「で、ヒュマ子にそそのかされてエヌリック先輩特製の除毛クリームを使ってみた、と。」
「そそのかされたっていうか、好奇心に負けたと言うか、最近暑いしいいかな、って…」
突然部屋にやってきたドワ子がいうには、服の下がつるんつるんになっているらしい。
風呂上りにもかかわらず制服(さすがに戦闘用に強化したものではなく座学の時に着る標準服だ)
を着ているので見た目ではわからないが、インナーやジャージではカバーできないそうだ。
「好奇心なら脇腹とか内股とか隠しやすい所で小さく試せよ。」
「そのつもりだったけど!エル子ちゃんが悪乗りして胸からお尻から制服で隠れるところ
全部塗りたくっちゃうんだもん!もー生えそろうまで寮のお風呂使えないよー。」
ドワ子は体育すわりの膝に顔をうずめた。
断っておくが繁殖力の高い、言い換えれば性欲の強いヒューマンとは言え
いつもいつでもどんな状況にも欲情できるわけではない。
俺は特に性的な意味で許容範囲が小さいと言うか
自分でいうのもアレだがドノーマルなほうだ。
ドワーフを恋人にしてはいるが別にケモナーというわけではなく、
絶対領域にチラ見えするエルフの白い肌やヒューマンの青痣にクラッとしたり、
絶対領域と言えばバハムーンの太ももにしっぽが巻きついて少し段になってるのが
柔らかそうでたまんねぇ、とか
ディアボロスの角やセレスティアの羽とこめかみの皮膚の境界が妙にいやらしかったり
もちろん女子限定の話だがイヤ待てよディアボロスなら男子でも結構…いやいやいや。
「ヒュマ君?」
「ごめん、なんでもない。」
つまり何が言いたいのかというと俺は別に変態性欲のケは無いんだけれども。
落ちつかな気にもじもじするドワ子がやたら可愛らしく
落ち着かないのはきっと被服の下に普通あるべき体毛がないからで、
それってヒューマンで言ったら制服の下にぱんつ穿いてないようなモンじゃね?
かなりエロくね?
「触ってみてもいいか?」
返事を待ったりはしない。
俺の恋人は夜中に男の部屋に来ておいて触れる事を拒否するような面倒くさい女じゃない。
しっぽを踏まないように注意してドワ子の後ろに移動し、背中から抱きしめる。
服の上からでも、柔らかい皮膚の感触がわかる。
他の種族なら当たり前のことなんだがふかふかの毛皮に慣れた体には随分生々しい。
緊張のためか薄く強張っていたドワーフの体がビクンとはねた。
できるだけやさしく抱いたつもりだが毛皮の守りを失ったばかりの肌には刺激が強かったか。
なにしろ下処理もなしにドワーフのモフモフを溶かし尽す強烈な除毛剤だ。
薬品で肌が傷んでいる可能性もある。
「ごめん、痛かったか?」
「ううん、平気。びっくりしただけ。」
ドワ子の返事に安心し、再度腕に力を込め服越しに肌の感触を堪能する。
ぱたぱたと揺れるしっぽがくすぐったい。
くすぐられている腹も。抱きしめただけでこんなに喜ぶと教えられた胸の中も。
「なんでびっくりするんだよ。触っていいかって聞いたじゃん。」
「だって、ヒュマ君のことだからスソか衿元から手を入れてくると思ってたんだもん。」
いきなり服の中ってこいつの中で俺はどんだけがっついてるイメージなんだ。
しかしそう言われては期待に応えるべきだろう。
「スソからって言うとこうか?」
ドワ子が言ったのはおそらく上着のスソだろうが、あえてスカートに手をかける。
ふかふかの膝から厚い大腿筋にそって指を這わせる。
スパッツに乗り上げてから数センチ、スカートに隠れるかどうか、といったあたりで
指先に伝わる感触が変わった。ここからが『制服で隠れるところ』なんだろう。
「ふぇ、ちょ、まって。やだやだ。境い目のとこ、なでちゃ、やぁ〜」
肉球じみた大きな手でスカートをつかみ、押さえつけるがもう遅い。
その動作はむしろ、俺の手をスカートの中に誘い込むような形になった。
わざとゆっくりと指を動かし、すべらかなスパッツと、
その下に隠された毛皮と地肌の感触を楽しむ。
羞恥に耳の内側を真っ赤にして、息を荒げ涙目で身をよじるドワ子がたまらなく可愛い。
