パチ  
「〜〜〜……」  
 ベッドで寝息を立てていた留美奈が、ふっとその目を開いた。  
「あ〜」  
 肩に手を当てて、ごきごきと関節を鳴らすように動かす。  
「まだこんな時間かよ」  
 時計を見て呟く。はふぁとあくびをした。中途半端な時間で眠いが、妙に体  
が火照って仕方がない。  
 ふと隣を見ると、同じベッドの上で高麗が寝息を立てていた。  
「くー、すー……」  
 心地よさそうな寝顔だった。  
「ちっ、ガキは何にも考えなくていいからいいよなー」  
 留美奈は、少し恨めしそうに高麗を見る。  
 すると突然、高麗が寝相か、身を捩った。  
「んん、風使い……」  
「なっ」  
 留美奈がびくっとする。高麗が手を伸ばしてきて、留美奈の寝巻の裾をつか  
んだのだ。  
「なんだ、寝言かよ……」  
 ふぅっ、と軽くため息をつく。  
 自分の服の裾をつかむ腕を見る。留美奈と比べると天と地ほどの差がある。  
細くて華奢な腕だ。  
 ──こいつも……辛い思いしてきたんだろうな……  
 妙に感傷的な思いが込み上げてくる。高麗が寝相ではだけた毛布をかけなお  
そうとする。  
「う、うぅん……」  
 軽く声を上げる高麗。留美奈はす……と苦笑して、手を離しかけた。──が、  
「あれ……?」  
 
 ドキン。  
 薄い唇をかすかに開き、すうすうと寝息を立てている高麗の顔は妙に愛らし  
く、留美奈の胸を大きな鼓動が打つ。  
 ──な、何考えてんだ俺!! ルリってものがありながら……いやそーじゃな  
くて、こ、こいつは男だぞ!  
 首をぶんぶんっと振って、その感情を振り払おうとする。だが、再びじっと  
高麗に視線を向けると、愛らしい顔がすぅすぅと寝息を立てている高麗は、必  
要以上に愛らしく感じる。  
 ──い、いくらなんでも、溜まり過ぎなんじゃないのか、俺。  
 ゴクリ、と唾液を飲み込む音が妙に頭に大きく響いた。  
 ──触りたい。  
 あまりに愛らしい姿を見せる高麗に、そっと手を触れてみたくなった。  
「ま、まぁ男同士なんだし……少しぐらい、いいよな、うん」  
 半ば無理やり自分を納得させるように呟くと、動きもさりげなくを装ってそ、  
と高麗の胸を、服の上から撫でる。  
「ん……っ」  
 ──!?  
 留美奈の手が高麗の胸を撫でると、高麗が小さく声を出す。だが、留美奈が  
驚愕したのはその点ではなかった。  
「こ、こいつ……」  
 まじまじと、高麗に触れた自分の手を見詰めた。  
 華奢の身体の割には豊かすぎる、だが、既に第二次性徴をはじめているであ  
ろう少年のそれにしては柔らかすぎる。  
 ──そんな、ウソだろ……  
 留美奈は半信半疑の表情で、やがて意を決したかのように、高麗の寝巻に手  
をかけ、細心の注意を持って胸をはだけさせていく。  
 そして露になったのは……  
「マジかよ……コイツ、女……か」  
 うっすらと膨らんだ胸──乳房。  
 
