「聖術がうまく出来ない?」  
パーネがオウム返しに聞いた質問に、ヒュム男はコクコクとうなずいた。  
クロスティーニ学園の職員室に、最近魔法学科に入学したばかりの男子ヒューマンが訪れていた。  
聖術が上手くいかないので、相談に来たのだ。  
・・・というのは嘘で、本当は他の生徒以上に聖術の出来はよかった。本当の目的は、パーネとの時間を作るためだった。  
こうして話している間にもヒュム男の視線はチラチラと白く細い首筋やみずみずしい唇、服で覆い隠しているものの豊かな  
大きさの胸、しなやかなくびれに視線がいっていた。  
「それじゃあ・・」  
一瞬でもそれらに気をとられていたのだろう、身を乗り出し顔を近づけたパーネにヒュム男は不意をつかれ、  
カッと耳まで赤くなってしまう。  
「聖術カリキュラム基礎はもう終わってしまいましたが・・・・熱心なあなたのために、特別に個人レッスンをします」  
柔らかい笑みと共に伝えられた「個人レッスン」の響きに心の中で小躍りするヒュム男。  
「あの」憧れのパーネ先生を短い時間とはいえ独占できるのだ。  
声を聞くだけで心拍数が上がるというのに、自分は一体どうなってしまうのか。  
「では放課後に・・・・そうですね、東館3階に空き教室があったハズです。そこで練習しましょう」  
パーネの言葉に首を立てに力いっぱい振り、二つ返事で元気よく「はい!」と言い返し、  
職員室からの退室ぎわに小さくガッツポーズを取ってしまうヒュム男。  
「ははは、大人気ですなぁ、パーネ先生」  
「ヴァシュラン校長・・」  
通りかかったのか、校長のヴァシュランが声をかける。  
「理由は何にせよ、学ぼうという強い意志を持つ生徒はどんどん伸ばしてあげたい。  
パーネ先生、よろしく頼みましたぞ」  
「ええ・・・・お任せください、校長。しっかりと『教育して』きますわ・・・」  
翳りのある笑みに、その言葉にある含み。この2つを察知できる者はその時職員室にはいないのだった。  
 
「え、先生・・・これって何なんでしょう」  
放課後、夕刻。意気揚々と空き教室に向かったヒュム男を待ち受けていたのは、まず目隠しだった。  
そして椅子に座らされ、数メートル離れた机の上に空きカンが乗っている。  
なんというか、期待してたのはパーネ先生に手取り足取り教えてもらうことで・・・。  
「聖術が上手くいかないのは、心の乱れによるものです。まずは視界という一番雑念の入りやすい部分をシャットアウトし、  
集中力を高めてあのカンをシャインで弾き飛ばすんです」  
「・・・これって授業のときより数倍難しいんじゃないですか・・?」  
聖術カリキュラム基礎の時は、不浄なる者、ゾンビのダミーを使い「穢れを祓う」ことをイメージさせシャインの練習をした。  
しかし今回は不浄な者でもない無機物、しかも目隠しつき。  
・・・アテが外れたなぁ・・・  
こうなればさっさとカンを倒して終わらせよう・・・とするが、やはりかなりの難度である。  
10回、20回と外した所で魔法力が尽きて来て息切れしはじめる。  
「うーん、ヒュム男君、ちょっと姿勢が悪いかもしれません。照準も、こう・・」  
と、不意にパーネが後ろから近づきヒュム男の姿勢を正し、指先の照準を直す。  
むにゅう。  
不意に、ヒュム男の後頭部に果てしなく柔らかいものが押し付けられた。  
それがパーネの豊かな二つの膨らみであると理解するや否や、一気に体温が上がった。  
鼓動が早鐘のようになり、指先が軽く震える。  
「どうしました?指先の照準がズレてますよ」  
「おあっ!?」  
むにゅ、むにゅ。  
身を乗り出そうとするパーネの胸が更に強く押し付けられ、もはや照準とか呪文とか綺麗に頭から消え去っていた。  
言葉を発することもままならず、加えて自分のあそこが大きくなってきてるのを察知し、必死に冷静さを取り戻そうとする。  
だが、遅かった。  
「・・・・ヒュム男君・・?」  
やや厳しい声色に変わったパーネの声に、ビクッと身をすくませるヒュム男。  
「これは何ですか?」  
「せ、先生ッ!?」  
既に小さくテントを張っている股間に、パーネの白く細い指が伸びる。  
その指が服の上からヒュム男のモノを触ったとき、ついに堪えきれなくなった。  
どくん!と一気に膨張し、隠しようがないほどズボンを持ち上げた。  
・・・終わった・・・俺、終わったわ・・・・  
股間のモノとは反対に、意気消沈するヒュム男。  
そのヒュム男に、パーネが追い打ちをかける。  
「聖術という神聖な術を行使するのに、不浄な所をこんなに大きくして・・」  
細い指がズボンの上から屹立したモノをこねくり回す。  
パーネ先生の指が自分のモノを触っている、という事実だけでヒュム男は達しそうだった。  
しかし、それこそ超えてはいけない一線。耐え切らねばならない。  
奥歯をかみ締め、絶え間なく送られてくる快感に耐える。  
「しかも教師である私に欲情するなんて・・・聖術を行使するものとして許されませんよ?」  
「ッ、あ・・・!先生・・・それは・・ッ!」  
耳元で囁き、優しくタッチする程度だった手は、服の上から強くモノを触ってくる。  
 
