フェアリーは焦っていた。  
元々、ヒューマンという種族に対しては強い憧れを抱いていた。今回加入した仲間は、その憧れの的であるヒューマン。しかも男。  
その上、彼は非常に渋く、弓を放てば狙いを外さず、剣と盾でも戦士に劣らない活躍を見せ、罠の解除や扉の開錠までもこなし、  
口を開けばウィットに富んだ言葉が溢れ出す。  
かなり美化された主観が入っているにしろ、フェアリーは本気でそう思っている。そう思っていれば、ただでさえ憧れ補正のかかる彼女が、  
本気で彼に惚れるのも無理はない。  
だが、あまりに完璧すぎる相手であるが故、軽々しく恋だの愛だのという言葉を言えなかった。フェアリーは平凡な魔術師でしかなく、  
これといって特別なこともできない。そんな自分が、彼に釣り合うとはとても思えず、せいぜい自分にできる精一杯の援護をする  
ことでしか、その感情を表現できなかった。  
ところが、である。まず、エルフの様子がおかしくなった。ヒューマンに対して意味ありげな視線を送り、目が合うと意味ありげな  
微笑みを返す。その仕草は、明らかに秘密を共有する者の態度だ。何かあったのは間違いない。  
次に、セレスティアもおかしくなった。ヒューマンとあまり目を合わそうとせず、しかし彼が見ていなければずっと彼を見つめ、もしも  
目が合えば慌てて目を伏せ、顔を赤く染める。そして時に、恥ずかしそうな微笑みを返す。やはり、何かあったのは間違いない。  
その何か、というものも、大方の予想がついている。自分の知らないところで何かあったとなれば、それは宿屋でに違いないのだ。  
しかも、宿屋に行くのはいつも夜。全員それに気付かなかったとなれば、それは全員が寝静まった真夜中。真夜中に起こる男女間の  
出来事など、どう考えても一つしかない。  
フェアリーは焦っていた。既に二人が抜け駆けをしているのだ。それだけでなく、彼を好きなのが自分だけではなかったのだ。  
好きになってもらおうなどと、おこがましいことは思わない。しかし、何とか彼の心の中に、自分も入り込みたかった。その手段となると、  
やはり体を許すことしか思いつかない。だがしかし、あのヒューマンに、そんなことで自分を覚えてもらおうなどというのは、大変失礼な  
気もする。どう考えても堂々巡りになってしまい、それがまたフェアリーを焦らせるのだった。  
 
そんなこととは露知らず、一行はラーク地下道をいつも通りに進んでいる。だが、ただでさえ実力不足の一行では、この地下道の強さは  
手に余るものだった。それでも、主にヒューマンの功績で何とか進むことはでき、また手に入るアイテムもそれなりに高価な物が多く、  
セレスティアは太陽の石を、フェルパーは白刀秋水を手に入れ、二人とも上機嫌である。  
「さすが、白刀秋水ね。よく切れるわ。」  
「わたくしも、いい物いただきました。これで、少しは戦闘に貢献できますね。」  
「羨ましいな。私にも、いい物が出るといいんだが。」  
「それじゃあ、今回は逞しいお嬢さんの武器が出るよう、祈っておくか。」  
そう言い、銀の宝箱を調べるヒューマン。以前いたクラッズよりも手つきは慣れているが、さすがに本業ではないからか、どことなく  
危なげに見える。しばらく調べてから、ヒューマンはふーっと紫煙を吐き出した。  
「うん……スタンガスの可能性があるな。悪いが、みんな少し離れててくれ。」  
こんなところで麻痺しては、たまったものではない。ヒューマンの言葉に、全員が一斉に距離を取る。  
「気をつけてくださいね?」  
「なぁに。俺が麻痺したところで、お嬢さんに回復してもらえば……うおっ!?」  
「きゃあ!?」  
シューッという凄まじい音と共に、宝箱から煙が巻き起こった。それを見た瞬間、全員一斉に体を伏せる。が、煙はそれ以上広がる  
ことなく、やがて薄れ、消えていった。  
