一体どうして、こんなパーティが組まれることになったのか。その経緯なんか、ほとんど思い出せない。  
確か、うちらパルタクスとランツレートの合同パーティを組んでみようって話だったのは覚えてる。  
が、どうして、よりにもよってこうなるのか。  
「おい、そこのクズ。ボケッとしてると、モンスターに殺される前に私が殺すぞ。」  
青い制服のバハムーン。俺がヒューマンであることが気に入らないらしく、いつもこうやって文句を言ってくる。  
「やってみれば?そしたらお前だけじゃなくて、パーティ全滅だと思うけど。」  
「僧侶の一人ぐらい消えたところで、大勢に影響はないと思うがな。」  
「脳まで筋肉でできてんのか?お前一人で戦ってるんじゃないんだよ。」  
もうこんなやり取りはいつものこと。だがまあ、これが俺だけならよかったんだが…。  
言い合う俺達の後ろで、甲高い声が響く。  
「ちょっとぉ!いちいち近寄らないでよっ!うざったいなあ!」  
「フェアが寄ったんじゃないもん。あなたが近づいてきたんだもん。フェアのせいにしないでよぉ。」  
「その喋り方もうざったいって言うの!ほんっとにイライラするなあ!」  
「あなたの方が、ずっとうるさいもん。イライラするのはフェアの方だよぉ。」  
後衛を務めるフェアリー二人。おっとりしてるのが、俺の同級生のフェアリー。気性の荒いのがランツレートのフェアリーだ。  
フェアリー同士仲が悪いとは聞いていたけど、この二人を見てるといつか殺し合いが起きそうで怖い。というか、傷害事件ならもう  
日常茶飯事だったりするんだが。  
うん、まあ、それでもあとの二人がノームとかセレスティアなら、何とかやっていけたと思うんだ。  
でも、今俺達の前で言い争ってるのは…。  
「まったく、あなたは敵と味方の区別もつかないのかしら?」  
「ああ?何が言いてえんだよ?はっきり言え。」  
「これだから獣は…。あなたの振り回す、その野蛮な得物が、わたくしに当たりそうだったと言ってるのですわ!」  
「じゃあ近づかなきゃいいじゃねえか!てめえから近づいといて、当たりそうで怖かっただぁ?ふざけんな!」  
一見大人しそうな顔で、猛然とエルフに食って掛かるドワーフ。そのドワーフに、今にも矢を放ちそうなうちのエルフ。  
何か、俺達のあずかり知らないところで、大いなる意思が働いたとしか思えない。  
もうね、何と言うか……これは全員にとって、パーティを組むって言うこと自体が一つのカリキュラムだと思うんだ。  
しかも、全員が同じ学校ならまだよかった。が、よりにもよって仲の悪い種族が狙ったように別の学校なので、みんな本当に容赦がない。  
それでも、俺はまだマシな方だ。  
 
「おいおい。パーティの安全を担う後衛同士なんだから、喧嘩はやめとけ。」  
そうフェアリー二人に声をかけると、二人は同時にこっちを向いた。  
「はーい。」  
「はぁい。」  
二人の仲は悪い。だが俺に対しては、二人とも気味が悪いまでに好意的だ。このおかげで、俺は何とかこのパーティでやって行こうという  
気持ちが保てている。  
「ふん。クズと羽虫とは、お似合いだな。」  
バハムーンの言葉に、フェアリー二人がムッとした顔で睨み返す。  
「ヒュムのこと、悪く言わないで!」  
「私達が羽虫なら、あんたなんかトカゲだよーだっ!」  
「トカゲっ…!うるさい羽虫共め、焼き殺してやろうか?」  
「フェアリーもバハムーンもやめろってば!もう仲良くしろとは言わないけど、喧嘩はするなって!」  
俺自身、バハムーンは好きじゃない。が、俺が仲裁しないと、本当に殺し合いに発展する。  
