-フェアリー寮-
ヒューマンがフェアリーのことをジロジロと見つめ、クラッズに何かを耳打ちする。
耳打ちされたクラッズはというと、ヒューマンのようにフェアリーを見つめ、何かを発見したような顔になる。
「ん……二人とも、そんなに自分を見てどうしたの?」
「そういえばサー……」
「フェアリーって他の同種族より大きいよな?」
身長も俺くらい(170前後、本人談)あるし、と言いながらヒューマンはおにぎりを頬張る。
それを聞き、フェアリーはポリポリと頭をかく。
「うん……そうなんだよね。生まれた時は同種族と同じ位だったんだけど……成長がヒューマン並だって、親にも気味悪がられたよ」
飛ぶことにはなんら問題もないけどね、とフェアリーは笑う。
「へぇ……」
「そういえば、ジョルジオ先生も大きいよネー……」
あー、とフェアリーとヒューマンが頷く。
「まぁ、色んな人がいるからな!フェアリーはフェアリーさ!」
「そうそう、気にすることないヨー」
「二人共……」
この後、フェアリーが友情を噛み締めながら泣いたことは言うまでもない。
-その頃のジョルジオ先生-
「ばっくしゃい!……誰かが噂してるのかしら?」
-エルフ寮-
「そういえばエルフさん……もうアレは大丈夫なのですか?」
「アレ?」
「はい、バレンタインの時は照れ隠しのようにしてたのに、先日のホワイトデーの時は何ともなかったので……」
「だからアレってなんですの?」
イライラしてきているエルフを見てフェルパーには聞こえないように耳打ちする。
「ほら……エルフさん、フェアリーさんに片想いだったじゃないですか」
「なっ!なんで知ってますの!?」
「エルフさんは態度でバレバレですよ?」
耳まで真っ赤にし冷静さを失うエルフ。
セレスティアはというと、なぜかニコニコしていた。
「にゃぁ?」
フェルパーが不思議そうな表情をしてエルフとセレスティアを見る。
エルフは冷静さを取り戻したのか、フェルパーに悟られないようにセレスティアに耳打ちをする。
「吹っ切れましたわ。他の女性が好きな殿方を盗るなんて出来ませんし、振り向かせることだって……」
それを聞くと今度はセレスティアがエルフに耳打ちをする。
「ジョルジオ先生にメイクしてもらってはどうですか?」
「そういう問題ではありませんわ!」
寮にエルフの怒号が鳴り響いた。
-その頃のジョルジオ先生-
「ぃえっくしょい!あー……風邪かしらん?」