女の子とは言えドワーフが本気で暴れたらヒューマンに押さえられるわけが無いので
身をよじると言ってもプレイの一環みたいなものだ。
ドワ子のほうはわざとやってるわけじゃないだろうけど。
太ももの手触りとドワ子の反応を充分に味わってから、耳たぶのふちをくすぐるように囁く。
「ここは、いやか?」
こくこくと頷いてからドワ子はあわてたように付け足した。
「いやって言うんじゃなくて、え…っと、うぅ、恥ずかしいよぅ。」
「最初は布越しのほうが恥ずかしくないと思ったんだけど。」
「なんていうか…毛のあるところとないところを比べられるのが、恥ずかしいの。」
ドワ子はそういって本当に恥ずかしそうに耳を伏せ、スカートを握りしめた。
このまま押し倒して制服を引きちぎりたい衝動を押さえつけ、そっけなく訊ねる。
「ふーん、これが、そんなに?」
「ぅあ、や、やだ、って言っ…や、いじわる、やぁ。」
右手をスカートの中に残したまま、ドワ子のあごに左手をかけくちびるを重ねる。
薄いくちびるをなぞり、応えるように差し出された舌を強く吸う。
こぼれる吐息がすでに甘い。
「今度は直接さわるから、痛かったら言ってくれよ。」
できるだけやさしく響くように声をかけ、ドワ子の指をスカートからはがして俺の首に導く。
ドワ子は素直に後ろ向きに俺にしがみついた。
腕を上げたことで上着が引っ張られてスソが上がる。
リボンを緩め、衿元のボタンをはずす。
右手は衿元から、左手はずり上がったスソから制服の中に忍び込む。
そっと触れた肌は予想よりずっと薄くなめらかだった。
ひげの剃り跡や坊主頭を柔らかくしたような感触かと思っていたが本当につるんつるんで
体毛の存在など全く感じられない。
触れるか触れないかぎりぎりのところで手をすべらせるとドワ子が切なげに喉を鳴らした。
発達した腹筋に、柔らかいわき腹に、厚い胸板に、触れる場所を変えるたび甘い声が上がる。
「ヒューマンは産毛を剃るとその部分は感度が下がるってデータがあるらしいけどな。」
「ん、くふ。そんな、こ、と、知ら、ゃ!あ、あ、ふあぁ」
制服の下でうごめく手に合わせ、あられもない声を上げて身をよじる姿は相当刺激的で、
鏡に映してじっくり眺めたらきっと楽しいと思うのだが
男の部屋にそんなでかい鏡があるはずも無い。
ドワ子の体を肩越しにほぼ真上から見下ろす俺の位置からは
上着自体が邪魔になってウェストは見えないが、これも
正面からなら服が肋骨の近くまでめくれ上がっているのが見えるはずだ。残念すぎる。
「ドワ子、こっち向いて。」
薄く開いたくちびるに吸い付き、誘い出した舌を甘く噛む。
「むぐ?――っ!」
そうして声を封じた上で、胸板の上のささやかな突起をなぞりあげる。
ドワーフは妊娠してから乳腺が発達するのか、若い個体には他種族のようなふくらみはない。
しかしこの部分の感度はそう変わらないらしく、いつも俺を楽しませてくれる。
いや、他の種族どころか彼女以外のドワーフとも比べたことなんか無いけれども。
「んー!ん、んぐ、んー!んー!」
そこに指が触れるたびに、ドワ子はくぐもった悲鳴を上げ、俺の背中に指を食い込ませた。
普通ならそんなことをされたら背中が血まみれになりかねないが、
不自然な体勢のせいか爪が刺さることもなく、強い圧力とかすかな痛みを感じるだけで済む。
この姿勢、結構いい。
痛々しいほど勃ちあがったそれを強くさする。そっとつまむ。
刺激を強めるにつれ、ドワ子の反応はむしろ脱力したような緩やかなものになっていく。
あふれ出した唾液をすすり、舌先をくすぐる。
指の腹で押し込むように柔らかくこねると物欲しげに腰が揺れた。
「もう、脱がしてもいい?」
熱く潤んだ眼差しを伏せかすかに頷いたのを確認して、手早く服を脱ぎ、床に押し倒す。
ファスナーに伸ばした手をドワ子がさえぎった。
「あのさ、かなりへんてこになっちゃったから、がっかりしたらごめんね。」
「こんだけいじりまくって楽しんどいて
