」  
その後ろからチェルシーが弁当を抱えて走って玄関に行く。  
「ほら!ネクタイ!」  
ちょっと曲がってるネクタイを直してやる。これもいつもの事である。  
「サンキュ!」  
「忘れ物無い?」  
「ああ。行ってきます!」  
「あら?行ってきますのチューは?」  
その言葉に留美奈はズコッとこける。  
「ば・・・・!?お前!朝っぱらから何考えてんの!?んなもん新婚さんじゃあるまいし!」  
「あら〜、留璃がまだちっちゃい頃はよくしてたじゃない?」  
「バカ!留璃と留加が見てるだろーが!」  
いつの間にか留璃と留加が玄関に来ていた。母親の後を付いてきたらしい。  
「・・・・してくれないんだ?」  
 
ちょっと拗ねたようにチェルシーが呟く。  
「あたりまえだろーが!いーとしこいてあほな事言うな!じゃ行ってくる!」  
ぴしゃんと賑やかな音を立てて扉が閉まった。  
「チュウぐらいしてくれてもいいのにね?ねえ?」  
わざと拗ねた顔を作って子供達に笑いかける。  
傍にいた子供達がおかしそうに笑う。  
「おかーさん、振られた〜!」  
その時、再び玄関の戸が賑やかに開いた。  
「忘れ物!」  
つんつんした留美奈の頭が玄関に入ってくる。  
「何?何忘れたのっ!?」  
留美奈の唇がチェルシーの唇を軽く塞いだ。  
「・・・これだけ!じゃな!」  
再び戸が閉まる。  
一瞬の事にチェルシーは唖然とし、それからおかしそうに笑い出した。  
「おかーさん、おとーさんとチュウしたー!」  
「ちゅう、ちゅう!」  
「そーよ、悪い?おかーさんとおとーさんは愛しあってるんだから!」  
チェルシーは鼻歌を歌いながらダイニングへと向かう。  
留璃と留加は顔を見合わせてクスクス笑った。  
ダイニングで朝食をとっていた祖父は彼女が嬉しそうに笑顔を浮かべているのを見て言った。  
「何かいい事あったのかい?チェルシーさん」  
 
 

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