他に仲裁を期待できそうなドワーフとエルフは、既に二人で別世界に行ってしまっているので、まったく期待できない。  
「……ふんっ!せいぜい下等な生き物同士、仲良くじゃれあっているがいい!」  
そう言って、プイッと後ろを向くバハムーン。その背中に、青フェアリーがべーッと舌を出している。  
「ねえヒュム、あんな人の言うこと、気にしないでね?」  
優しく、しかし棘のある口調で言い、うちのフェアリーが俺の腕を取る。と、ランツレートのフェアリーがキッとそれを見咎めた。  
「ドサクサに紛れて何やってんのよっ!この泥棒女!」  
「フェア、泥棒じゃないもん。あなたより前から、私達ずっと一緒だもん。」  
「そんなの関係ないよ!ヒューマンは私のなのっ!」  
そして、黒フェアリーとは逆の腕に齧りつく青フェアリー。好かれるのは悪い気がしないけど、これはこれで困る。  
むしろ、俺が新たな争いの火種になっている気もするけど、それを考えるとパーティ脱退したくなるので考えないようにしている。  
ともあれ、今日も何とか無事に地下道探索を終え、本当の敵である仲間と共に学園へと帰ることとなった。  
 
地下道から戻ると、俺達のパーティは一瞬にして解散される。むしろパーティ解散というより、パーティというくびきから解放されると  
言った方が近い気がする。しかし解放されたところで、大体みんなが次に向かうのは学食だ。嫌でも顔をつき合わせることは多い。  
「ああ、こんな所まで獣なんかと一緒だなんて。どんなに香り高いハーブでも、その獣臭さの前には霞んでしまいますわね。」  
「んだとぉ?てめえこそ、鼻がひん曲がるような気持ち悪りい臭いさせやがって!俺の方が気分悪りいぜ!」  
なぜか、あの二人は学食でもよく一緒にいる。本当は仲がいいんじゃないか?という疑問もあるが、未だ真相は不明。  
いや、実際聞いてみたこともあった。が、二人揃って「どうしてこんな奴と!?」と言い、二人仲良く俺を罵倒し、挙句の果ては  
合体技であるところの爆裂拳をもらい、危うくロストする所だった。そんなわけで、俺はあの二人が大嫌いだ。バハムーンより嫌いだ。  
で、そのバハムーンは大抵、一人でもそもそとご飯を食べている。なぜかいつも視界に入るので、気にはなる。が、実害はないので、  
そういう意味ではあまり気にならない。  
その意味で気になるのは、むしろこの二人だ。  
「ねえねえヒュム。アイスクリーム食べよぉ。」  
「そんなのよりビシソワーズにしようよ!あれ、すっごくおいしいよ!」  
「ちょっとぉ、ヒュムは貧乏なんだから、そんなの食べられるわけないじゃないのぉ。」  
「何よー!だから私が買ってあげようって言ってるんじゃない!お金払わせるなんて可愛そうでしょ!」  
俺を間に挟み、火花を散らすフェアリー二人。おまけに、微妙に俺の心をちくちく傷つけている。  
「ああ、いや。俺はこれで十分だからさ、あとは二人で…。」  
「こんなのと一緒なんて嫌!」  
「ヒュムとじゃなきゃやだよぉ。」  
そして再び両腕を掴まれる。このおかげで、俺は最近ゆっくり食事した記憶がない。悪意がない分、強くも言えなくて余計にたちが悪い。  
「わかった、わかった。それはともかく、飯のときぐらいは喧嘩やめよう。な?」  
俺が言うと、二人はぶすーっとした顔でお互いを見つめていたが、やがて渋々ながらも頷いてくれた。  
しかし、ま、これがほぼ毎日のことなので、もうまったく期待してはいないんだけどね。  
長くパーティを組んでいれば、最初は気の合わない仲間でも仲良くなるとか聞くけれど、うちのパーティに限っては仲良くなる前に  
死者が出そうな気がしてならない。いや、よく考えたら俺が死者第一号だった。  