恐る恐る顔を上げると、尻餅をついたヒューマンが恥ずかしそうに頭を掻いた。  
「いやぁ、参った。悪魔の呪いだったようだな。はっはっは……ゴホッ!」  
「ヒューマン、大丈夫!?」  
誰よりも早く、フェアリーが一目散に駆け寄る。その速さは、戦闘での攻撃や逃走のときよりずっと速い。  
「ああ、別に…。」  
「ダメだよぉ!だって、あれ危ないんだよ!?僧侶魔法でも、私の魔法でも回復できないし、それにそれに……あ、セレスティア、太陽の  
石持ってたよねぇ!?あれ使って…。」  
「いや、お嬢さん。少し落ち着こうか?」  
苦笑いを浮かべながら、ヒューマンはフェアリーの頭を優しく撫でる。  
 
「悪魔の呪いなぞ、致命的なもんじゃあない。それに、あの美しいお嬢さんの武器を奪っては、俺の心が痛む。」  
太陽の石を握り締め、ものすごく複雑な顔をしていたセレスティアは、申し訳なさそうに安堵の息をついた。  
「それより、被害が俺だけであったことを、喜んでくれ。」  
言いながら、ヒューマンは笑みを浮かべた。やはり少しは気になるのか、どことなく暗い感じのする笑みだった。  
「さて、それで中身は……っと。」  
ヒューマンは宝箱の中に手を突っ込む。その姿に、やはりフェアリーは感動していた。被害にあった自分のことより、パーティに被害が  
なかったことを喜ぶヒューマン。そして何事もなかったかのように、こうして宝箱を漁り始めている。素晴らしい人間だと、フェアリーは  
うっとりとした目でそれを眺める。  
「……うん?これは素材、こっちは剣、か。」  
「む、剣だと?それは聞き捨てならない。早く鑑定しろ。」  
「『鑑定しろ』とは、ずいぶん偉そうな言い方ですわね。魔力を使ってまで鑑定してくださるんだから、少しは感謝の気持ちを持っては  
どうなんですの?」  
エルフに食って掛かられ、バハムーンは気まずそうに目を逸らした。それでも謝罪の言葉がない辺り、頑固さがよく表われている。  
「まあまあ、喧嘩はしなさんな。司祭や錬金術師がいない以上、鑑定も俺の仕事さ。」  
剣を手に取り、意識を集中するヒューマン。やがて目を開けると、バハムーンに同情的な視線を送った。  
「……残念、タルワールだな。」  
「ちっ、もっとまともな武器にしろというんだ。」  
そのヒューマンを責めるような口ぶりに、フェアリーの眉がグッと吊り上がる。  
「ヒューマンのせいじゃないでしょー!?ヒューマンはただ鑑定しただけなんだからー!」  
「そうですわ。恨むのなら、それを持っていたモンスターを恨むべきですわ。」  
「ヒューマンの方が嫌いなのはわかりますけど、今のはダメですよ。」  
「そうね。今のはさすがに、ただの言いがかりよ。」  
ヒューマン以外の四人から一気に責められ、バハムーンは困惑しきった顔で一行を見回す。ヒューマンは呆れたように笑うと、  
バハムーンに対してさらに同情的な視線を送る。  
「心中、お察しするよ。」  
「う、うるさいっ!貴様なんぞに同情なんか、されたくないっ!」  
こういうところも、フェアリーの目には非常に好意的に映っている。自分に対して言いがかりをつけてきた相手に対しても、  
気を使うことができる人間。まさしく理想的な男性だと、フェアリーはうっとりしてしまう。  
結局のところ、フェアリーはヒューマンが何をしようとうっとりしているのだが。  
「ま、次はきっといい物が出るさ。」  
「慰めなんか結構だっ!ふんっ、いい物なんか出なくたって、今の剣でも十分やっていけるっ!」  
そう言って肩に担ぐのは、ツヴァイハンダーである。力不足なのは、一見して明らかだ。  
「何なら、お嬢さん。俺の黒曜石の剣でも使うかい?」  
「む……い、いや、ふざけるな!誰が、貴様のようなヒューマンが使っていた剣など!」  
「そうか……だが、一瞬迷わなかったか?」  
