それからの探索は、割と順調に進んだ。不意打ちの一件以来、各人がするべき動きを把握してきたらしく、これまでのように各々が  
好き勝手に動くようなこともなくなってきた。  
そうなってくると、元々が学園を代表する者達である。一行はあっという間に力を付け、さらに下層へと足を伸ばし始める。一つ階層が  
変わるだけでも、敵の強さは格段に変わり、時には後衛であるノームやドワーフなどが攻撃を受けることもあった。  
手強い相手の多い迷宮ではあるが、その分実入りは多い。彼等はしばらくトコヨに留まり、この迷宮の探索をすることに決めた。  
数日経つ頃には、一行はかなり深くまで足を伸ばせるようになっていた。それは各自が力をつけたということもあるが、やはり連携が  
取れてきたことが大きいのだろう。前衛も後衛も、動きのぎこちなさはだいぶ消えていた。  
ほとんどが専門職である中、フェルパーは少し忙しい立場だった。炎術師ではあるが、ヒールも使え、またドワーフの行動が遅いことも  
あって、本当に危ないときには彼が回復に回ることも多かった。また、格闘家の技能も持つため、敵が少ない、あるいは強敵の場合には  
肉弾戦を挑み、群れが出れば魔法で一掃する。そのため、彼の魔力の残り具合が、探索のやめ時を示す指標代わりにされていた。  
そんな彼に救われる機会が多かったのが、ノームである。元々生命力に劣る上、軽装である彼女は一撃が重傷となることが多かった。  
その度に、フェルパーは真っ先にヒールを唱え、あるいは危険な敵を倒し、彼女を救っていた。  
自身の危機を必ず救ってくれる彼に、ノームの態度はほんの僅かではあるが、変わり始めていた。以前のように辛辣な言葉を吐くことも  
減り、彼を見る目もそれほど冷たいものではなくなっていた。  
「なあなあ、フェルパー」  
「ん?何だ?」  
「お前さ、他の奴には仲良さそうにしてるのにさ、私だけ避けてないかぁ?」  
「あ〜……うん。悪いけど、ちょっと君は苦手で…」  
「どうしてぇー!?ぎゅってしてあげたりしてるのにーぃ!」  
「いや……それが嫌なんだ、ほんと、何度も言ってるけど」  
「ええー!?じゃあなでなでぐらいの方がいいのかな…」  
「いや、だからそれもやめてくれってば。こうやって話すぐらいの距離感がちょうどいいんだ、自分には」  
彼は嘘をつくことがなかった。というより、本人が苦手なのだろう。言い難いことでも、彼は必ずそれを相手に伝えた。  
そんなところも、ノームがフェルパーへの態度を変えた理由の一つだった。口には出さなくとも、彼女がフェルパーに信頼感を抱き始めて  
いることは、周りにも伝わり始めていた。  
そんな、ある日のことだった。いつもの如く蹲踞御殿を探索し、モンスターと戦う。幾度かの戦いを経て多少の手傷を負い始めた頃、  
彼等はサイスピアを含む群れと戦った。後列にも攻撃を仕掛けるこのモンスターは、非常に厄介な相手だった。当然、最初に狙うのは  
この危険なモンスターなのだが、運悪くこちらの攻撃をかわされてしまい、初手で相手を仕留めることができなかった。  
反撃とばかりに、敵の猛攻が始まった。  
「あっ……く、うっ…」  
真っ先にノームが狙われ、体勢の整っていなかった彼女は攻撃をまともに食らってしまった。依代はひどく破壊され、素人目にも彼女が  
危険だということはわかった。だが、その直後。  
「うあっ!!痛ててて…!」  
暴れ歯車の攻撃を受け、クラッズが吹っ飛ぶ。こちらも命の危険とまではいかないが、かなりの重傷を負ったようだった。一歩遅れて、  
バハムーンがサイスピアの頭を砕いた。  
「ノーム!クラッズ!」  
「く……だ、大丈夫だよフェルパー……これぐらい、何とも…!」  
「……う……う…」  
放っておけば、確実に死に至るノーム。そこまでではないにしろ、かなりの重傷のクラッズ。二人の姿を見比べ、フェルパーは  
目を瞑った。  
 
「クラッズ、無理はするな!」  
フェルパーが詠唱すると、クラッズの体を柔らかい光が包み、傷が癒えていく。それを受けて、クラッズは再び立ちあがった。  
「ごめん、ありがとうフェルパー!」  
クラッズはすぐに駆けだすと、たちまち暴れ歯車一体を切り伏せた。別の暴れ歯車から反撃を受けたものの、クラッズはもうそれを  
受けるような不覚は取らなかった。彼がそこから飛び退いたのを見届けると、バハムーンがブレスを吐きだし、それで残りの敵も  
片付いた。  