今でも思い出せる。爆裂拳もらって、保健室で目覚めたら、いきなりバハムーンが嫌味言って来たんだったっけな…。下等だから生命力が  
ないとか、だから灰になる云々とか……。そんでもってフェアリーズが保健室飛び込んできて、わんわん大泣きして抱きついてきて……  
そういや、エルフとドワーフから、まだ謝罪の言葉もらってないや。気がついたら余計嫌いになった。見舞いにも来なかった。大嫌いだ。  
そんなことを思い出したりしたせいで、ここ最近で一番まずい夕飯も何とか食べ終わり、俺は寮に戻った。  
 
ランツレート組は、うちの寮は居心地悪いと文句を言うが、俺はむしろあっちの方が居心地悪く感じる。確かにあっちの方が豪華だし、  
マートさんの作るご飯はおいしいけど、こっちの方がなんて言えばいいのか、豪華すぎなくて落ち着けると思っている。  
それをあのバハムーンに言ったら「お前らしい小物ぶりだ」と言われて喧嘩になったっけな。まあそれはどうでもいいや。  
とにかく、ここだけは他の誰も干渉してくることのない、ほぼ唯一の安らぎの場だ。とはいえ、安らいだからと言って、やることなんて  
寝ることぐらいなんだが。  
ベッドに寝転び、目を瞑る。体がベッドに沈み込んで行き、頭の中がふわーっと宙に浮いたように感じる。今日はいい夢が見られそうだ。  
と思った瞬間、俺は突然のノックに夢の国から呼び戻された。  
「ふぁーい、誰?」  
「私ー。入っていい?」  
青フェアリーの声だ。眠い目を擦りながらドアを開けると、フェアリーは部屋の中をきょろきょろ見回しつつ入ってきた。  
「どしたの?こんな時間に?」  
「んー。えっとね、ちょっとヒューマンに聞きたいことがあって…。」  
「聞きたいこと?」  
いきなり、フェアリーはどこか追い詰められたような顔で俺を見上げてきた。  
「あのさ、正直に答えてね?」  
「あ、うん。」  
「私とあの女……どっちが好き!?」  
「ど、どの女?」  
「あのイラつくフェアリーだよ!」  
バリデスガンを食らった気分だった。どっちも数少ない、いい仲間だとは思っているが、どっちが上、なんて決められない。  
「いや……その、別にどっちが好きとか…。」  
「どっちかじゃなきゃダメなのっ!」  
ダメなんだ。そうですか。下手な答え方したら、また灰にされそうな気がする。  
「いや、ね?だからさあ、俺は仲間に対してどっちが好きとか…。」  
「あーーーーーーっ!!!!」  
いきなりの大声に、俺とフェアリーは同時にビクッとした。声のした方を見ると、鍵をかけ忘れたドアから黒フェアリーが覗いていた。  
「ずるいよずるいよぉ!それ抜け駆けだよぉ!」  
困った相手と、困った話をしているときに、さらに困った相手であるところのフェアリーが、より状況を困ったことにしてくれたのは  
何とか理解できた。しかし、もうそれ以上、俺の頭は考えることをやめた。  
「ふん!あんたがボケッとしてるのが悪いんだよーだ!」  
「フェア、ボケッとなんかしてないもん!とにかく、ヒュムから離れてよぉ!」  
「やーだね!ヒューマンは私のだもんっ!」  
そう言うと、青フェアリーはいきなり俺の顔をグキッと曲げ、唇を重ねてきた。  
「あああーーーーっ!!!」  
「あはっ!これでヒューマンは私のものっ!」  
首が猛烈に痛むのはともかく、場の雰囲気が困った状況から修羅場にレベルアップした気がする。  
「お、おい…!」  
「フェアも負けないもん!」  
言うなり、黒フェアリーも俺に飛び掛り、無理矢理唇を重ねてきた。  
が、それだけではなかった。フェアリーの舌が、俺の口の中に侵入し、俺の舌に絡まってくる。  
「むぐ…!?」  
