その娘はモンスターと呼ばれた。
地下道の奥深く、他の異形の者達と共に現れ、冒険者の命を奪う存在。
彼女の魔法は強力で、一体何人の冒険者がその犠牲となったのか。
彼女に名前はない。しかし、冒険者達に種族があるように、彼女にも種族があった。
その娘は、ミカヅキっ娘と呼ばれた。
ぴっちりした紫の服に身を包み、鳥のような帽子を被り、名前どおり巨大な三日月を伴って現れるその姿。
メルヘンチックなその外観。大きさはクラッズか、ヒューマンの子供といったところ。
その愛らしさは、初めて見た者であればつい攻撃の手を緩めてしまいそうなほどだった。
しかし、彼女はモンスター。冒険者とは、ただの獲物。
彼女の戦いは、遊びと同じだった。大抵6人ほどで徒党を組み、地下道を我が物顔で歩き回る異種族達。
それを相手に、暇潰しがてら襲い掛かり、殺す。魔法を数回撃てば、大抵の者は動かなくなった。それが楽しくて、彼女は戦った。
だが、その日の冒険者達は違った。
他のモンスターと共に襲い掛かったそいつらは、こちらの攻撃などほとんど受け付けなかった。
闇より生まれし獣王の攻撃をひらりひらりとかわし、直撃を受けたところで平然としているそいつら。
のみならず、彼女の放つビッグバムを受けてさえ、6人全員が立ち上がった。そしてその傷を、一瞬にして癒してしまう。
最初彼女は、変だな、としか思わなかった。
次に彼女は、強いなあ、と思った。
闇より生まれし獣王が一撃で切り倒されたとき、危ないな、と思った。
そして奴等の一人が、彼女と同じビッグバムを放ち、ミカヅキっ娘は吹っ飛ばされる。
顔を上げたとき、一緒にいたはずの獣王は灰すら残っておらず、サキュバス達はひどく傷ついていた。
その時彼女は、怖い、と思った。
殺される恐怖。それに伴う苦痛への恐怖。それら全てが、彼女に一つの命令を下していた。
彼女は、逃げた。
傷ついた仲間を見捨て、その恐ろしい相手から逃げ出した。仲間の声など耳にも届かない。
彼女は必死で逃げた。やがて奴等の声も聞こえなくなり、ホッと息をついた瞬間。目の前に、別の奴等が現れた。
さっきの奴等は、見かけは恐ろしく見えなかった。だが、こいつらは見かけからして恐ろしい相手だった。
彼女は怯え、様子を窺った。今までの相手は、こちらが先に攻撃を仕掛けなければ無視してきた。
だからこいつらも、そうしてくれると信じた。
だが、違った。この一団は、怯えるミカヅキっ娘を見て好機と判断したのか、一斉に襲い掛かってきた。
慌てふためく彼女は、再び逃げようとした。だが、遅すぎた。
大剣の一撃で三日月を切り裂かれ、地面に投げ出されるミカヅキっ娘。その周囲を、6人が取り囲んだ。
口々に何か言っている。その言葉はまったく理解できない。しかしその顔は、ひどく邪悪なものに見える。
一番体格のいい男がミカヅキっ娘の首を掴み、持ち上げた。
「ピッ…!」
息が出来ない。必死に足をばたつかせ、首を掴む手を外そうともがく。だが暴れれば暴れるほど、その手はさらに強く締め上げてきた。
苦しみがこれ以上ないほど強くなり、意識が朦朧となる。目からは自然に涙が溢れ、口からは唾液がこぼれる。
死を覚悟した瞬間、男が服に手をかけた。
静かな地下道に、布を切り裂く音が響き渡る。それと同時に、男はミカヅキっ娘を放り投げた。
「ケホッ!ケホッ!」
激しく咳き込むミカヅキっ娘。その姿を見て、笑い声を上げる異種族達。
何とか呼吸が整ってくると、次第に羞恥心が頭をもたげてくる。周りの異種族は全員雄らしく、少なくとも異性には違いない。
小ぶりな胸と毛も生えていない秘所を何とか手で隠すと、再び笑い声が響く。そして、さっきとは別の一人が近づいてきた。
今度は何をされるのかと震えていると、そいつはいきなり男性器を露出した。
「ピィ!?」
初めて見たそれに、思わず悲鳴を上げるミカヅキっ娘。それは異様に大きく見え、またグロテスクだった。
顔を背ける間もなく、そいつが頭を掴む。そして顎を押され、無理矢理口を開かせると、あろう事かそれを口の中に突っ込んできた。
気持ち悪い!
