ホワイトデー…それはバレンタインデーが貰った男性が女性に送り返す日である。
男によっては一番大変な日でもある。ホワイトデーの朝…
「おはよーさん」
「おはよう」
「おはよー」
まあいつものと変わらない日常ではあるが…
「そういや今日はホワイトデーだな」
「ん?そういやそうやったな」
「フェル男。お前はどうするんだ?確かチョコは貰っているはずだろ」
「ああ、ちゃんと用意してあるで」
「ヒュム子とバハ子とノム子…ん?1つ多くないか?」
「ああ、それはセレ子はんの分や」
「セレ子って…ヒュム男のパーティーの女子だな。貰っていたのか」
「まあせやけどな…でもあん時のセレ子はん様子おかしかったしな…」
「?…どういう事だ?」
「ああ、実はな…」
1ヶ月前〜バレンタインデー夕方〜
「あの…フェル男さん」
フェル男に話しかけてきたセレスティアの女子のセレ子(職業:戦士)
「ん?セレ子はんか、何の用や?」
「実は…ちょっと作りすぎてしまいまして…受け取ってもらえませんか?」
「え!?わいにくれるんでっか!?」
「は、はい…良かったら是非…(小声で)本当はフェル男さんのために作った手作り本命チョコ…私からの気持ちです…」
「ん?なんかゆうたか?」
「い、いいえ!何でもありません!」
「セレ子はん…顔真っ赤やで?風邪でもひいたんとちゃうんか?」
そういってフェル男はセレ子のおでこをさわる。
「!!」(顔真っ赤&爆発)
「セレ子はん?」
「い、いいえ!フェル男さん!!私は大丈夫です!熱はありませんから!!」
「なんであわててるんや?」
「そ、それより、お礼はフェル男さんの特製クッキーでいいです!」
「へ?わいの特製クッキー?そんなんでええんでっか?」
「それでいいです!それじゃ失礼します!!」
そういって、大慌てでセレ子は行った
「…セレ子はん?」
「というわけや」
「(フェル男もちゃっかり本命貰ってるじゃないか…)まあ…その何だ、彼女の気持ちは早く答えてやった方がいいぞ」
「は?なんでや?」
「それはだな…」
「シクシク…」
今の声にフェル男とエル男はドワ男のいる方向に向けた、何故か隅っこだが…
「さっきから聞いてりゃ…甘ったるい事言って…俺は羨ましく…羨ましくないからなぁ!!」
「ふっ…ドワ男君、どうやら君と僕は同じ存在…」
突然現れたノームの男、名前はノム男(職業:格闘家)
「ふざけんなぁ!!お前のようなバトルマニアに一緒にするな!!」
「はっ…どこが違う?何故違う…?」
「あいっかわらずむかつく言い方だぜ!!今ここで叩き潰す!!」
「はたして狂戦士の君に僕のスピードについてこれるかな…?」
「うっせえ!勝負だ!!」
「のぞむところ!!」
そう言って、ドワ男VSノム男のバトルが切り落とされた!!
「ほっといたほうがええな…」
「教室に行こう…」
フェル男とエル男はドワ男とノム男を置いて教室へ向かった…
−教室
「よ、おはよーさん」
「おはよう」
フェル男とエル男は教室に入って3人の女子に挨拶した。
「おはようさん2人とも」
「おはよう、エル男君、フェル男君」
「おはようございます…」
挨拶を返した女子軍。順番にバハ子(職業:竜騎士)ヒュム子(職業:人形遣い)ノム子(職業:レンジャー)
「そういえば…ドワ男さんがおられませんが…」
「ドワ男ならノム男と勝負の最中や」
「またかい、あの2人は」
「本当にバトルが好きなんだね2人とも」
「いや、そういうわけじゃないが…」
「そういえばフェル男さん…今日はホワイトデー…」
「わかってるわい。お前らの分のバレンタインのお礼をちゃんと持ってきてるで」
「わざわざ悪いね、急がせるような事して」
「ありがとうございます…」
「フェル男君のクッキー美味しいし、仕方ないよ、それよりエル男君今日は…」
「ああ、わかっているよ」
エル男はそういうと、ヒュム子は嬉しそうに微笑んだ。
「ん?なんや2人ともどっかいくんか?」
「ああ、まあな」
「デートだよ」
「デートですか…羨ましいです」
「そういやフェル男、あんた彼女いないのかい」
「ん?彼女なんておるわけないやろ」
「そうなんですか…?もてそうな感じをしていますが…」
「そういえばクッキーの袋が1つ多いのはなんでだい?」
「ああ、それはヒュム男のパーティーのセレ子はんの分や」
「セレ子さん…ふふ…」