裸見たらがっかりするような男だと思われたことのほうががっかりだよ。」
「ごめん。」
元から別に怒ってはいないが、耳を伏せ怯えたように見上げられて悪戯心が芽生えた。
耳たぶを齧り、服の上から胸をまさぐる。
「嫌だ。許さない。」
甘い声を上げ荒く息をつくドワ子を床に残し、ベッドのふちに腰掛ける。
「お詫びの代わりにさ、自分で脱いでこっち来いよ。」
「え?!自分で、脱ぐの?ヒュマ君にされるのでも恥ずかしいのに〜」
「じゃ、スパッツは残してもいいよ。」
「じゃぁの意味がわかんないよ。」
ドワ子はそういいながらも、起き上がって上着のファスナーを下ろしだした。
体を重ねる時にはいつも俺が脱がしている。(当然俺の趣味だ)
ドワ子が自分で脱ぐところを見るのは初めてだが
恥ずかしげな表情と仕草が実に良い。たまらなく良い。
あらわになってゆく肌は色素が薄く、つやがない。
一言で言ってしまえば毛を刈られた羊の肌に近い。
「なんか、まぶしいというか、照れくさいな。」
「あたしは照れくさいどころじゃないよう。恥ずかしくて泣きそう。」
胸を隠す腕をほどいて抱き寄せ、平らな胸にほお擦りをする。
軽くひざを曲げ、もたれるように俺にしがみつくドワ子の胸が、
ちょうどベッドに座った俺の顔の高さにある。
筋肉に覆われた厚い胸板は、それでもきちんと柔らかくて、甘酸っぱい女の子の匂いがする。
舌を這わせると、びくん、と背筋がのけぞった。
「ふ、くぅ…ヒュマ君、舌、熱いよぅ。」
「たぶん中はもっと熱いよ。」
敏感な部分を口に含み、舌先で転がす。
「ひゃん!…ん、っ、く、ホントに、あ、つぅい…」
甘い嬌声が、すすり泣くような息遣いに変わる。
「ぅあ、待って、ねぇ。も、立って、られないよ。」
視線を下に向ければ黒っぽいしみの広がったスパッツとガクガクと痙攣するひざ。
立っていられないという言葉は大げさではないらしい。
体をずらしてベッドの上に場所を作り、視線で促す。
うつぶせに倒れこんだドワ子からスパッツをむしりとり、ベッドの下に放り込む。
改めてドワ子を眺めれば無毛の部分は、足は太ももの半ばまで、手はひじより少し上まで。
「あんまりみないでよぅ。」
「なんで?獣足のブーツと長手袋みたいでそんなに悪くないよ。
ってゆーかすっげーエロい。」
「嘘だぁ。」
「嘘じゃないって。ほら。」
ドワ子の左手を取り、俺の股間に押し付ける。
「うゎ、がちがち。」
なめし皮のような手触りの肉球できゅむきゅむと握られて、ソコから快楽が流れ込む。
「えへへ。これ好き。あったかくて気持ちいい。」
「うぁ…あんまりやると暴発するからおあずけ、な。」
「まだおあずけなんだ。あんまり激しくしちゃ、やだよ。――っ、ぅ、やだ、ってばぁ。」
背中にキスを降らせる。ドワ子は息を弾ませ、枕に爪を立てた。
背筋に沿ってなぞったときの反応がかわいいので
舌を這わせてみたいとずっと思っていた。
毛皮が唾液まみれになるからとドワ子にとめられていたのだが
いまならいける。心置きなくやれる。
「やっぱり背中弱い?」
「あっ、そんなこと、ん、んぅ、知らない。ぅあ、それだめ、だめ、ぁ。」
駄目だといわれた部分を強く吸い、跡を残す。
「痛くないか?」
「いたくない。つよくされるのすき。ぴりぴりしてきもちいい。」
ドワ子の言葉につい調子に乗っていくつもキスマークをつけてしまう。
寮の風呂は使えないと言っていたので問題はないだろう。たぶん。
高く突き上げられた白い尻と力なく揺れる褐色のしっぽのコントラストが艶かしい。
しっぽの付け根に指2本分ほどの無毛部分があるのが妙に卑猥だ。よくやった、エル子。
肩甲骨を舐め上げながら足の間に手を伸ばす。その感触に思わず指を止め、体を起こした。
「おまっ、エル子の野郎まさかこんなところまで!」
覗き込んだ秘部にも、毛がなかった。
複雑な形状をした関節部だけに一度や二度なぞったくらいで除毛剤が行き渡るとも思えない。
「ち、違うの!さすがにエル子ちゃんもそこは何もしなかったよ!