「みんな、お疲れ様。こっちはもうちょっと……っと、もういいよノーム。処置完了」  
「ノーム、大丈夫か?」  
フェルパーが声を掛けたが、ノームは答えなかった。そしてゆらりと立ちあがると、ぼそっと呟く。  
「……どうして…」  
「え?」  
「どうして……どうして、助けてくれなかったのっ」  
強い怒りと悲しみを帯びた目で、ノームは叫んだ。  
「お、おいノーム…!」  
「本当に……本当に、死にそうだったのにっ……あんたもやっぱり、あたしなんかより幼馴染の方が大切なんだっ」  
「おい、落ちつけ……そりゃ、その言葉を否定はできないよ。こいつは古くからの親友だから。けど、自分はそんな理由で…」  
「嘘だっ」  
「嘘じゃないって!いいか!?あの状況だと、もう君に攻撃できる奴はいなかった!だけど、クラッズは前列にいて、あのまま攻撃を  
受けたら確実に死んだ!だから、クラッズの方が危険だって判断して、こっちにヒールを唱えたんだ!それに、あれほどの怪我なら  
ドワーフに任せた方が確実だろ!」  
その言葉を、ノームは表情を変えずに聞いていた。だが、やがてその顔に以前のような嘲笑が浮かぶ。  
「……そう言えば、こっちは何も言えない。言い訳としては、完璧よね」  
「言い訳って……だから自分は…」  
「信じてたのにっ」  
悲しみに満ちた声で、ノームは叫んだ。その一言で、ノームがどれほど彼を信じていたかが、周囲にも痛いほどに伝わった。  
が、それを聞いた瞬間、フェルパーの表情が一変した。  
「……信じてたぁ?」  
「ちょ、ちょっとフェルパー!待って!やめ…!」  
制止しようとするクラッズを振り払い、フェルパーは怒りに満ちた目を向けた。  
「ふざけんじゃねえぞ、この馬鹿野郎!!」  
あまりの豹変ぶりに、ノームのみならず、バハムーンまでビクリと肩を震わせた。  
「言い訳としては完璧?はっ、そりゃ俺の台詞だ!信じてた、ね……信じないって言ってた奴に信じられてたってわかれば、相手が  
折れてくれるとでも思ったのかよ?ああ!?」  
初めて見せる、感情を剥き出しにしたフェルパー。他の仲間は誰も止めることができず、遠巻きに二人を見つめることしかできない。  
「都合のいい言葉だよな、『信じてた』とかよ……お前は結局、俺のことなんか見てもいなかったんだ!ただお前に都合のいい俺の  
幻想を作りあげて、それが俺だって勝手に『信じてた』だけじゃねえか!」  
「……でも、否定しないんでしょっ、だったら結局…」  
「ちっ、胸糞悪い……お前にとっちゃ、俺は私情で仲間を見捨てる奴にしか見えなかったんだな……信じてたのにって、それもこっちの  
台詞だよ…」  
寂しげに呟くと、フェルパーは小さなため息をついて黙り込んだ。ノームも彼の言葉がよほど効いたのか、何も言えなくなっていた。  
 
二人の間に、さりげなくディアボロスが割り込んだ。それに続き、ドワーフも二人に近づく。  
「はいはいはい、痴話喧嘩はもう終わり?」  
「……痴話喧嘩じゃない」  
「似たような感じだったけどねー。とにかく、それ以上続けるつもりなら戻ってから宿屋で…………二人で……痴話…」  
「……ドワーフ?ドワーフ!?」  
「あ、ああっ、とにかくそういうことですよ!他のみんな、二人の言い合い終わるまで待ってたんだから。そろそろ探索再開しようよ」  
「そうか……ごめん、悪かったな」  
気の抜けたように言うと、フェルパーは持ち場に戻った。ノームはしばらく俯いていたが、ディアボロスが手を差し出すと、それを  
追い払うように腕を振り、隊列に戻る。  
それからのノームは、見るからに元気をなくしていた。もちろん、戦闘や罠の解除などはまともにこなしているが、そうでないときには  
しょんぼりと俯いていることが多く、その姿は見ていて痛々しかった。  
それに見かねたのか、バハムーンが声を掛けた。  
「お前、いいよなー。フェルパーと喧嘩できて」  
突然かけられた訳のわからない言葉に、ノームは不快そうな顔で彼女を睨んだ。  
「何が」  
「だってさー、私なんか喧嘩にもならないんだぞー?」  
「……それはあんたが、相手にされてないだけでしょ」  
「そうなんだよー。だからいいよなーって」  
自業自得だ、と返そうとしたが、そこでノームは彼女の言いたいことに気付いた。  
「そもそもさー、喧嘩って本心ぶつけ合わないとできないんだぞー。だから喧嘩できるっていうのはさ、その、ええっとぉ……そう!  
