私に全てをゆだねるように一糸まとわぬ姿の彼女がそっとベッドに横になった。  
ああ、これは夢だな、と不意に私はそう思った。  
私にとって都合のいい夢だ。  
私の想いを彼女が受け入れてくれたら…そんなことをこんなふうに夢で見ているのだろう。  
彼女の淡い水色の髪が、ベッドに放射状に広がった。  
そして小柄な体を隠すように、彼女が両手で胸を覆う。  
「かわいいわね…ディアボロス」  
夢の中の私は、そう言って彼女の頭をなでた。  
クラッズと見間違えてしまいそうな小柄な彼女、だが、頭には彼女の種族の特徴である角がしっかりと存在している。  
「…はずかしいよ…エルフ…」  
もじもじと、夢の中の彼女が頬を染めた。  
可愛らしい…  
恥じらう彼女に口づけて、そっとその手をわきにどける。  
きゅっと彼女が目を閉じて震えている。  
気持ち悪い…  
女のくせに、同じ女性の彼女の姿を、こんな形で夢に見てる。  
汚らわしい…  
彼女を私は普段からそんな目で見ているのかと認識し、自分自身がとても汚く見えてくる。  
私の愛撫に彼女が震え悩ましい声を上げる。  
「はぁっ…はぁっ……」  
待ちきれないかのきれないかのように、目に涙をためながら彼女は私をじっと見ていた。  
「エルフ…お願い…私を…気持ちよくさせてください」  
「ええ…」  
懇願する彼女の濡れた場所に私は手をのばす。  
そして、ぴったりと閉じたそこを指を差し入れこじ開けていく。  
やめて…無垢な彼女を汚さないで…  
夢の中の私に向かって、必死になって私は叫ぶ。  
「いたっ…痛いよ…」  
夢の中の彼女が痛がっている。  
それなのに、夢の中の私は彼女を無視して指を奥深くまで差し入れていく  
「いたいよ…裂けちゃう…やっぱりやめて…」  
助けを求めるように夢の彼女が夢の私に懇願する。  
もうやめて!彼女をもう苦しめないで!  
夢の中の私は聞いてくれない、暗い笑みを浮かべたまま彼女の初めてを奪おうと、暴れる彼女を抑えつけ、強く突き込んだ。  
「やだ…いやだ…やっぱりいや…私をこれいじょ…」  
夢の中の彼女の言葉が、深く突きいれられた夢の中の私のの手でさえぎられる。  
彼女の眼が大きく開かれ、彼女の口から小さな悲鳴が漏れだした。  
 
「やめて!!」  
夢の中の私を止めようとして叫び声をあげ、私は飛び起きた。  
目の前にあるのは見覚えのある自分の部屋の景色と、ルームメイトであるディアボロスのベッドだった。  
「何で…あんな夢を見るのよ…」  
まるで自分が彼女を奪うことを望んでいるかのような夢、同じ女性である彼女を犯す夢。  
 
「違う…私はそんなこと望んでない……」  
彼女と、一緒に冒険できる。  
同じチームで彼女とすごせる。  
彼女が私を頼ってくれる。  
それで満足だと思うのに、夢の中の私はそれで満足していないかのように、無垢な彼女を汚そうとしていた。  
「やめて…あんなの見せないで…」  
いつか自分が同じことを彼女にしてしまうんじゃないかと怖くなる。  
欲望に負けて…彼女のことを…  
お腹が熱い…違和感を感じて下着に触ると、それは明らかに汗ではないもので湿っていた。  
「最低…私…本当に最低……」  
あんな夢を見て濡れてしまっている。  
自分自身が汚い存在に思える。  
 
「ん…エルフ…どうかしたの…」  
私の気配に気づいたのか、隣のベッドで眠っていた彼女がゆっくりと体を起こす。  
「あ…ごめんなさい…起こしちゃった?」  
「…エルフ…泣いてる?」  
なんとか平静を取り繕ったつもりだったのに、彼女はその気配を読み取ってそれに気づいてしまう。  
「ちょっと…怖い夢を見て…」  
「どんな夢…?」  
彼女が、起き上がって私に近づいてくる、本当はディアボロスではなくクラッズなのではと思ってしまうぐらい彼女は小柄で、同じ年齢とは思えないくらい幼い雰囲気を漂わせている。  
「…思い出せない、でも怖かった」  
嘘をつく、彼女に嫌われたくなかった。  
そうじゃなくても、貴方を犯す夢を見た、なんて言えるわけがない。  
「…そう」  
彼女が私のベッドのわきに座って私の頭をなでてくれる。  
「…もう、怖くないよ」  
彼女がすぐ近くにいる。  
「…ありがと」  
まるで妹が姉を励まそうとするような彼女の姿に癒されて、少し心が楽になる。  
お礼のつもりで、彼女の頭をなでてあげる。  
うれしそうに彼女は笑った。  
「ありがとう…エルフ」  
―ほんとの妹みたい―  
妹学科という彼女の姿は幼い容姿も合わさって、見事にマッチしていると思えた。  
「少し、夢見が悪かったから、シャワーを浴びてくるわ…」  
さらさらとした彼女の髪の感触を味わっていたいけど、濡れてしまった下着が気持ち悪い。  
それに少し、意識を切り替えたい、とそう思った。  
「ん、行ってらっしゃい…」  
彼女が優しい笑みを浮かべて手を振ってくる。  
替えの下着を持って、私は彼女に手を振って部屋を後にする。  
部屋の扉が閉まってから私はその場に座り込んで呟いた。  
「ごめんなさい…ディアボロス…」  
夢の中で彼女を犯していたことを今更になって謝る、だが、廊下での呟きが彼女に聞こえるはずもない…。  
罪悪感を胸に感じながら、私はシャワーを浴びる為シャワー室に向かうのだった。  
 
エルフが去った室内で、ディアボロスは体を起して、すんすんと鼻を鳴らす。  
「エッチな匂いがする」  
先ほどまでの幼い笑みや気配ではなく、容姿とは異なった、妖艶な笑み。  
「手を出してくれて良いのに…」  
くすくすと笑いながら、彼女は自らのベッドに腰をおろして、パジャマのボタンをはずし、自分の胸を揉みながら、もう一方の手をなれた手付きでパジャマのズボンの中に差し入れる。  
「あはっ…気持ち良いよエルフ…」  
まるでそれが彼女の指であるかのように彼女の名前を呼びながら自分を慰める。  
「早く襲ってくれないかなぁ…早く私を散らしてくれないかなぁ…」  
先ほどまでの幼い無垢な彼女はどこにもいない、何かを期待するような妖艶な笑みを浮かべた少女がいるだけ。  
「いっそ…」  
ぽつりと彼女は小さく呟く  
「私がエルフを襲っちゃおうかな…」  
くすくすとい分を慰めながら彼女は笑う。  
彼女の体が震え、くたりと力を失ってベッドに倒れこむ。  
自分の愛液で濡れた手をなめながら、ディアボロスは呟いた。  
「エルフはどんな味がするのかな」  
くすくすと少女は笑う。  
それはまるで男の夢に現れて精気をむさぼるというサキュバスをほうふつとさせる、そんな怪しい笑みだった。  
「いつまで、我慢できるかなぁ…」  
なにかイタズラを考える子供のような、無邪気な笑顔で彼女はそうつぶやいた。  
 
