「くぅ…はぁ…」  
窓から差し込む月明かりが白い彼女の肢体を照らす。  
「お願いします…ご主人様…早く、早くください…」  
「ホント、エルフはエッチな子ね…」  
懇願する彼女の首に吸いついて所有の証を刻みつける。  
「駄目…ご主人様…また…また痕が残っちゃう…」  
恥ずかしそうに首を隠すエルフの腕を私は笑って引きはがした。  
「隠す必要なんかないじゃない…どうせ、貴方が処女じゃないのも、私とこんなことをしてるのも、皆にはもうバレてるんだから…」  
くすくすと笑うとエルフが顔を赤く染めた。  
「でも…」  
「うるさい子…」  
それでも私に口答えをする彼女の胸のふくらみを強くつまんだ。  
「きゃふぅ!!」  
血がにじむくらいの力でつまんだのに、彼女の口から洩れた声は快感に震える女の声。  
―私のモノだ…―  
暗い思いが私の心を覆う。  
彼女と愛を誓ったのに、私の心は何かを恐れて怯えている。  
その思いを振り切るように激しく彼女の中を掻きたてた。  
「くはぁ!ご主人様!激しい!激しいです!!」  
「激しいのが良いんでしょう?苦しいのが良いんでしょう?」  
「はい!はい!ご主人様に激しくされて…とってもとっても気持ち良いです!」  
涙目で彼女が肩を震わせる。  
「正直ものにはご褒美ね…どうしてほしいの?」  
「ご主人様の指で…イカせてください…」  
頬を真っ赤に染めながらエルフが私に懇願する。  
「分かったわ…それじゃ、一気に行くわよ…」  
彼女の体を転がして、うつ伏せに倒し、腰を掴む。  
「ああ…うれしい…うれしい…」  
快感で体に力を入れられないらしい彼女の膣を指でめちゃくちゃに蹂躙する。  
「はぁ…!くぅ…!イッちゃう…気持ち良すぎて…イッちゃう…」  
ぶるぶると彼女が肩を震わせた。  
 
「良いわよ…エルフ…イキなさい…」  
彼女にとどめをさすように、控えめな彼女の小さな真珠に私は歯を突き立てた。  
「きひゃぁぁぁ!!」  
大きな叫び声をあげて、彼女の背中がそりかえり、手足がピンと張って収縮する。  
彼女の中の私の指がぎゅうぎゅうと強く締め上げられる。  
「ああ…なんで!なんで!止まらない…イクのが止まらない!!」  
びくびく震えながらエルフが潮を噴き上げる。  
痛みを快感に感じてしまう彼女には最後のとどめは強すぎたらしい。  
吹きだすそれを口で受け止め、彼女の味を存分に味わう。  
「ご主人様助けて…イキっぱなしで…怖いんです…」  
「あらあら…それは大変ね、もう一回イケば少しは収まるかもよ?」  
涙目の彼女を抱きしめてその中を再び蹂躙する。  
「うぁぁ!変になっちゃう…はぁぁ!」  
エルフが強く私の体を抱きしめる。  
再び彼女が達して、今度はそのままベッドに倒れた。  
「収まったかしら?」  
くすくすと笑うとエルフがとろけた表情でキスを求めてきた。  
その求めに応じてキスをする。  
私は彼女が大好きだった、彼女も私を大好きだと言ってくれる。  
それなのに…  
―何で私は女なんだろう―  
心の中で、私はそんなことを思っていた。  
 
