「ところでユカリ。お前、何か芸はないのか?」
「芸、ですか?」
「ほれ、あるだろう。電気が無くてもご飯が炊けるとか、高速道路を自転車で突破できるとか」
「いいえ、そういうのはちょっと出来ませんけど」
「ばっかもーん! 眠そうな目の詰襟転校生が、そんな事ぐらい出来んでどーする!」
「あの、僕は転校生ではなくて帰国子女なんですが」
「うるさい! お前なんか転校生だ!」
「駄目よ加茂ちゃん! あ〜るネタはそもそも年齢的に通じないわ!」