 
プリシアナ学園、冒険者を育てる学園として、数々の少年少女たちが集い、チームを組む。  
その中の一つ、冒険者のチームの中でも一種異様な雰囲気を持った彼らは「アンノウン」と呼ばれていた。  
未だ未知数でよくわからないそんな意味を隠されて。  
 
 
「遅い…あの二人はまだ来ないの?」  
イライラした様子のお嬢の少女が傍らに立つ彼、フェルパーに呟いた。  
「イライラしないでくれ、お嬢、あいつらのことだからまた寝坊だと思うよ」  
「だったら起して今すぐ連れてきなさいフェルパー!主としての命令よ!!」  
「はいはい、分かりました、少々お待ちを…」  
お嬢と呼ばれたお嬢の少女の言葉に、フェルパーは呆れたようにしながらも素直に従って寮の中に消えていく。  
「まったく、あの二人にも困ったものだわ貴方達もそう思わない?」  
「まぁ、リーダーなのにいつも寝坊してるしね」  
今この場に姿すら見せていない二人の姿を思い浮かべる。  
一人はセレスティア、チームのリーダーを務める堕天使の少年、  
もう一人はクラッズ、風水師とダンサーというパーティの補助を務める少女  
彼らの能力の高さはチームのメンバー全員が理解している。  
問題なのは彼らが恋人同士で、毎日のように寝坊することだった。  
今日も迷宮探索で遠出することになりそうかもしれないと、言ったのはリーダーであるセレスティアであるくせに、結局未だに彼は来ていない、恋人のクラッズも来ていないということはそう言うことだろう。  
「…年頃だから…仕方ないのかもね…」  
私の言葉にディアボロスが苦笑いして応える。  
その言葉に、私は昨夜の夢を思い出して、罪悪感を感じる。  
―年頃だからって、あんな夢見る事ないのに…―  
今も彼女と本当に私が一緒に居ていいのか不安になってくる。  
「…どうしたの…エルフ、体調悪い?」  
顔に出てしまっていたのか、てとてと、とかわいい足音を立てて彼女が私に抱き付いてくる。  
小柄な彼女はちょうど私の胸に埋まる形になった。  
「大丈夫よ、ありがとう、ディアボロス」  
「ほんとに大丈夫?」  
上目づかいで彼女が私を見つめる。  
心配してくれる彼女はかわいらしい。  
汚れのない、無垢な瞳が愛おしい。  
私が男だったら、彼女に対するこの気持ちを素直に受け入れられただろうに残念ながら私は彼女と同じ女性として生まれてしまった。  
しかも、あんな夢を見てしまうぐらい、彼女自身を欲しているのかもしれない。  
「…フェルパー遅いね」  
「そうだね…」  
彼女の頭をなでながらよこしまな考えを追いやる。  
まちがっても、彼女のこの無垢な体を汚してしまうことなんか考えたくない。  
自分の汚い想いを胸に封じる。  
―この子は私を信頼してるから、居てくれるんだもんね―  
初めてあった時から彼女は私を本当の姉のように慕ってくれている。  
だから、それに応える為にも、私は彼女に頼ってもらえる私でなければいけない。  
彼女に嫌われないために…  
 
そんなことを考えていると、フェルパーがずるずると、眠そうな顔をした二人を引っ張ってくる。  
「連れてまいりました、お嬢」  
二人をつかんでいた手を離し、軽く体についたほこりを払うようなしぐさをしてフェルパーは優雅にお嬢に礼をする。  
「遅かったわね、フェルパー」  
「道が混んでおりまして」  
しれっとした表情でフェルパーが応える。  
「なんだ、お嬢、俺にようか?」  
セレスティアが眠そうに頭に手を当て黒い翼をはばたかせる。  
自分が昨日、何といったのかすら覚えていないのか、はたまたまだ寝ぼけているのかその辺りは良くわからないがセレスティアはいつも通りの反応を返す。  
「今日は遠出をするから早く学園を出る、そう言ったのは貴方よリーダーさん」  
優雅に扇子のようなものを手にお嬢が彼を非難する。  
「ああ、そういやそうだったな、また突然愛の告白でもされるのかと思ったよ」  
セレスティアがふざけるようにそうつぶやく。  
「オイ、堕天使、俺のお嬢に手を出したらその首を切り落とすぞ」  
そんなセレスティアの首に、フェルパーがどこからか取り出した刀を押し当てる。  
「オーケイ、フェルパー話し合おうぜ、俺はまだ死にたくない」  
降参だというかのようにセレスティアは両手をあげて降伏の意志を表明する。  
ある意味いつもの姿だった。  
フェルパーはいつも仕方なくお嬢に従っているように見えて、本当に彼女のことを大切に思っていることが良くわかる。  
お嬢は分かってるのかは分からないが、きっとフェルパーは彼女の従者であるということ以外にも彼女のことを思っている。  
―うらやましい…―  
少し、そう思う。  
「まぁまぁ…そんなに怒らないでよフェルパー、ごめんねお嬢、私、最近欲求不満でさ、ヤリたくてしかたなかったから昨日セレスティアに解消してもらったんだけど、ちょっとヤリすぎて寝坊しちゃったのよ」  
ずれて肩にかかった制服を直しながら、クラッズがようやく口を開いた。  
「ヤる?なにをするの?」  
お嬢がどういう意味だかわからないといった感じで首をかしげる。  
「あれ?お嬢まだバージン?ごめん、じゃ分からないかつまりね…」  
彼女が制服や耳につけた鈴がなって、リン、リン…と小さな音を立てる。  
「クラッズ…それ以上はやめてもらえるか?」  
射抜くようなフェルパーの視線にクラッズが震える。  
「ごめん」  
あわてた様子でクラッズが口をふさいだ。  
「フェルパー?ヤるって何?」  
意味が分からないのかお嬢は従者に向かって首をかしげる。  
「気にしなくて良い、お嬢には関係ないことだ、クラッズそうだよな」  
「うん、気にしないで、それよりま、遅れてごめんね」  
クラッズが謝って立ち上がると、フェルパーもセレスティアに押し当てていた刀を服の袖口にしまう。  
「んじゃま、行くか」  
セレスティアが立ち上がって砂を払う。  
セレスティアを先頭にクラッズがその横に並んで歩きだす、お嬢が歩き出し少し遅れてフェルパーが並ぶ。  
「…いこ、エルフ」  
ディアボロスがかわいらしい顔でほほ笑んで、私の手を引いて歩き出す。  
「うん」  
これが私の所属するチーム、アンノウンの仲間たちだった。  
 