「うるさい黙れ!やかましい!」  
「バハムーンさん、無理しちゃダメですよ。」  
「そうよ。あなただって、もっと強くなりたいでしょう?」  
「う、う〜ん……いや、いい!ヒューマンなんかのお下がりなぞ、使いたくもない!」  
「はっはっは。なら、気が変わったらいつでも言ってくれ。」  
楽しそうに笑うヒューマン。バハムーンは強がりつつも、たまにヒューマンが腰に下げる鞘を名残惜しそうに見ている。とはいえ、  
今回は頑固さが勝ったらしく、結局バハムーンがヒューマンの剣を使うことはなかった。  
その後も順調に進行を続け、ほとんどヒューマンに頼りきりではあったものの、数々の戦闘を潜り抜けるうち、他の面々も急激に力を  
つけていた。それに加え、ぽつぽつと手に入る装備により、さらに戦力を増していく。  
 
やがて、地下道中央を抜け、さらにいくつかのエリアを通り抜ける。強くなっていた敵がだんだんと弱くなり、そしてついに  
ゲートではなく、地下道出入り口が見え始めた。  
「見て、あれ!とうとう出口よ!」  
「うわぁ……私達、やったんだね!」  
フェルパーとフェアリーが弾んだ声を出し、エルフとセレスティアも手を取り合って喜んでいる。  
「だが待て、気を抜くな。最後の一歩まで気を抜かないことが、探索の基本だろう?」  
「さすがだな、逞しいお嬢さん。君はいい冒険家になる。」  
一瞬、褒められて気を良くしたものの、相手がヒューマンだと知るや否や、途端に不機嫌そうな顔になった。  
「うるさいな!貴様なぞに褒められても、嬉しくもない!」  
「はっはっは、それはすまなかった。だがまあ、特に他意があるわけでもなし。つまらん野郎の言葉ではあるが、受け取っておいてくれ。」  
「……ふん!」  
「まあまあ。せっかく、憧れの空への門に行けるんだから、喧嘩しないの。ね?」  
フェルパーが優しい声で言うと、バハムーンは不機嫌そうな顔をしながらも頷いた。ヒューマンは相変わらず、楽しそうに笑いながら、  
それを眺めている。  
地下道から出ると、辺りは真っ暗だった。朝早くに出たのだが、予想以上の苦戦のため、結局夜になってしまったらしい。が、それでも  
空への門には違いない。最初に、そこの違いに気付いたのはフェアリーだった。  
「うわ、何かすごく飛びにくいよー。」  
いつもよりかなり多く羽ばたかないと、体を浮かせることができない。セレスティアも翼を広げ、一度羽ばたいてみる。  
「……あ、本当ですね。空気薄いんでしょうか。」  
「わぁ……空は満点の星空、ですわ。まさに、宝石を散りばめたよう。詩の一つでも、作りたくなりますわ。」  
エルフはいかにもエルフらしく、空を見上げていた。確かに、空には雲一つなく、いくつもの星が瞬いている。月は既に沈み、そのため  
普段は見えないような星すら、瞬いて見える。  
「しかし、寒いな。尻尾と羽が固まってしまいそうだ。」  
そう言うバハムーンは、動かしにくそうに尻尾を揺らめかせている。やはり、気温が低いと影響があるらしい。  
フェルパーのみ、きょろきょろと辺りを見回している。やがて、ほうっと息をつき、静かな声を出した。  
「すごいわ、ここ…。あたり一面、雲ばっかり。」  
「え、蜘蛛!?」  
「違う違う。雲よ、雲。空にある雲。」  
そうは言われても、辺りは真っ暗なので見えるわけがない。どうやらフェルパーには見えているらしいが、他の面子ではエルフが辛うじて  
それを確認できる程度である。  
「確かに……雲が、足より下にありますわね。」  
「えー、いいなあ二人とも。私も見たーい。」  
フェアリーは地面に降り、トコトコと端の方へ歩いていく。その体が、急にひょいっと持ち上げられた。  
「危ないぞ、小さなお嬢さん。」  
「あ、ヒューマン…。」  