 
「…というわけなのよ」  
プリシアナではなくドラッケン学園の図書室、渡された紅茶を飲みながら、向かい合うヒューマンの少女に自分の悩みを語った。  
「いや、というわけなのよ、じゃないから…、何で妹の生活もとい性活相談されてるの私?」  
「聞きなさいよ、同じ趣味を持った同士でしょ?しかも姉なら妹の悩みの相談ぐらい聞いてくれても良いじゃない、エリス」  
エリス、それが目の前のヒューマンの少女の名前だった。  
学園こそ違えど同じ冒険者を目指し、そして同じく同性の彼女を持つ仲間。  
そして何より血のつながった私の姉。  
「私はむしろ、未だに他のチームのメンバーに打ち明けられてないから、そんな話を聞かされて妬ましいよ、できればシュトレンと毎日したいし」  
「すれば良いじゃない、夕食の後のデザートに彼女とか最高よ?」  
「殴るよ?デザートだと私が食べられそうだけどね、パティシエだし」  
彼女の焼いたクッキーを食べながら私達は悩みを話す。  
「ところで、さっきの話聞いてると、あなたもしかして本名誰にも喋ってないの?」  
姉、エリスはそう言って私を見る。  
「なんか恥ずかしいじゃない、別にうちのチームに私以外のディアボロスはいないんだから…ディアボロスでいいのよ」  
何で姉が今更そんなことを言ってくるのか私にはわからなかった。  
だが、そんな私を一瞥し姉は紅茶に角砂糖を混ぜながら、何かを思い出すように、呟く。  
 
「いいと思うけどね…恋人とセックスして…本名で呼ばれて…この人のものなんだな…って認識すると、すごくうれしい気持ちになるし」  
「そんなものなのかしらね…」  
本当は、自分が何で不安なのか分かっている。  
私は女、そして、エルフも女…フェルパーとお嬢、セレスティアとクラッズのように、幾度となく体を重ねても、私達に子供ができる事はありえ無い。  
彼女の初めてを奪ったくせに、彼女にそれ以上の女の喜びを与えられないというのが、私の今の悩みだった。  
「いっそ、私が男なら、エルフを孕ませられるのにね…」  
「なにディアボロス、もしかして子供欲しいの?」  
私の言葉に姉が首をかしげた。  
「…別に」  
興味なさげに呟いた私を姉は真剣な目で見ていた。  
「別に家のことなんか気にしなくて良いじゃない、ちゃんと長男様が彼女持ちなんだから、孫ぐらいアイツが見せるでしょ」  
「エリスは、シュトレンだったかしら?その人との子供ができないことに悩んだりしないの?」  
こともなげに答えたエリスに、私がそう言うと、エリスは優しく笑った。  
 
「そんなこと考えたことなかったな〜、初めては野外だったし、彼女には腕まで入れられちゃったし…隠れてだから貴方みたいに毎日はできないけど、それでも今が幸せだから、私はそれで良いと思う、シュトレンとも話し合って満足してるしね」  
「そう…とりあえず幸せそうで何よりだわ」  
空になった紅茶のカップを置いて、私は席を立ちあがる。  
「もう帰るの?」  
立ち上がった私を見ながらエリスが呟く。  
「ええ、そろそろ三学園交流戦でしょ?今年は長男様のチームに勝ちたいからね、学園に戻って作戦会議」  
「そっか、んじゃ、元気でね」  
笑うエリスに軽く手を振る。  
「ええ、それじゃまたね」  
「あ、待ってこれお土産」  
去ろうとした私にエリスは何かを投げよこす。  
「ディアボロスの見た目じゃきっと買えないでしょ?」  
空中の紙袋をキャッチして、その中を確認した私は思わず笑ってしまった。  
「なんで笑うのよ、いらないなら返して、シュトレンに使う」  
笑いだした私をエリスがうらみがましい目で見つめ紙袋を取り上げようとする。  
お腹を押さえながら、涙をぬぐって私は紙袋を懐にしまった。  
「あはは…!ごめんなさい、ありがたくもらっておくわ」  
バカみたいな姉の心遣いをありがたく受け取っておく。  
「ありがとお姉ちゃん、少し元気になったわ」  
笑う私の頭を姉は優しく撫でてくる。  
「今度はエルフさんも連れてきてよ、私もシュトレン連れてくるから」  
「はいはい、わかったわ」  
姉の言葉にそう答え、笑う。  
少しだけ心が軽くなった気がして、私は図書室を後にした。  
 