信頼関係ないとできないんだからなー」  
「………」  
それ以降、ノームはますます沈鬱な表情になり、すっかり黙ってしまった。対するフェルパーも、ほとんど喋ることもなく、黙々と  
戦闘や探索をこなしていた。  
再び大きな事件が起こったのは、その数分後だった。  
モンスターの不意打ちを受け、またもノームが重傷を負い、さらにフェルパーも手傷を負った。  
何とか体勢を整え、敵に向かい合う一行。先程と似たような状況に、ノームは自身へのヒールが来ないことを知っていた。傷ついた体を  
何とか動かし、打根を投擲しようとした時だった。  
柔らかい光が全身を包み、傷が塞がっていく。ノームは一瞬、何が起きているのかわからなかった。  
「……え」  
視線を滑らせると、フェルパーがこちらに手をかざし、ヒールを詠唱していた。だが、その後ろにはジジンガが迫っている。  
「フェルパーっ」  
「むっ!よっと……くっ、あつつ…!や、やば…!」  
ジジンガの攻撃をかわした直後、傷の痛みに動きが止まってしまった。そこへ、サイスピアが突撃する。さすがにかわしきれず、  
一瞬後、サイスピアの角がフェルパーの腹を突き刺し、背中まで貫いた。  
「ぐあああぁぁ!!」  
「うわわわっ!?大丈夫かお前ー!?このっ、放せぇー!!」  
ウォーピックを思い切り振りおろし、バハムーンが角を叩き折る。そこへさらにジジンガが迫ったが、ノームが素早く打根を投擲し、  
その体を刺し貫いた。  
 
解放されたフェルパーは、角を掴んだままその場にへたり込んだ。真っ先にドワーフが駆けつけ、他の仲間も残りの敵を片づけると  
駆け寄ってくる。  
「あっつつつつ…!」  
「はいはい、みんな邪魔。そこ、影作らないで……おー、さすが格闘家。急所だけはしっかり外してるね」  
当たる瞬間に体を開いたのだろう。角が貫いたのは脇腹から背中への僅かな部分であり、そこまで致命的なものではなかった。しかし、  
重傷には変わりない。  
「お願い、どいてっ……フェルパー、どうして…」  
駆け寄るなり、ノームはフェルパーの顔を覗き込んだ。痛みに顔を歪めつつも、フェルパーは何とか笑顔を作った。  
「あ、ああ……いや、な……後で考えたらさ……そりゃ、死にかけてるのに放っておかれたら……怖かったよなって……思ってさ…。  
今回、似た感じだったから……俺も、そんなひどい怪我じゃなかったし、お詫びのつもりで……結果は、迷惑かけちゃったな…」  
「フェルパー、喋らないでよ。処置しにくいから」  
「フェルパーさ、それノームにも失礼じゃないの?」  
後ろから、クラッズが厳しい口調で話しかける。  
「それってさ、つまり君の言葉を、ノームが聞かないと思ったからでしょ?あれだけ言っておいて、結局自分の行動変えるとかさ…」  
「やめてよ、小さいのっ。フェルパー責めないでっ」  
そのノームが、クラッズを睨みつける。  
「だって……あたしが、わがまま言って……そのせいで、フェルパー…」  
「ノーム、邪魔。クラッズ、患者を刺激しないで。あとフェルパー、動かないで」  
折れた角を強く掴み、ドワーフは慎重に引き抜いていく。相当な痛みを伴っているはずだが、フェルパーは歯を食いしばり、呻き声一つ  
あげずに耐えている。  
「うわ、痛そ……私、血はダメだー。無理。あっち行ってる」  
「そのまま帰ってこないでね」  
ようやく角を抜き終わると、ドワーフは傷口に手を当て、ヒールの詠唱を始めた。  
「くっ……と、とにかく、ごめんな……みんなに、迷惑かけまくってるな…」  
「ううん、フェルパーのせいじゃない。あたしが、変なこと言ったせいで…」  
「よせよ……あの状況じゃ、ああ言いたくなるのもしょうがな…」  
「二人とも……だ・ま・っ・て・よ!!」  
言うなり、ドワーフはノームとフェルパーの頭をダガーの柄で小突いた。結構力が入っていたらしく、辺りにガツッと鈍い音が響く。  
「ドクターの言うことはちゃんと聞くのー!ただでさえ重傷なんだからー!喋ってると処置しにくいって、何度も言ってるでしょー!?  