当たり前のように肩に乗せられ、フェアリーは顔を真っ赤にした。まさか、こんなところでこんな嬉しい状況になるとは、予想だに  
しなかった。  
「お嬢さん方。とりあえず、ここの散策は明日にしないかい?ここまでたどり着けば、あとはいつでも見られる景色さ。」  
「それもそうね。それじゃ、明日みんなで見ましょうか。」  
「そうですね。……わたくし、明日がこんなに楽しみなの、初めてです。」  
そう言って笑うセレスティア。だが、そんな彼女を笑う者はいない。それはみんな、同じ気持ちだった。唯一違う気持ちだったのは、  
ヒューマンの肩で満面の笑みを浮かべる、フェアリーのみである。空への門に来られたことも、明日になればここをじっくり見られるのも、  
今のフェアリーにはどうでもよかった。彼女はただ、ヒューマンの肩にいられる幸せを噛み締めていた。  
同時に、フェアリーの心も少しずつ固まってきた。自分を抱き上げた、大きな手。優しい笑顔。  
この際、自分が覚えてもらえるかどうかはどうでもいい。ただ、それらをひと時だけでもいいから、独り占めにしたかった。  
ヒューマンの首に掴まりながら、人知れず、フェアリーの決心は固く結ばれていた。  
 
初めての場所故に、宿屋を探すのには少し手間取ったものの、特に問題なく宿泊手続きを済ませる一行。さすがにここまで来ると、他の  
生徒の姿もほとんどなく、一行を抜かせば、辛うじて二桁に届く人数が泊まっているだけである。  
ヒューマンは例によって、一人でのんびりと寝ている。ただ、眠っているというわけではなく、単に寝転がっているだけである。  
宿屋の柱時計が、一回鐘を打った。それからしばらくして、部屋のドアがノックされる。  
「……二度ある事は三度ある、か。」  
呆れ笑いを浮かべながら呟くと、ヒューマンは体を起こした。  
「誰だい?」  
「私ー。入ってもいーい?」  
「ああ、どうぞ。」  
鍵を開けてやると、フェアリーは微妙に視線を逸らしつつ、部屋に入ってきた。  
「どうしたんだい、こんな夜中に?」  
「ん〜……エルフとかセレスティアと、同じかな〜。」  
「ふ〜、やっぱりね。」  
バツが悪そうに頭を掻きつつ、ヒューマンはベッドに座った。フェアリーは至って自然な動作で、その隣に座る。  
「だがね、お嬢さん。俺は、君が思うほどにいい男ではないし…。」  
「そんな事ないよ!他のヒューマンと比べても、すっごくいい人だよ!」  
「はは、それはありがとうな。だが、買い被り過ぎさ。本当にいい奴なら、好きでもない女の子を抱いたりはしない。」  
「それはだって、あれじゃない。えーと、向こうが言ってきたんだし。」  
「お気遣い、感謝するよ。」  
言いながら軽いウィンクを送るヒューマン。それだけでも、フェアリーは躍り上がりたいほど嬉しい気分になる。  
「だがねぇ……わかるだろう?俺は、君が俺を思う気持ちに応えてやれるほどに、君を好きになってはやれない。」  
「それでも……いいの。私は、ヒューマンが好きなの。この際ね、ヒューマンが私をどう思ってるかなんて、どうでもいいから…。」  
「はっきり言ったね、お嬢さん…。」  
「だから、お願い!私のこと、抱いて!エルフとかセレスティアにしたみたいに、私のこと抱いてほしいの!」  
その目は、一種思いつめたような強い思いが宿っていた。さすがにそんな目をされては、断るわけにもいかない。  
「……本当に、君はそれでいいのかい?」  
「いいの。片思いでも何でも、それでも私はヒューマンが好き。ヒューマンが私のこと、好きになってくれなくたって……私は、好き。」  
「ある意味、君はあの美しいお嬢さんより純粋だねぇ…。」  
仕方ない、というように、ヒューマンはフェアリーを抱き寄せる。一瞬驚いた顔をしたものの、フェアリーは嬉しそうに微笑んだ。  
「後悔、しないね?」  
「ここで帰っちゃう方が、ずっと後悔するもん。」  