でも、ここだけ残ってるのもおかしいし、ヒュマ子ちゃんがそれじゃ卑猥すぎるって…
それで、隅っこで自分でね……」
風呂の椅子に座り込んでその部分に薬剤を塗りこんでいるドワ子を想像してしまい、
怒りに萎えかけていた箇所を煩悩が直撃する。
いらんことを言いやがってと思わないでもないが、
てらてらと光を反射する充血した秘裂を見ればヒュマ子GJと言わざるを得ない。
「ごめんね、ごめんね。えっと、こんなんだと、その…ヒュマ君は、イヤ?」
「ちょっと残念な気もするけど、これはこれでやらしくていいと思うよ。」
謝罪を繰り返すくちびるをふさぎ、人騒がせなその部分に指を埋め込む。
跳ね上がる体を空いた右手で押さえ込む。
突起を押し上げるようにかき混ぜると手のひらに愛液が滴った。
「あん、い、いや…。いやだ、ヒュマ君の手、汚しちゃってるぅ。」 なんだか今日のドワ子はずいぶん卑屈だ。
卑屈というと聞こえが悪いけど、正直なところむしろ、普段の元気で明るいドワ子、
こういう事をする時の恥ずかしそうなドワ子と、今夜のつるつるで自信を失ってるドワ子の
ギャップにかなり興奮してる。
「汚れてなんかないさ。ドワ子が俺のこと感じて気持ちよくなってる証拠じゃないか。」
抗議を込めて音を立てながら体内をまさぐる。
「だから、汚したなんて言うなよ。」
「ぃ、いやぁ、おとさせちゃ、や。あ、ぁぅあ」
舌先でドワ子の耳たぶを濡らし、音高くくちびるで拭いとる。
上下から水音を流し込んでやると、ぎちぎちと指が絞めつけられる。
腹側を強くなぞりながら指を抜くとドワ子の悲鳴にあわせて、しっぽの毛が波打った。
「今日はドワ子、嫌って言い過ぎ。本気じゃないってわかってても、ちょっと傷つくぞ。」
ドワ子の“いや”とおなじで、俺だって本気で言っているわけじゃない。
相手もそんなことはわっかていると、この行為をやめたりしないと
お互いに信じているから口にできる弱音。行為の前のピロートーク。
「もうやだ。いやなの。ヒュマくん、もう、ゆびだけじゃやだよう。」
挿入の前にドワ子の口から、いやじゃないよって聞きたかっただけなのに。
快楽に蕩けきって泣き出す寸前みたいな顔をしているくせに、
あえぎすぎて呂律が回っていないのに、脳髄がとけるような甘いおねだりに
とがめた言葉を使って来るとは侮れない。
「俺も。もう指じゃ我慢できない。」
腰をつかんでしっぽを背中側になで上げ、秘裂に俺のモノをこすり付ける。 無毛のソコはやわらかくぬらぬらと絡み付いて、そのまま達してしまいそうに気持ちいい。
数回繰り返したところで角度を替えてゆっくりと腰を押し入れる。
「ふゎ、あ、あつぅ。ヒュマ君、熱い、よ…」
「く…、ドワ子のが、冷たいんだよ。」
冷たいは言いすぎだがいつもならドワ子の中は焼け付きそうに熱いのに、
今日は明らかに俺のモノよりも温度が低い。
苦しげに息を吐くドワ子を胸に押し付けるように抱き寄せれば、触れた肌はさらに冷たい。
熱いのもやらしくて良いが、冷たいのもなかなか良い。
呼吸が落ち着くのを待って、腹と背中の間で窮屈そうに揺れるしっぽに手を伸ばす。
愛液に濡れた手で付け根の無毛部分をまさぐるとドワ子の背が弓なりにのけぞった。
声にならない悲鳴を上げ、ガクガクと痙攣して俺のモノを締めつける。
「ぐ、そんな、締めたら…っ!」
「ひぁっ、だって、しっぽ…くぅ、ヒュマ君、はげし…あ、は。」
こらえ切れないと言うようにドワ子が腰を振ると
結合部から水音に加えてぴたぴたと肌のぶつかり合う音がする。
何かにすがるように空をかきむしる手を押さえつけ、叩きつける様に動くと