「あああ!?舌入れたぁー!!」  
「ぷはぁ。あはは〜、これでヒュムは私のぉ。」  
一体どういうルールの下にこれが為されているのか、非常に興味深いものがある。特に何が興味深いって、本来最も尊重されるべきはずの  
俺の意思がまるっきり無視されていることだ。  
「あったま来たー、この泥棒女!あんたになんか、絶対負けない!」  
「フェアだって負けないもん!」  
肝心の俺を置き去りにし、どんどんヒートアップする二人。止めるタイミングを完全に逃してしまった気がする。まあ、もういいや。  
この際だから、もう止めようなんて思わないことに決めた。  
 
青フェアリーが俺のズボンを引きずり降ろすと、横から黒フェアリーが見事な連携でパンツを下ろしてくる。  
露になった俺のモノを見て、二人の動きが止まった。  
「わ…。」  
「……大っきい…。」  
フェアリーから見れば、確かに大きいだろう。そもそもの体のサイズが、まったく違ってるんだから。  
先に動いたのは青フェアリーだった。  
「それじゃ、いただきまーす!」  
「あっ!」  
小さな舌が、俺のモノをちろちろと舐め始める。こそばゆいような、それでいて一点に凝縮された強い快感が走る。  
「ずるいよぉー!フェアもするぅー!」  
と言っても、青フェアリーがしっかり俺のモノにしがみついているため、手出しが出来ない。黒フェアリーは困った顔をしていたが、  
やがてポッと顔を赤らめた。  
「じゃ……じゃあ、ヒュム。フェアだけ見てぇ。」  
顔を赤く染めつつ、服を脱ぎだす黒フェアリー。どうしてもそっちに視線が行ってしまうのは、抗えない男の性だ。  
やがてすっかり服を脱ぐと、黒フェアリーは俺の体に擦り寄ってきた。恥ずかしさからか、いつもよりずっと暖かい体。  
小さいけど、微かに感じる柔らかさ。その先にある突起。それが、俺の体にぎゅっと押し当てられる。  
「お、おい…。」  
「あー!ヒューマン、私の方見てよー!」  
青フェアリーが、つい俺の体にしがみついた瞬間。黒フェアリーは素早く位置を入れ替えた。  
「あっ、ずるい!」  
「えへへ〜。今度はフェアの番〜。」  
対抗心からか、黒フェアリーは俺のモノを舐めはせず、代わりに両腕でぎゅっと抱きついた。そして、体全体を使って扱き上げてくる。  
舐められるのもかなり気持ちが良かったが、これはこれでかなりいい。特に、一番敏感な部分で胸の感触が味わえるため、  
下手に舐められるより気持ちいいかもしれない。  
「うぅ〜…!」  
青フェアリーは悔しそうな顔でそれを見ていたが、やがてこのままじゃ敵わないと見たらしく、同じように服を脱ぎ捨てた。  
表情こそ強気だが、その体はすっかり紅潮し、腕はしっかりと大切な部分を隠している。  
「ヒューマンになら……こんなことだって、してあげるよ。」  
そう言って俺の腕を掴むと、そっと自分の体に押し当てた。俺の指を取り、それを自分の秘所へと導く。  
チュク、と湿った音。同時に感じる、熱くぬめった感触。さすがに中まで導かれることはなかったが、そうやって俺の指に  
秘所を押し付けたまま、ゆっくりと腰を動かし始める。  
と、それを黒フェアリーが見咎めた。  
「ちょっとぉ。ヒュムの体汚さないでよぉ。」  
「ふーんだ!気持ちよければいいんだもんね!」  
「そんなの、あなたが気持ちだけでしょぉ。」  
「あんただって同じじゃないのよー!」  
二人の視線が火花を散らす。こんな時でも喧嘩を忘れない二人に、俺はある意味尊敬の念を抱いた。  
それにしても、いいところでお預けを食ってしまった。もうちょっとでイきそうだったんだが……二人とも、すっかり俺の存在を  
