望美の秘部を犯しているぐちゅぐちゅという水音と、彼女の喘ぎ声が部屋に  
響く。春香は空いた手を望美の腰に添えると、ふと指を動かすのを止めた。  
「……っ、あ、え……?」  
 望美が、どうしたのかというように顔を上げる。視界に飛び込んできた薄ら  
赤くなった頬と、快楽にとけかかった目元が艶かしい。春香はつい自分の欲求  
に素直に従いそうになって、それをふるい落とすとゆっくりと口を開いた。  
 
「……ねえ、自分で動いてくれない?」  
「……、え?」  
 快楽に耽っていた望美が、ふと我に返って不思議そうな声を上げる。少しし  
てから春香の言葉を理解したらしく、望美は今までとは別の意味で顔を真っ赤  
に染めて俯いた。  
「私、あなたが気持ちいいところなんてわからないから。自分でしたら……もっ  
といいんじゃない?」  
「や……です……椿木さんがしてくださいよ……」  
 望美が今にも消えそうな声で言い返してくる。だが、乗り気になった春香が  
その言葉に耳を貸すはずがない。  
「嫌よ。私動かさないから、自分で動いて?」  
 この場の雰囲気には似合わない笑みをこぼすと、春香はそれきり指を動かす  
のを止めた。望美は恥ずかしそうに顔を春香から背けているが、その腰はわず  
かに揺れ始めている。体は正直ねー、と春香は心の中でつぶやいた。  
 
「んっ……あ、はあ……っ!」  
 望美の腰の動きが、だんだんと大きくなっていく。自分の指が、内壁に擦ら  
れているのがわかる。液体は絶え間なくあふれ出していて、春香の手のひらの  
上に水溜りを作っていった。じゅぷじゅぷと今までよりも大きな水音が立って、  
春香の聴覚を刺激する。  
 望美は口を薄く開いて、蕩け切った表情で腰を上下させている。春香は完全  
に落ちたな、と思いながら望美の行為を見つめていた。  
 
「んっ、あっ、あっ、あっ……」  
 望美の動きに合わせて、彼女の口から声が零れる。一定になり始めたリズム  
を乱したらどうなるだろうかと思いついて、春香は固くとがった肉芽に指を触  
れさせた。すると、  
「あ、ひああっ!! ――っ、あ、は、んん……っ!」  
 望美のあえぎ声がひときわ高くなって、指を差し入れている秘部がきゅうっ  
と収縮する。もう限界なのだろうか、不安定な体制の体を支えている太股が、  
がくがくと震え始めていた。それに気づいて、春香は再び指を引き抜いて望美  
の体をベッドに横たえた。  
「はっ、あ、ん……なに、する……」  
「大丈夫大丈夫。ちゃーんとイかせてあげるから……」  
 状況が把握できていない様子の望美に軽く口付けて、春香はもう一度彼女の  
太股を割り開いた。  
 
 指で散々もてあそんだそこは、シーツの染みを更に広げている。春香は洪水  
、という表現を思い出して、こうなると間違いでもないかもしれない、とふと  
思った。再び股の間に顔を近付けていくと、秘所の香りがきつくなる。  
 ふ、とそこで息を吐くと、望美の太股がびくりと反応した。舌を伸ばしてひ  
くひくと震えている肉芽に触れると、まるで電流を流したかのように彼女の体  
が跳ねる。舌を絡めて吸い上げると、遠くから望美の切なそうな声が聞こえた  
。  
「んっ、ふは……んんっ」  
 溢れ出す液体を啜り上げると、手で押さえている内股が小刻みに震えるのが  
わかる。舌先に届く液体はぬるついていて、生温い。啜り上げる度に、望美は  
甘い声で喘いだ。  
「っあ、あ、ああ……っ、も、やぁ……!」  
 その声は、だんだんと掠れ始めている。春香はどうやってイかせてやろうか  
と考えながら、ちゅ、と弱々しく望美の秘所に刺激を与え続けた。両手で触れ  
ている彼女の内股は、薄らと汗ばんで小刻みに震えている。秘所を唇と舌でも  
てあそびながらそっと内股をなでると、望美の下腹部がまるで痙攣するように  
ひくついた。  
 
 「はっ、あ、ん……んっ、あ」  
 快楽に蕩け切って、それでいて今にも泣き出しそうな嬌声に、春香はもっと  
苛めたいという欲求に駆られる。それと同時に、早く楽にさせてやりたいとい  
う思いも湧き上がってきた。  
(あーもー、どうしろってんのよ)  
 相反する二つの欲求に悩みながら、春香は愛撫を続けていった。  
 