 留美奈はいつしか、とりことなってじっと見つめていた。  
 何も考えられなかった。頭の中が混戦して、ぼぅっとして──  
「んっ、んぁんぅぅーっ!!」  
 留美奈の意識は、高麗のうめき声で現実に引き戻される。  
 そのとき、留美奈は高麗と唇を重ねていた。  
「ぷはっ、うわわっ、お、俺っ……」  
 飛び跳ねるように後ずさり、うろたえる留美奈。対照的に、高麗は呼吸をと  
りもどしつつ、ゆっくりと身を起こす。はだけさせられた胸を隠そうともせず、  
妙に落ち着いた態度だった。  
「ハァ……なんだよ風使い。寝込み襲わなくたっていいだろう?」  
「いや、お、襲うだなんて、べべべべ別にそんなつもりじゃあ」  
 うろたえきった留美奈は、必死に言い逃れしようとする。  
「別に隠さなくてもいーって。溜まってんだろ? ヤりたきゃヤらせてやっか  
らさ」  
 そう言って高麗はベッドの上に立ち、ズボンを脱ぎ始める。  
「ちょ、ちょっと待て!」  
 慌てて留美奈は側に寄り、高麗の手を止める。  
「なんだよ、そういうんじゃないのか?」  
 高麗はキョトン、として留美奈を見る。  
「そうもなにも……俺、お前が女だってのも今まで知らなかったんだぞ!」  
「ハァ(;゚д゚)?」  
 今度は高麗が唖然とする  
「今気付いたって……おい、一緒に風呂入った事だってあるだろ?」  
 聞き返す高麗に、留美奈はぶんぶんっと大げさに首を振る。  
「あんときゃ湯気が多かったし、最下層で薄暗いから気が付かなかった」  
「まぁ俺も最近になって急に膨らんできたし……でも、あの頃からサポーター  
はブラ代わりにつけてたぞ?」  
 高麗が自分の膨らんだ乳房を手で覆うようにして言う。その姿に、留美奈は  
ぼっとあてられて赤くなる。  
 
「全然……あの頃は必死すぎて他なんか見てなかったし」  
「ったく、しょうがないヤツだなー」  
 ハァ、と高麗は深くため息をついた。  
「す、すまん……」  
「別にいいけど、なに顔赤くしてんだ?」  
 にっ、と高麗は少し子悪魔的な笑みを見せる。  
「もしかして、惚れた?」  
「な゙っ!」  
 留美奈に近寄って囁く高麗。すると留美奈は、顔を真っ赤にして、バタバタ  
と手を振る。  
「ば、バカ言ってんじゃねぇょ! 第一、俺には、ルリってもんがあってだな  
……」  
「冗談だよ、ジョーダン」  
 ムキになって否定する留美奈を、くすくすと笑顔でたしなめる。  
 そして、きゅっと留美奈の肩に抱きついた。  
「けど、こっちはその気なんだろ?」  
「高麗、お前……まだガキ……子供のクセに、どうして」  
 留美奈は高麗を抱きとめながら、途切れ途切れに聞き返す。留美奈に抱きと  
められて、高麗もほんのりと顔を赤くした。  
「そりゃーもぅ、側でC級軍団が女日照りでなっさけねー顔してるからよー」  
 高麗はやれやれといった感じでため息をついた。  
「あんまりにカワイソーなんで、同情してヤらせちまったんだけど、まぁそこ  
そこ優しくしてくれるし小遣いももらえっからいいかなと」  
「…………お前なぁ」  
 思いっきり援交じゃねーか、と思ったが、あんまりに無邪気に言う顔に、白  
龍にいいように使われたあの頃の高麗の姿を思い出し、それ以上追求するのは  
止めた。  
「けど、風使いは別に小遣いなんかくれなくてもいいからな」  
 
