「勇治くんのおちんちんって、とっても大きいのね」
彼女に憧れを抱く男子なら、言われただけで射精してしまいそうになるような台詞をあっさり口にし、握ったペニスをぐにぐにと弄ぶ。
完全に勃起したペニスは片手に余るのか、右手で先端の方を、左手は付け根と睾丸の辺りをさすっている。
香月が水泳部の合宿でいない。しかも二泊三日。
これは言い訳にはならない。
「ちゃあんとキレイにしてるのね。石鹸の香りと……でも、ちょっと男の人の匂いがする」
鼻先数ミリの所まで近づけては、形の良い鼻をすんすんと鳴らして匂いを嗅ぐ。ペニスの匂いを嗅がれた事など無い(ある訳がない)ので、そうされているだけでも興奮に心臓が大きく跳ね上がる。
以前から約束をしていた(させられていた、だろう)と、ニーナに連れられて彼女のマンションに一晩の「お泊まり」をしに、まりえが行ってしまったこと。
これも、言い訳にするには苦しい。
「ふふ……なんだか、可愛い。ちゅっ」
「んをっ!?」
しっとりと濡れた唇が、亀頭にキスをする。
その瞬間走った、電撃のような快感に、勇治は下半身から力が抜けてしまうのを感じて妙な声を上げてしまう。
「じゃあ、今夜は腕によりをかけて美味しいご飯、作っちゃおうかな」
いつもよりどこか張り切っている様子の初音さん。今にして思えば、何かを企んでいる時の表情をしていたような……気もする。
勿論、今更そんな事を言っても後の祭りであるし、これも言い訳にはならない。
「もしかして、気持ちよかったの?」
上目遣いに勇治の顔を見つめ、いつもの魔性の笑みを浮かべる。
勇治は堪えることも、恥ずかしいなどという事も全てかなぐり捨てて、大きく何度も首を縦に振った。
ここで何か違う答えを返したら、もう何もしてもらえなくなるかもしれない、と思うと、軽いパニック状態に陥っていた。
「じゃあ……続けてもいいの?」
最後通牒。
誘惑の悪魔は、こうして最後にチャンスをくれた訳だが、こうなってしまってはそんなものは煩わしいだけのものでしかない。
「お願い……お願いします」
「ふふっ……いい子ね」
こうして神楽勇治は、大胆にも深夜にベッドルームに忍び込んできた有坂初音の誘惑を振り切る事はできませんでしたとさ。