教え込むには、子供の頃から。やはりこれが一番でしょう。  
なんたって最も敏感に物事を感じる時期ですから。  
それは勉強以外でもしかり・・・いやらしい事とか、ね。  
 
「クッソ!全然見つからないぞ!」  
「おーい、そっちいたかー?こっちにはいないぜー!」  
「野郎、どこに隠れやがった!」  
「探せ!今ならまだ間に合うはずだ!」  
先程からやかましく続く男達のいらついた声。  
怒り狂うのも仕方がない。自分達の宝を横取りされて、現行犯に逃げられたとあっては盗賊にとって末代までの恥。  
挙句に盗まれた物が金の箱で、中身が高価となればなおさらだ。  
「あ〜あ、ホントみっともないね。いつまでやってるつもりかな?」  
当の犯人は宝箱を抱えて余裕の表情。ランツレートの制服を身に付けたクラッズは、完全に勝ち誇っていた。  
「野良盗賊が持ってるにはもったいないお宝だよ。むしろボクにこそふさわしい物かな。金の宝箱の中身はね」  
というより、彼女がラッキーだったと言えよう。  
それなりの優等生だが、まだ銀の箱も拝んでいない新米組の盗賊だった。  
暇つぶしに地下道を出歩くと、いきなり金の宝箱を見つけてしまったではないか。  
後になって他の盗賊の獲物だと気付かされるが、この業界は早い者勝ちが常識。  
せっかく手に入れた煌びやかな金の箱、そう簡単に返すもんか!  
「う〜ん、やっぱりキレイな箱だよ〜!激しく財宝のヨカーン」  
愛おしく頬擦りなどしてみる。滑らかな箱の表面は特に痛い訳でもない。  
罠を調べる。メデューサの瞳だ。慣れた手つきでそれを外す。  
「さてさてそれでは・・・ご開帳!」  
めちゃんこ強い武器の廃品か、はたまた上質な防具の素材か。  
うっとりできそうな美しさの装飾品、貴重な道具でも構わない。  
期待をいっぱいにして箱を開けると――白い粉が詰まった袋が出てきた。  
「ん〜?何だろ、コレ」  
見覚えの無いさらさらした粉。鑑定ができないので詳細は不明のままだ。  
しかし金の箱に入っているくらいだから、値打物に違い無い。  
「ま、いっか。さ〜て、帰ろうかn」  
「残念、そうはいかないな」  
「え?!誰・・・ぐっ!」  
突然やって来た上からの声と首への衝撃。見事に急所を捉えており、彼女はなす術もなく気を失う。  
 
「・・・・・・う〜ん・・・」  
「気が付いたかな?」  
凛々しい声に起こされて眼が覚めたのは見知らぬ場所だった。当て身で気絶させられ、ここまで担ぎ込まれたらしい。  
両手足を布で縛られている。軽く辺りを見回すと、どこかの小部屋に転がされていたと悟る。  
声の主に向き直ろうとするが、思うように動けない。何とか上体を起こして眼を合せると、人の好さそうなエルフがいた。  
「ちょ、ここどこ?て言うかあなた何者?」  
「僕は通りがかりの売人さ。君が持ち出した箱の中身は僕の商品だったんだ」  
「でもでも、何でこんなコトするの?」  
「ちょっとワケありの品物なんだよ。君も見ただろう?あの白い粉を」  
エルフはゆっくりと立ちあがり、クラッズの緊縛を解く。  
「だからあの粉の事をきちんと聞いてほしくてね。喉渇かない?水ならあるよ」  
手首や足首には痕が付いていない。長時間縛られていた様子ではなかった。  
腰にさげた水筒をクラッズに差し出すエルフ。正直に水分が欲しくなり、まだ余裕ある容量の革袋を受け取る。  
「あ、どうも・・・んく、んく・・・」  
「飲みながらでいいや。説明するよ」  
心地よく喉を滑る飲み水。エルフは待ち切れなかったようで、早々に話を切り出す。  
「例の商品はいわゆる薬の類で、普通の店には売ってない」  
「んぐ、んっ・・・はあ、そうなんですか」  
「実はその水筒の中に、同じ物が入ってるんだ」  
言われて、噴き出しそうになる。しかしもう遅い。全部飲んでしまった。  
少し嫌な汗が流れる。得体の知れない物を飲んだらしい。  
「え、ちょっと、これ大丈夫ですかあ?!」  
「ああ、平気平気。毒薬とか劇薬みたいな殺人的な薬じゃないよ。けど――」  
その言葉が終わる前に、妙な感覚に襲われる。股が疼くような、甘い痺れ。  
「それって、淫薬ってやつでね。女の子をやらしくする薬さ」  
いくばくかの影を帯びたエルフの顔は、いやに凶悪な雰囲気を持っていた。  
 
