――――……オレは…ロリコンなんかじゃねェ……  
――――……ハズなんだけど…こりゃどーもおかしい…  
「に―――ぃちゃん!!!どしたの?」  
シエルが不意に後ろから抱きついてきた。  
「おわッ!?な、なんだよ雷チビ!!おどかすなッ!!!」  
―――まさかこのオレが…  
「うわっ!?驚きすぎだよ〜!……あ〜っ…さてはエッチな事考えてたでしょ〜?」  
シエルは何の躊躇いもなく言いのける。  
「ちっ、ちげェよ!!」  
強ちハズレでもなかった留美奈は焦って否定する。  
―――…オレが……コイツを…  
―――……………………  
 
 
第四階層、セントラルタウン。公司目前の街。  
04、高麗、羅と再会し、シエルと合流した一行。その後、一行は周辺偵察を兼ねて一時休息をとる事になった。  
偵察は多人数ローテーションで、少なくとも二人は宿で留守番。  
その留守番に抜擢されたのが、シエルと留美奈だった。  
理由は簡単。…ジャンケンでグーしか出さないからだ。  
――――――――――――  
「ありえねェ…」  
「なにが〜?」  
シエルがお気に入りの真っ赤なリボンを直しながら言う。  
「あ、いや……オ、オレら二人だけ置いてけぼりってのが納得いかなくてよ…」  
「…ふーん。…確かにそーだよね〜!にーちゃんつまんないもん」  
シエルは頬を膨らませて足をばたばたさせる。  
「あ、あのなぁ………ハァ…まぁ、いいか……」  
留美奈は溜息をついて机に頬杖をついた。  
「にーちゃん変なコトばっかり考えてるし…」  
留美奈の反応が返ってこない。シエルは留美奈の顔を覗き込んだ。  
…完全に「うわのそら」だ。  
「ハァ…まーた変なコト考えてるよ〜…」  
ようやく留美奈が気付く。  
「バッ、ち、ちげェって!!今は…その、なんだ……ル、ルリの事だよ!!ルリの事考えてたんだよ!!」  
留美奈はオーバーな身振りとハイリアクションで答えた。  
 
「………………」  
シエルは黙り込んでしまった。  
「…はっ!!?いっ、今のは少し誤解を招く言い方だった!  
違うぞ!!違うからな!!?」  
…違うとは言いつつも、実際は図星だった。それも目の前の女の子に。  
…確かにここ数週間溜まっていた。ある意味”吊橋の法則”のように意識してしまったのだろうか。  
―――シエルの反応が無い。  
気付くとシエルの頬を涙が伝っていた。  
「…私が…もっと強かったら…しっかりしてたら…ルリ姉を助けられてたのに…なのに…  
ううっ…ひっく…」  
「………………」  
留美奈は困惑した顔で頭をかいた。  
「うぐっ…ひっく…ぐすっ……え?」  
シエルは留美奈に抱き寄せられていた。  
「…オマエだけの責任じゃねェよ…それに何より…もう目の前じゃねェか。  
あともうちょっとで、ルリに会えんだ。だから泣くなよ…な?」  
留美奈の手がシエルの頭をやさしくなで、ぽんぽんと軽く一定のリズムで叩いている。  
「…うん…ぐすっ…ありがと…にーちゃん…えへへ…やっぱりやさしいね…」  
 
「んなことねェよ…」  
目の涙を拭うとシエルはパタパタと小走りでベッドにこしかけた。  
「…ううん、そうだよ…スラムで会った時、私…昔敵だったのに…  
やさしく慰めてくれたもん…今だって…こんなに優しいもん…」  
シエルが笑顔を向ける。  
「そ、そうかよ…」  
留美奈は少し照れてそっぽを向いた。  
「…私…にーちゃんのコト…好き…」  
「あぁ、ありがとな。」  
留美奈が苦笑してシエルの頭を撫でた。  
「…ちがうよ?……ホントだよ?ホントなんだよ?」  
シエルが撫でる手を振り解いて真剣に言った。  
「…だって!にーちゃんと一緒にいたら…なんだか…ドキドキするし…  
…でも…とっても落ち着くの…」  
シエルの言葉が尻窄みになった。  
恥ずかしさのあまり、顔を紅くして俯く。  
当の留美奈は動揺している。  
何が何だかわからなくなり、次第に自らの鼓動が加速していくのがわかる――。  
手を握られただけで救いに行く覚悟が出来るほどだ。  
好き――などと言われれば心が揺れ動かぬ訳がなかった。  
 
―――あー…もうワケわかんねェ…雷チビが?…オレを?―――  
――…てか雷チビだぜ?…いいのかオレ?――  
―――…うわ考え何も浮かんでこねー…―――  
「…にーちゃんは…私のコト…キライ?」  
シエルが上目づかいでおずおずと放った一撃は、  
留美奈の年齢概念と躊躇いをものの見事に打ち砕いた。  
―――コイツにはオレしかいねェ!!そしてオレには…コイツだけだッ!!  
憧れと現実が二分された。はっきりと、この瞬間に。  
既に留美奈の心は目の前の幼…もとい少女に惹かれていた。  
 