忘れているらしい。二人の罵詈雑言は留まるところを知らず、ついには取っ組み合いになりそうな雰囲気になってきた。  
 
「何よ!?やる気!?」  
「許さないんだからぁ!」  
「二人とも、ちょっと待てって!」  
魔法の詠唱準備に入った二人に、慌てて声をかける。すると、今までの殺気が嘘のように消えた。二人とも、どこかバツの悪そうな目で  
俺のことを見つめてくる。  
「えー、その、なんていうか。二人とも、やるなら最後までよろしく。放置プレイは好みじゃないし。」  
「ご、ごめん。」  
「でもぉ、どっちがヒュムのこと、イかせてあげればいいのぉ?」  
俺としてはどっちでもいいんだけど、それじゃあとで殺し合いが起きるのは目に見えている。となると、答えは必然的に一つに絞られる。  
「どっちが、じゃなくてさ。二人でしてくれよ。」  
「え〜。」  
「二人でぇ…?」  
「あからさまに嫌そうな顔するなよ!仲間なんだから、協力するときは協力しなきゃってね。」  
二人はお互いを汚物でも見るかのような目で見ていたが、やがて小さく頷いた。やっぱり、俺の言うことは素直に聞いてくれるらしい。  
「で、でも、どうすればいいのぉ?」  
「そうだよ。こんなのと協力するとか…。」  
「こんなのとか言わない。せっかくだから、みんな気持ちよくなれる方法がいいよな?」  
「私より、ヒューマンが気持ちよくなれるのでいいよ。」  
「ヒュムが気持ちよくなるなら、いいよぉ。」  
同時に答えて、二人は同時に嫌そうな顔をした。もう、この際どうでもいいか。  
「それじゃ、まず二人で抱き合ってくれるかな。」  
「えええぇぇ〜。」  
「うぅ〜……やらなきゃ、ダメぇ?」  
「ダメ。」  
フェアリー二人は、嫌そうを通り越して悲しそうな顔でお互いを見つめていた。何だか俺が二人をいじめてる気がしてきた。  
やっぱりまずかったかなーと思っていると、二人はお互い顔を背けつつも、おずおずと抱き合った。  
「こ……これで、いい?」  
「ヒュムぅ、次はどうするのぉ?」  
確かに、片腕はしっかり相手を抱えている。が、二人とももう片方の手で相手の顔を突っ張っている。  
「次はその手をやめなさい。」  
「うぅ……やっぱりダメ?」  
「むぅ〜……でもフェア、ヒュムのためなら我慢するぅ。」  
顔は相変わらず嫌そうだが、今度こそ二人はしっかりと抱き合った。フェアリー二人が抱き合う光景も、これはこれで見応えがある。  
小さな体がしっかりと抱き合い、小ぶりな胸同士がぎゅっと押し付けられ、柔らかそうに形を崩している。  
「それじゃ、次はベッドに寝て…。」  
「どっちが上?」  
その質問に、一瞬言葉が詰まる。どっちかを上にしてしまえば、格好のマウントポジションと理解されかねない。  
「……横向きで。喧嘩、するなよ?」  
二人が横になると、俺はその足元に座る。二人の姿を後ろから見ると、さらに見応えがある。  
「ヒュムぅ。これでい〜い?」  
「ん、そうだな。もうちょっと足、開いて。で、もうちょっとくっついて。そう、そんな感じ。」  
「こんな格好、恥ずかしいよ…。」  
二人とも、その体は真っ赤に染まっている。毛も生えていない秘所も、しっかりピンクに色づいている。いよいよ、俺の我慢も限界だ。  
 
「それじゃ、いくよ。」  
ゆっくりと、二人の体の間にモノを差し込む。フェアリー二人の体が、ビクッと震えた。  
「うわ……あっつい…!」  
「あうぅ……フェアのと、擦れるぅ…。」  
二人の太腿に、秘所に、胸に、お腹に、俺のモノが擦れる。二人ともその肌はすべすべとしていて柔らかく、そして熱い。  