「えっ、それってどういう……」  
 ちゅぅ……  
 聞き返そうとした留美奈の口を、今度は高麗のそれがふさいだ。  
「優しくして……な?」  
 少し潤んだ瞳で見つめる高麗の顔に、留美奈はゴクリ、と再度喉を鳴らして  
から、軽く頷き、高麗をベッドの上に組み敷く。  
 さわ……優しく、最初はあくまで優しく、壊れ物を扱うように高麗の胸を、  
包み込むように撫でる。  
「ん……っ……はぁ……」  
 ぴくぴく……っと高麗が敏感に反応する。  
 その反応に、留美奈は不安そうな表情で聞き返す。  
「気持ちいい……のか?」  
「うん……? 風使い、まさかはじめてなのか?」  
 高麗はからかい半分に聞き返す。だが、留美奈は赤い顔で、視線をそらした。  
「ホントかよ。あぶないとこだったなー」  
 少し驚いて目を円くしつつ、高麗が言った。すると、今度は留美奈のほうが  
キョトンとする。  
「あぶないところ?」  
「だって、命の巫女と初めて同士だったら……もしチョンボやったら、重力の  
姉ちゃんに殺されるぜ?」  
「ばっ、よ、余計なお世話だっ」  
 留美奈は顔を真っ赤にして言いながら、真剣な表情で高麗の肩を軽く押し付  
ける。  
「はじめて女抱いてんだから……他の女の事なんか考えさせるなよ」  
「こんな髪もボサボサのガキだけどな」  
 高麗は少し自嘲的に苦笑したが、留美奈はそっと顔を近づけ、囁く。  
「そんなことねぇ……可愛いよ、高麗」  
「う……ばっ、て、照れるだろ……」  
 
 今度は高麗が面食らうように顔を真っ赤にする。  
 留美奈はそっと顔を動かすと、ちゅ、と幼い乳首に吸い付いた。  
「んっ、はぁ……歯は立てないで……舌で弄って……」  
 少し息を荒くしつつ、高麗が言うと、留美奈は言われるままに、舌先で高麗  
の乳首を突付く。  
「んっ……あっ……」  
 ぴくん、と高麗が反応する。留美奈はその反応が気に入ったのか、舌先で、  
何度も乳首を弄る。同時に指先で、反対側の乳首も弄った。  
「ぷは……乳首が尖ってる……」  
 留美奈は、充血して硬くなっている高麗の両乳首を両手でぴっと摘まみなが  
ら、言う。  
「んっ……女はそこが立つんだよ……後もう一箇所あるけど……」  
「もう一箇所?」  
「下着……脱がしてよ」  
 高麗はあどけない顔を艶やかに染めている。  
「お、おぅ……」  
 留美奈が視線を移すと、それは色こそ白だったが、ジュニア用ではなく、レ  
ース飾りを多用した布地の少ないショーツだった。  
 ゆっくりと、それを下ろしていく。  
「ん……っ」  
「うわ……高麗、お前……っ」  
 ソコを露にさせて、留美奈は息を呑んだ。高麗はピンク色のクリトリスにピ  
アスを通され、幼い陰核を包皮から常時無理やり引き出された状態になってい  
た。  
 幼い身体で性交を重ねたせいか、花弁も赤黒くなって、割れ目からはみ出し  
てしまっている。だが、陰毛はまだクリトリスの周りにわずかに生えているだ  
けで、ソコを覆っていない。それが返って、留美奈の目にはエロティックに映  
る。  
 
「あ、あんまり長くじろじろと……ま、まぁいいけど」  
 高麗は恥ずかしそうにしながらも、チェリーの留美奈の為にソコを晒しつづ  
ける。  
「触っていい……んだよな?」  
「うん」  
 高麗の返事を待ってから、留美奈はそろっ、と親指でクリトリスを撫でた。  
「ふぁぁっ!」  
 高麗の体がびくんっ、と弓なりに跳ねる。  
「い、痛かったか?」  
 驚いたように、留美奈が心配そうな顔を上げる。高麗はすぐに顔を振った。  
「違う、気持ちよくて……」  
「そ、そうか……じゃあ……」  
 留美奈がくち……と割れ目に指を当てると、とろり、と愛液が溢れ出してき  
た。  
「すごい、溢れてきた……」  
 言いながら、留美奈は花弁の部分に浅く指を入れ、捏ねるように広げていく  
「んく……気持ちいいよ、“留美奈”ぁ……」  
「…………」  
 ふるふると振るえながら、高麗はその小さな身体に過剰なほどの快感を味わ  
ってよがっている。  
「高麗、俺、そろそろ我慢できないんだけど……」  
「あ……」  
 はっと我に返ったように、高麗は返事をする。  
「う、うん、いいぞ……」  
 荒い息で瞳に涙を浮かべてしまいながら、自分から膝を立てて留美奈を迎え  
るように腕を開く。  
「えっと……」  
 留美奈は自分の衣服を解き、戸惑いながら興奮しきった逸物をそっと近づけ  
る。  
 
