――それからの話。
最初に起きたのはレウスだった。アイの寝顔を堪能しようと思った彼だが、入り口から気配を感じたので服を着、入り口に近づく。
「なぁ……そっとしといてやらないか?」
「何言ってんだ! アイツが彼女を連れて早五時間! 何しているかわからんがいくら何でも遅すぎる! 何かあったに違いないんだ! もう少しで開くから待ってろよ!」
「そうです! もし間違ってスタンにでもなっていたらどうするんですか!?」
「いや、スタンにはならないだろうに。つーかこれはどう考えても……」
「む……りん。お前何か知っているのか?」
「へ? いや、その、もしかしてだから、ハズレてるよ、きっと」
「それでもいい。何なのか言ってみてくれ」
「いや、だから、そんな事考えてないし、あの……」
「む……?」
「さぁて……そろそろ開くぜ〜♪」
「どうぞ〜♪」
そんな会話がドアの外から聞こえてくる。声からチームメイトであるのがわかった。レウスはなるべく音を立てないようにドアノブに手を当てる。
「これで……開・zy「アホしてるんじゃねぇ!」――バァン!
「ぐほぉ!」
鍵が解かれた瞬間ドアノブを回し、勢い良くドアを開ける。
当然扉を開けようとした盗賊のヒューマンは顔面を強打し、もんどりうった。
「む……元気そうだな」
「お陰様でな」
「む……そうか……」
「わ、私は止めようとしたんだからな!」
「……まぁいい。で、問題は……!」
「私急に用事が」「ちょっと痛いから保健室に」
「待たんか」
「いや本当に心配しただけだから」「うんうん別に覗こうなんて無粋な真似なんてしようとしてないから」
そういうヒューマンとセレスティアは反省の色が全く見えなかった。
「貴・様・等・はぁ……!」
まさしく今怒りの鉄拳を振り降ろそうとしたその時。
「れうすぅ……どうしたのぉ……」
ベットで寝ていた彼女の声がした。レウスが振り向くとそこには……!
――裸に男物のYシャツを羽織るようにして寝ぼけ眼を擦っているアイがいました。つまりほぼ全裸です本当にありがとうござ(ry
「な、なななななななななななぁあああ!?」
「見ちゃ駄目ぇええ!」
「む? どうしたんだ、りん?」
「あら〜♪」
「ボクミテナイヨ」
各々様々な反応をする。するとアイは
「あ、みなしゃんおはよぉございましゅ……」
トドメの一言。いち早く反応したのはセレスティアだった。
「ア〜イちゃん♪ 私といいことしようか〜♪」
「いいことぉ……?」
「はっ! って何する気だぁこんのアマァ!」
女性だろうが構わず鉄拳を繰り出すレウス。
「身代わり!」
「へ? ぐぼぉ!」
素早くそれをヒューマンでガードするセレスティア。その隙にアイを奪回する。
「危ないじゃない」
「危ないじゃないじゃねぇ! つーかアイ! 着替えてこい!」
「ん〜? ちゃんときているよぉ……?」
そう言ってほら見てみろと言わんばかりに万歳する。露出度が上がり、目を背むける。
「っ! だったらまず下を穿いてくれ!」
「した……?」
漸く目が覚めてきたのかアイはまず自分の格好に気付いた。
「あ……」
そしてすぐ傍らにレウスがいることに気付いた。
「……!」
最後に入り口に自分のチームメイト達がいることに気づいて――
「キャアアアアアアア!」
羞恥心がMAXになった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「――ヒック、もう、お嫁にいけなぃ……」
アイは先ほどの事で布団を被ったままかなり落ち込んでいた。
「……俺が嫁にもらってやるから気にすんな」
レウスは全員を締め出した後、ずっとそれを宥めてた。
「――ホント?」
「ホントだ」
「――じゃあ証拠、頂戴?」
「証拠……?」
「――さっきの、続き……駄目?」
「!? ……いいぜ」
そして彼らはそれから約1日丸ごと愛し続けたとさ。
――おしまい。
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――おまけ
ちなみに余談であるが、二人の部屋から三つばかり離れた部屋で――
「りん……?」
「ごめん……あんなの見ちゃったからなのかな……? 止められないの……」
「そうか……」
「嫌っても良い。だけど……お願い、今だけ愛させて……!」
「――りん、これからも、じゃ駄目か?」
「え……?」
「――これからも愛していいか? 付き合ってくれないか? りん」
「いいの……? 私なんかとで……」
「お前じゃなければ俺は嫌だが、お前はどうなんだ?」
「は、はい! 私で良ければ!」
「――ありがとう。……で、すまないがこのままシていいか? 俺も実は、その……発情期なのか……疼くんだ……」
「! ――うん……いいよ……きて……りゅう……」
――こうしてもう一つ新しいカップルが出来た。