いい加減にしないと、治療やめて解剖の標本にするよ!?」  
「あつつ……わ、悪かったよ…」  
「まったくもう!魔力も無駄に使っちゃったしさー、今日はここで帰らない?ドクターとしては、これ以上の探索はお勧めできないよ」  
「うーん、その方がいいかもね。二回も重傷者出てるし……よし、帰ろうか」  
 
結局、そこで探索は終了となった。フェルパーの処置が済んだところで、離れていたディアボロスとバハムーンを呼び寄せ、クラッズは  
帰還札を使った。  
宿への道すがら、ノームはちょんちょんとフェルパーの肩をつついた。  
「ん?何だ?」  
「あの、今日は本当に……ごめんなさい…。いっぱい、迷惑かけた…」  
珍しく神妙な顔つきをするノームに、フェルパーは笑いかけた。  
「いいっていいって。俺だって言うこと言ったし、もうそのことは水に流してさ、また仲良くやろうよ」  
そして、フェルパーは右手を差し出した。最初はその意味がわからなかったが、握手を求められているのだと気付き、ノームはおずおずと  
その手を取った。  
指先が触れた瞬間、フェルパーは彼女の手をがっしりと握った。  
「よろしくな!」  
「う、うん」  
そんな二人を、クラッズは意外そうに見つめていた。やがて、フェルパーが宿に向かい、彼と握り合った右手を見つめるノームが残る。  
「へえ……珍しいなあ、フェルパー」  
「……いたの、小さいの」  
もはや、この呼び方にもすっかり慣れてしまい、クラッズは気にする風もなく続ける。  
「普段はもうちょっと、慣れるの時間かかるんだけどねー。ノームには、もうフェルパー全然人見知りしてないや」  
「そう、なの」  
「フェルパーさ、君と話してる時、自分のこと『俺』って言ってるでしょ?慣れてない人にはさ、あいつ『自分』って言い方するんだよ。  
気付いてた?それだけ、君のこと気にかけてるんだろうね」  
彼の言葉は、ノームに大きな喜びの思いと、それをかき消すほどの困惑を与えていた。  
一人の部屋に戻ると、ノームは荷物を投げだし、ベッドの上で膝を抱えて座り込んだ。  
「………」  
右手を見つめる。そこにはまだ、フェルパーの手の温かさと力強さがはっきりと残っていた。  
「もう……誰も信じないって決めたのに…」  
一人呟き、ノームは顔を伏せる。  
「どうせ……どうせ、同じなのに……こんな気持ち……ならないって、決めたのに…」  
震える声で呟くノーム。だが、彼女が涙を流すことはなかった。顔は泣いていても、その目に涙が光ることはない。  
ノームはそのまま一晩中、ずっと声も涙もなく泣き続けていた。  
 
それから数日。あれ以来これといった事件もなく、日々が過ぎていく。ノームとフェルパーの関係も思ったよりは変わらず、周りとしては  
些か拍子抜けするほどだった。とはいえ、二人とも喧嘩をした分、相手への理解は深まったらしく、時にはしっかりと連携を取って  
攻撃を仕掛けることもあるようになった。しかし、やはりそれ以上の進展はない。  
その日も、一行はいつものように蹲踞御殿の探索を終え、宿へと戻った。部屋に戻り、ノームはいつものように錬金術の本を開くと、  
黙々と読み始めた。初日こそ二人部屋だったものの、最近は個々で部屋を取れることが多く、ノームも一人でいることが多い。  
ノームはそんな一人の時間を大切にしていたが、それは不意のノックの音に破られる。  
「……誰」  
不機嫌そうに尋ねるノーム。しかし返ってきた声に、彼女は目を丸くした。  
「じ……俺だよ。ちょっといいかな?」  
「え、あ、フェルパー。うん、えっと、ちょっと待って」  
鍵を開けると、フェルパーは優しげに笑って挨拶し、部屋に入ってきた。ノームは本に栞を挟んで閉じ、フェルパーに椅子を勧める。  
「それで、何の用事」  
「んー、そうだな……時間とらせてもなんだし、いきなりだけど本題な」  
気持ちを落ち着かせるように息をつくと、フェルパーは口を開いた。  
「君さ、この前以来、俺のこと避けてない?」  
「……どうしてそう思うの」  
避けるどころか、付き合いが良くなっているのは周知の事実である。だが、聞き返すノームの表情は硬かった。  
「いや、確かに、何て言うか、仲良くなった気はするんだ。でも、肝心なところで避けられてるっていうか……えーとね、例えるなら、  
擦り寄っては来るのに、絶対にお腹は見せないというか……最後の最後、一番深いところで信用されてないって、そんな感じ」  
「………」  
「俺の勘違いならいいんだけどさ、何か君……一定以上、仲良くなろうとしてない気がするんだよね」  
フェルパーは反応を探るようにノームを見つめるが、彼女は何も答えなかった。  
