〜雅人×春香〜  
 
「もう!なんなのよ!アポなしでいきなり話があるなんて呼び出して!」  
喚いているのは伝説のニュースキャスター、椿木春香だ。  
「そう怒らなくてもいいだろう、大事な話なんだから。」  
「だからってこんな夜遅くに呼び出さなくても明日でいいじゃない!明日で!」  
「どうしても今日じゃなきゃいけないんだよ。」  
隣でなだめているのはCNBテレビの取締役、結城雅人。  
この二人は元恋人同士だ。ワケあって別れたのだが。  
ぎゃーぎゃーとうるさい春香とそれを黙らせようと必死になっている雅人の姿は、昔の恋人同士だった頃に戻っていた。  
 
結局飲んで帰ってきたため、帰ってきたのは夜中の2時頃になっていた。  
春香はあまり飲めないため酔っ払ってないが、雅人はかなり出来上がってしまっている。  
「ちゃんと歩きなさい!ほら!!」  
そういってやっとこさソファーに雅人を寝かせた。  
「ほんっと手がかかる人ね!」  
と雅人の顔をのぞきこむ。その眠る顔は昔とまったく変わっていなかった。  
しばらく見つめていると、パッチリと雅人の目があく。  
「何か付いてる?俺の顔」  
とイタズラっぽい顔になり、起き上がった。  
そして唐突に春香をソファーに押し倒した。  
「酔っ払ってるの?あなた・・・」  
と春香は呆れ顔になるが、  
「ううん、全然」  
と雅人はにっこりと優しく微笑む。  
「だったらそこどいて。何か飲み物持ってくるから。」  
そういって春香は雅人を押し返す。しかし、女の力ではなんともできない。  
「ちょっ・・・雅人?」  
「なぁ春香、今日は何の日か覚えてる?」  
「え?」  
唐突に聞かれ、春香は口ごもる。  
「えっと・・・今日は・・。」  
「覚えてないの?」  
急に雅人は少し怒ったような顔になり、春香を見つめる。  
「今日は、俺の誕生日なんだよ。覚えてる?」  
やっと春香は思い出した。(ああ、雅人の・・・・。)  
「いままで思い出してくれてなかったみたいだね。今はもう日付が変わっちゃったよ。」  
「え・・ごめん。」  
「お仕置きだ」  
押し倒したまま、半ば強引に春香の唇を奪う。  
春香は口付けされながら、初めて雅人に抱かれた日のことを頭の中で思い出していた。  
 
初めて雅人に抱かれたとき。それは抱かれたというよりも犯されたと言ったほうがいいかもしれない。  
春香は当時恋人だった雅人にCNBテレビの屋上に呼び出された。  
用件を聞くと、いきなりのプロポーズ。春香は当然すぐに返事などできるはずなかったが、雅人のプロポーズを受けてしまった。  
そのあと、雅人は春香のマンションに強引に押し入り、春香は犯された。  
今思えば雅人は酔っ払っていたのかもしれない。  
そんなことを考えながら、春香は今の現実を静かに受け止めていた。  
 
気がつけば雅人は春香の首筋に唇を這わせていた。  
「・・・っ」  
「まだ相変わらず敏感なんだな」  
「まだって何よ」  
「俺に初めて抱かれた日だよ」  
「・・・・・」  
おそらく一生忘れないだろう。あの時の激痛、哀しさ、悔しさ。  
「でも心配しないでいいよ。今回はあのときみたいに荒っぽくしないから」  
雅人はまたにっこり笑って春香の頬にキスする。  
雅人の手が春香のシャツをゆっくりと脱がしていく。  
そのとき。  
「春香」  
「何?」  
「飛鳥君はどうした」  
「ああ、なんか今日は徹夜で調べ物するって」  
「へぇ。じゃあ心配せずにできるな」  
雅人は笑い、春香の唇に2度目のやさしいキスをした。  
 
雅人が春香のシャツを脱がすのはあっという間だった。  
「相変わらず肌が白いな、春香」  
「悪い?」  
「別に」  
笑いながら雅人は手を春香の脇腹に這わせる。  
「・・っ」  
小さいながらも一つ一つの自分の行為にしっかり反応を返してくる春香を雅人は心底愛おしく感じた。  
3回目のキスは長かった。2回目はただ触れるだけのキスだったが、今回のキスはお互いの舌を絡ませる。  
雅人は舌を上手く滑り込ませ、歯列をなぞり、春香の舌を吸った。  
いい加減息が苦しくなった春香だったが、巧みな雅人の舌使いによって理性が飛びそうになる。  
雅人が口を放すと、お互いの唇の間に唾液がひく。  
するといきなり雅人は春香のブラのホックをはずした。  
プチンという音とともに春香の白い胸があらわになる。  
最初春香は恥ずかしいのか少し赤面の表情を見せたが、雅人は優しく揉みはじめた。  
「っは・・・ん・・」  
舌で乳房全体を舐め、すでに硬く尖っているピンク色の乳首を舌先で転がすように舐める。  
その瞬間、春香の体は電流が流れたかのようにビクッとした。  
「ゃあ・・ん!!」  
開いている手の指で片方の乳首を押しつぶし、軽く爪を立てる。  
「ゃ・・ああん・・雅人ぉ」  
雅人は不適な笑みを浮かべながらスカートのホックをはずし、下着も脱がせてしまった。  
春香はほとんど全裸の状態になる。  
舌で乳首を転がしながら、手は下腹部に向かって這わせていく。  
「・や・・っ雅人」  
「うそつき。触って欲しいくせに」  
指をすでに濡れそぼっているソコに入れると、春香の体が跳ね上がる。  
「ひっ・・ぁぁあ!!」  
ぐちゅぐちゅと指でかき回すと、春香はいやいやと首を振る。  
雅人は指を二本に増やし、完全に春香の反応を楽しむかのように抜き差しを繰り返す。  
「まっ・・さと・は・・ゃく・」  
「ん?何」  
「・・は・・やく」  
「何だ春香?聞こえないからもっとはっきり言ってくれないか」  
 
