*今回は、フェル男とセレ子の話ではなく、クラ男とクラ子の話である。
ある夏の盛り、食堂でクラ男はだらけるようにうちわをあおぎながら机に突っ伏していた。
「あっついな〜、全然涼しくならないし、うちわであおいでもちっとも涼しくならないよ。」
そういう事を言いながら、うちわであおいでいるうちに、誰かがやってきた。
「おはよ〜クラ男君、本当に暑いね…。」
「おはよう、クラ子ちゃんまったくだよ。」
そういいながら、うちわであおぐのやめて、服でパタパタしていた。
「…あたしもやろうかな?クラ男君がしてる事を…」
「クラ子ちゃんも…って、ちょっと待ってよ!クラ子ちゃん、君は女の子なんだからそれしちゃ駄目!!」
「え〜…でも…」
「え〜でも、でも…とかじゃないって!」
「フェア子ちゃんもしてたよ?」
「…(フェア子ちゃん…女の子としての自覚がないの…?)」
フェア子がクラ男と同じ事をしてた事に少々複雑回帰になっていた。
「しかし、こういう時にはプールや海に飛び込みたいよ…」
「プールや海に飛び込み…あ、思い出した!」
「思い出したって、クラ子ちゃんどうしたの?」
「ポレンタ港の近くに出来たプール場って知ってる?」
「ポレンタ港の近くのプール場?ああ、そういえばどこでも情報掲示板にそんな事書いてあったね。」
「この前、買い物してたらくじ引きをやっていて、それでチケット2人分当たったの」
「それはすごいね!で、クラ子ちゃんは、誰と行く予定なの?」
「え?それはもちろんクラ男君とだよ」
「僕!?」
どうやら、クラ子はクラ男をプールに誘おうとしてるようだ。
「でも、クラ子ちゃん、君の準備が…」
「準備なら出来てるよ、水着だって用意してるし」
「その水着ってもしかして…」
「スクール水着だけど?」
「学校のプールじゃないんだから…」
「でも、フェア子ちゃんに聞いたけど、友達と一緒に言った時、スク水の女性が多かったよ」
「…あれ?今スク水ブームだったっけ?」
「スク水ブームかどうかは知らないけど、早く行こうよ」
「…飛竜を使っていくしかないね」
「楽しみだね、クラ男君」
「…そうだね」
スク水ブームかどうか疑問を思うクラ男だが、クラ子と一緒に飛竜でポレンタ港へと向かった。
クラ男とクラ子を乗せた飛竜はポレンタ港に着くと、役目を果たした飛竜はかき消すように消えてしまった。
クラ男とクラ子の前にはプール場が見える。
「ここが、新しく出来たプール場?」
「うん、そうだよ」
新しく出来たのか、まだ人は少ないがすぐには多くなってくるだろう。
「すぐに入れてよかったね、クラ男君」
「本当だね、もうちょっと多いかと思っていたけど」
そうして入場料を払い、2人は更衣室の前まで来ていた。
「じゃあ、クラ男君、また跡でね」
そういって、クラ子は女子更衣室に入っていた。
「僕も入ろう…」
クラ男は男子更衣室に入っていった。
場面変わって、プール場、ウォータースライダーや流れるプールなどいろいろなプールがあるので
結構広い。クラ男は男なので着替えが早い。
「結構広いなぁ…ん?」
クラ男が見渡すと見覚えのある2人を見かけた。遠くからだが…
(あれって、フェル男さんにセレ子ちゃん!?2人まで来ていたの!?)
−フェル男視点
「フェル男さん、次はウォータースライダーに乗りたいです」
「さっきの海の流れるプールといい、セレ子はんも結構過激なの好きなんやな」
「でも私は、フェル男さんと一緒ならどこでも…」
「へ、変ないうなや!(ノム子め、どっかでみとるなこら…)」
−戻ってクラ男視点
「クラ子ちゃん、遅いな…やっぱ女の子って着替えに時間かかるもんだな」
「お待たせー」
やっとクラ子がやってきた、いったとおりスクール水着である。何故か、手首にはいつものベルがあるが
「クラ男君、あたし…似合ってるかな?」
「似合っているよ、でもなんでベルあるの?」
「これ?大丈夫だよ、これベルに見えるけど、水耐性もあるし、結構軽いんだよ」
「そうなんだ」
「えーっと、ウォータースライダーや渦巻き型のプール…どれも楽しみだね」
「うん、そうだね、最初はどこに行こうか…」
−ノム子視点
(おい、フェル男!何やってるんだ!こういう時は『わいもセレ子はんと一緒ならどこでも』というもんだぞ!)
(そういうとは限りませんわ!こういう時こそ男の見せる所ですのよ!)
(お二人とも、流石にカップルだけであっていう事が違いますね…)
(な!?なんで私がこんな男とカップルですの!別に好きで付き合ってるわけではありませんわ!)
((図星ですね…))
((図星だな…ま、そういう所がエル子らしいけど…))
(ちょっと今何考えていましたの!)
((いいや、なんにも))
−戻ってクラ男視点
「なんか、知ってる人たちがいっぱいいるような気がするけど、気にせずに僕達は僕達で楽しもう」
「うん!」
2人は最初に向かったのは、ウォータースライダーだった。
「結構高いねー」
「バンジージャンプもできそうだよ。」
「次は僕達の番だよ。」
「ねえ、クラ男君も一緒に滑らない?」
「え!?それって…」
「いいからいいから」
「ちょっとま…うわーー!!」
ウォータースライダートンネルの中にクラ子と道連れにされるようにクラ男も滑り込んだ
「わーい、楽しいねークラ男君」
「僕は、楽しいかどうか、それどころじゃないって…うわっ!!」
楽しんでるクラ子とは逆にあお向けの状態ですべる事になったクラ男はそれどころじゃないが
「もうすぐ出口だよ」
「え!?ちょっとあっという間すぎるって!!」
バッシャーン!と音が鳴りクラ男がまるで浮かぶような形で飛び込むことになったが
「クラ男君、大丈夫!?」
「いや、僕は平気だから…」
クラ男の事を心配するクラ子。
「もしもクラ男君が怪我する事が会ったら私…」
「心配ないって、僕戦士だしこれぐらいは茶飯事だよ、それよりもクラ子ちゃんも落ち込まないで
君の元気のない姿は似合わないから」
「え、それじゃあ…」
「だから気にしてないって、クラ子ちゃん、次はどこに行こうか」
「…クラ男君と一緒ならどこでも」
「えっ!?」
「冗談だけどね…」
「やっぱりそうだよね〜」
「でも…」「ん?」
「何分の一かは…本気だよ」
「え!?もしかして…」
「ごめんね、今はいえない…」
「今は言いたくないならそれでいいよ、それよりも僕達がクラクタになるまで楽しもう」
「…うん!」
そういって、クラ男とクラ子の仲は深まったという…
−ヒュム男視点
(う、羨ましいですわ、私もヒュム男さんに対して素直になれたら…)
「どうしたんだ?エル子の奴…」
「羨ましがっているんでしょう?クラ子さんたちを見て」