そのまま、二人とも喋らなかった。ただ、フェルパーはノームを見つめ、ノームは視線を避けるように俯くばかりである。  
沈黙を先に破ったのは、ノームの方だった。  
「……あたしの手」  
「え?」  
「握った時、どう思った」  
「どう……って?」  
意味がわからず聞き返すと、ノームはフェルパーの目をまっすぐに見据えた。  
「普通じゃないでしょ、この体」  
「……ああ、まあ言われてみれば、なんか手触り違うよね。でもそれは、依代っていうのもあるし、しょうがないんじゃないの?」  
「しょうがない、ね。本当にそう思う」  
「うん、俺はね」  
「ふーん」  
気のないように言って、ノームは不意にニヤリと笑った。  
 
「ねえ、フェルパー」  
「何?」  
「抱いてほしいって言ったら、どうする」  
「は?」  
突然の質問に、フェルパーは目が点になった。  
「やっ、いや……どうもこうも……ダメ。今禁欲記録更新中だから」  
「そうよね、断るよね。適当な理由付けてさ」  
「適当なって、ほんとだぞ!?大体それと別に、いきなり抱いてくれって…!い、いきなりそんなこと出来ないだろ普通!?」  
「そうね、それにこんな体だし、無理もないわ。正直に、お前じゃ無理だって断ってもいいのに」  
「………」  
フェルパーは深い溜め息をつくと、それまでとは違う目でノームを見つめた。  
「なるほど……それだけ挑発しまくっておいて、あとで泣き言とか言わないだろうな?」  
「脅しならいらないけど」  
「俺だって男だし、禁欲中だったって言っただろ?抑えが利かなくなるかもしれないけど、文句言うなよ」  
言うが早いか、フェルパーは椅子から立ち上がると、ノームの体を強引に抱き寄せた。  
「あっ……フェルパー、男の顔になってる」  
「君がそうさせたんだろ、ったく……一応断っておくけど、俺初めてだから、気遣いとかあんまり期待しないでな」  
そんなことをわざわざ断る辺りが、やはりフェルパーらしい。ノームは呆れ半分に笑いつつ、彼の顔を見つめる。  
「いいよ、別に。フェルパーのしたいようにして」  
フェルパーの顔が近づく。ノームは目を瞑り、それに応えようとしたが、彼はノームの唇ではなく、耳に口を付けた。  
「ひゃっ」  
初っ端の不意打ちに、ノームは思わず悲鳴を上げた。それに構わず、フェルパーはノームの耳朶を噛み、舌を這わせ、なぞる。  
「い、いきなり……ふあっ、あっ、んんっ…」  
ノームは力なくフェルパーの体を押し返そうとするが、元々本気ではないのか、それとも力が入らないのか、何の抵抗にもなっていない。  
そのためフェルパーも構うことなく、彼女の耳をしつこく刺激している。  
甘噛みだったものが、少しずつ顎に力が入り始める。しかし、それが痛みになった瞬間、フェルパーは見計らったように口を開き、  
噛んだ部分を舌先で丁寧に舐める。交互に来る痛みとくすぐったさに、ノームは容易く翻弄された。  
「やっ……フェルパー、だめ……痛いのと優しいの、交互にしないで…」  
「そう。じゃ、こっちは?」  
言うなり、フェルパーは片手をノームの胸に這わせた。途端に、仰け反っていたノームの体が前のめりに変わる。  
「あうっ……そこも、やっ……んあっ…」  
「……君、もしかしてかなり敏感?」  
どことなしに楽しげな笑みを浮かべて聞くと、ノームは少し唇を尖らせた。  
「と、盗賊用に、感覚特化の神経調整してるから……んっ……あ、あまり遊ばないで…」  
「遊んでない。俺は真剣だよ」  
本気なのか冗談なのか、フェルパーはそう言うと耳から口を離し、ノームを後ろから抱き締めるように体勢を変えた。そして、今度は  
両手で彼女の胸をまさぐり始める。  
 
「うあ、あ……フェルパー、そんな……あっ」  
服の上からでも、それは十分な刺激だった。フェルパーの手が動く度に、ノームは体をよじり、小さな喘ぎ声を漏らす。  
その反応が面白いのか、フェルパーはノームの胸から手を離さず、時に強く、時に弱く、反応を探りながら揉み続ける。  
「フェルパー、そんな、胸ばっかり……やっ…」  
首を反らした瞬間、フェルパーが再び耳を噛んだ。そのために首の動きまで封じられ、ノームはただ震えながら快感に耐える。  
だが、今度はさほど長くはなく、フェルパーは耳朶を甘噛みしてから一舐めすると、不意に口を離した。  
「耳の感触とか、確かにちょっと違うね。なんか面白いな」  
それを聞いた瞬間、ノームの体がピクッと震えた。同時に、それまであった嬌声も減り、震えが一層強くなる。  
「……くっ……うう…」  
フェルパーはその変化に気付かない。そのため彼女を気遣うこともなく、右手を少しずつ下へと滑らせていく。  
胸を撫で、腹を通り、スカートをまくったとき、ノームは突然、本気の抵抗を始めた。  