――次の瞬間には、留美奈はシエルの小さな体を力いっぱい抱きしめていた。  
「…オ、オレも…好きだぜ…」  
刹那のうちに、色々と考えた。  
が、やはりムードのある甘い言葉を考えて言えるほどの頭は無かった。  
だからただ、自分の思うまま、ストレートに。  
「…ホント?」  
「…嘘じゃ、ねェよ。…オマエの気持ち…知ったらこうしてた」  
それ以上、詮索はなかった。…いや、不器用な留美奈と、純粋なシエルの間にはもう”必要なかった”。  
留美奈は少し体を離し、シエルの両肩に手を置く。  
「…シエ、ル…」  
 
二人はどちらからともなく口づけを交わす。互いに目を固く瞑って。  
鼻が少しぶつかった事など気にも留めずに。  
 
 
―――――――――………  
―――どれだけの時間が経っただろうか。離れるタイミングもわからぬ二人がようやく離れるまで。  
留美奈の目の前のシエルは、元公司師兵でも元巫女護衛役でもない、一人の”少女”だった。  
憂いを帯び、潤んだ瞳。艶やかな表情。上気した頬と唇。  
一人の”女性”と言って差し支えないのかもしれない。  
「…にーちゃん…」  
シエルが再び留美奈に抱きつく。  
「ぉわっ!!?」  
留美奈が奇怪な声を上げる。額に流れるは冷や汗。  
「…に、にーちゃん……」  
シエルの顔が真っ赤になった。彼女は留美奈の体のある異変に気付いてしまった。  
抱きついた自らの体に当たる”かたいモノ”―――…  
「…あ、いや、キ、キスなんてしたコトねェから、キンチョーっつーか…こ、コーフンして…  
…ワリぃ…」  
 
「……………」  
シエルの好奇心から発せられる視線が留美奈の"ソレ"に浴びせられている。  
  ちょんっ♪  
「ッ!!!!?」  
シエルの指が不意にその先端をつついた。留美奈はかなり仰け反る。  
「な、オ、オマエ…」  
「えへへ…に、にーちゃんの反応面白いよね…」  
シエルが俯いたまま言う。  
どうやらこの手のことに関する知識はゼロではないようだ。  
「…こ、こうすると…気持ちいいんだ…?」  
留美奈にも自分にも問い掛けるように言い、指先で留美奈のソレを軽く擦る。  
「…う…く・・・…な、なぁ……直に触ってくんねェか?」  
弱い刺激に耐えかねてシエルに切り出す。  
シエルはビクっと反応し、少し目をそらして頷いた。  
ベッドに腰掛ける留美奈の足元に跪き、留美奈のモノを恐る恐るファスナーを開けて取り出す。  
「………………」  
シエルの眼前に留美奈の剛直が露になる。  
グロテスクな反面、興味をそそられるその外見にシエルの目は釘付けになった。  
 
「…ど、どーすればいいの?」  
シエルが留美奈を見上げた。  
「あー…じゃあ…舐めてくれねェか?」  
シエルは何も言わずコクリと頷いて、おずおずとピンク色の舌を伸ばす。  
「…ん…ぴちゅ…ちろ…」  
シエルは上目遣いで留美奈の顔を窺いながら、上下に鈴口を舐める。  
まるで子猫がミルクを舐めるような動き。小さい舌からのぎこちない刺激。  
これでよいのかと問い掛けてくる視線と相まって、留美奈の興奮をあおる。  
シエルの舌は次第に鈴口から裏スジへと行き来し始める。  
「っ…い、いいぜ………ぉあっ!!?」  
シエルが唐突に亀頭を咥え込んだ。  
少しずつ深く咥え込んでいくが、途中で不意に口が離れた。  
「ケホッ!コホッ!…ん…ぜんぶはムリみたい…やってみようと思ったんだけど…えへへ…」  
シエルは涙目で苦笑いしながら言う。  
留美奈の胸を締め付けるような感覚が襲った。  
呼吸もままならない―…息苦しくなるほど胸に押し寄せる――愛おしさ。  
衝動的にシエルを抱き寄せる。  
「あ…」  
そしてそのまま二人は倒れこむような形でベッドに身を沈めた。  
 
留美奈はシエルの上に覆い被さり、黒のワンピースをたくし上げる。  
ライトグリーンのスポーツブラとショーツがかわいらしい、その小さな体が外気にさらされた。  
「あぅ…」  
生まれてはじめての男性の視線を体に受け、顔を赤らめた。  
「カ、カワイイ、ぜ…」  
二人は唇を重ねた。映画で見た記憶を頼りに唇を貪る。  
「んむっ…ふぅ…んんっ…ぷあっ!!…はぁっ…はぁ…に、にーちゃん…」  
留美奈は唇を離すと徐々に下にずり下がり、スポーツブラをめくり上げた。  
まだ発育途中の双丘が露になる。  
「にーちゃん…恥ずかし…っ、ふぁぁぁん!!」  
留美奈は有無を言わさずシエルの乳首を舐めた。  
舌先を押し付け抉るように回転させると、不意に下から舐め上げる。  
キスをして吸い付き、乳首を甘噛みしながら舌を左右に行き来させる。  
「はぅっ…あぁっ!!あぁ、ぅっ…ぅあぁ…ふぁっ!!!」  
片手でもう一方の胸を優しくほぐすように愛撫する。  
留美奈は口での愛撫を止め、手をシエルの下腹部へと運んだ。  
指に明らかな湿り気を感じる。  
「…にー…ちゃん…」  
艶やかに潤んだ目が留美奈を見つめる。  
 