できることなら、膣内に入れたいところだったけど、さすがに体格が違いすぎて無理そうだ。でも、これはこれでなかなかだ。  
ゆっくりと、それを抜き差しする。その度に敏感な箇所をあちこち擦られ、フェアリー二人は可愛い声を上げる。  
「あんっ!あっ!す、すごいよぉ!」  
「うあぁ〜……気持ち、いいよぉ…!」  
「俺も、気持ちいいよ。」  
抜き差しするたび、二人の愛液が俺のモノに塗られていく。滑りがよくなり、フェアリー達の快感も、俺自身の快感も高まっていく。  
昂れば昂るほど、フェアリー達はより強く抱き合う。それによって俺のモノはさらに強く締め付られ、肌の感触がよりはっきり感じられる。  
既に、二人の体は自身の愛液と汗に塗れ、呼吸も荒い。部屋の淡い光に浮かぶ二人のその姿は、この上もなく妖艶に映る。  
「うあぁ!もっと、擦ってぇ!」  
「ヒュムの、熱いよぉ…!」  
二人の可愛い声も、余計に俺を興奮させる。ただでさえ溜まってたせいで、もう耐えるのも限界だった。  
「く!もう、出る!」  
「い、いいよぉ!いっぱい出してぇ!」  
「フェ、フェアもなんか来るぅ!飛んじゃうぅ!」  
腰からぞくぞくした快感が這い上がり、二人の体に思い切り精を放つ。  
「あんっ!」  
「あう、熱いぃ…!」  
小さな二人の体は、たちまち精液塗れになってしまう。それを全身に浴び、青フェアリーは陶然とした表情を。黒フェアリーは呆然とした  
表情を浮かべる。  
「わぁ……すごい臭い。」  
「ヒュムの……べたべたぁ。」  
その感触が気持ち悪いのか、黒フェアリーは自分の体にかかったそれを困ったように見つめていた。すると、青フェアリーが意地悪そうな  
笑みを浮かべた。  
「ヒューマンの、いらないんだ?じゃ、私がもらっちゃおっと。」  
言うなり、黒フェアリーの体についた精液を舐め取り始める青フェアリー。  
「ちょ、ちょっとぉ。これフェアのだよぉ。」  
頭を抑えられても、無理矢理続ける青フェアリー。すると、黒フェアリーはついに怒ったような顔になった。  
「もぉー、フェアだって負けないもん!」  
そして、二人でお互いの体についた精液を舐め取り始める。白濁した液体に塗れたフェアリー二人が、お互いの体を舐めあう光景は  
何ともいやらしく、ついつい股間も正直に反応してしまう。  
あらかた舐め終わった二人は、ふと俺に視線を向けてくる。その視線は、最初は顔に。それが徐々に下がっていき、やがて再び大きく  
なったモノに止まる。  
「まだ、できるよね?」  
「あ……ああ、まあ。」  
「じゃあ、もう一回してぇ。フェア、もっとヒュムの欲しいよぉ。」  
「こんな女より、私にちょうだいよー。ヒューマンのなら、いくらでも飲んであげるからさ!」  
「フェアもぉー!」  
とりあえず、今夜は眠れそうにないことはわかった。俺は二人を宥めつつ、明日徹夜明けで探検に行く覚悟を決めた。  
 
 
翌日。予想通り、俺は空が白くなるまで寝かせてもらえず、地下道に入ったというのに眠くてしょうがない。  
最終的には、フェアリーを両脇に侍らせて眠れたので、満足といえば満足なんだが。  
そのフェアリー二人も、昨日の一件のおかげで少しは仲良くなった……ら、よかったんだけど。  
「だからぁ、ヒューマンは私のなのっ!」  
「フェアのだってばぁ。フェアの方が、ヒュムのこと気持ちよくさせてあげられるもん。」  
相変わらず喧嘩をやめない二人。それどころか、昨日の一件で余計仲の悪さに拍車がかかったような気が…。  
そして前を行くドワーフにエルフ。こいつらもいつも通り喧嘩している。おまけに、今日はいつも以上に語気が荒い。  