「あ、やあ・・・何、コレ・・・っ」  
「水に熔け易くて即効性、しかも超強力な特別製だよ」  
声が出るよりもずっと早く、自身の秘所を弄るクラッズ。  
自慰をした経験はあった。それでも触り始めで湿り気を帯びてくるのは初めてだ。  
たまらずその場にしゃがみ込み、激しく指を出し入れする。  
「んあっ、ひゃあ、ボク、変だよぉ・・・」  
「いつもオナニーとかしてる?すっごく感じ易いと思うけど」  
「あう、んんっ、凄い、ダメぇ・・・」  
「凄い?ねえ、どこが凄いの?」  
「あっ、ぼ、ボクの、アソコが、いつもより、敏感・・・あうっ!」  
聞かれても絶対に答えない問いかけも、違和感なく答えてしまう。  
それ以前に、このエルフとは面識がないはずなのだ。初対面の異性を前に、とてつもなく恥ずかしい事をしている。  
「いやらしい音が聞こえるよ。ほんとは淫乱なんじゃない?」  
「そ、そんなコトない・・・はあ、はうっ!」  
「でも、さっきからずっとエッチな汁が出てる。ほら、奥の方から溢れてるよ」  
「いやあ・・・言わない、でぇ・・・」  
おまけに淫らな言葉を受けて、それでも指は止まらない。  
むしろそれすらも快楽に代わる。指摘されるたびに身体が熱くなる。  
感じた事のない激しさ。ますます加速して陰部をえぐる指に、たっぷりと蜜が付いていた。  
「ああっ、はんっ!ボクもうイッちゃ・・・!」  
「ダメだよ。そんな簡単にイッたら」  
もう少しで絶頂という時に、エルフが指を引き抜いた。  
力任せに手首を引っ張られて、滑りの良い股から離される。  
「いやあ、ダメ〜。ちゃんとイカせてぇ・・・」  
「独り善がりはいけないよ。僕も良くしてもらおうかな」  
再び両手を縛り付けて、エルフは自らのズボンを下ろした。  
 
基本的にエルフの男性器は勃起させても平均より小さい。  
ヒューマンと同等か、よくてフェルパーの人並みだそうだ。  
ところが眼の前のそれは凶悪な男根だった。長さもそこそこに、太さが凄まじい。  
どのくらいかと言われれば、クラッズの片手に収まらない肉の棒と表現できる。  
「あ・・・コレって・・・」  
「本物を見るのは初めて?じゃあまずは先っぽを舐めてみて」  
オスの臭いと脈打つ性器に気押されて、言われた通りに舌を這わせる。  
先端を刺激すると、苦く塩辛い味がした。  
「んち、れろ、ちろちろ、ぺろっ・・・」  
「そうそう。慣れてきたら咥えてみて。歯を立てないように気を付けて」  
「ちるっ、くぷ、んちゅっ、あむっ・・・」  
「意外に上手だね。本当に淫乱なコだ」  
いたずらに頭を撫でられる。淫乱と言われたことより、上手だという褒め言葉が耳に着く。  
手を後ろで縛られていなければ、自分を慰めながら熱いモノに食らい付いている。  
それほどまで男の臭いに魅了されていた。これも薬のせいだろうか。  
「んんっ、んむう・・・ん〜・・・」  
「何?その物欲しそうな顔は」  
「んはあっ、お願い。ボクにこの熱々のオチンチンちょうだ〜い」  
「あは、もうおねだりを覚えたんだ?君は良くできた女の子だなあ」  
「もう我慢できないのお、早くう〜」  
「まったく、しょうがないな。じゃあシテあげるよ」  
果てかけたところを止められたのだ。本気で極部が疼いてたまらない。  
エルフは膨張した分身で潤った秘裂を撫でつける。  
「やあん、焦らしちゃダメ〜。早く挿入てぇ〜」  
「解ってるって。じゃ、挿入るよ」  
先端を割れ目に埋め込むと、一息にエルフが侵入してきた。  
 
「うっ!」  
「ああーん!」  
極太の肉棒が処女膜を破る。じんわりと血が滲むのが解った。  
しかしそれらしい痛みは感じない。この薬はどこまで効いているのか。  
欲しかったモノを挿入られて、行為に慣れた売春婦のようにふしだらな喘ぎ声が出る。  
「やっぱり初めてか。痛くないでしょ?」  
「平気だよ。だから気持良くしてぇ〜」  
「ホントにこのコは・・・まあいいや。可愛い声聞かせて!」  
最初の一突きから深い攻め。背後から犯されていると、最奥まで亀頭が入り込む。  
敏感な子宮に激しい刺激。太ましいペニスに貫かれるたび、小さな身体が痙攣をおこす。  
「きゃん!ひゃあ!あはっ、ああん!」  
「ああ〜イイ・・・キツキツのグチャグチャだ」  
「きゃあんっ!気持ちイイ〜!気持ちイイのお〜!」  
「僕もイイよ・・・すぐにイキそうだ」  
「ちょうだぁい!中に熱いのちょうだ〜い!」  
満面の笑みを浮かべて快楽に堕ちた言葉を並べる。  
もはや学院の生徒の肩書は無い。ここにいるのは淫らなメスのクラッズだ。  
自分からも腰を突き出し、さらなる一体感を求める。  
「そろそろ、イクよ。中に出すよ・・・くうっ!」  
「きゃああん!ボクもイク!イッちゃうう〜!」  
淫靡な声を張り上げて、大げさに身体を逸らす。  
小部屋の外まで聞こえる喘ぎを撒き散らしてクラッズは達した。  
「はあ、はあ、もっと、もっと欲しいよお・・・」  
「もっとヤリたいの?たくさんのヒトと?」  
「それでもいい・・・もっとザーメンちょうだい・・・」  
「だってさ。皆、どうする?」  
待ち構えたようなエルフの声に合わせて、先程の盗賊達がわらわらと部屋に入って来た。  
「さっきから見させてもらったぜ。確かに凄い効き目じゃねえか」  
「今度は俺達が相手してやるよ。全員分の溜まった精液、全部おまえにぶっかけてやるぜ」  
エルフと男達の密談など、もう今はどうだっていい。  
新しい快楽が欲しい。青臭い男を味わいたい。  
「わあ〜、みんなおっきい〜・・・ボクのコト、気持ちよくしてぇ・・・」  
後のことなんか、どうでもいい。  
 

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