「あ、おかえり〜お姉さん元気だった?」  
プリシアナに戻ってくると、学院の入り口でクラッズに出会う。  
「うん…元気だった、交流戦頑張ってね…だって」  
チームメンバー以外の目もあるから私はいつもの弱いほうの自分を演じて答える。  
「うあ〜、余計にプレッシャー」  
不意に私は気になって、クラッズに一つ聞いてみる事にした。  
「クラッズは…セレスティアのこと本名で呼んだりするの?」  
私の言葉にクラッズは一瞬首をかしげて言った。  
「ん、たまに言うよ、セレスティアが恥ずかしがるからあまり言わないけど…」  
「…クラッズの本名は?」  
「そのままクラッズが本名だよ、もともとは一般人だしね」  
チリン…と鈴を鳴らしながらクラッズが笑う。  
「そういや、ディアボロスは本名ちがうんだっけ?なんて名前なの?」  
聞かれて…私は戸惑った、エルフにもまだおしえていない名前を彼女に先に教えていいのか。  
悩んだ挙句、私は普段の自分に戻って口を開く。  
「まだ、エルフにもおしえてないから…エルフに教えたら教えてあげるわ、それまでは秘密よ」  
私の言葉に、クラッズが笑う。  
 
「あはは…!ホントにディアボロスはエルフが大好きだね!」  
楽しそうに笑う彼女につられて私も笑った。  
「当然じゃない、だってあの子のご主人様だもの」  
彼女と共に笑いながら、もしかしたら自分はくだらないことに悩んでいるんじゃないかと思い始める。  
だって、私はこんなにも彼女を愛しているのだから…。  
だから彼女に聞いてみよう、私は心の中でそう呟いた。  
 
 
「おかえりなさい、ディアボロス」  
部屋に戻ると、彼女が私を出迎えてくれた。  
「ん…ただいま、エルフ」  
ボフンと彼女に抱きつくと、彼女の甘い匂いが胸に広がる。  
「お姉さん、元気だった?」  
ベッドに腰を下ろすと、彼女が私の髪をくしでとかす。  
「うん…、今度はエルフも連れてきてね、だって…」  
「そっか、じゃあ今度は一緒に行きましょ?」  
「うん」  
髪をとかしながら彼女が私の頭を彼女が撫でる。  
不意に初めての夜を思い出して、ぽつりと言葉が勝手に漏れた。  
「ねぇ…エルフ…赤ちゃん欲しい?」  
「へ?」  
私のその言葉にエルフは戸惑ったような声をあげた。  
「…私はエルフが大好きで、エルフが私を大好きだって思ってくれてるのも知ってるの、なのに…私はあなたを母親にしてあげられない…」  
―私は女だから…彼女との間に子は生せない―  
私がそう呟くと、エルフは私の耳元で囁いた。  
「ディアボロス…もしかしてずっと一人で悩んでたの?」  
「…」  
私は何も答えなかったがそれが肯定していることを彼女に教えてしまう。  
そんな私をエルフが優しく抱きしめた。  
「…確かに子供ができないのは残念かも知れないけど、代わりに私には貴方がいるから」  
エルフがそう言って恥ずかしそうに笑う。  
「だから、気にしなくて良いの、私は貴方が好きだから貴方とずっと一緒にいたいだけ、ただのわがままな女だから…ディアボロスが気にする必要なんてないの」  
彼女の温かい言葉が胸に染みいる。  
 
「…ねぇ、エルフ…ディアボロスじゃなくって…ナハトって呼んでほしい」  
私の言葉にエルフが、え?と呟いた。  
「ナハツェーラ、それが私の本名、お父さんとお母さんにもらった大事な名前」  
大事な名前だから…今までずっと隠してきた、だけど…ホントに彼女が好きだから、姉の言っていた言葉を思い出して、私は自分の名前を告げる。  
「うん…わかった…ナハトだね…しっかり覚えとく…」  
エルフがそう言って笑う。  
ご主人様でも、ディアボロスでも無くて、本当の名前で呼ばれるとうれしくて涙が溢れそうになる。  
―エリスの言うとおりだ―  
ただ、名前で呼ばれるだけなのに、今までの不安がウソみたいに消えていく。  
本当の名前を彼女に呼ばれてようやく私は本当の恋人になれた気がした。  
「エルフは…なんて名前なの?」  
私の言葉にエルフが少し照れくさそうに笑う。  
「ファリエル、略すとそのままエルフ、今更だけど…改めてよろしくね、ナハト」  
「うん…改めてよろしくね…ファリエル…」  
 
