パルタクス学園にて…  
 
二人の学生が屋上で並んで床に座っている。  
「なあノム子」  
「何ですか?ヒュム男さん」  
「なぜノームはアストラル体のまま活動しないんだ?」  
「…きちんとした理由はありますが、私個人の理由でもよろしいですか?」  
作られた水色の眼がヒュム男をみつめる。潤んで見えるのは気のせいだろうか。  
「え。あ、ああ」  
「貴方と、こうして触れ合えるから」  
キュッ、とヒュム男の腕を取るノム子。  
造られた体とは思えない暖かさと柔らかさが、制服越しに伝わる。  
いつもは無表情な顔が僅かに桜色に染まっている。  
「…その答え方は卑怯だ」グイ、とノム子の肩を抱き寄せる。  
「…お褒めにあずかり光栄です」  
 

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