パン、パンと乾いた音に変わる。うは、ホントにこんな音するんだ。
「あふ、ヒュマ君の、中でビクビクしてる。すご…やらし…」
「う、くぅ、も…イク。出すぞ、ドワ子…!」
搾り取られるような快楽に制御を失いかけた体が勝手に最奥を目指して暴れ精を吐く。
「熱!あついの、でてるぅ。はじめてだ、でてるのわかったよ…すごいやらしー。」
そんなこと報告してくれるお前がやらしいよ、と思うが背筋を駆け上がる快感に
阻まれて声も出なかった。
「も〜、なんでこんな奥に放りこんじゃうかなぁ?」 ドワ子がぷりぷり怒りながらベッドの下のスパッツに手を伸ばす。
こうやって無防備にお尻を突き出してるポーズが見たいから、なんて言えないよなぁ。
本人は気付いていないらしいが、膝から下と胸から上を床に押し付けた
“失意体前屈崩し”の姿勢は後ろから性器周辺が丸見えだったりする。
ようやくスパッツに手が届いたらしく、イライラと低い位置で揺れていたしっぽが
はねあがり、ぴこぴこ振り回される。
微笑ましい気持ちになったのも束の間。しっぽの動きで押し出されたのか
体内に残っていた白濁がこぽりとこぼれ落ちた。
この状況で理性を保てる男がどれだけいるだろうか?俺は無理だった。
「ドワ子ぉぉ!」
足首をつかみ、ベッドの下にもぐった上半身を引きずり出す。
「ひゃあん!なに?どしたの?きゃあ〜!」
肩をつかんで体を転がし、正常位の体制でのしかかる。
先ほどの行為でほぐれていたためか、ドワ子のそこはたやすく俺のモノを飲み込んだ。
「ひっ、いきなり…そんな、あぁん!」
反り返った背中に腕をくぐらせて強く抱きしめる。
体を離しているほうが自由に腰が使えるが、肌の触れる快感が勝った。
こすり付けるように動けばドワ子ののどがあえぐように反り返る。
爪が床をかきむしるカチカチという音が耳に心地いい。
「んく、まって、まってよヒュマく、ひゃんっ、ひあ…はげ、し」
「むり。ドワ子のなかぬるぬるですげー気持ちいい。もう止まんない。」
ドワ子は一足早くイッてしまったらしく、内部がぎちぎちと締め上げる感触から
絡みつくようなものに変わる。
──女の子の絶頂後は少し動くのを控えて余韻を残してあげましょう、
なんて書いてある手引書がよくあるが、無茶言うな、と思う。
本番で相手がイッてるってことはそれなりに行為が進んでいるのだから
こちらにも余裕があるわけがなく、それをさらに締め上げられるわけで。
さらに好きな女を満足させたという状況が自尊心をくすぐり、それよりなにより
ドワ子のエロかわいい表情が劣情を激しく刺激する。
「あふ、ヒュマくん、くっつきたい。ひぁっ、あ…しがみ、つきたいよぅ。」
俺は動きを止めず、無言でドワ子の手を取り、背中に導く。
固くしがみつくドワ子が愛しい。獣の爪が背中に突き刺さる痛みすら甘い。
一度出しているせいか絶頂寸前の狂おしい快楽が続く。今にもイキそうなのにイケない。
激しく突き入れるとドワ子の小柄な体が跳ね上がる。汗に濡れた肌がぴちゃと音を立てた。
「ひあ、これ、す…ご、あ、あ、あ、そんなしたら、またぁ!」
悲鳴とともに膣内が激しく収縮する。
白く爆ぜる意識の片隅に、背中を切り裂かれる痛みを感じた。
ま、爪が刺さったままコレだけ暴れたらそうなるわな。
「ごめんね、ごめんね。またやっちゃったよう。」
ドワ子がヒールをかけてくれたおかげで傷はふさがった。
ならば何故彼女が泣きべそをかいているかといえば、部屋の中にできた血溜まりのせいだ。
これは魔法じゃ消せないからなぁ。
初めての時にはコレに加えて、かきむしられた支給品の羽枕がぼろくずと化し、