 
今日の会議を終えた後、部屋に戻った私たちはいつものように体を重ねようとしていた。  
 
「えっと…今日はご主人様にならなくて良いの?」  
お風呂上がりの私と彼女の体からはまだほんのり湯気が出ている。  
ベッドに横になりながら彼女にそう言うとエルフ…いやファリエルがくすくすと私の真似をするように妖艶な笑みを浮かべた。  
「いつも私がしてもらっているから今日はナハトを私が気持ちよくしてあげる」  
普段とは完全に立場が入れ替わった状態に私はなんとなく初めての夜を思い出す。  
「それじゃナハト、脱がすからね…」  
「うぁ!ちょっ…ちょっとまって!!」  
私の服に手をかけたファリエルの手を掴む。  
そんな私を見ながらファリエルが楽しそうに私の服を脱がせていく。  
弱弱しい抵抗を続けるが、結局はあっさり下着だけの姿にされてしまう。  
「新発見、ナハト実はイニシアチブを取られると弱いんだね」  
今まで隠していたことを知られ恥ずかしくて顔から火が出そうだった。  
「ファリエル…今度オシオキするわよ…」  
顔を隠しながらそう言うとファリエルはくすくすと笑った。  
「分かってますよ、ご主人様、でも、今日だけは私に任せてください」  
いくら本当の名前を知ったからと言って彼女の中身は変わらない、私が変らないように、彼女は彼女、私は私なのだから。  
「…良いわ、好きにして……」  
私の言葉に彼女がくすりと笑う。  
「それじゃ、いただきます」  
小ぶりな私の胸に彼女がかぶりつく。  
「ふぅぅ…」  
ちろちろと、舌先でへこんだ乳首を掘り起こすかのようにもどかしい刺激が与えられる。  
「ちりちりする…」  
「でも気持ち良いでしょ?」  
「…うん」  
もう片方の胸を優しく揉みながら彼女は強く胸を吸う  
 
「んん…んきゅぅ!」  
吸い上げられた方の胸の中心が裏返るようにして飛び出した。  
普段は隠れているそこが冷たい空気に触れてピリピリした刺激が胸に走る。  
「ん…また乳首出ちゃった」  
初めて彼女にされた時もそう言えば彼女にされてこうなったことを思い出して笑う。  
彼女と普段するときは私が攻めてばかりだったから、ずっとそこはへこんだままだったのに、なんだか大人になった気がする。  
「ごめんファリエルちょっと待って…」  
「うん、分かった」  
試しに自分でつまんでみると心地よい刺激が背中を走る。  
「ふ…」  
―気持ち良い…―  
あの時は刺激が強くて苦しかったけど今はちゃんと快感を感じられた。  
思わず切ない声を漏らすと、彼女が楽しそうな目で私を見ていた。  
「また、もう片方もしてあげようか?」  
彼女の言葉にドキドキと胸が高鳴る。  
「…お願い」  
胸の前で組んだ手をファリエルがずらして胸にかぶりつく。  
「ふみゅぅ…」  
生温かい彼女の舌の感触がとても気持ち良い。  
既に飛び出した方の乳首は彼女の指先で転がすように愛撫されている。  
彼女をいじめるのとはまた違った快感が私の中で浮かび上がる。  
「ふあぁぁ!」  
再び、彼女が強く胸を吸った、パチパチと火花が散るような感覚の後に、隠れていたもう片方の乳首もついに顔を出す。  
「これで大丈夫」  
そう言って彼女がキスをしてくる、目を閉じてそれを受け入れて、彼女と舌を絡ませ合う。  
彼女の甘い唇を吸いつくように何度も味わう。  
彼女とのキスはもう何度目だかなど覚えていないが、今更になって少し恥ずかしくなる。  
長く深い口づけを交わし、ようやく彼女と離れると、私達をつなぐように銀色に光る橋ができる。  
「ナハト…濡れてるね」  
私の下着をみた彼女が耳元で小さく囁いた。  
 