「やっ、やっぱりダメっ、お願いフェルパー、もうやめてっ」  
「な、何だよいきなり!?泣き言とか言わないって…!」  
「そうじゃないのっ、とにかくダメ、もうダメなのっ、お願いだから、もう許してっ」  
体をよじり、抱き締める手を引き剥がそうとし、ノームは必死に抵抗する。だが、暴れれば暴れるほど、フェルパーはますます強く  
抱き締める。  
「元々、君が言いだしたことだろ。やめてやんない」  
「ダメっ、ダメぇっ」  
左手でがっちりとノームを押さえつけると、フェルパーは右手をスカートの中へ滑り込ませ、そしてショーツの中へと突っ込んだ。  
途端に、ノームの抵抗は止み、同時にフェルパーの動きも止まった。  
「……あれ?」  
「う……うぅ……だ、だからダメって言ったのに…」  
今にも泣きそうな顔で、ノームは声を震わせる。  
そこには、何もなかった。それこそ、ただの人形のようにつるりとした手触りがあるだけで、本来あるはずのものは存在していなかった。  
「君……ここ、作られてないの?」  
「……どうせ、あたしは普通じゃないもん……フェルパーも、もうあたしのこと嫌いになったでしょ…」  
「なんでそうなるのよ?」  
フェルパーが言うと、ノームは不安げな顔で彼の顔を見上げた。  
「嫌いに……ならないの」  
「別に、嫌いになるようなことじゃないだろ。そりゃ、まあ、期待した分残念ではあるけどさ…」  
「だって、だって……前に付き合ってた奴には、これでフラれたから…」  
「………」  
彼女の言葉に、フェルパーは大きな大きな溜め息をついた。  
 
「……ノーム、君に心底がっかりしたのはこれで二回目だよ…」  
「やっぱり、できないのが…」  
「違う、そこじゃない。あのさ、どうして君は、そう最低な相手を基準にしちゃうのかなあ。そんなのと俺を比べるなよ」  
怒りを通り越してすっかり呆れてしまったらしく、フェルパーの声は溜め息混じりのものだった。  
「そもそも、それ事前に君は伝えたのかい?」  
「……ううん」  
「なら、そりゃ君にも少しは責任あるだろ。君から誘っておいて、いざその時がきたら『実はできません』なんて、馬鹿にされたと  
思っても不思議じゃないぞ。俺だってちょっと思ったし」  
「でも……『やれない女なんか価値ない』って言われた…」  
「ああ、じゃあ最低なのは変わりないな。なおさら、俺をそんなのと一緒にしないで」  
言いながら、なぜかフェルパーはノームの服を脱がせにかかっていた。  
「ちょ、ちょっと、フェルパー何してるの」  
「何って、続きだけど」  
「え、あの、だってあたし、できる体じゃ…」  
「交わるばかりが、抱くってことでもないだろ?それに、君も気持ちいいみたいだし、俺もせっかくだから、気が済むまで触ることにした」  
「ええっ、で、でもフェル……きゃっ」  
前をはだけさせると、フェルパーはノームを軽々と抱き上げ、ベッドの上に置いた。そして彼女が逃げる暇を与えず、その上に覆い被さる。  
「フェルパー、待っ……んんっ」  
再び耳を噛みつつ、舌先で優しく撫でる。抵抗が弱まった瞬間、さらに片手を胸に伸ばし、全体を包むように揉みしだく。  
「うっ、あ…」  
「……ん、よく見たら、乳首もついてないんだね。でも先端は気持ちよかったりする?」  
言いながら、フェルパーは何もない乳房の頂点を指先で撫でる。  
「んんん……わ、わかんない……気持ち、いいけど…」  
「じゃあ続行」  
先程の言葉通り、フェルパーはこの状況を存分に楽しんでいるようだった。ノームとしても、この初めての感覚は思った以上に  
気持ちよく、このままずっと続けて欲しくもあったが、頭のどこかでそれではダメだという思いが生まれていた。  
「やっ……また耳…」  
だが、またも耳を舐められると、あっさり快感に流されそうになってしまう。それでも必死の思いでそれに抵抗し、ノームは何とか  
声を絞り出した。  
「あう……フ、フェル、パー……お願、い……んうっ……ちょっと、やめて…」  
それまでと異なる口調に気付き、フェルパーはすぐに体を離した。  
「ん?どうしたの?」  
「あ、あの…」  
ノームは恥ずかしげに視線を逸らしていたが、やがておずおずとフェルパーの顔を見上げた。  
 
「あの……試すようなことして、ごめんなさい…。えと、それで、それのお詫びと……気持ちいいの、あたしだけだから……その、  
お返し、したいな…」  
一瞬意味を考え、それを理解すると、途端にフェルパーの尻尾が落ち着きなく動き始める。  
「あ、いや……これでも、結構楽しんでるつもりだけど…」  
「……ダメ、かな」  
「ダメ、とは別に言わないけど…」  
「じゃあ、する」  
