「あ、エルフ君..」
「やあ、セレスティア。どうしたんだい?」
「あの..今日は何の日か、知ってる?」
「ん?節分..だったっけ?」
「そう。それでね、私の田舎では節分に”恵方巻”っていう習慣があるの」
「“恵方巻”?」
「うん..節分にね、縁起の良い方角を向いて大きな太巻を食べると、
その年はいい事があるんだって」
「太巻..って何?」
「ええとね、ご飯の中にお刺身や玉子やかんぴょうを入れて、海苔という
黒い皮で太い筒状に巻いた食べ物なの」
「へぇ、面白そうだね」
「..実は今日作って来たの..あなたに食べてもらいたくて..」
「本当?嬉しいなあ。どれどれ..あ、これは美味しそうだ」
「で、こっちの方角を向いて、一気に食べてね。ゆっくりでいいから..」
「一気にか..これだけ太いと大変だなwではいただきまー..あ?そういえば
一本しか無いね?セレスティアの分は?」
「わ、わ、私は、お、お夜食でいただきますから..」
そう言って真っ赤になって俯きつつ、その手をエルフの太ももから股間へと
滑らせるセレスティア..
恵方巻
節分の日にその年の無病息災を願って、太巻という黒い皮で包まれた
筒状の食べ物を縁起の良い方角に向かいながら一気に食べる、
セレスティアの出身地に伝わる伝統的な風習..らしい。