「ファリエルが…上手だから…」  
子供っぽい青と白のストライプの下着は中心の部分の色が水気を吸って濃い青色に変っている。  
「いつもナハトに可愛がってもらったから…指の動かし方には自信があるよ」  
くすくすと彼女が笑って、下着の中に手を入れる。  
「うぁぁ!」  
グチュリと水音がなって私のそこが彼女の指を飲み込んだ。  
「ごめんなさい…いきなり入れちゃった、痛い?」  
ぺろりと舌を出して彼女が笑う。  
「気持ち良い…」  
ぽそりと小さく呟くと彼女が楽しそうに笑った。  
「でも残念、一番奥まで味わいたいのに…指じゃ届かないもんね…」  
彼女の言葉に、私はあるものの存在を思い出した。  
「あ…あのファリエル…私の制服の上着の内ポケットに…良いものがあるから…」  
「え?良いものって…なんだろ?」  
彼女が起き上がって壁に掛けられた私の制服の内ポケットを探ると姉が私にプレゼントしてきたあるものが入った紙袋が出てくる。  
それを開けてみた彼女がその中にあったあるものを出して楽しそうに笑った。  
「確かに…これは良いかも…私も気持ちよくなれるかもしれないし」  
そう言って彼女が袋から取り出したのは、ブーメランのような形をした棒のようなもの。  
所謂ところの双頭のディルドーだった。  
その片方の先端を彼女がなめ、自分の中に埋没させる。  
「うぁ…結構太い…苦しくて…うぁぁ…気持ち良い…」  
悩ましい声を上げながらファリエルが自分の中にそれを差し込むと、まるで彼女から男の人のものが生えているように見える。  
 
「これ、一体どうしたの?」  
再び私に覆いかぶさりながら、彼女が私にそう囁く。  
「エリス…私のお姉ちゃんが…プレゼントだって…くれた…」。  
「あれ…ロウソクとか入ってたんだけど…」  
他のものもみたらしく、私の言葉にファリエルが少し苦笑いした。  
「…今度…ファリエルで試して良い?」  
不安になって上目づかいで彼女を見つめると、何かを思い浮かべるように彼女が目を閉じた。  
「…ぜひ」  
―そう言えばファリエルドMだもんね…―  
今はイニシアチブを取られているけど普段は私が攻めるのを喜んで受け入れる彼女だから、ロウソクとかを使ったプレイを思い浮かべてみたらしい。  
うれしそうに頬を染めていた。  
「それより…早く…入れないの?」  
切ない気持ちがわきあがってきてもじもじと足をこすり合わせると、ファリエルが興奮したように鼻息を荒げた。  
「ちょ、ちょっとだけ…もう少しだけ濡らした方が…きっと気持ち良いから…」  
私の下着を脱がしながら少し危ない目をした彼女が私のそこを見つめている。  
「ひ…ひらいて良い?」  
下着を完全に脱ぎ去ると彼女がそう言って私のそこに手をかける。  
「い…良いけど…あんまりじっくり見ないでよ…」  
ドキドキと高鳴る心臓の鼓動に耐えながら私は手で顔を覆って羞恥心を必死でこらえる。  
彼女の細くて華奢な指が私のそこにあてられて…そっとそこを開いていく。  
「…うわ…きれいなピンク色…きらきらしてて…あ、ここもしかして処女膜があったところかな…」  
「実況しないで!!!」  
恥ずかしさで顔が真っ赤に染まる、今度これ以上のオシオキをしてやると心の中に刻みつける。  
「ご、ごめん…」  
「うー…今度耳元で後ろのしわの数数えてやる…」  
うらみがましい目で見つめると彼女がうれしそうに笑った。  
どうやらわざとやったらしい。  
 