腕を伸ばしてフェルパーの体を抱き、自分の横に寝かせると、ノームは彼の下半身に手を伸ばした。  
指先が、硬いものに当たる。触れると同時に、フェルパーが小さく呻いた。  
「あ……大丈夫」  
「ああ、平気……気にしないで」  
ズボンの上からでも、はっきりとわかるそれに、ノームは一瞬たじろいだ。しかしすぐに気を取り直し、まずはズボンを脱がせにかかる。  
ベルトを外し、ズボンと下着を一緒に下ろすと、ピクンピクンと脈打つそれをそっと握る。  
「すごい……熱くて、動いてる…」  
そう呟くと、ノームはゆっくりと手を動かし始める。  
「くっ…!」  
同時に、ノームの肩に置かれたフェルパーの手に、グッと力が入った。  
「あ……痛かったかな…」  
「あ、いや、全然痛くない……気持ちいいよ」  
「そ、そうなんだ……嬉しいな」  
自分の手で、フェルパーが気持ちよくなっている。それだけで無性に嬉しくなり、自然と笑みがこぼれる。  
もう少し早く手を動かす。彼女の手の中で、フェルパーのモノはますます硬くなり、感じる熱さもそれに比例する。  
「くぅぅ…!うっ……あぁ…!」  
ノームの肩を掴む手に、さらに力が入る。快感を耐えるフェルパーの顔は、もはや苦悶に近いものになっている。つまりは、それほどに  
気持ちいいのだということに気付き、ノームは何とも言えない喜びを覚える。  
できることなら、もっと気持ちよくなって欲しい。そう思った時、ノームの頭にふと、ドワーフから借りた辞書のことが浮かんだ。  
「……今度は、口でしてあげるね」  
「え……うああっ!」  
言うなり、ノームはフェルパーのモノを口に含んだ。唾液すら出はしないが、自身のモノを咥えられるということ自体が、フェルパーに  
激しい興奮をもたらす。  
 
ノームは咥えたまま先端を舐め、一度口を離すと、根元を横から唇で咥えた。そして、甘噛みを繰り返しながら、ゆっくりと先端へ  
口を動かしていく。  
「あっ……ぐっ、ノームっ…!やばっ、ごめっ……もう出る!」  
「え、きゃっ」  
顔をあげた瞬間、フェルパーのモノが大きく震え、顔面に白濁液が吐き出される。驚きはしたものの、ノームはすぐさま彼のモノを  
再び口に含んだ。  
二度三度とモノが脈打ち、その度にどろりとしたものが口の中に注ぎ込まれる。それを何度か繰り返し、やがて動きが止まると、  
ノームは強く吸いながら、一度根元までを口に含んだ。  
「うう……ノーム…!」  
肩を痛いほどに掴んでいた手から、少しずつ力が抜けていく。それを見計らって、ノームは強く吸い上げながら、チュッと大きな音を  
立てて口を離した。  
「……んく……はあ……顔にも、いっぱいかかっちゃった…」  
「ご、ごめん……我慢できなくて…」  
「ううん、いいの。気持ちよくなってくれて、嬉しかった。ん〜……これ、もったいないなあ」  
言いながら、ノームは顔にかかった精液を指で掬った。  
「いや、もったいないようなもんじゃないよ…」  
「でも、フェルパーが出したものだし……あたしの口で、出してくれたものだもん。んっ…」  
無邪気な笑顔を浮かべながら、ノームは精液を掬った指を口に含んだ。それも同じように飲み下すと、ノームはフェルパーを見つめる。  
「……こんな体でも、気持ちよくなってくれるんだね」  
「そりゃ、まあ……体が人形でも、女の子には違いないしね」  
「ふふっ」  
もはやノームの表情は、それまでとは完全に別人だった。あの冷たい表情はどこにもなく、むしろどこにでもいる少女のような笑顔を  
浮かべている。そんな彼女の顔を見て、フェルパーは純粋に彼女を可愛いと思っていた。  
「ね、フェルパー……キス、してほしいな」  
「や、その、ごめん……もうちょっと早く言ってくれたらできたけど、さすがにその口は…」  
「あ、そっか。失敗しちゃったなあ。んー、じゃあ今度、してほしいな」  
「……じゃ、今日はその代わり」  
そう言うと、フェルパーはノームをぎゅっと抱きしめた。一瞬目を丸くして驚き、そしてノームは満面の笑みを浮かべた。  
「ね、フェルパー」  
「ん?」  
「フェルパーは、あたしのこと……女の子だって、思ってくれるんだよね」  
「ああ、もちろん……それぐらい、信じてくれよ」  
おどけて『信じてくれ』を強調するフェルパーに、ノームもわざとらしく頬を膨らませて見せる。  
「もう、そう言う人は信じられないって言ったのに」  
「はは、知ってる。冗談だよ」  
「……でも、フェルパーになら」  
彼の胸にしなだれかかり、ノームは静かな声で続ける。  
「信じろって言われたら、信じるよ」  
「そっか……ありがとな」  
そのまま、どちらからともなくベッドに寝転ぶ。ノームが甘えるように体を擦り寄せると、フェルパーの尻尾が腰を抱き寄せた。  