パーネの吐息が、耳元で聞こえる。甘い香りが鼻腔をくすぐる。  
思考を溶かされながら、ヒュム男は必死に耐えていた。  
「こんないけない生徒だったなんて・・・先生悲しいわ・・・」  
ズボンのチャックをおろすと、枷を失ったヒュム男の一物はぶるん、と姿を現した。  
すでにガチガチに硬くなっており、時折透明な汁を滲ませながらビクビクと震えていた。  
「ぱ、パーネ先生・・・!?や、止め・・・!」  
「ふしだらなあなたのココに、厳しい罰を与えなければいけませんね・・・」  
ついに、直に白魚のような美しい指が触れた。やさしく表皮を撫でさすると裏筋をなぞり、  
硬さを確かめるように柔らかく指で包み込んだ。  
そこで、我慢の限界だった。  
「く、はっ・・!先生、俺っ・・!」  
言い終わる前に、ヒュム男は精を解き放っていた。  
開放感と共に吐き出される大量の白濁。それはパーネの手のひらの中に溢れ、びちゃびちゃと美しい指を汚していった。  
それを吐き出すヒュム男の一物もまた白濁に汚れていく。  
「先生・・・その・・・すんません・・・・」  
何を言えばいいかもう判らなかったが、何故かヒュム男はそう口にしていた。  
不意に訪れる沈黙。荒くなった自身の息以外は聞こえない。その沈黙が何より痛い。  
が、そこで何かを舐めるぴちゃぴちゃという音が聞こえた。目隠しのせいで見えないが・・  
「パーネが何を舐めているか」に思い当たると、ヒュム男は口を開かずにはいられなかった。  
「せ、先生、まさか・・・俺の・・」  
「勘違いしてはいけません・・・ん、ぴちゃ・・・罰はまだ終わってませんよ?」  
声は、すぐ目の前から聞こえた。パーネの顔を見ることは適わないが、見えないが故に  
淫靡な笑みを浮かべたパーネが汚れた手を舐めとっている光景をヒュム男でも容易に想像することができた。  
「第一の罰です・・・しっかり受けてくださいね」  
すると、ヒュム男の顔に何かが押し付けられる。布地だろうか、それに濃い雌の匂いに、軽く汗の匂い。  
「判りますか?私の下着ですよ・・?フフっ」  
ぷつん、と。ヒュム男の理性が、飛んだ。このパーネというセレスティアの魅力に、この状況に、己の欲望に、ブレーキを  
かけることが出来る要素は既になかった。  
「先生、先生っ・・!」  
「フフフ、そうそう。たくさんお舐めなさい・・・犬のように」  
押し付けられた下着に夢中で舌を這わせる。呼吸は出来ないが最早関係ない。  
パーネ先生の汗の匂いが、味が、全てが甘露。思考をドロドロに溶かしていく。  
唾液まみれになろうと舌を這わせ匂いを嗅ぎしゃぶりつき吸い立てる。  
「ふふ、こんなに夢中になって可愛い・・・。こんな可愛いペットが欲しいわ・・・」  
ヒュム男の頭をやさしく撫で、下半身から絶えず送られてくる快感に恍惚とするパーネ。  
その時、無我夢中でパーネにしゃぶりついていたヒュム男が顔を不意に上げた。  
「せ、先生、俺、俺ペットでもいいから・・ッ!・・・!」  
「この先も一緒にいさせてくれ」とは言えなかった。最後のところで欠片の理性が踏みとどまった。  
この状況は明らかに異常である。もちろんパーネと一緒にできるならこれ以上ない幸せだが、  
この先の学園生活を考えると一抹の不安を覚えなくもない。  
しかしやはりパーネ先生との情事は捨てがたい。  
と、そこで天使のフリをした意地の悪い堕天使が悩むヒュム男の背中を押した。  
目隠しを取り払ってやり、天使の笑みを向ける。  
「・・・いいですよ。ヒュム男君。先生が飼ってあげます・・・ずっとね」  
くす、と相手の心を容易に蕩けさせる極上の笑みを贈る。言葉で答えはしなかったがヒュム男の顔が明るくなる。  
ヒュム男から見ればまさに天使の笑みであったが、ヒュム男がその下にある堕天使の歪んだ笑みを知ることはなかった。  
 