「あのね…ファリ…くひゃん!!」  
注意しようとした瞬間に彼女が舌を私の中に差し込んだ。  
ちゅるちゅると音を立てながら彼女が私の愛液を吸い上げ、中の壁をなめあげる。  
「くうぅぅ!」  
丹念な彼女の舌での愛撫に体が勝手に震えだす。  
切ない気持ちが高まってお腹の中の熱がどんどん高まっていく。  
「お腹が…お腹が熱いよ…助けて…ファリエル…」  
ぎゅっと彼女を抱きしめると、彼女がうれしそうに笑った。  
「もう…入れても良いよね?」  
作り物の突起をはやした彼女が耳元で囁く。  
「うん…早く…来て…」  
こらえきれずに私がそう言うと…私の腰を彼女が掴んで、それを私の中に突き込んでいく。  
「くぁぁ!」  
今までの指とは異なった感触で体が震える。  
指一本とは比べモノにならない太さのモノが私の中を割り進んでいく。  
「う〜!」  
ゾクゾクと背中を駆けあがる快感を彼女の背中に爪を立て必死でこらえる。  
そしてついに、それが私の子宮の入り口をこつんとノックした。  
「うあぁ!?」  
「きゃあ!」  
今まで感じた事のない刺激に思わず強く締め上げると、ファリエルが同時に声をあげた。  
そしてそれに合わせるように私に埋まった部分が突然大きく膨れ上がる。  
「ふぁ!何これ…おっきく…」  
ギチギチと狭い私の膣内が限界まで拡張される。  
圧迫感で苦しくて、思わず息を吐き出した。  
「これ…片方が強く締め付けると…もう片方が大きくなるみたい」  
ぜぇぜぇと荒い息を吐きながら彼女が私達をつないでるそれを見る。  
 
「さ、裂けるかと思った…」  
私がかなり強く締め付けてしまったせいで彼女に埋まっている方はかなりのサイズになってしまったらしい、それでも彼女は私を傷つけないように、肩で息をしながら私に入ったほうが大きくなり過ぎないように気をつけて腰を振る。  
ずるずると、内臓が引き出されるような感触に体が震える。  
「うあぁぁぁ!くふぅぅぅ!」  
瞼の裏でパチパチと火花がはじけ続ける。  
頭が溶けてしまいそうな快感が背中を通って走り抜ける。  
おなじ女性の彼女が作り物の男性器で私の中を蹂躙する。  
抜ける寸前まで引き抜かれ、次の瞬間には子宮の入り口がたたかれる。  
緩やかだった彼女の腰の動きが次第に加速して貫かれる快感に私は打ち震える。  
「ファリエル…私…イッちゃう…このままじゃ…」  
おびえる私を彼女が優しく包み込む。  
「大丈夫…怖いことじゃないんだから…変なことじゃないんだから…イッて良いんだよ…ナハツェーラ」  
耳元で名前を囁かれ体が勝手に熱くなる。  
さらなる刺激を与えるように彼女が体を起して私を抱き上げる。  
「うあぁぁ…だめぇ…奥ゴリゴリしちゃやだぁ…」  
抱きあげられたせいで、体重が一点に集中し更に深い場所をえぐられる。  
作り物の男性器が私の子宮の入り口を押し上げるようにゴリゴリと刺激してくる。  
その心地よさに震えて、言葉とは裏腹に体は彼女が離れないようしっかりと固定してしまっていた。  
「すごい…ナハトの子宮がコリコリしてるの分かる、私に入ってる方にコリコリしてるの伝わってくる…」  
私を貫くように腰を掴んで落としながらその感触に夢中になったようにファリエルは激しく私に腰を叩きつける。  
 