返答としては十分だった。ヒューマンはフェアリーの制服に手を掛ける。と同時に、フェアリーもヒューマンのズボンに手を掛けていた。  
フェアリーの上着が脱がされる。フェアリーは袖から腕を抜くと、ヒューマンのベルトを外し、ズボンをグッと引き下げる。  
「私、頑張るから。ヒューマンのこと、いっぱい気持ちよくしてあげるから。」  
「そうか。それじゃ、俺も負けられないな。」  
「負けていいのー!」  
やがて、フェアリーは一糸纏わぬ姿となり、ヒューマンも下半身を露出させる。フェアリーは初めて見たそれに、驚きを隠しきれない。  
「わぁ……こんな大きいんだ…。」  
「いや、お嬢さんが小さいんだ。」  
「ん〜、これじゃ入れられないよぉ…。」  
実際、フェアリーは同種族の中でもかなり小柄である。その身長は、30センチを僅かに上回る程度だ。  
「でも、頑張るね。」  
「無理はしないようにな。」  
 
ヒューマンの足の間に入り込むと、フェアリーは彼のモノを両手で抱きかかえるように掴む。そして全身を使い、ゆっくりと扱き始める。  
「んっしょ…!ね、ねえ、気持ちいい?」  
「ああ、悪くない。」  
「よかったー。えへへ、頑張るね。」  
嬉しそうな笑顔を浮かべ、小さな体をいっぱいに使って頑張るフェアリー。その健気な姿が、ヒューマンにはとても微笑ましく、また  
魅力的に映る。  
徐々に大きく、硬くなるそれに、フェアリーは目を見張った。  
「すごい……熱いし、硬い…。」  
うっとりした声で呟くと、フェアリーはさらに力を入れて扱き上げる。さらに、ちょうど先端が口元に来るようになったため、舌も使って  
刺激し始める。亀頭全体を丁寧に舐め、時々鈴口を突付くように刺激し、裏筋をなぞる。全体的に小さいため、刺激としては些か  
物足りないものがあるのだが、逆にそれが程よく欲求を刺激する。  
「なかなか、いいよ。」  
「ほんと!?嬉しいな、もっとしてあげたいけど…。」  
フェアリーはちょっと体を離し、自分の平坦な胸を見つめた。そして、もう一度ヒューマンのモノに抱きつくと、その薄い胸を必死に  
寄せ、ヒューマンのそれを挟もうとしてみる。元々のサイズが違いすぎる上、胸の大きさも絶望的に足りないため、どうあがいても  
無理な話なのだが、フェアリー自身は必死である。その気持ちはよくわかるため、ヒューマンは苦笑いしつつも、声はかけなかった。  
実質、今までとほとんど変わらない奉仕を再開するフェアリー。が、不意にヒューマンの手がフェアリーの股間に伸びる。  
「あっ!?」  
「君ばかりにさせていては悪いからね。俺からもお返しだ。」  
優しく、そこを撫で始めるヒューマン。憧れの彼から愛撫を受けているという事実が、フェアリーの快感を一気に高める。  
「うあっ、んっ!わ、私が気持ちよくさせてあげるのぉ…!」  
「まあ、そう言いなさんな。こういうのはお互い様さ。」  
もう既に、フェアリーのそこはすっかり濡れている。その足はガクガクと震え、今にも崩れ落ちそうに見えるが、それでもフェアリーは  
足を踏ん張り、ヒューマンへの奉仕を続ける。そのいじらしい姿が、とても可愛らしい。  
突然、フェアリーの腰が持ち上げられた。驚く間もなく、ヒューマンの舌がフェアリーの中に入り込む。  
「きゃあっ!やっ、あぁ!こんな……こんな、すごいぃ…!」  
今までよりはるかに強い快感に、フェアリーの体がガクガクと震える。だが、それでもフェアリーは何とか身をよじり、ヒューマンの  
モノにしがみつき、再び舌を這わせる。  
フェアリーの秘所が既に濡れているように、ヒューマンのモノからもじわじわと透明な液体が染み出している。自分の奉仕で気持ち良く  
なってくれているのだと、はっきりわかり、フェアリーはさらに丁寧に舐め始める。が、ヒューマンから受け続ける刺激に、先に自身が  
