〜雅人×春香〜  
 
昼の資料室。建物の少し奥に位置する、あまり人の出入りしない場所。  
そこに椿木春香と曇った表情の飛鳥望美がいた。  
話は数時間前に遡る。実は健介と望美がくだらない話で口喧嘩をしてしまったのだ。  
そのくだらない口喧嘩とは、目玉焼きにはソースか、醤油か。春香自身、聞いたときは思わず苦笑いしてしまった。  
一方的に望美が怒鳴り散らしたのだが、健介はかなりショックだったらしく、ふさぎこんでしまった。  
明るく温厚な性格の健介のその姿をみて、望美は少し言い過ぎたかと気にしているのだ。  
 
「・・・あんたが子供みたいに意固地なのは知ってたけどさ・・。」  
春香が資料に目を通しながらぼそりと言った。望美がこちらを向く。  
「あの蟹ちゃんがあそこまでしょんぼりするほど怒鳴るとは思わなかった」  
「・・・・」望美は黙っている。  
「あんたが謝るべきよ。蟹ちゃんはガラスの心の持ち主なんだから、立ち直れなくなるかもよ」  
「・・・そうですよね」望美自身、後悔しているようだった。  
「謝れば、あんた自身すっきりするでしょ」  
「・・じゃあ、言ってきます」  
そういって、望美は健介のところへと戻っていった。  
 
資料室に静寂が戻ってくる。少し埃っぽい部屋の中に、春香だけが残された。  
「喧嘩するほど仲がいいって言うけどね・・」と独り言を春香が漏らした。  
望美と健介。一見噛み合っていないようだが、幼馴染というだけあってお互いよく知っている。  
「あたしには縁の無いことよね・・・」  
春香は昔を思い出す。まだ海外に行く前の、雅人と付き合っていたころ。  
人間とは、変わるものなのだろうか。まだ私達に、昔の感情は残っているのだろうか。  
春香はぼんやりと考えるのだった。  
 
数分後、くらいだろうか。しんと静まり返った廊下に革靴の音が響いてくる。  
そしてその音は、資料室の扉の前で立ち止まる。  
その音で我に返った春香は、視線を扉に移す。  
「・・・・飛鳥さん?」  
春香が扉に向かって呼びかけた。軋む音が響き、扉が開く。  
「残念」  
そういいながら入ってきたのは、CNBの取締役、結城雅人。意外な人物に春香はポカンとする。  
「雅人・・・・なんであんたがここにくんのよ」  
「そう怒るな。俺も資料を取りに来ただけだよ」笑いながら部屋に入ってくる。  
そういえば、と雅人がこちらに向き直る。  
「飛鳥君が蟹原君に用があるといってたな。すれちがったけど何だ?」  
「別に。あれは二人の間の問題よ。しょーもない話だけどねぇ」  
「へぇ」    
そういって会話は途切れる。パラパラと資料をめくる音だけが響く。  
静寂を破ったのは雅人だった。  
「春香」  
「何よ」  
「俺たち、やり直そうとか考えたことないか」春香は一瞬動揺したが、自分も同じことを考えていたのだ。  
「正直に言うとさぁ」率直な考え。  
「・・・もう一回、やり直したい」  
ふっと雅人は笑みをこぼす。優しい微笑だった。あの頃のように。  
笑みを浮かべたまま、こちらに歩を進める。  
「俺も、同じことを考えてたんだ」雅人の手が春香の頬をなでた。  
すっと雅人は優しく春香の唇を指でなぞり、忘れかけていたあの頃と同じように口付けた。  
10年前の、プロポーズされたとき。二人の間で、止まっていた時間が動き出そうとしていた。  
 
気がつけば床に押し倒され、もっと深い口付けに変わっていた。  
背中に感じる床の冷たさと、少しずつ上がっていく体温と両方の感覚を春香は感じる。  
 
口付けを交わしながら、雅人の手がシャツのボタンにかかると春香は焦った声を出す。  
「ちょっ・・人が来たら・・どうすんのっ・・」  
「大丈夫。今丁度昼休みで、皆昼飯に出てるから」  
「人が来ないって保証あんの!?」  
「来るって保証もないだろ。大声出すな」  
ああ、憎らしい。春香は心の中でため息をついた。  
考えてみれば、二人ともクールな反面、子供のように意地っ張りなところがある。  
しかし春香は、雅人の優しいところが大好きだった。  
床で後頭部が痛くないようにと、さり気なく雅人の腕が自分の頭の下に敷かれているということに、  
春香はいまさらながら気づく。  
そのことに、今も変わらない雅人の優しさを感じた。  
 
「・・・脱がしていい?」  
雅人が囁く。人が少ない上、出入りがさびしい資料室に来る人はいないだろうという結論を、  
春香は回転が遅くなった頭で出す。  
「・・・ええ」  
雅人は優しい笑みをこぼしながら、ゆっくりとシャツを脱がしていく。  
春香の白い肌が、薄暗い部屋にぼんやりと浮かび上がる。  
 