襲いかかってきたモンスターの群れに私は呼び出した精霊を解き放つ。  
「いきなさい、サラマンダー」  
炎の精霊が暗い迷宮を照らし、パピヨンレディの群れを焼き払っていく。  
そのほとんどが灰になるが、耐えきった何体かは私達に向かって襲いかかる。  
「ハッハー!!」  
セレスティアの笑い声が響き、1対の鎌による蓮撃で更に2体のパピヨンレディが地に落ちる。  
「はいはい、みんな頑張って〜」  
リン…リン…と鈴の音を鳴らしながらクラッズが傷を治す癒しの踊りを軽快なステップを踏む。  
「邪魔よ、消えなさい!!」  
お嬢が叫んでブレスで残る4体のパピヨンレディを焼く。  
また1体が地に落ちて3体になったパピヨンレディがそれぞればらばらの目標に向かって攻撃を仕掛ける。  
1体がフェルパーに、もう一体がお嬢、最後の一体はディアボロスに…。  
自分に襲いかかるパピヨンレディを軽く斬り伏せたフェルパーが袖口から何かを取り出し、お嬢に向かうパピヨンレディに投擲する。  
「うちのお嬢に、手を出さないでもらおうか」  
あとすこし、というところでパピヨンレディが崩れおちる、背中には突き刺さった10本ものナイフ。  
「ディアボロス!」  
残る一体のことを思い出し、私は背後のディアボロスを見て叫ぶ。  
だが彼女は静かにランタンのようなものをパピヨンレディに向けて呟く。  
「…言霊」  
ゆらり、とランタンの中の炎が揺れ、倒れ伏したパピヨンレディの体から青白い炎があふれ出て健在なパピヨンレディを襲う。  
肉体ではなく魂そのものを焼かれたパピヨンレディの体が静かにそのまま地面に倒れる。  
最後の一体を倒した私達はようやく張りつめていた気を抜いた。  
「つかれた〜」クラッズがそう言って地面に座り込む。  
「俺もクラッズに同意見だが…フェルパーはどう思う?」  
言葉とは裏腹に疲れた様子を欠片も感じさせない調子でセレスティアがフェルパーに意見を求める。  
「お嬢はどう?」  
意見を求められたフェルパーは主たるお嬢の少女を見た。  
「私は全然大丈夫…といいたいけど、さすがに無理ね」  
「エルフとディアボロスは?」  
「私も大体おんなじ意見、さすがにこれ以上は魔力も持たないわ」  
幾度となく精霊を呼び出し続け、魔力はほとんど底をついていた、あと数回魔法を使うのが限度だろう、ディアボロスも同じ意見なのか小さくうなづいた。  
「だそうだよ、リーダー、今日はスノードロップにでも宿をとって休もう」  
みんなの意見を確認したフェルパーはリーダーであるセレスティアにそう告げる。  
「そうだな、あそこは温泉もあるらしいし、たまには学園以外も良いだろう」  
そう言ってセレスティアが道具袋から帰還符を取り出す。  
 
「温泉…楽しみだね…」  
ディアボロスはぴこぴこと期待した目で私に抱き付いてくる。  
「そうね」  
そんな彼女の頭をなでながら、魔法の発動を待つ。  
私達の体が光に包まれていく、不意に私は、ディアボロスが見たことのない、怪しい笑みを浮かべていたような気がした。  
 
 
「温泉…楽しみだね…」  
無垢な少女を演じながら、彼女に抱きつきそう言った。  
「そうね」  
そんな私をいつくしむように、エルフが優しく微笑む。  
クスリ…  
―楽しみなのは温泉だけじゃないんだけどね―  
前から考えていた、ある行動を今日実行してしまおう。  
―エルフが悪いんだからね…―  
私は笑う、本当に楽しみだと  
彼女のためにこれから張る甘い罠を考えながら。  
 
 
迷宮の中にいた時は気付かなかったが外はもうかなり暗くなっていた。  
いつものようにセレスティアが部屋を5つ取る、しばらくそのままみんなで町を見回り、ご飯を食べて宿に帰った私達は分かれてそれぞれの部屋に向かった。  
自分の部屋に着いた私は杖をベッドの脇に立て懸けて、そのままベッドに横になった。  
「ふぅ…」  
ベッドに横になると今まで感じていなかった疲れがどっと襲ってきて、眠気がやってくる。  
そのまま眠ってしまいたくなったが、ふとディアボロスが温泉を楽しみにしていたことを思い出す。  
「迎えに行って二人で行ってみようかしら?」  
食事まではまだ時間もある。  
不意に思い立って、私は自分の部屋を出る。  
―ディアボロスの部屋は確か廊下の角を曲がった―  
思い出しながら彼女の部屋を目指す、廊下を曲がり目的の部屋を見つけた私は軽くノックする。  
「ディアボロス?」  
だが、反応は無い。  
寝ているのか、それとも出かけているのか?  
自分の部屋に戻ろうかと思って歩き出した瞬間、部屋の中で小さな音がする。  
―あれ?―  
気になって耳をドアにあててみると部屋の中からは確かに彼女の声が聞こえてくる。  
ふと、ドアノブをひねってみると、小さな音を立てて扉が開いた。  
―あいてる?―  
部屋の中は明るい、やはり寝てしまったのだろうか?  
では、なぜ彼女の声が聞こえたのだろう?  
悪いとは思ったが不思議に思ってそっと部屋をのぞいてみる。  
そして、思わぬ光景を目にしてしまった。  
 
「ふぅっ…ふぅっ…」  
苦しげな声を抑えながら、ベッドの上で彼女の手が小ぶりな自分の胸を揉んでいる。  
―え?―  
もう片方の手を自分の下着の中に入れ、荒い息をしながら彼女が手を動かす。  
「ふぅっ…ん…んきゅぅっ…」  
ピクピクと時折はねながら、彼女は見せたことのない赤らんだ表情で。  
彼女が自分で自らを慰めていた。  
見てはいけないものを見てしまった、心臓がドキドキして、呼吸が荒くなる。  
見てはいけないと思うのに、その光景から目を離すことができない。  
幼い彼女からは想像もできないみだらな動きで彼女はその行為に耽っている。  
「ふぅー…ふぅー…」  
彼女が私に見せたことのない表情をして乱れている。  
 
私の存在を気付くことなく行為を続ける彼女の指は次第に激しくなってその呼吸も、次第に荒いものになる、そして…  
「ふきゅぅぅぅ…!」  
彼女が小さく叫んで震えた。  
達したのだと、私は気付く…。  
「うみゅ…」  
彼女がごそごそと動きだし、あわてて私は自分の部屋に戻る。  
扉を絞め、寄り掛かると、胸の鼓動は激しくなって耳にうるさいくらい脈打っていた。  
 