とにかくその一言に尽きる。あんなグロテスクなものを口に押し込まれて、平静でいられるわけがなかった。
それゆえ、彼女が口にそれを入れられたまま、思い切り顔を動かしてしまったのも、本来は責められるべきではないだろう。
が、男は呻いてそこを抑えると、激しい怒りを込めて彼女を睨みつけてきた。相手を怒らせてしまったと、ミカヅキっ娘が後悔した瞬間。
腹にめり込む拳。肺の空気が一瞬にして押し出され、激痛と窒息の苦しみに、ミカヅキっ娘はのた打ち回った。
だが、男は転げまわるミカヅキっ娘の髪を掴むと、再び性器を突き入れた。今度は頭が動かせないようしっかりと押さえられ、
その上さっきよりもずっと深く突き入れられる。
喉の奥にそれが当たるたび、激しくえずく。だが吐く事はできない。そして逃げることも出来ない。
何度も何度も激しい吐き気だけが襲い、ミカヅキっ娘はただただ涙を流してそれに耐えた。
頭を掴み、無理矢理前後に激しく動かす男。やがてその腰も動き出し、動きがさらに早くなったと思った瞬間。
突如、男のモノがビクンと震え、口の中に生暖かく、ひどく生臭い液体が流し込まれた。
「ウブッ…!ピ……ィィィ…!」
それの拍動にあわせ、さらに流し込まれる液体。ネバネバと口内に絡みつき、ひどい吐き気をもたらすそれは、際限なく口の中を満たす。
飲み込むことも出来ず、やがてそれは口と男のモノの僅かな隙間から溢れ出す。
ようやくそれが終わり、男がモノを引き抜いた瞬間、ミカヅキっ娘は激しく嘔吐した。口の中はまだ気持ち悪く、いくら吐いたところで
あの白い液体の感触は消えない。それを見て、また笑い声を上げる男達。
ミカヅキっ娘は屈辱と羞恥に涙を浮かべ、男達を見上げる。もうこれで許して欲しかった。もう帰りたかった。
しかし、それはまだ始まったばかりだった。やがて別の男が近づき、さっきの男と同じように口を開けさせた。
ついさっきまでの記憶が蘇り、激しく首を振るミカヅキっ娘。だが、男はお構いなしに性器をその小さな口に突きたてた。
再び襲い来る、嫌悪感と吐き気。それでも耐えねば、また痛い目に遭わされる。
泣き出したい衝動を堪え、されるがままになるミカヅキっ娘。その後ろに誰かが回りこんだことに、まだ気付かない。
突然、お尻にヒヤッとした物が垂らされ、ミカヅキっ娘は悲鳴を上げた。が、口の中に男のモノが入っていては、大した声も出ない。
一体何をされるのかはわからないが、後ろに回った男は、その液体を誰にも触らせたことのない部分に塗りつけている。
あまりの恥ずかしさに逃げようとしても、頭を抑えられていては何も出来ない。腰を引いても、大した意味はなさない。
何だかネバつくその液体は、肛門から秘所に至るまで丁寧に塗り伸ばされた。
後ろで何か喋っているのが聞こえた。すると、口の中に突っ込まれていたものが不意に抜き出され、ミカヅキっ娘はホッと息をついた。
が、次の瞬間。ミカヅキっ娘の腰が持ち上げられ、秘所に何かが押し当てられた。
「ピッ!?」
振り返ろうとした瞬間、そこに凄まじい激痛が走った。
「ピイイィィィ!!!」
体内に何かを突き刺されたような激痛。甲高い絶叫。そこから広がった激痛は全身を走り、ミカヅキっ娘の体を強張らせる。
今まで感じていた羞恥心や恐怖感すら、その痛みの前に消え失せた。
だが、そんなのは序の口だった。男は、ミカヅキっ娘の秘所に突き刺したそれを出し入れし始めたのだ。傷口を広げられ、
さらには擦られる痛みに、ミカヅキっ娘は激しく泣き喚く。
ただでさえ、限界以上に広げられた秘所の痛みは凄まじい。その上に、それはミカヅキっ娘の体内の奥深くまで到達し、
何度も何度も子宮口を突き上げてきた。体の裂けた痛みに、内臓を叩かれる痛みが加わり、ミカヅキっ娘の意識は何度も飛びそうになる。
その動きが、不意に止まった。どうしたのかと思う間もなく、男がミカヅキっ娘の体を持ち上げ、ぐるりと回す。
「ピイィッ!!!」
秘所に何かを突き刺されたまま体を回され、ミカヅキっ娘は泣き声を上げる。
今度は男と向かい合う形にされ、ミカヅキっ娘は自分の中に何が刺さっているのか、涙に濡れた目で必死に見極める。
それが男のモノだとわかった瞬間、ミカヅキっ娘はまた甲高い悲鳴を上げた。だが、それに男達が怯む様子はない。
それどころか、後ろにまた男が回り、今度はお尻にまで何かが押し当てられる。何をされるのかは、容易に見当がついた。
ミカヅキっ娘は腰を引こうとした。しかし、自分に挿入している男が腰を抑える。