「シエル…いくぜ…?」  
本能のままに貪りたいという衝動を抑え、シエルに問う。  
シエルは目を瞑って無言で頷いた。  
留美奈は彼女のショーツを横にずらし、自らで慰めることすらせぬその秘裂にあてがう。  
「ぅ…おっきすぎるよぉ…」  
シエルはあてがわれた剛直を見て言う。  
「大丈夫…力…抜いてくれ…」  
留美奈は固く閉ざされた秘裂に半ば強引に割り入る。  
「ぐ、ぁぁっ…ぅううっ!!!っん…かはぁっ!」  
無理矢理左右に押し広げられる挿入の苦痛に耐えかねて、シエルは痛々しい声を上げる。  
無意識のうちに留美奈の手を血が流れんばかりに爪を立て、強く、強く握っていた。  
留美奈は何も言わない。それで彼女の苦痛がほんのわずかでも和らぐのなら、と。  
―――鮮血が流れた。ようやく留美奈は奥まで辿り着く。  
「…はぁ…っ…入っ…た、の?」  
シエルは肩で息をしつつ訊く。  
「あぁ。」  
留美奈は彼女の目尻に溜まった涙を拭って微笑んだ。  
 
「…私…今にーちゃんとひとつになってるんだね…えへへ…」  
未だ引かぬ苦痛を堪え、シエルはムリに笑う。  
「…動いて…いいか?」  
その健気な姿に、心の中に湧いてきた黒いモノを何とか堪え、合意を乞う。  
「…うん…」  
留美奈は焦らすような速度でゆっくりと腰を動かし始める。  
なるべく彼女に苦痛を与えぬよう、細心の注意を払いながら。  
「くぅっ…ぅあぁ…あっ、ぅん…んくっ…ふぁん…」  
破爪血が潤滑油となってか、幾分か楽にピストンする。  
「んむっ!?…むくっ…ぷぁっ!はぷ…っくん…」  
留美奈は動きを止めずにシエルの唇を奪う。  
舌と舌とを絡ませあい、互いの唾液をすする。  
「あぅ…ふく…ぁあん…うあ、くんっ!!ふぁぁっ!!?」  
シエルの声に媚声が混ざりはじめる。  
((――なんだろ、これ…切なくなって…でもすぐそうじゃなくなって…切なくなって…――))  
未知なる感覚。現れては消え、再び現れる――…快感。  
「あぁっ…う、あん!!ふぅっ、ああっ!!に、にーちゃ、ん、何か、ヘン…だよぉ!!」  
 
窮屈で拒むような締め付けが、わずかに受け入れようとわななきはじめ、  
留美奈は抽送のスピードを速める。  
「うあぁっ、にー、ちゃんっ!こわ、い、よぉ…あぅっ!」  
さらに手を強く握った。  
「何か、くる、っ…くるよぉ!!ぅあっ、あぁん!!」  
「オレも、一緒だっ…………!!!」  
留美奈は最大の力で腰を打ち付けた。  
「ぅくっ、ふぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」  
「くッ…!!!!」  
 ブシュッ! ゴポ… ドクン…  ドクン…  ドクン……  
大量の精液がシエルの膣奥に放たれる。  
膣内を満たし、行き場を失ってもなお放出されつづける精液がこぼれ内腿を伝う。  
「はぁ、ぅ……はぁっ……ぅぁ…」  
シエルは初めて味わう絶頂と膣内を満たされる感覚に、中空を見つめて痙攣していた。  
ようやく射精が収まり、シエルの秘裂から肉棒が引き抜かれた。  
栓が抜けたように膣内の精液が溢れ出る。  
二人の意識はそのままベッドに吸い込まれていった。  
 
…――――――――――――――――…  
「…キツかったろ?…ワリぃ…」  
留美奈は隣で横たわるシエルに問う。  
「…ちょっとね。…でも………にーちゃんと、…”はじめて”、しちゃった♪…えへへ…」  
シエルは留美奈にくっついて無邪気に笑った。  
 
 
この日、留美奈の思いは変わった。しかし、目指す所は変わらない。  
命の巫女を救う。大切な人のために。目指すは公司、そして地上。  
 
「よし!じゃあ行くぜッ!!」  
「留美奈ー。それ、どうしたの?」  
「あーこれか?…気分転換、だな!」  
「ふーん?」  
留美奈の額には――――…  
――――赤いハチマキ。  
 

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