限界になってしまいそうだった。  
「んうぅ……ね、ねえ、ヒューマン……ちょっと、待ってぇ…!」  
「ん、どうしたお嬢さん?」  
体を解放すると、フェアリーは一度深い息をつき、ぐったりと横たわった。が、すぐに体を起こし、ヒューマンの顔を潤んだ目で見つめる。  
「あの……ね?お願いが、あるの。」  
「何だい?」  
「えっと…。」  
その言葉を言う前に、フェアリーは二度、大きな深呼吸をした。そして、強い決意の宿る目で、ヒューマンの顔を正面から見据えて言った。  
「私の初めて……お願い、もらって。」  
 
「これはまた……ずいぶん困ったお願いが来たね。」  
本気で困っているらしく、ヒューマンは満面の苦笑いを浮かべている。だが、どうせ拒否はできないのだろうと、すぐに諦めの笑顔になる。  
「俺は、君を好きになってやることはできない。それでも、構わないんだね?」  
「うん。だって、私が決めたんだもん。好きな人にあげられるんなら、私、後悔しないもん。」  
「そうか。なら、君のその気持ち、もらうとしよう。」  
ヒューマンの言葉に、フェアリーは笑顔を浮かべ、その体にしがみつく。  
そっと、フェアリーの秘所に指を這わせ、指にしっかりと愛液を絡めていく。  
「まともにもらってやることもできないが、それでもいいかい?」  
「うん……それでも、ヒューマンにあげられることには、変わりないもん。」  
「わかった。ゆっくり、リラックスしててくれ。」  
指をそっと、フェアリーの秘所に押し当てる。フェアリーはピクッと羽を動かしたが、体は動かさない。むしろ、自分から足を開き、  
ヒューマンが挿入するのを助けている。  
指先が僅かに、フェアリーの中に入り込む。羽がビクンと動き、フェアリーの顔が歪む。  
「大丈夫かい?」  
「う……うん、平気。」  
「あんまり痛いようなら、言ってくれ。痛い思いは、してもらいたくないからな。」  
「うん。でも、大丈夫だから。」  
やはり自分を気遣ってくれるヒューマンに、フェアリーは改めてうっとりする。そして、そんな相手に初めてを捧げられることに、  
大きな幸せを感じていた。  
さらに深く、指が入り込む。フェアリーは唇を噛み、痛みを堪えている。その様子を見て取ると、ヒューマンはもう片方の手で  
フェアリーの胸を触った。  
「きゃっ!?い、いきなりそんなっ!あんっ!やぁ……イッちゃうから、あんまりしちゃダメぇ…!」  
「でも、まだ痛いだろう?」  
「だ、大丈夫だからぁ…!う、嬉しいけど…。」  
再び強い快感が押し寄せ、フェアリーの痛みが薄れる。いよいよ、ヒューマンの指が中で引っかかる。  
「いいかい?」  
「……うん。」  
「力を抜いて……そう、俺に体を預けるように。よし、いくぞ。」  
グッと、ヒューマンが力を入れた。引っかかっていた部分が強引に開かれ、指がさらに深くフェアリーの中にめり込んだ。  
「いっ!!!……っく…!」  
一瞬叫びそうになったものの、フェアリーは破瓜の痛みにも気丈に耐えている。つぅっと、ヒューマンの指に僅かな血が流れ出る。  
「お嬢さん、大丈夫かい?」  
「……ん……えへへ、思ったより、痛くなかったよ…。」  
僅かに涙が滲んでいるものの、実際血はそんなに出ていないし、思っていたよりはずっと楽に入っている。  
「そんなに痛くないし、それに……ヒューマンに、初めてあげられた方が、嬉しくって…。」  
「そうか……いい子だ。」  
そう言い、頭を撫でてやるヒューマン。フェアリーは嬉しそうに目を細める。  
「ね?私も、ヒューマン気持ちよくしてあげる。」  
「ん?いや、無理はしなくても…。」  
「こういうのはお互い様、なんでしょ?私も、その……初めてなのに、気持ちいいから、さ…。」  
恥ずかしそうに言うと、顔を伏せるフェアリー。どうやら嬉しさが苦痛をはるかに上回っているらしく、その苦痛すら、今の彼女には  