その上、もう一人が挿入しやすいようにと尻を掴み、強引に広げてきた。
「ピィ!ピィ!ピイィィ!!!」
ミカヅキっ娘は泣きじゃくり、必死に許しを乞う。
だが、言語の違う男達にその意味は通じず、また通じたとしても、聞き入れられるものではなかった。
男のモノが、ゆっくりといたぶる様に押し当てられた。
ミカヅキっ娘は必死にそれを拒もうとするが、そんな抵抗が意味を成すはずもない。
気遣いなど、一切なかった。ただ、男にとっての快感を得るためだけの行為。
男はミカヅキっ娘の腸内に、思い切り突き入れた。
「ピイイイイィィィィッッ!!!!!ピイイィィィィッッ!!!!」
恐ろしいまでの激痛。圧迫感。ミカヅキっ娘は泣き喚き、絶叫し、ひたすら許しを乞う。
しかし、その声はむしろ男達にとって興奮剤でしかなく、行為はますます激しさを増す。
体格のまったく違う種族に、同時に二本もの性器を突き刺される苦しみは想像を絶するものだった。
内臓を押し上げられる圧迫感に、限界以上まで小さな穴を押し広げられる痛み。そしてそこを容赦なく擦られる激痛。
痛みのあまり気絶することすら許されず、ミカヅキっ娘はただただ泣き喚き、通じない許しを乞うしかなかった。
その泣き声と比例するように、男達の動きはさらに激しくなる。腸壁越しに何度も男達のモノがぶつかり、その度に激しい痛みと圧迫感が
ミカヅキっ娘を襲う。
やがて、最初に挿入してきた男のモノがビクビクと動き、あの白いネバネバする物をミカヅキっ娘の体内に放った。
傷にかかる熱い液体はひどく沁み、その痛みにミカヅキっ娘はまた悲鳴を上げる。
それが終わる頃、今度は後ろの男もミカヅキっ娘の腸内に精を放つ。
二人は同時に、ミカヅキっ娘からモノを引き抜いた。支えを失ったミカヅキっ娘は力尽き、そのままドサッと倒れてしまう。
石造りの地面はひんやりとして、火照りきったミカヅキっ娘の体を程よく冷やしてくれる。その感覚も相まって、ミカヅキっ娘は
ようやく終わりを告げた陵辱に、ホッと息をついていた。
が、それは間違いだった。さっきとはまた別の二人が、ミカヅキっ娘の体を持ち上げる。
「ピッ!?ピ、ピイィ!?」
まだ、終わってなどいなかった。それどころか、ミカヅキっ娘の地獄は、まだ始まったばかりだったのだ。
今度は体を持ち上げられ、男のモノの上に体を下ろされていく。
どんなにあがいても、それは自重でどんどん体内深くへと侵入してしまう。一番奥まで入っても、小さなミカヅキっ娘では足がつかず、
まるで男のモノで串刺しにされているかのようになってしまう。
「ピ……イィ…!!ピィ…!」
痛みよりも、今度は苦しさに悲鳴を上げるミカヅキっ娘。それをニヤニヤしながら見ていた二人は、やがてミカヅキっ娘の体を
乱暴に揺すり始めた。
凄まじい圧迫感と激痛の中、ミカヅキっ娘の目には他の四人の男が映っていた。そのうち二人は、恐らく順番待ち。
他の二人は、さっき自分を陵辱した相手だった。しかし、その二人もまた、順番待ちをしている。
まだまだ、この地獄は始まったばかり。ミカヅキっ娘は、嫌でもそれを悟らねばならなかった。
「ピイイイイイィィィィィィ!!!」
ミカヅキっ娘の絶叫が、再び地下道内に響き渡った。
何度も何度も陵辱され、もはやまともな反応などほとんどなくなってしまったミカヅキっ娘。
それまで男を知らなかった体は男の精液の臭いにまみれ、秘所も肛門も散々に陵辱された結果、だらしなく開いてしまっている。
そこからは、男達の放った精液がとめどなく滴り落ちている。
さすがに男達も飽きたらしく、ミカヅキっ娘をまた犯そうという者はいない。そして何やら、6人で相談をしている。
だが、もうそんなことはどうでも良かった。ただもう、この拷問が終わってくれれば。そして帰ることができれば、どうでもよかった。
話がまとまったらしく、男達の一人がミカヅキっ娘に近寄る。ミカヅキっ娘は虚ろな目でそれを見上げる。
男が何か言っている。何を言っているのかはまったくわからないが、どことなく優しい響きのような気がする。
その男は笑みを浮かべ、ミカヅキっ娘の肩を掴み、体を引き起こした。そして笑顔のまま、何か言っている。
何を言っているのかわからないし、聞き取れない。ただ一つ、最後に言った一言だけはわかった。
簡単な発音で、音も少ない。意味こそわからないが、これだけははっきり聞きとれた。
「あばよ。」
その言葉の意味を、ミカヅキっ娘は知らなかった。
そしてその意味に気づいたのは、意識を失う直前。
自分の体が、首から血を吹き上げて倒れるのを見たときだった。