脳裏に焼きついた彼女の姿が離れない。  
じわり、と下着が濡れる感触がある。  
ふらふらと熱に浮かされたまま私はベッドに横になって、制服のブラウスをはだけさせる。  
ブラジャーをはずすと胸の中心のそれはピンと立っていた。  
「はぁぁぁ…」  
彼女がしていたように、自分の胸を揉むと、いつも以上の快感が私の背中を駆けあがる。  
「ディアボロス…ディアボロス…」  
彼女は誰を思ってしていたのだろう?  
脳裏に焼きついた彼女の姿を思い浮かべて自らのことを慰める。  
下着の中に手を入れるとそこはびしょびしょにぬれている。  
きっと、これは今の行為で濡れただけではない。  
「ホント…最低ね私…」  
彼女を汚してしまいたくない、と思いながらも彼女の姿をはっきりと思い出せるくらい最後まで見続けた。  
そして、その光景を思い出しながら今もこうして自分を慰めている。  
感じる快楽はいつも以上に大きい。  
「はぁ…はぁ…」  
簡単に私は絶頂までたどりつく。  
「ふぁぁぁ!!」  
びくびくと快楽に震えながら、いいようもない罪悪感が私の心に渦巻いている。  
「…ごめんなさい…ディアボロス…」  
気持ち悪い、罪悪感で押しつぶれそうになる。  
そんな後悔にとらわれていると、こんこんと部屋の扉がノックされた。  
ビクリと震えながらあわてて服を正しながら応える。  
「だ、誰?」  
「私…ディアボロス…」  
扉越しに聞こえてきたのは確かに彼女の声だった。  
「ど、どうしたの?」  
心の中の動揺を隠しながら私はなんとか口にする。  
「…一緒に温泉…いかない…?」  
きっと何も知らない彼女がそう言ってくる。  
「わ、分かった、ちょっと用意するからちょっと待ってて!」  
あわてて濡れた下着を脱いで、新しい下着をはき、更に着替え用の下着をまとめる。  
全ての用意を終えた私はなるべく平静を装いながら、扉を開く。  
「待たせてごめんなさい、ディアボロス」  
いつもの私を演じて彼女の前に立つ。  
「ううん…大丈夫」  
彼女は私にいつもと変わらない笑みで答えてくれる。  
「じゃあ、行きましょう」  
彼女の手を取って温泉に向かって歩き出す。  
私はこのまま彼女と共に居て良いのか、そんな思いが渦巻いていた。  
 
 
少し私はいら立っていた。  
優しい彼女のことだ、温泉を楽しみにしている、ということを匂わせれば彼女は必ず私を呼びに来る、私はそれを待って、わざわざ自慰を披露してあげたというのに、共に温泉に入っている間も何もしてこない。  
呼びに行った時、彼女の部屋からはエッチな匂いが漂っていた、きっと私を思って彼女も自慰をしたのだろう。  
―意気地なし…―  
イライラする、どうして彼女は私を欲してこないのだろう。  
―もう、我慢できない…―  
彼女がこれ以上動かないのならもう、これ以上私は我慢しない。  
―オシオキだよ…エルフ―  
これからする行為が楽しみでクスクスと、私は小さく笑った。  
 
「…エルフ、髪とかして…」  
温泉からでると彼女がそう言って私についてきた。  
「仕方ないわね…」  
いつものように笑いながらも心の中の動揺は激しいものになっていた。  
彼女と一緒に入っている間、彼女の肢体から目を離すことができなかった。  
あの無垢だと思っていた彼女のもう一つの姿を知ってしまい、見た目とは違い彼女が私と同じ年頃の一人の少女だということを強く意識してしまう。  
そのせいで、抑えている感情が爆発してしまいそうなほど暴れていた。  
彼女の控えめな胸から目が離せない、ほっそりとした手足から目が離せない。  
彼女の乱れる姿を知り、私の手で乱してしまいたいと思ってしまう。  
―駄目だ…そんなこと考えちゃだめだ―  
 
自分の部屋にたどり着く。  
―こんな思いを彼女にぶつけちゃいけない―  
そんなこと思っていた。  
だから私は気付かない、彼女がどこか楽しそうに、くすくすと笑っていることに…。  
 
ベッドに腰をおろして、膝に座った彼女の髪をくしでとかす。  
「きれいな髪ね…」  
「ん…ありがとう…」  
彼女がされるがままの様子で、嬉しそうに笑う。  
さらさらしたきれいな水色の髪が私の手の中で踊る。  
「ねぇ…エルフ…どうだった?」  
不意に彼女が呟いた。  
「何が?」  
彼女の髪をとかしながら彼女の頭を撫でる。  
クスクス…と彼女が笑った。  
「何って、私のオナニーよ…興奮した?」  
ビクリ、と手が止まる。  
「…え?」  
彼女が何を言っているのかが分からない。  
クスクスと妖艶な笑みで彼女が私の目をのぞき込む。  
まさか気付かれていた…  
「あ…あの…」  
「貴方が来てくれたからわざわざ披露してあげたのに…」  
彼女に嫌われてしまう…嫌だ…  
「エルフ、エッチな子ね…私のオナニー見て、オナニーしたでしょ」  
びくりと体が震えてくしをとり落とす。  
そこまで彼女は気付いている。  
「あ…あ…」  
「悪い子だね…エルフ」  
彼女が笑う。  
「ごめんなさい!ごめんなさい!見るつもりじゃなかったの!」  
あわてて彼女にあやまる、怒られる、嫌われる、がくがくと体が震える。  
足場がなくなったような不安と絶望が私を包む。  
「え〜…その割には最後までじっくり見てたじゃない、私がイクまで…」  
「ごめんなさい!許して!嫌いにならないで!私からいなくならないで!」  
懇願する私の膝の上から彼女が降りて振りかえる。  
小柄なはずの彼女がとても大きく見える。  
「ダーメ…」  
彼女が怪しい笑みで笑いながらそう言った。  
許してもらえない、嫌われてしまった…彼女が私から離れて言ってしまう。  
怖くて、体が震える。  
「お願いだから…許して下さい…」  
涙が勝手に溢れる、彼女のことを失いたくない。  
「こんなに人が誘惑してるのに…なんで襲ってくれないの?」  
彼女がそう言った。  
「え?」  
ようやく、私は今までの彼女のセリフを思い出す。  
―貴方が来てくれたからわざわざ披露してあげたのに…―  
そして、今のセリフ、まるで私に襲ってほしかったというような…。  
「だから、そんなエルフ許してあげない…」  
言葉と共に私は彼女に押し倒される。  
妖艶な、サキュバスのような怪しい笑みを彼女が浮かべている。  
「ディ…ディアボロ…ス?」  
「貴方を私のものにしてあげる」  
言葉と共に彼女は私の唇に自らの唇を合わせてきた。  
 