部屋の中がセレスティア殺人現場みたいになったのもいい思い出だ。ちなみに今は
自費で買った羊毛の枕を愛用している。羊毛ならガワが破れても飛び散らないから。
「いいって。半分は俺が悪いんだからさ。」
痛いのも、こうなるのもわかっているんだが、ああいう場面でドワ子にしがみつかれると
求められてるという充足感があって断れない。けして痛みが快感にとかそういうんではない。
床の上にはとりあえず大きなタオルをのせて適当に足で踏んづけ、
ドワ子の体を濡れタオルで拭う。俺の体はこの際どうでもいい。
「こうやって見ると結構細かい痕が残ってるな。」
「かえってちいさいキズの方が残っちゃうよね。大きいのはすぐに魔法でふさぐから。」
毛皮に隠されていた皮膚は当然といえば当然だがキズだらけだ。
そこにキスマークと血痕がこびりついているのだからなかなか壮絶だ。
「まぁ、俺に言われたくないよな。」
俺の体は…野郎の体のことなんか聞いてもしょうがないだろうから俺のことは割愛する。
「毛皮で守られてる分と避けるのが下手な分で相殺くらいかな?あとは装備の差だよね。」
背中やひじ等見えない部分、手の届きにくい部分の血痕を拭ってやってから
ドワ子に濡れタオルを手渡し、目をそらす。
本当はじっくり眺めたいが、というかむしろ俺が全身拭ってやりたいんだが
なぜかドワ子が嫌がるのだ。
今夜は泊まってくんだろ?」
「んー、明日の装備整えなきゃいけないんだけど。」
「そんなもん、明日の朝でいいじゃん。」
話しながら体を拭い終わったドワ子から濡れタオルを受け取る。
これに顔をうずめるような趣味はないが(だって俺のも付いてるし)ドワ子がそこを拭った
タオルを手に持っているという状況に表情が緩む。
洗面所ですすいだタオルを絞りなおし、ベッドにもどると
ドワ子はすでに幸せそうな寝息を立てていた。…背中、拭いてほしかったんだけどな。
俺はため息をひとつ付いて、服を身に付け部屋を出た。
パルタクスは服の背中に血を滲ませて学生寮を歩いていても大して目立たない良い学校です。
入学は職員室で随時受け付けてます。美少女大歓迎。
俺たちの朝は早い。学食が開くと同時に駆け込まないと どれだけ待たされるかわからないので暖かい朝食を食べたければ早起きするしかないからだ。
お互いの起きる気配でほぼ同時に目を覚まし、もそもそと身づくろいをする。
「スパッツ洗っといたぞ。」
「え、まじで?恥ずかしいからあんまり触ってほしくないんだけど…一応ありがとう。」
「あと、これやる。」
「……ブラウンインナー?」
「だと装備品と重ね着できないから単なる茶色の五分袖Tシャツ。
昨日かなり体冷えてたからさ。ある方がいいと思って。
スソ長いからスパッツの中に入れとけば多少暴れても見えねーと思うし、
防御力はないけど毛皮の代わりくらいにはなるだろ。」
男としてはすべすべつるつる全く問題ないのだが、
冒険者としてどうしてもそのまま探索に行かせる気になれず、
あの後エヌリック先輩に頼み込んで作ってもらったのだ。
「うわぁ、ありがとー。服の隙間からおなか見えたらいやだなって思ってたんだー。」
こんなきらっきらの眼差しで見つめてくれるなら深夜料金を上乗せされた練成手数料を
払った甲斐があるというものだ。もっと見て。俺に惚れ直して。
「さっそく着替えてくるね!また学食で!今日もがんばろーねー!」
ぶんぶんしっぽを振り回しながら矢のような勢いで飛び出していってしまった。
着てるところを見せてもらえないのは残念だが、あきらめて顔を洗うことにする。
洗面台に差し込む朝日はドワ子に負けないくらい元気いっぱいだ。
今日も暑くなりそうだ。