「うはぁ…ゴリゴリが…ゴリゴリがぁ…気持ち良くて頭が真っ白になっちゃうよぉ…」  
「私も…もう…」  
くるしそうにファリエルが呻いた。  
「キスして…キスしてファリエル…私がどっか行っちゃわないように…!」  
「うん…うん!」  
狂ったように腰を打ちつけながらファリエルが私の唇を奪う。  
夢中で互いに求めあい、訪れる終焉をうけ入れる。  
そして…  
「うあぁぁぁ!」  
「きゃふぅぅ!」  
同時に訪れた絶頂に震えながら私達は再びキスをした。  
 
 
「ん…ナハト…大好き…」  
「ええ…ファリエル…私も貴方が大好きよ…」  
「えへへ…うれしい…」  
すやすやと疲れて眠る彼女に布団をかけてあげながら私は一つの決意を固める。  
「子供が作れなくても…貴方を守って一緒にいられればそれで良いかな?」  
少し前から考えていたある事を行動に移すため、私はその書類にペンを走らす。  
ゆらゆらと不安定に揺らめくなランタンの明かりが私を照らしている。  
「思えば、このランタンって私に似てるわね…」  
頼りなさげに揺らめきながら、そのうちの炎は人の体を焼くには十分な熱を持っている。  
ガラスの檻に守られて、隠れて燃え続ける炎、今まで彼女の背中に隠れていた私自身によく似てる。  
「…今まで、ありがとう、今度から私は…守る側になるから…あなたともお別れね…」  
そっとランタンのフードをはずし、中の炎を吹き消す。  
頼りない灯りはあっさり消えてしまった。  
―あとは…セレスティアに一応確認するだけね…―  
書類を全てまとめ終えた私は眠る恋人の額にキスをして、彼女とおなじベットに入って横になる。  
「愛してるわ…エルフ…ううんファリエル…」  
「ありがと…ナハツェーラ」  
幸せそうな彼女の寝顔を見ながら今までにない充足感を感じて、私は静かに目を閉じた。  
 
 
朝早く起きた私は制服に着替えセレスティアのもとへ向かう。  
軽く扉をノックすると扉は軋んだ音を立てて内側に倒れた。  
「…ずいぶん斬新な扉ね」  
よく見ると、刃物か何かで切られた扉を板でとりあえず補強しているだけのようだった。  
倒れた扉をまたいで、私は眠る二人のもとに向かう。  
どうやらしたまま力尽きたのか、制服を着てスカートをつけたクラッズがセレスティアのちょうど腰の位置にまたがって寝息をたてている、セレスティアは裸で、おそらく彼女のものと思われる下着がベッドのふちに起きていた。  
「お疲れのところ悪いのだけれど…起きてくれる?セレスティア?」  
私が静かにそう言うと、セレスティアが目を覚ます。  
「なんだディアボロス…こんな朝早くに…」  
普段は私も寝ている時間だけに、彼が戸惑う理由も分かった。  
だがそれを無視して私は本題を彼に告げる。  
「こんな時期に悪いけど…転科したいの、良い?」  
私の言葉に彼が少し驚いた表情をした。  
「そらまた…サブでも変えるのか?」  
彼の言葉を首を振って否定する。  
「いいえ、メインよ、死霊使いからヴァルキリーに変えたいの」  
「は?」  
彼が驚くのも無理もない、今まで魔術師系の学科だった私が、戦士系の学科に転科したいと言い出したのだから。  
 
「…何があった」  
驚く彼にただ一言自分の端的な思いを告げる。  
「ただちゃんと戦う力が欲しいだけよ…もともと妹学科なんだから魔法は見よう見まねで何とかなるしね」  
そう私が告げるとセレスティアが笑う。  
「ホントにそれだけか?」  
見透かすようなその眼に、私はクスリと笑いを洩らす。  
「いつまでも、守ってもらうばかりの女でいるのは、嫌じゃない?自分の女は自分で守るわ」  
クスリといつもの私の表情で笑う。  
「なるほど…分かった、好きにしろ、ちゃんとした前衛が三人になるなら、それはそれでちょうどいい」  
そう言うとセレスティアは制服をはおって真紅の鎌を背中に背負う。  
「交流戦まで時間がないからさっさとヴァルキリーの学科の単位を取ってもらうぞ?」  
「当然…望む所よ、本戦までにはマスターして見せるわ」  
私の言葉にセレスティアは満足そうに笑った。  
 