「んだよ、てめえ!朝っぱらから辛気臭え顔見せんじゃねえよ、胸くそ悪りいなあ!」  
「あなたのような野蛮な種族と、朝から一緒だなんて。雨降る朝とて、ここまで気分が落ち込んだりはしませんわ。」  
「俺だって、てめえみてえな軟弱な奴と一緒だなんて、反吐が出るぜ!」  
「その、怯えた犬のようによく吼える口。醜いことこの上ないですわ。」  
その言葉に、ドワーフの眉が釣り上がった。  
「んだとぉ?てめえこそ、いちいちクソ下手な詩みてえな言い回ししやがって、下手糞のくせに、詩人でも気取ってんのかってんだ!」  
今度はエルフの眉が釣りあがり、二人の間で本格的に殺気が漂い始める。  
「何をっ…!くっ……あ、あなたのような者には、湖の底のような静けさを与えたいものですわね…!」  
「何が言いてえんだかわかんねえよ、詩人もどきが。もっとわかりやすく言え。」  
「……OK、わかりましたわ。殺す!」  
ドワーフに向かって矢を放つエルフ。それを紙一重でかわし、ドワーフが斧を振り上げる。  
「おう、それならわかりやすいぜ!返り討ちにしてやる!」  
「お、おいおい!二人ともいい加減にしろ!」  
が、俺の声など届くはずもなく、二人の死闘はどんどんヒートアップしていく。気がつけば、俺の後ろの声までもがヒートアップしていた。  
「あんたがどう言おうと、ヒューマンは私のなのっ!」  
「フェアのだよぉ!フェアの方が、あなたよりずっとヒュムのこと知ってるもん!」  
「でも、昨日先にキスしたの私だもんねーだっ!だからヒューマンは私のもの!あは!」  
「ふーん…。」  
黒フェアリーの表情が消えた。やばい、と思う間もなく、全身から凄まじい殺気を放ち始めた。  
「それじゃ、あなたがいなくなればいいんだねぇ。ビッグバム!!」  
「魔法壁召喚!消えるならあんたが消えなさいよ!!」  
いきなり放たれた倍化魔法を、素早く防ぐ青フェアリー。そして破邪の剣を抜き、黒フェアリーに斬りかかっていく。  
「おいおいおいおい!!!そっちの二人もやめろ!!シャレにならないぞ!!」  
だが、今回ばかりは俺の声も届かない。力ずくで止めようとした瞬間、今まで静かだったバハムーンが口を開いた。  
「ふん、たかが羽虫二匹ぐらい、死んだからと言ってどうなるもんでもないだろう。」  
「馬鹿!仲間が喧嘩してるのに、止めない奴があるか!」  
「仲間?ふんっ、性処理係が消えるのが惜しいだけだろう?」  
さすがに、この言葉は聞き流せなかった。  
「……何だと?」  
「昨日は、ずいぶん楽しんでいたようだったな。羽虫二匹相手に、日頃溜まってた性欲を吐き出せて、さぞ満足だったろうよ!」  
なぜか不機嫌に叫ぶバハムーン。ふざけるな、気分悪いのはこっちの方だ。  
「てめえ……いい加減にしろよ。」  
「はっ、お前が私をどうすると?羽虫二匹相手で疲れ果てているようなお前が、私を相手にできるのか?」  
「俺には魔法があるぞ。」  
「デスでも何でも撃って来るがいい。その前に私のブレスがお前を焼くぞ。」  
「試してみるか?」  
「試してみようか。」  
もう、仲裁なんて考えもしなかった。それどころか、とうとう俺自身、仲間との死闘に身を投じてしまった。  
その日、地下道では一日中、俺達の戦いの音が響き渡ることになった。  
 
だが、この時俺は気付かなかった。  
なぜ、バハムーンが俺とフェアリーのことを知っていたのか。なぜ、妙に不機嫌そうだったのか。  
その理由に気付いたとき、また新たな戦いの火蓋が切って落とされることになるのだが、それはまた別のお話。  
 

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