何が起こっているのかパニックになって良くわからない。  
ディアボロスが私を誘惑してた?  
私をディアボロスのものにする?  
困惑する私を尻目に、重ね合わせた唇が開かれて、彼女の舌がこじ開けるよう入ってくる。  
「んむっ!?」  
私の舌を彼女の舌が絡め取る。  
何度も、何度も、私を味わうかのように彼女の舌が私の口をなめていく。  
だんだん、何も考えられなくなってきて、されるがままの状態になっていく。  
「ふふっ…」  
彼女の唇がゆっくりと離れて、唾液が私と彼女の唇をつないで橋を作る。  
「甘い唇ね…エルフ…」  
「ディアボロス…」  
彼女がぺろりと自分の唇を舌でなめる。  
その仕草に普段の彼女からは想像もできない色っぽさを感じて胸がドキリと大きく鳴った。  
プツン、と頭の中で何かが切れた音がする。  
「ディアボロス…もっと…もっとキスして」  
私がそう口にすると、ディアボロスが満足そうに笑った。  
「良い子ね、エルフ…」  
彼女がそう言って再び私の唇をふさぐ。  
のばされた舌に今度は自分から舌を絡め、彼女のことを受け入れる。  
彼女の唾液を嚥下する。  
夢のようだ、こんなふうに彼女の唇をあじわうことができるなんて…。  
ゾクゾクと、背中を何かが駆け抜ける。  
「脱がすわよ?エルフ」  
彼女が離れてそう言うのに私は首を振ってこたえる。  
パチンパチンと小さな音がなってどんどん制服が脱がされていく。  
―ああ…ディアボロスが…ディアボロスが私を求めてくれてる…―  
もはや普段とは違う彼女のことなどどうでもいい、このまま彼女にされて、彼女のものにされてしまいたい。  
被虐的な思いが私のことを支配する。  
ブラウスが脱がされ、インナーのシャツも脱がされ、彼女が私の上着を引き剥がす。  
彼女の髪と同じ色の胸を覆う最後の布が彼女の眼にさらされる。  
「ずいぶん立派な胸ね…」  
楽しそうに彼女がそう言ってブラを押し上げる。  
胸の中心の突起はピンと立ちあがって自己主張をしていた。  
「触るわよ…」  
「はい…」  
「あはっ…!エルフ分かってるじゃない!そうよ、私はそう言う貴方が見たいの!!」  
彼女の言葉に、まるで奴隷のように応えると、本当に嬉しそうに彼女が笑った。  
私の胸を彼女が少し痛みを感じるくらいの力で揉みし抱く。  
彼女に征服されていくようで、頭がくらくらしている。  
「応えなさい、エルフ…貴方処女?」  
「はい…処女です…」  
私の言葉に彼女は満足そうに笑った。  
そして、濡れた私の下着を一気に 抜きとる。  
「そう…じゃあ、今日でもう処女とはお別れね」  
くすくすと彼女が笑って胸の中心を噛んだ。  
快感がびりびりと背中を走り、彼女の言葉を必死で理解する。  
その言葉の意味を理解した瞬間、私は喜びで胸が張り裂けそうになった。  
「はい!奪ってください!私を貴方の女にしてください」  
彼女は私の支配者だ、彼女がそれを求めるなら、私はそれを拒絶するわけがない。  
胸が彼女の手の中で激しく形を変え、彼女が私を喰らうように胸に噛みつき、なめあげる。  
「良いわ!本当に良い!エルフ、こんなに私の想像通りの人なんて、もう誰にも渡さない!!」  
ギラギラとした彼女の眼が私を見る。  
―ああ…―  
激しい彼女の求めがうれしい。  
彼女の指が私の濡れた入り口をぐちゃぐちゃとかきまぜる。  
「はぁ…はぁ…気持ち良い…気持ち良いです」  
 
妄想じゃなくて現実の彼女の指が私を蹂躙しようとしているのがうれしくて仕方ない。  
「一人で感じるのはずるいわ、エルフ、私の胸を愛撫しなさい」  
「はい!させていただきます」  
夢みたいだ、まさか彼女に触ることまで許される。  
彼女のブラウスのボタンをはずし、シャツに手をかける。  
その瞬間、私の中に彼女の指がゆっくりと挿入された。  
―ああ、入ってる!入ってる!―  
ゾクゾクした快感に、もはや我慢などできない、今すぐ彼女の胸に触りたくてシャツに手をかけ引き裂いた。  
ビリビリと音を立ててボタンがはじけ飛ぶ。  
「あら?私のシャツ破っちゃったの?」  
彼女がそう告げてハッとする。  
「ごめんなさい!早く触りたくてどうしても我慢できなくて…」  
「悪い子…」  
ギラリとディアボロスの目が怪しく光る。  
「はい!私は悪い子です!ですからオシオキして下さい!ディアボロス様!!」  
懇願するように彼女を呼ぶ。  
満足そうに彼女は笑う。  
そして、そのまま私の入り口の近くにあっただいじな部分を思いっきりつまんだ。  
「ひゃぁぁぁ!!」  
敏感な場所をつままれ私はぶるぶると震える。  
「あら?痛かった?エルフ?」  
くすくすと彼女が笑った。  
「きもちいい…気持ち良いです…」  
「そう、それは良かった、ところで私の胸に触らなくていいの?」  
挑発するように彼女が小ぶりな胸を揺らす。  
「触ります!触らせて下さい!!」  
あわてて彼女の胸を覆うブラをずらして小ぶりな胸の感触を味わう。  
やわらかくて、温かい…  
小さな胸の中心にはへこんだように陥没した乳首がある。  
「残念かしら小さくて、しかも私陥没乳頭だしね…」  
少し気にしてるのか彼女の顔に陰りがさす。  
そんな彼女を勇気づけたくて、私はその言葉を口にする。  
「あの…なめても良いですか?」  
私の言葉に少し驚いた様子だが彼女はええ、と小さく呟いた。  
そして、自分の気持ちを切り替えるように私の中に入った指を激しく出し入れする。  
「ふぅぅ!」  
激しいその快感に耐えながら彼女の胸にかぶりつく、胸に潜ったその先を舌先で掘り起こすように刺激していく。  
「あっ!くぅぅぅ!」  
彼女が快感で震え指の動きが止まる。  
―気持ち良いんだ…―  
彼女が感じていることがうれしくて、へこんだそこを吸い上げるように強く吸う。  
「ふぅぅ!!」  
彼女が震え、彼女の先がぺこん、と裏返るように飛び出した。  
同じ要領でもう片方も飛び出させる。  
ビクビクと小柄なディアボロスの体が震える。  
「これで…大丈夫です…」  
私の言葉に彼女が自分の胸を見る。  
「やるじゃない…俄然欲しくなったわね」  
ぺろりと彼女が唇をなめる。  
 