「こ、ここか……?」  
 高麗の顔をチラチラと伺うようにしながら、留美奈はペニスの先端をぐちゅ  
り、と水音を立てて高麗の花弁に押し付ける。  
「う、うん、そのまま……前に突き出して」  
 誘われるように、留美奈は腰を前に突き出す。  
 じゅぷりっ、ぐちゅぅぅっ  
 身体自体が小さいために潤っていようとキツすぎる膣に、留美奈は少し強引  
に押し入っていく。  
「あぁあ! すごい、留美奈の、大きくて……こんな大きいのはっ、……はじ  
めてっ……」  
 高麗は薄い乳房を抱えるように腕を組んで、留美奈の進入を受け入れていく。  
「俺も……すげぇ……きつくて……熱い、……っ!」  
 呟くように言いながら、留美奈は何かを求めるようにゴツッ、ゴツンと奥を  
突き上げていく。  
 ぐちゅり、ぐちゅりと、突き上げのたびに淫猥な水音が室内に響く。  
「くぅっ、くっ、も、もう、出る……っ」  
 じゅくじゅくりと激しくつきこみながら、留美奈が射精感にぶるるっ、と体  
を震わせる。  
「もう……? あ、でも、俺ももう、イく、留美奈、一緒に……中で……」  
「ふあぁ……!!」  
 高麗の言葉を聞くまでもなく、まだ経験の浅い留美奈は高麗の膣内で溜まり  
きった精を激しく注いでいく。  
「熱い、留美奈、あ、はぁ、あぁ……ぁっ……!!」  
 びくんっ、っと背を弓なりにそらせ、高麗も絶頂していく。  
「ぁぁ……は……ぁぁ……ぅ」  
 余韻でぴくぴく……と小刻みに震えている高麗から、ずりゅり、と留美奈は  
逸物を引き抜く。  
「んくぅっ!」  
 
 引き抜かれた感触も良かったらしく、高麗は可愛らしく鳴き声を上げた。  
「はぁ……はぁ……こ、高麗……」  
 留美奈は荒い息をしながら、まじまじと高麗を見る。  
 すると、高麗はきゅう、と留美奈に抱きついた。留美奈は少し驚きつつも、  
しっかりと抱きしめ返す。  
「ふはぁ……良かった、“風使い”。お前はどうだった?」  
「すごく良かったぜ……高麗。なぁ、名前で呼べよ、さっきみたいに」  
 高麗の頭を撫でながら、留美奈はそう囁いた。  
「……けど……あんましそう呼んでると……」  
 高麗が少し気まずそうに声を出すと、留美奈はちゅっ、と高麗の唇を奪った。  
「ん……あ……」  
 ぽっ、と顔を赤らめる高麗。  
「いいよ、お前が俺を虜にできんならな」  
「……っ、さっきまで童貞だった奴がなに言ってやがる!」  
 少し小ばかにしたような留美奈の言葉に、高麗はかっ、と目を見開いて声を  
荒げる。  
 そして2人は、一瞬、顔を見合わせて、無言になってしまった。  
「ぷっ……くくっ……」  
「あははは……」  
 2人ともどこか恥ずかしそうに笑い声を上げた。  
 やがて、留美奈が高麗を抱くようにしてベッドに崩れた。  
「全部終わったらな、またそん時考えるから……また……」  
「うん……その時まで選択肢からは降りてやんないからな」  
 笑いあいながら、2人はいつしか、眠りの中に落ちていた……  
 

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