「……っ、あ……ひ、んや……あっ」  
 望美の声はもう途切れ途切れになり始めている。息も荒く、体全体で呼吸を  
しているように感じられた。  
(もう、終わらせた方がいいわね……)  
 春香はそう決めると、一旦望美の秘所から口を離す。口の周りは、望美の零  
した液体でどろどろになっていた。息を吐いて、今度は固く立ち上がっている  
肉芽へと口を寄せる。唇ではさむと、望美の体ががくがくと震えて彼女の腰が  
浮いた。  
 
「――っ、あ、ひあああっ!! やっ、椿木さ、そこ、だめ……っ!」  
 感じすぎているのだろうか、望美が声を上げて春香の行為を止めようとする。  
しかし、そう言われて素直に止めるようなことを、春香ができるはずもなか  
った。どろどろと液体を溢れさせている秘所にそっと指を宛がって進入させて  
いくと、望美の体がぴん、と張り詰める。内壁を強く擦りながら、奥へと指を  
進めていった。  
 望美の体は、小刻みに痙攣を始めている。あと少し、刺激を強くしてやれば  
すぐに達するだろう。春香は、唇で愛撫していた肉芽に舌を絡めて、きつく吸  
い上げた。  
 
「あ、あっ、あ、――っ!!」  
 瞬間、望美の体が大きくのけぞって、そしてぐったりと弛緩した。彼女の中  
に差し入れている指が更に締め付けられるのを感じて、イった、と春香は確信  
する。望美の秘所から顔を離して体を起こすと、どろどろになった口周りを手  
のひらで拭った。  
 
「っ、は、あ、はぁ……は、っ」  
 望美は荒い息を吐きながらベッドに横たわっている。春香は望美の隣に座る  
と、そっと彼女の髪を撫でた。  
「お疲れー。気持ちよかった?」  
 わざとらしく明るい声を掛ける。望美は少したってから、顔を縦に振った。  
相当疲れているのだろう、望美の焦点は合っていない。  
「あ、の……椿木さんは、気持ちよかった、んですか?」  
 そんな状態の望美から切り出された質問に、春香は目を見張った。どうして  
そんなことを聞いてくるのか。天井に視線をやって、どう言ったものかと言葉  
を探す。  
 
「え……まあ、気持ちよかったわよ? あんたの体、触り心地良かったし……」  
 とりあえず、率直に思ったことを伝えると、望美はふふ、と笑みを零した。  
その意味がよくわからず、春香は望美を見つめる。  
「何となく……聞きたくなっただけです。片付け、しましょうか」  
 望美は再び笑って、ゆっくりとした動作で体を起こした。それを聞いて、春  
香はどこかはぐらかされたような気分になる。……どうにも、納得がいかなか  
った。  
「……ちょっと、はぐらかさないでよ」  
 ベッドを降りようとする望美に、春香は声を掛けた。望美が振り返って春香  
を見つめる。  
「……、はぐらかしてなんか、ないですよ。それより、椿木さん、お風呂まで  
連れて行ってもらえます?」  
 やはり、はぐらかしている。そう思ったが、しつこく聞いていっても余計に  
はぐらかされるだけだと悟って、春香は望美のそばへと寄った。  
 
「まだ、腰抜けてるの?」  
「まだじゃなくて、また、です! 椿木さんがしつこいから……」  
「何よー。あんなに欲しがってたくせに」  
「ほっ……欲しがってません!」  
 そんな会話を交わしながら、春香は望美の体を抱きかかえた。今度は望美自  
身が頼んできたせいか、変な声を上げることはない。手のひらに触れた望美の  
体は、汗ばんで冷やりとしていた。早く汗を流さないと風邪を引いてしまうだ  
ろう。そんなことを考えて、春香は少し早足になりながら部屋を出た。  
 
 そして、風呂場にて。  
「大丈夫? 滑ってこけたりしないでよー?」  
『そんなことしませんってば!』  
「だって、しそうだもの」  
『椿木さんって、ホント意地悪ですよねー』  
 風呂場のドア越しに、声を投げかける。どうしてか、こんな時間がやけに  
楽しくて仕方がない。春香はふっと頬を緩めて、声を出さずに笑った。  
『覗いてきたら、怒りますよ』  
 シャワーの音と共に耳に届いた望美の台詞に、春香は再び口の端を小さく緩  
める。私ってそんなに信用ないんだ、と新たな発見をしつつ、春香は壁に体を  
もたれさせた。  
 
 この居心地の良い関係が続けばいい、と思っている春香に、そう間もなくこ  
の奇妙な同居生活が崩れ去るなど、想像がつくはずもなかった。  
 
 終  
 
 

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