そして私の中に指が更に2本追加される。  
「ふぁっ!」  
圧迫感で体が震える。  
ゾクゾクした感覚が私を包み、奥深くまで入ってくる。  
そして、何かにぶつかって止まった。  
「分かる?」  
くすくすと彼女が笑う。  
「はい…私の処女に指がぶつかってます」  
「そう、これが貴方の処女、これから私が散らしてあげる」  
散らされる…彼女に散らされる。  
「うれしい?」  
「はい!」  
ゾクゾクと期待が高まってくる。  
「初めては痛いらしいわよ?」  
彼女が言葉とは裏腹に楽しそうに笑ってる。  
「はい…」  
胸がゾクゾクする。  
「エルフは変態なのね…」  
彼女が楽しそうにつぶやいた。  
「ごめんなさい…」  
気に入らなかっただろうか…不安で彼女の顔を見る。  
その瞬間、ブツリと私の中で何かがちぎれる音がした。  
遅れて、激しい痛みがやってくる。  
「くきゅぅぅ!!」  
体が2つにさけてしまいそうな痛みでゾクゾクしてしまう。  
「あ…あ…」  
パクパクと、空気を求めるように口を開きながら、私のその場所を確認する。  
彼女の指を伝って、ぽたぽたと血が垂れている。  
「あはは…奪っちゃった…」  
楽しそうに彼女が笑っている。  
「ああ…」  
ぽろぽろと涙が勝手にこぼれる。  
「痛かった…?」  
不意にいつものディアボロスに戻って私のことをのぞきこんでくる。  
「違うの…うれしいの…ずっと我慢してたから…私…もう貴方のものなのね…」  
彼女は驚いた眼で私を見る。  
「…そんなに思っていたなら…なぜ私を襲わないのよ…」  
彼女の眼に涙が浮かぶ…。  
「ディアボロス…?」  
「求めてほしかったのに…私だって貴方が欲しかったのに…貴方に欲してもらいたくて、何度も何度も誘惑したのに…何で…私を好きって言ってくれないのよ!!!」  
「くぁ!」  
言葉と共にまだ痛む私の中で彼女が動き出す。  
痛みで体が震える。  
「好きって言ってよ!私は貴方が大好きなのに!何で好きっていってくれないのよ!!!」  
泣きながら彼女が私を犯す。  
痛くて、涙が溢れそうになる。  
でも…  
 
「ごめんなさい…」  
彼女に犯されながら私は彼女を抱きしめる。  
「怖くって…貴方に嫌われたくなくて…ずっとずっと言えなかった…」  
彼女の手が動きを止める。  
彼女の本心を聞いて、彼女を苦しめていたことを謝る。  
「いまさら遅いかもしれないけど…言わせて下さい…」  
「何よ…」  
涙交じりで彼女が応える顔は下をむき表情はよく見えない。  
「ディアボロス…私は貴方のことが好きです…女同士で気持ち悪いかもしれないけど…私は本当に貴方が好きです…」  
ひっくひっく…と彼女の鳴き声が聞こえる。  
むちゃくちゃにされたお腹が痛いけど、彼女を苦しめてきた痛みに比べれば、きっと、大した痛みじゃない…。  
「私の恋人になっていただけませんか?」  
隠してきた、彼女への想いを口にする。  
「馬鹿じゃないの…」  
彼女が涙声で呟き、顔をあげる。  
「初めて…奪われてから…言うセリフじゃないでしょう」  
そこにあったのは泣いているけど…うれしそうな彼女…。  
「それも…そうかもね」  
彼女につられて笑う。  
「ありがとう…」  
彼女が呟いた。  
「私も貴方が…好きです…大好きです…貴方のことを痛くした…我慢できなくて襲ってしまった…こんな私でも…貴方の恋人になって良いんですか?」  
泣きながら言う彼女を優しく抱きしめる。  
「…ええ、代わりに貴方の初めてもらいますけどね」  
冗談交じりに口にする。  
「分かった…あげる…だから…貴方の恋人にしてください…」  
彼女の言葉に少し驚く…  
だけど、そんなことはどうでもいい、目を閉じた彼女の唇を今度は私から奪う。  
舌を絡めて、味わって、ゆっくりとその体を離す。  
クスリと彼女のように笑う。  
「それではお願いしますね…ご主人さま…」  
そんな私を見た彼女は何かに気付いたように再び怪しい笑みを浮かべる。  
「ええ…まずは最後まで貴方にしてあげる」  
そう言って彼女が私の胸を再び揉んだ。  
 
「痛い?」  
入ったままの手を見ながら彼女が私に問いかける。  
「…あの実は私、さっきも言ったんですがマゾみたいで…」  
さっきまだ痛いときに激しく動かされたせいか、なんかむずむずする。  
「その……気持ちよくなっちゃいました」  
ディアボロスがポカンとした目で私をみる。  
「…え?なにエルフマジものなの?その場の勢いにのまれたんじゃなくて?」  
こくんと彼女の言葉にうなづいた。  
ずっと隠してたけど、そのせいで彼女から求められた時、思わず素が出てしまった。  
「変…かな?」  
私の言葉にプルプルと彼女が震える。  
「ごめんなさい…エルフ」  
彼女が顔を下げて表情を隠す。  
「えっと…ディアボロス…?」  
彼女の表情を覗き込もうとした瞬間、私の中の彼女が激しく動いた。  
「ふはぁ!」  
快感で体がびくびく震える。  
そして、再び顔をあげた彼女は楽しそうな目をしてわらった。  
「ディアボロス…“様”でしょ?エルフ」  
「あ…!はい!申し訳ありませんディアボロス様!!」  
彼女に怒られるのがうれしくてゾクゾクと被虐心が刺激される。  
「ああ…ごめんなさいエルフ…もう我慢できない…優しくしようと思ったのにエルフがマゾなんて聞かされたらもう我慢できない」  
心底楽しそうな笑みを受かべてギラギラした目でディアボロスが私をみる。  
―ああ…そんな蔑んでいるみたいに見られたら…―  
私も我慢できそうにない。  
「あはは!ホント最高!大好きだよエルフ!!」  
彼女が笑いながら私の中に入れた手を抜き差しする。  
「ふぁぁぁ!」  
遠慮なんかない激しい抜き差しに快感で体が震えてしまう。  
「私も!私も大好きです!ディアボロス様!」  
私の胸を揉みしだきながら、私の中を掻きだすように彼女が激しく私を求める。  
ゾワゾワと快感が集まってきて私の中で膨らんでいく。  
「ディアボロス様!私イきます!イッちゃいます!」  
自分の限界を感じ、彼女にそれをつつみ隠さず全て伝える。  
「いいよ!イッて!イきなさい!エルフ!」  
彼女の動きが加速する。  
「ふぁ!くぅ!ふはっ!もう駄目…」  
膨らんだそれが破裂する。  
「くふぅぅぅぅ!!」  
バチバチと瞼の裏で火花がはじけて彼女の手を締め上げる。  
体が収縮して快感で体が震える。  
どんどん引き上げられていきついにはそれが落下するような感覚がやってくる。  
「あああ…」  
ぴくぴくと体が痙攣していた。  
くすくすと、楽しそうに笑う彼女が私のことを覗き込む。  
 