イジワル、だと思う。春香は熱くなった頭のどこかで思った。確か前回もあんな恥ずかしいことを言わされた。  
まさかまた言わされるとは。心の中で春香はため息をついた。  
 
「っい・・・れて・・」  
 
にんまりと雅人は笑い、いざ入れるかと思いきや、  
「春香ばかり楽しんでるじゃないか。今日はお仕置きだっていったろう」  
「え?」  
 
思わず春香はぽかんと口を開けた。  
「俺のもしてくれよ」  
そういって雅人はジッパーを下げて自分のモノを取り出した。  
 
雅人は既に大きく硬くなってるものを取り出し、春香の目の前に突き出す。  
「口でするのは初めてじゃないだろ?」  
雅人は口に笑みを浮かべたままで春香を見つめる。  
春香は確かに初めてじゃない。前回もやらされた。しかし、こんな行為慣れるもんじゃない。  
「早く」  
「わかったわよ」  
春香はゆっくりと雅人の肉棒に舌を這わせる。そして先端をチロチロと舐め、小さく吸う。  
袋から根元、そして竿にかけ舌先でなぞっていく。  
鼻につく独特のにおい。春香がどうしても好きになれない愛撫の仕方だった。  
一方の雅人は眉間にシワを寄せ、明らかに感じている。  
「・・・はるかっ・・」  
ぎゅっと目をつぶって快感に耐える様子はまったく変わっていない。  
先端を舐めていた春香だったが、ふいに口ですっぽり包み込んでしまった。  
「雅人、こうされるの弱い・・・?」  
包み込んで、一気に吸う。  
「っはるか・・っ・・は・・もうっ・・」  
雅人は達する寸前でなんとか春香の頭を引き剥がした。雅人のモノは唾液と先走りでてらてらと光っている。  
雅人は春香の腰を捕まえ、後ろから春香の体を抱きしめる形にする。  
「華奢だな」  
「今日はえらく体のことをほめてくれるじゃない」  
「こういうコトしてるときじゃないと見られないんでな」  
「ヘンタイ」  
「お互い様だろ」  
軽く笑い、後ろから春香の首筋に舌を這わせ、耳たぶを軽く噛む。  
「ん・・雅人・・はやく」  
指を濡れそぼったソコに入れると、十分のようだ。  
「春香、入れていい?」  
「・・・はやく」  
焦らすように先端を入り口に擦り付け、浅く出し入れをする。  
「は・・ん・・雅人ぉ・・意地悪」  
「俺も限界」  
一気に春香の腰を落とし、深く貫く。  
「あああ・・!!」  
「はるか・・っ」  
激しく出し入れしながら二人は絶頂に近づいていく。  
「まさと・・っっ」  
「はるか・・愛してる」  
お互いの唇を合わせ、舌を絡める。  
「も・・っいく・・」  
雅人が言うと、春香ももう限界のようだ。  
「雅人・・いいよ、出して」  
「あああっ・・」  
雅人の体が軽く痙攣する。ぎゅっと春香の体を抱きしめた。  
 
二人は抱き合ったまま、暫く達した余韻に酔いしれていた。  
「春香・・・」  
「ん・・・雅人」  
お互いの唇を合わせる。春香はぼーっとした頭で考えた。  
前回は終わった後、悪夢から目覚めたような心境だった。体中はずきずきと痛むし、無理やりねじ込まれた  
ところはかなりの出血をしていた。  
しかし今はどうだろう。この人は本当にあの時の人と同一人物なのだろうか。  
まるで信じられない。  
もしかしたら、この人は私を本気で愛してくれているのではないか。そう思うと、なんだかとても愛おしく  
思えた。  
「雅人・・・」  
首に腕を回す。  
「雅人、愛してる」結構私ストレートだな、と春香は心の中で苦笑いする。  
「どうしたの?いきなり・・・」雅人は少しびっくりしたようだった。  
「思ったことそのまんま言っただけよ」春香はにっと笑ってみせる。  
「・・・・そう」雅人もにっこりと笑い、ぎゅっと春香を抱きしめた。  
 
「後始末しなきゃ」と春香がシャワーで濡れた髪をタオルで拭きながら言った。  
「ああ、そうだな」先に入って涼んでいた雅人も言う。  
「今日は、生きてきた中で一番のうれしい誕生日プレゼントだったよ」  
雅人はケタケタと笑いながら言った。春香は先ほどの情事を思い出して少し赤面する。  
 
次の日、帰ってきた望美にソファーが汚れているだの洗濯物が多いだのと文句を散々言われたのは言うまでもない。  
しかし、雅人と春香にとっては、二人の運命を変える出来事だったのは間違いなかった。  
結局、二人は結ばれることになるのだが。  
 
━終━  
 

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