〈――いったい何だ、こんな夜中に……それほど重要な用件なのか?
声が変だ? あー、それは、寝入りばなにいきなり起こされたからであろう。
それだけのことだ、余計な勘ぐりは――
なに? お邪魔でしたかだと? べ、別に邪魔などされたわけではないぞ、
ただ眠っていただけだ。邪魔なわけが――
うん? だ、誰もおらん誰も! ここには某しかおらん!
だから余計な勘ぐりはするなと――
――あッ!? おい、どこを触っているのだ! 待て、まだ話が済んだわけでは、
ちょっと待てパウラ! だから触るのは止め――変なところを舐めるな!
確かに触るなとは言ったがだからといって舐めることは無〉
ブツッ、ツーツーツー……
「……人をセックスの出汁にするのは止めて貰えませんかねぇ……」
報告を諦めたマタイは暗い声で呟くと、やれやれとため息をついて通信機の電源を落とした。