「気持ちよかったかしら?エルフ」  
頭が彼女になでられる。  
「はい…」  
「そう…」  
彼女はそう言っていつものように笑った。  
「…それじゃ…今度は私を…初めてだから…優しくしてね」  
先ほどまでの彼女とは打って変わってよわよわしい気配を漂わせた彼女に変わる。  
「ええ…」  
体を起して、彼女と場所を入れ替える。  
あの夢のように、彼女の薄い水色の髪がベッドの上に放射状に広がる。  
彼女の頬をそっと撫でる。  
「お姉さんに任せなさい」  
幼い少女に悪戯をするような感覚が私を期待させていた。  
 
「もう、こんなに濡れてるのね…」  
「…うん」  
スカートをめくると彼女の下着はもうじ十分なほど濡れていた。  
「私をいじめて感じちゃった?」  
彼女に問いただすように耳元で囁く。  
「…その…かなり…」  
恥ずかしそうに彼女が顔を真っ赤に染めてうなづく。  
「あらあら…そんなに私をいじめるのが良かったの?」  
彼女の下着を脱がしながら彼女に聞いてみる。  
「だって…エルフいつもお姉さんみたいなのに…ちょっといじめるだけであんな良い声で鳴くんだもん…」  
…思った以上に、彼女は大人だったらしい。  
下着を脱がせると、ぴったりと閉じた彼女のそこは愛撫しなくても十分なほどに濡れていた。  
「…私は痛いのが好きだから良いけど、貴方には多分すごく痛いと思うから、保険のためにもう少しぬらすわね?」  
「う…うん」  
私の言葉に彼女は弱弱しく応える。  
…なんか少しいじめる側の気持ちが分かった気がする。  
彼女のそこに顔を寄せ、そっとそこをなめてみる。  
「きゃう…!」  
ぴくんと彼女が震えた。  
「今の…何?」  
ゆっくりと彼女が体を起して、私をみる。  
「私の舌…」  
そう言いながらまだ閉じたそこにゆっくり舌を差し入れていく。  
「ふあっ!あったかいのが私の…中に…」  
割り開いたそこからはたっぷりと彼女の愛液が溢れてくる。  
どんな味がするのか気になって、私はそれをなめてみる。  
少ししょっぱい…。  
「これが、ディアボロスの味なんだ…」  
「あ…恥ずかしい……エルフ…今度オシオキするからね」  
―オシオキされる―  
なぜかすごくうれしい。  
―もう少し味わってみたらすごいオシオキしてくれるかな?―  
激しいオシオキへの期待で私は彼女にかぶりついて中の愛液を吸い上げる。  
「くひぃぃぃぃ!」  
刺激が強いのか彼女は自分の頭を強く抱いて、私の与える感覚に耐える。  
「こ…の…!」  
顔を真っ赤にして彼女が私を睨みつける。  
間違いなく、今度すごいオシオキをされるだろう。  
いつしてくれるかわからないけど楽しみでしかたない。  
「今はちょっと許してね?今度激しくオシオキして良いから」  
「…覚えててよ」  
私は彼女への愛撫を再開する。  
飛びだしたばかりの乳首をつまみ軽くつまんでみる。  
 
「ぴっ!?ちょ!そこは刺激強い!!」  
「ご、ごめんなさい!」  
多分、またオシオキが増えた。  
「…何でエルフよだれ垂らしてるの?」  
「ごめんなさい、ちょっと妄想で頭が飛んでた」  
まだ敏感な彼女の乳首への直接の刺激は避け、周りをなぞるように揉み、一本だけ指を彼女に入れて抜き差ししてみる。  
「ん…」  
彼女が眉根を寄せた。  
「痛い?」  
「だ、だいじょうぶ…でもゆっくりお願い…」  
「うん…」  
彼女をいたわるように慎重にそこを揉みほぐしていく。  
次第に閉じていたそこがちょっとだけ開いていく。  
次第に指の動きもスムーズになり、彼女の声にも快感が混じり始める。  
指を2本に増やして更にほぐし続ける。  
ついに彼女がこらえきれないように私をみて言った。  
「…多分…もう…大丈夫」  
これから感じる事になる痛みを想像し、彼女の体が震える。  
そんな彼女を抱きしめて、そっと耳元で囁く。  
「大丈夫…私を信じて…」  
私の言葉に彼女が首を縦に振る。  
彼女の体と比例するように彼女の中は小さくて狭い、多分この2本でも多分苦しいはずだ。  
何度も何度もほぐすように動かし、ついにたどり着いたそこをゆっくりと押し上げる。  
「ひっ!」  
彼女が痛みに脅えて私の肩をつかむ。  
「大丈夫、痛くて耐えられなかったら爪を立てて良いから」  
「でも…そんなことしたらエルフが痛いでしょ?」  
心配そうに彼女がそう言って私を見上げる。  
そんな彼女を心配させないように私は笑顔でそれに応える。  
「あらあら…ご主人さまお忘れですか?私…これでもドMですよ」  
くすくすと私が笑うと彼女もつられて笑う。  
「それもそうね…じゃあ、私の初めてを奪う栄誉をたたえて、貴方の背中に私の傷を刻んであげるわ」  
私を攻めていた時のような口調で彼女が笑う。  
「それでは…」  
ぐっと彼女の中を押し進む。  
「ぴっ!?」  
痛みで彼女が震えて、背中に彼女の爪が食い込んでいく。  
「早く…しなさい…なにやってるの…!」  
痛みに耐えながら彼女が言う。  
「は…はい!」  
ヤバい、ちょっと頭がおかしくなりそうなほど彼女の口調がうれしい。  
そんなことを思いながら力をくわえると、ブツリと突然抵抗がなくなって彼女の深くまで指が沈む。  
「いったぁぁぁぁ!!」  
彼女が大きく叫んだ。  
「エルフ…覚えておきなさい…」  
「…は……はい!」  
―オシオキいっぱいされそう…―  
駄目だ、なんかオシオキへの期待で手加減ができなくなってしまいそうになる。  
「い…痛い…ですよね?」  
「…痛いけど…うれしいよ…エルフが私を大人にしてくれたんだよね…」  
ぽろぽろと彼女が涙を流しながら微笑んでくれる。  
―あ、妹モードに戻っちゃった―  
少し残念だけど、ふとみた手に彼女の初めての証がついてるのをみて、またうれしいという気持ちが満ちてくる。  
 