 
地の果てまで広がるような広大な砂漠の中心に、シキガミと呼ばれるゴーレムを囲んで六人の少年少女が立っていた。  
 
「これで何匹目だ?」  
燕尾服のフェルパーの少年が服の袖から抜き出した刀を構え、ふと思い出したかのように呟く。  
「多分三匹目、他のチームがどれだけ倒してるかは分からないけど、もうだいぶ倒したはずよ?」  
そんなフェルパーの少年に寄り添うように、盾と剣を構えたバハムーンの少女が並び立つ。  
「とりあえずさっさと片付けようよ、本気で優勝目指すなら、まずはとにかく数を稼がないと…」  
チリンと鈴を鳴らしながらクラッズの少女が舞を踊り始める。  
「クラッズの言うとおりだ、さっさとこいつを倒して次を見つけるぞ」  
真紅と漆黒、一対の鎌を構えながら堕天使のセレスティアが笑う。  
「それじゃ…一気に行くよ…行け…セラフィム!!」  
その言葉に応えるようにエルフの少女が魔法を唱え解き放つ。  
光り輝く精霊がシキガミの体を打ちすえる。  
エルフの少女の攻撃を皮切りに残りの五人が走り出す。  
「ハッハー!!」  
笑い声と共に姿を消したセレスティアがゴーレムの死角に突然現れ真紅と漆黒二色の鎌を薙ぎ払う。  
深く刻まれた斬撃にゴーレムの体が一瞬ひるむ。  
 
その瞬間に合わせるようにフェルパーとバハムーンが同じタイミングで飛び出した。  
「双」  
走り抜けたフェルパーがゴーレムの脚を刀で薙ぎ払う。  
「破」  
それに合わせながらバハムーンも反対の脚を剣で切りつける。  
『刃』  
最後に呼吸を合わせた連携攻撃でゴーレムの背中に大きな十字を刻みつけ、二人は飛んで距離をとる。  
その攻撃にゴーレムは大きく傾きながら唯一、無防備なエルフに向かい剣を振り下ろす。  
だが、その剣が彼女に振り下ろされるよりも早く、彼女とゴーレムの間に水色の影が割り込んだ。  
「人のオンナに…きやすく触るんじゃないわよ!!」  
そう叫んだ小柄なディアボロスが、自身の身の丈と同じ二本の大剣でゴーレムの剣を弾き飛ばす。  
弾かれたゴーレムの剣が宙を舞い、遠く離れた地面に突き刺さる。  
「大丈夫?ファリエル?」  
ゴーレムの攻撃を撃ち落としたディアボロスの少女は長い髪を掻きあげながらエルフの少女に笑いかける、そんな彼女を見つめながらエルフの少女は恥ずかしそうに笑った。  
「ん、ありがと…今のナハトかっこよすぎて…ドキドキするかも」  
頬を染めて笑う少女にディアボロスも少し恥ずかしそうに笑った。  
「あらあら…また好感度アップね、ロウソク以外にももっと激しいことして大丈夫そう」  
くすくす笑う少女は顔に見合わない妖艶な笑みを浮かべている。  
 
「オイオイ、戦闘中だぜ、続きは夜にやってくれ」  
「あらあら、それもそうねごめんなさい」  
呆れたように笑うセレスティアの言葉にディアボロスの少女は再び剣を構えて向き直った。  
「それじゃ…ちょっと本気で行くわ、かかってきなさいドン・キホーテ」  
ゴーレムを挑発するように手招きして、新たな得物の剣を手にディアボロスの少女は駆けだした。  
 
少女の名前はナハツェーラ  
彼女の種族はディアボロス  
学科はヴァルキリーと妹学科  
頼りないランタンの炎のように誰かの後ろに隠れていた少女は決意を胸に剣を取る。  
新たな信念を両手に構え、愛する少女を守るため、彼女は新たな道を歩き出した。  
 
 
 

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