快感となっているらしい。  
「そうか。なら、頼むよ。」  
「うんっ!」  
 
ヒューマンに指を入れられたまま、再びモノを全身で扱き始めるフェアリー。ヒューマンもあまり苦痛を与えないよう、ゆっくりと  
指を動かし始める。  
「くぅっ、あっ!き、気持ち……いいよぉ…!」  
「俺も、気持ちいいよ。」  
自身の昂ぶりからか、徐々に強く激しくなるフェアリーの奉仕。そのフェアリーも、それまでに幾度となく刺激を受けていたため、既に  
限界が近かった。  
「うぅ〜…!わ、私、もうイッちゃうよぉ…!」  
「そうか……実は、俺もそろそろまずい。」  
少年のような笑みを浮かべるヒューマン。こんな顔することもあるんだなあと、フェアリーはやはりうっとりする。それが、止めになった。  
「ご、ごめん!私、先にっ……イッちゃっ……ああぁぁっ!!!」  
ヒューマンのモノにしっかりと抱きつき、体を震わせるフェアリー。その刺激が、今度はヒューマンを追い込んでしまう。  
「ぐっ……すまん、もう限界だ…!」  
「え……きゃっ!?」  
突然、顔に熱くてヌルヌルした液体がかけられた。それが何なのかはすぐにわかり、何とか飲んであげようとするのだが、その勢いと量は  
フェアリーの手に負えるものではない。そもそも、その味は到底飲めるようなものでもなかった。  
「ん……んぐ…!ぶはっ!」  
すぐに限界になり、フェアリーはヒューマンのモノに覆い被さるようにし、それを胸で受ける。フェアリーの胸はたちまち白く染まり、  
なおも溢れる精液はその体を伝い、フェアリーの全身を汚していく。  
やがて、精液が出なくなってから、フェアリーは体を離した。それと同時に、ヒューマンもフェアリーから指を引き抜く。  
「んっ!……うぅ〜、今になってちょっと痛いよぉ…。」  
「大丈夫かい、お嬢さん?」  
心配そうに声をかけつつ、ハンカチを差し出すヒューマン。それを受け取って全身を拭い、口の中に残っていた精液を吐き出すと、  
フェアリーはヒューマンの顔を見上げた。  
「大丈夫だよ…。それに、痛いけど、幸せ…。」  
「そうか。それならいいんだ。」  
フェアリーは嬉しそうに微笑むと、制服を着ようとした。が、その体をヒューマンが押さえる。  
「ん?なぁに?」  
「いや、部屋に帰るつもりかい?」  
「んー、だって、部屋から出るの見られたら、色々言われそうだし…。」  
「そうか……いや、好きになってやることはできない。しかし、俺は君の初めてを奪ってしまったんだ。だから、せめて今晩くらい、  
一緒にいようかと思ったんだが…。」  
それを聞いた瞬間、フェアリーの目が今までにないほど輝いた。  
「まあ、無理にとは…。」  
「予定変更っ!このまま寝るねっ!」  
持っていた制服を放り投げ、ヒューマンに抱きつくフェアリー。その体を、ヒューマンは優しく抱き締める。  
「すまないね、こんな事しかしてやれなくて。」  
「ううんっ!そんなことないよっ!だって、好きになれないのに、こんな事してくれるんだよ!?やっぱり、ヒューマンってすっごく  
いい人だよ!」  
「……あばたも笑窪、とは言うものの、それもここまで来れば立派なもんだ。」  
呆れきった笑いを浮かべながら、ヒューマンはフェアリーを抱き締めたまま横になる。フェアリーは満面の笑みを湛え、その体に  
ぎゅっとしがみつく。彼の腕の温かさが、痛みを消し去ってくれる。  
疲れのせいか、いつもよりずっと早く、意識がベッドに落ちていく。だが、今日は一人ではなく、ヒューマンと一緒である。  
彼の暖かさを全身に感じ、眠るフェアリー。今この時の彼女は、世界で一番、幸せだった。  
 

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