「ええ…貴方を汚してしまったわ」  
「…汚されちゃった」  
そう言いながらもなんとも言えない達成感が私を包む。  
「ねぇ…エルフ…キスして…」  
「うん」  
彼女の申し出に応えて唇を重ねる。  
深く深く…彼女を味わう。  
「大丈夫…動いて良いよ…気持ちよくして…」  
幼い見かけの彼女がドキリとする言葉を口にする。  
「ええ…」  
まだきっと痛いはずだから、指はゆっくりと浅い位置で動かし、胸や大切な場所を愛撫する。  
「はふぅぅ…」  
次第にならすように続けていくと彼女の気持ちよさそうな声が漏れる。  
ようやく感じ始めた彼女の中をほぐすように、いたわるように指で刺激を与えていく。  
「あ、うぅぅ、エルフ…私…」  
何かに脅えるように彼女が震え始める。  
「大丈夫よ…イってちょうだい…」  
とどめをさすために指の動きを少し強くして、それまで我慢していた彼女の胸の突起をまたつまみ、歯であまがみする。  
「ひゃうっ!」  
ビクビクと彼女が震える、そして、指を深く押し込んだ瞬間、彼女は大きく目を見開いた。  
「ふきゃぁぁぁぁ!!」  
指が強く締め付けられ、彼女の背中がそりかえる。  
その体がぴくぴくと痙攣を繰り返し、糸が切れたように彼女が倒れ込んだ。  
「大丈夫?」  
覗き込んだ私の顔が彼女の手で引き寄せられる。  
何度目か分からない口づけを交わす。  
「…ありがとう、エルフ…気持ちよかったわ」  
そう言って彼女はうれしそうに笑った。  
 
 
「…それにしても、意外だったわ」  
「…何が?」  
裸のままベッドで抱き合いながら横になり、傍らの彼女に語りかける。  
「いえ…私はずっとディアボロスは妹みたいだっておもってたから…」  
彼女のもう一つの顔を知って、少し驚いた。  
「…怖かった?」  
おどおどとした目で彼女が私を見る。  
「…その、できれば今度からもするときはあんな感じでしてほしいの…」  
恥ずかしい願いだとは思う、自分の顔が赤くなるのが分かる。  
そんな私を見た彼女はあの笑みでクスリと、笑う。  
「仕方ない子ね…そんなにオシオキしてほしいの」  
「ああ…その口調…その目つき…ゾクゾクしてしまいます」  
ついつい彼女のもう一つの顔には敬語になってしまう。  
「あはは…」  
ディアボロスがいつもの彼女に戻って笑う。  
「変態さんだね…エルフは…」  
「うん…、私のこと…ディアボロスは嫌い?」  
「ううん…大好き」  
彼女が私を抱きしめて再びキスをする。  
幸せな気持ちと彼女の温かさに包まれながら、私達は静かにそのまま眠りにおちた。  
 
 
「ん?」  
窓から差し込む朝の陽ざしに目を覚ます。  
昨日愛し合った痛みはまだ少し残っていた。  
「夢じゃないのね…」  
少しまだ不安だった想いが解きほぐされて解放される。  
隣ではまだ彼女がすやすやと寝息を立てていた。  
「…エルフ…オシオキよ…」  
「ええ…どうぞ、ご主人さま…」  
そう言って恋人の額にキスをして体を起こす。  
制服を身にまとって、体を再び引き締める。  
「良し…」  
身支度を整えていると、こんこんとドアがノックされた。  
「すまない、エルフ、俺だフェルパーだ」  
何かあったのかと思い、扉を軽く開ける。  
「どうかしたの?」  
私の言葉にフェルパーがああ、とうなづく…  
「どうやら…ディアボロスの姿がないらしいんだ、何かあったのかもしれない、君は良く彼女と居るから知らないかと思ったんだが…どうした?」  
サァっと血の気が引く音がする。  
ディアボロスは確かに今私の部屋に居る。  
だが、今の彼女は明らかに、私と彼女が行為に及んだと分かる状態だ。  
いくらなんでも、まだチームのみんなに打ち明けるには私の覚悟が足りない。  
「そ、その大丈夫よ!!ディ…ディアボロスはわた、わたしの部屋に居るからちょ…ちょっと今はまだ寝てるから…」  
何とかごまかそうとするが動揺して言葉がうまく伝えられない。  
フェルパーが首をかしげると、不意に背後から声をかけられる。  
「私がどうかしたの?エルフ?」  
「な、なんでもないですディアボロス様!!」  
「え?」  
フェルパーが私の言葉に驚いた。  
「あ…」  
つい、彼女の言葉に反応して敬語になってしまった、しかも様をつけた状態で…。  
「な、なんでもないのフェルパー、だから大丈夫」  
マズイと思って彼に帰ってもらおうとしたところで私の体に手が回されて温かい感触が触れる。  
「どうかしたの?」  
妹モードに戻ったディアボロスが私とフェルパーを見ていた。  
ほとんど裸の、体にシーツを巻きつけただけ状態で…。  
 
「…すまない、邪魔をした……」  
静かにフェルパーが扉を閉めようとする。  
「待ってフェルパー、その襲ってきたのはご主人さまの方で!」  
私の言葉に本格的にフェルパーが固まる。  
「フェルパー…私のエルフに何か用かしら?彼女ならあげないわよ、ま、初めてはもうもらたけどね」  
よりによって再びディアボロス様に戻った彼女がフェルパーにそう言った。  
「…いや、何でもない邪魔をした、今日はゆっくり休んでくれセレスティアには今日は休もうと言っておく、あと気にするな…そう言う愛の形もあると聞いたことがある、俺は君たちを否定するつもりはない、ただお嬢の前ではやめてくれ」  
もはや完全にバレた。  
「…うん」  
ただそれだけをつぶやくと静かにドアが閉まった。  
「…もうバレた」  
「何?私との事がバレたのはそんなに嫌?」  
「いえ…そんなことないです、ディアボロス様」  
もはや条件反射のように彼女をそう呼ぶ。  
「そう…ところでなぜ貴方は服を着ているのかしら?」  
「え?」  
彼女の言葉に私は凍りつく。  
「その…今日でる迷宮探索の準備の方を…」  
「今日は休みだそうよ…良かったわね…エルフ…たくさんオシオキしてあげるから」  
彼女の言葉に背中がゾクゾクする。  
「その…せめてご飯を食べて、温泉に入ってから…では…」  
私の申し出に彼女はふむ、と考え込む。  
「そうね…じゃあそうしてあげましょう、ただし終わったらオシオキね…」  
「はい…」  
私の言葉に彼女は満足そうにうなづくと、またいつもの妹モードに戻る。  
「…じゃあ、着替え手伝って…エルフ」  
「うん…」  
「それと…」  
「ん?」  
「おはようのキス…」  
そう言って背伸びして彼女が私の唇を奪う。  
 
私の恋人は、本当に小悪魔のような少女だった。  
 
 
 

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