じゃあ、行くわね・・・んっ・・」  
座ったままのヒュム男にまたがり、パーネが肉棒をその身に埋めていく。  
ずぷずぷという感触と一緒に快感が打ち込まれていく。  
「くぁ・・・先生、最高です・・・っ」  
「ふふ、ヒュム男君ダメよ・・・?私はもうあなたの『飼い主』なんだから」  
一瞬呆気に取られるヒュム男をさしおいて、パーネは肉棒を根元までずぶりと呑み込んだ。  
それだけでヒュム男はまた達しそうになったが、これも必死に堪えた。  
「さぁ、どう言えばいっぱい飼い主に気持ちよくしてもらえるんでしょうね・・?」  
意地の悪い・・・少し堕天使の本性を垣間見せた意地悪な笑みで、腰をぐりぐりと回すパーネ。  
そのたびにヒュム男の思考は乱され、なんと言っていいのか判らないまま生殺しにされる。  
「飼い主への礼儀もなってない駄犬は必要ありませんよ・・・?」  
くすくす、と酷な事を言うパーネ。慌てふためくヒュム男だが、腰を上下させ始めたパーネにまたしても  
思考を邪魔される。と、唐突にヒュム男が口を開いた。  
「ぱ、パーネ様っ・・!」  
脈絡もなく発された言葉に、パーネも動きを止めるが・・口の端に笑みを浮かべると、ヒュム男に聞きなおす。  
「・・・もう一度、です。飼い主に聞こえるようしっかりと・・」  
「パ、パーネ様っ・・・!パーネ様の中に・・・出したいですっ・・・」  
その言葉を聞き届けると、非常に満足そうな笑みを浮かべパーネがうなずいた。  
「いいでしょう・・・・私の中への射精を許します」  
そう言うと激しく腰を振り、ヒュム男を責め立てる。ぎちぎちと膣が肉棒を締め上げ、ヒュム男から  
搾り取ろうとする。じゅぼじゅぼという淫らな水音が響き、今にも射精しそうなほど肉棒は膨張している。  
「くは、ッ・・!パーネ様っ・・!もう・・!」  
「ふふ、初めてにしてはよく我慢したほうです・・・。さあ、私の中で果てなさい・・」  
きゅうっ、と締めつけられたかと思うと、ヒュム男の肉棒からは大量の白濁は吸い出されていた。  
ありえないほどの、初めての快楽にヒュム男はありったけの精液をぶちまけ、そのまま消えつつあった  
意識に呑まれていった。  
 
 
「これで9人目・・・ね」  
気を失ったヒュム男を見ながら薄暗い部屋の中、手の中で小さな光を弄ぶ。これはヒュム男の魂の一部であり、先ほど  
果てる際に無防備になった魂から吸い出したものである。パーネがこれをもつ限りこのヒュム男はパーネの  
忠実な駒であり続けるだろう。  
「私のために・・・全ての世界を統べる神のために働いて下さいね・・・私の下僕(ペット)たち」  
月明かりの下、パーネは堕天使の顔を隠すことなく笑ったのだった。  
 

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