いくら元恋人でも、裸体を見られるのはやはり恥ずかしい。春香は少し赤面する。  
その心中を察したように、雅人は「恥ずかしい?」と聞き返してきた。  
コクリと頷き、「ちょっと・・・」と嘘のような本当のような返事を返しておく。  
「そっか」そういうと、雅人は自分の上着を春香の体の下に引いてやり、行為を続けた。  
下着のホックを外し、雪のような白さの春香の乳房が露になる。  
「白いな」  
「ありがと」少し皮肉をこめた言い方になってしまった。  
雅人は優しい笑みを浮かべたまま、春香の肩に手を置いてじっと見つめる。  
なんだか春香は恥ずかしくて目をそらしてしまった。  
「・・春香」  
不意に雅人が春香の体を抱きしめた。少し力を入れれば折れてしまいそうな華奢な体を。  
春香は少しビックリして、「・・・雅人?」と尋ねた。  
「・・やっぱり、忘れられないものなんだな」  
「え?」  
素っ頓狂な声を出してしまった春香の額に、雅人は自らの額をこつんと当てる。  
「お互い好きなんだな、今でも」  
――そうね。春香は無言だったが、心の中でそう呟き、笑みを浮かべる。  
「春香――」  
「何?」  
「好きだ」  
そういって、二人は2回目のキスをした。  
 
口付けは深いものへと変わっていき、お互いの口から熱を帯びた吐息が漏れる。  
「ん・・はぁ・・ん」  
すっと雅人は唇を顎に移し、首筋を唇でなぞる。そろりと首筋を舐めあげられ、春香は背筋にゾクリという感覚  
を感じた。  
腰に回されていた雅人の手が、わき腹を滑って胸へと近づいていく。  
少しくすぐったい。春香は体をよじる。  
間もなく雅人の手が胸に触れ、手のひら全体で乳房を包み込む。そしてやんわりと揉みしだいた。  
指が突起に触れ、指の腹で押しつぶしたりしているうちに、ぷっくりと突起は立ち上がる。  
雅人が春香を見ると、必死に声を出すまいとしているようだった。  
雅人は小さな悪戯心が芽生え、春香の喘ぎ声が聞きたくなった。  
「声・・・出してもいいよ春香」  
春香は黙っている。それならば。  
不意に突起を雅人は口に含んだ。  
「あぁんっ・・雅人・・・」  
「いい声出すな、春香。そんなに気持ちいい?」  
悪戯っ子のようなイジワルな笑みを浮かべ、雅人は舌先で突起をつつく。  
「・・・ぅるさ・・・ぃっ・・」  
自分でも顔が真っ赤になっているのがわかる。恥ずかしくて春香は雅人の首筋に顔をうずめた。  
「コラ」  
雅人は笑いながら、優しく春香を引き剥がす。  
白い肌が少し赤みを増して、上気した春香の顔はとても艶かしい。  
雅人はその春香の体に指を滑らせ、下腹部を通過し、足の根元へと近づけていく。  
ズボンはすでに脱がしてしまっており、春香は下着だけを身に着けている状態だった。  
下着を見ると、秘部の部分に染みができていた。  
「なんだ・・・結構感じてくれてたんだな」  
雅人は軽く笑い、指で割れ目をなぞる。少し窪んだ秘部を通るたびに、春香の口からくぐもった声が出る。  
そんな反応を楽しむかのように、雅人は指を動かし続けた。  
「ん・・まさと・・やぁ・・ん」  
「嫌じゃないだろ、こんなに濡れてるのに」  
そういって雅人は下着越しから秘部に強く指を埋める。  
「ぁあっ・・んん・・・」  
雅人は乱れる春香に欲情しながら、少しずつ春香を絶頂へと追い込んでいくのだった。  
 
薄暗い資料室の中に熱を持った声が響く。春香は飛びそうな理性を必死に繋ぎとめながら、飛鳥のことを  
考える。今戻ってこられたらごまかしようが無い。しかし、激しい愛撫でそのことを考えるのはやめざるを  
えなかった。  
「ん・・ぁん・・はぁ・・」  
雅人は反応を楽しむかのように下着越しに指を秘部にうずめる。  
「体は正直だな。もうこんなに溢れてる」  
うすく笑いながら雅人はからかうように言った。  
雅人はクスリと笑うと、下着に手をかけ、一気に引きおろす。突然のことに春香は驚き、耳まで真っ赤になる。  
焦らすように腿を撫で、秘部には触れてくれない。  
「雅人・・・っ」  
「何」  
わかってるくせに、と春香は心の中で吐き捨てる。本当に意地が悪い。  
「言ってくれないとわからないよ、春香」  
恥ずかしい。しかしこのまま放置されてしまうのも困る。  
春香は顔を真っ赤にしながら、「触れて・・・」と呟いた。  
雅人は優しく笑い、指を割れ目に這わせた。その瞬間、春香の体が強張る。  
「ぁあっ・・ぁ・・」  
雅人は構わず、人差し指と中指を秘部に進入させる。十分に濡れていたおかげで、スムーズに飲み込んでいく。  
「やぁぁ・・・ん・・ま・・さと」  
くちゅくちゅと熱い春香の内壁をかき混ぜると、さらに愛液が溢れ出す。  
指があるところを引っ掻くと、春香の体がはねた。  
「ぁああっ・・」  
「ここが気持ちいい?」  
雅人はニヤニヤと笑い、ソコをしつこく攻める。その度に春香は喘ぎ声を漏らした。  
指を3本に増やし、抜き差しを繰り返す。それに伴いどんどんと液体が溢れてくる。  
雅人は自分自身の昂ぶりもそろそろ限界だと感じていた。  
 

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