嬉しそうな笑みを浮かべ、目を瞑る。それを見てから、フェルパーも静かに目を瞑った。  
少し前なら、触れられることすら嫌だった他人の体。それに大きな安らぎを感じながら、ノームは幸せな眠りに落ちていった。  
 
翌日、一行は探索には行かず、その日一日を休養日にすることに決めた。宿を出て交易所を覗いたり、辺りをふらふらと散歩したりと、  
それぞれ好き勝手に過ごしていたが、やがて誰からともなしに集まりだし、結局は六人揃ってのんびりと過ごしている。  
そして今、暖かい気温に誘われ、フェルパーがのんびりと昼寝をしている。他の仲間はそこからやや離れたところにいたが、ノームは  
彼の方をじっと見つめていた。  
―――ああは言ってくれたけど…。  
フェルパーを見つめながら、ノームはぼんやりと考えていた。  
―――本当に……本当に、そう思ってくれてるかな……あたしのこと、気遣ってくれただけじゃないかな…。  
男女の関係を持ち、一緒に寝た仲だとはいえ、やはりノームは不安だった。もちろん、彼を信じたいという気はあるのだが、  
心のどこかで期待してはいけないという気持ちが働いてしまう。彼の優しさを知っている分だけ、不安も大きい。  
本心を探る方法は、一つだけある。ノームはしばらく躊躇っていたが、やがて意を決したようにフェルパーの側へ近寄る。  
熟睡しているらしく、近くまで来てもフェルパーは目を覚まさない。寝顔をじっと見つめ、やがて彼の頭におずおずと手を伸ばす。  
「……んん〜…」  
小さな鳴き声と共に、フェルパーが薄く眼を開く。その目は、ノームの手をじっと見ていた。  
直後、フェルパーの手が伸びた。ノームは驚いて手を引っこめようとしたが、フェルパーの方が僅かに速かった。  
「あ…」  
フェルパーはノームの手を掴み、両手で自分の頭にぎゅうっと押し付けると、足をピンと伸ばした。  
「んぐるぁー…」  
伸びをしながら甘えるような鳴き声をあげると、フェルパーは大きく息をつき、再び眠りについた。ノームは手を取られたまま呆然と  
していたが、やがてその顔に弾けるような笑顔が浮かんだ。  
「ふふっ」  
もう片方の手で頭を撫でてやる。フェルパーは耳をパタパタと動かしつつ、安らかな寝息を立て続けていた。  
 
そんな二人の様子を、他の仲間は唖然として見つめている。  
「何、あれ…?ノームって、あんな顔できたんだね」  
クラッズが言うと、バハムーンも頷いた。ディアボロスも、未だ会話をしたことはないものの、一緒に頷いている。  
「ノームいいなー。私が近づいたら、引っ掻かれそうになったのにさ……どうやってフェルパー懐かせたんだろ?」  
「そりゃあ、あんな喧嘩もしたんだしさ。やっぱり体……体、張ったんだと……思いますよ…」  
ドワーフが遠い目をしながら、それに答える。  
「だよなー。でも、私も結構、体張ってると思うんだけどなー。抱っことかしてあげてるのに…」  
「そうね……抱いたり……撫でたり……舐め…」  
「……ドワーフ?大丈夫?なんかボーっとしてない?」  
クラッズの言葉に、ドワーフはハッと我に返ったようだった。  
「だ、大丈夫ですよ!?わふっと普通ですよ!?」  
「……君、時々丁寧語になるよね。まあいいけど。ノームも少しは、丸くなってくれたかな?」  
言いながら、クラッズは立ち上がると、二人の方へ歩き出した。  
「やあノーム、フェルパーは…」  
「来るな、小さいの。あっち行ってよ。邪魔しないで」  
「……はい」  
あっさりと追い返され、クラッズはすごすごと引き上げる。  
「全っ然丸くないや。むしろ、前より刺々しくなってるような…」  
「あははー、懐いたのはフェルパーだけになんだなー。でもほら、フェルパーには懐いたんだし、のんびりやってこうな」  
バハムーンが言うと、全員が頷いた。そして、全員の目がディアボロスに向く。  
「……お前も、まだ一回も喋ってるの見たことないけど……喋れるよな?」  
ディアボロスはこくんと頷く。とりあえず、喋る気はないらしかった。  
「声は結構渋いのにねー。喋ったらかっこいいと思うんだけどなあ」  
「だよなー。顔は女っぽいけど、声は低いもんなー」  
「あはは。そういう意味では、喋らないから余計に女の子っぽく見えるのかもね」  
何だかんだで、楽しく話す一行。そこから少し離れ、幸せそうなフェルパーとノーム。  
それぞれに着る制服は異なるが、もはや彼等は立派な一つのパーティとなっていた。  
今までの仲間と別れ、始まった新たなパーティでの旅。仲間との旅は、始まったばかりである。  
 
 

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