「セレ子ねえ…フェル男…あんたまんざらじゃないのかい?」
「お前らもエル男のような事言うなあ」
フェル男がそういって、辺りをみわたしたら悩んでいるヒュム男パーティー一同がいた
「なんやヒュム男、悩んだような顔して」
「ん?フェル男か…実は俺のパーティーの1人が風邪を引いてな…」
そういえば、セレ子がいないのである。
「セレ子さんが心配なんだけど、今日僕達は探索に出なくちゃならなくて…」
「それで、セレ子の穴とセレ子を見てくれる奴を探してて悩んでいるんだ?」
「セレ子はんが…やっぱ熱があったんやなあん時」
「ん?熱があったって…俺のチョコ渡した時は普通だったぞ?」
「へ?」
「そうだフェル男さん、フェル男さんのパーティーで空いてる人いる?」
「今日はエル男とヒュム子はデートで無理やし、ドワ男は手伝う気ならんやろうしな…」
「あと、フェル男さんも無理…」
「は!?ノム子、なんでわいも無理に入ってるんや!?」
「何故なら…フェル男さんは、セレ子さんを見る役だから…」
「お?フェル男、セレ子を見ててくれるのか?わりぃなー」
「なんでやねん!?わいも空いてるで!!」
「(無視)なので、あいてるのは私か…バハ子さんだけです…」
「ノム子とバハ子か…今日は仕掛けが多いしノム子に頼むかな」
「はい…わかりました…よろしくお願いします…」
「だからわいは…」
「いいじゃないか、どの道渡さなきゃならないんだろう?バレンタインのお礼を」
「そらそやけど…」
ノム子によりフェル男は強制的にセレ子の面倒を見ることになった。
―自由時間
「はぁ…まさかわいがセレ子はんの面倒見るなんてな・・・まどちみち渡さなきゃならんけどな」
保健室や食堂などで体温計や氷(詰め替え用)などを持ちながらセレ子の部屋に向かうフェル男の姿があった
「ノム子も変な事ゆうたしな…」
―自由時間前
「フェル男さん、頑張ってください…」
「何を頑張るんや!?」
「まあ、そんな事ゆうててもしゃーないか」
そうこういってるうちにセレ子の部屋の前まで来ていた。
トントン…ドアをたたいた
「どうぞ…」
ドアの向こうからセレ子の声が聞こえた
「はいらせてもらうで」
ドアを開けると寝込んでいるセレ子がいた。
「あ、フェル男さん…お見舞いに来てくれたんですか…?」
起き上がろうとするが
「あかんでセレ子はん!ちゃんと寝てなきゃ!」
「すみません…フェル男さんにも用事があったでしょう…?」
「暇やったし、別にええで」
「あの…それでヒュム男さんの探索は中止になったんですか?」
「いや、わいのとこのノム子を代理で探索に行ったで」
「そうですか…私だけこんな姿に…」
「いや、風邪はちゃんと治さんなあかんで…バレンタインのときも真っ赤やったし」
「いえ、熱はあったわけじゃありません…あれは…」
「あれは?」
「いいえ、気にしないでください…」
「そっか…セレ子はん、一応バレンタインのお礼を持ってきたんやけど…」
「あの…あの時の私のチョコ…美味しかったですか?」
「おう、美味かったで、義理の中では」
「義理…ですか…」
そういってセレ子の顔を伏せてしまう
「(小声)私のフェル男さんの想いはまだ足りないでしょうか…もっと頑張らなくちゃ…」
「ん?セレ子はんなんかゆうたか?」
セレ子は顔を出しながら
「いいえ、なんでもありません…」
「せやせや、はいわいのクッキー。元気になってから食いや」
「ありがとうございます…(小声)そして、フェル男さん、大好きです…」
「ん…?なんか聞こえたような…」
「気のせいです…」
会話のやり取りも恋への第1歩…フェル男がセレ子はフェル男が好きだと気付くのは、
恋の到来を告げるまで延々と流れる、練習曲(エチュード)の終焉より、先か…後か…。
―同時刻、ヒュム男パーティー
「しまったなー…バハ子連れてくるんだったな…爆裂拳使えねー」
「でも、罠感知はノム子さんはピカイチですわよ」
「本当だよ、ヒュム男お兄ちゃんは罠でメデューサで私たちを石にさせたりとか」
「それゆえその罠に自分は避けたりとかね…」
「頼りなくて悪かったな!それと避けて悪かったな!!」
「本当にクラ子ちゃん達が石になった時大変だったんだよ…重いから…」
「私の所はそんなにありません…あともしもの時の妖精の粉は持っていたほうがいいですよ…」